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zoom RSS 雪夜叉伝説殺人事件 〜4人は殺されるだけの「罪」があったのか〜

<<   作成日時 : 2008/11/12 06:38   >>

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「金田一少年の事件簿」収録の雪夜叉伝説殺人事件より。


例えば、首吊り学園の話では、犯人に大いに同情する。被害者たちは殺されて当然の連中であり、犯人を追い詰めた金田一少年に対して文句を言いたくなるくらいだ。杓子定規が過ぎないかとね。
しかし、この雪夜叉伝説殺人事件は違う。さも被害者の4人は殺されるだけの理由がある悪党として描かれているが、本当にそうだろうか?

他の話でも、被害者に殺されるだけの落ち度がないものもある。しかしそういう場合、きちんとそのように描かれているし、犯人はそれなりに報いを受けている。
この話では、犯人は無傷で逮捕され、無期懲役だが早々に社会復帰もあり得るという。これにはどうも納得がいかないのだが・・・。

被害者は揃いも揃ってろくでもない連中である。性格は低俗だし、金のために資産家になりすますという犯罪を犯している。しかし、だからといって殺されて当然だというのはあんまりだろう。“殺されても別に構わない”とまでならともかく、“殺されて当然”とまでなったら危険思想だ。
犯人の物言いには共感できない。

犯行の動機は、“母親を助けなかったこと”である。彼ら4人が犯人の母親を殺したわけではない。助けなかったからといって殺されてはたまらない。
確かに4人の取った行動は誉められたものではない。人命救助よりも金儲けを優先したというのは人間として実に低劣である。しかも助けを求められてなおかつ手を貸さなかったのは、激しくマイナス。しかし、それでもだ。それでも、殺されるまでの理由にはならない。
冷たいようだが、彼らには人助けをする義務は無い。そりゃ、無くても人助けをするのが人情というものだ。しかし、あくまでも義務は無い。彼らの罪は死んだ人間を利用して大金を得たこと。決して犯人の母親を助けなかったことではない。

そもそも、誰が母親を殺したのかと言えば、航空会社に他ならない。事故の責任は航空会社にあるのであって、殺された4人にあるのではない。もしも殺すならば、責任ある人間を殺すべきなのだ。
被害者たちが低劣な人間だからうっかり騙されそうになる(私も最初読んだときは正当な動機だと思った)が、母親を助けなかった4人を恨むのと、現場に来るのが遅れた救急隊員を恨むのと、どれほどの違いがあるだろうか。
恨むなら、事故を起こした航空会社を恨め!

ちなみに、犯人の母親を押しつぶした瓦礫の重さを計測してみたところ、40s〜3トンの間と出た。
マンガは大概の場合パースを厳密にしない。ある程度正確ではあるが、あくまで見た感じ不自然でない程度であって、数学的に正確なパースを全ての場面で整えたら、あらゆるマンガ家はやっていけない。
測定結果に大きなばらつきが出たのはそのせいである。
さて、これでは検証が出来ない。というわけで、現実的な値で200s〜1400sというところだと思うのだが・・。
そうなると、5人で割ったら1人40s〜280s。ううむ、最低値なら5人がかりでなんとかなりそうだが、最高値ならば無理だろう。しかも1人は10歳の少女なのだ。まあ、母親を助けたい一心で、いつも以上の力が出せるとは思うが。

もしも4人が協力しても母親を助けることが出来なかったとすれば、犯人の罪は更に重い。4人はまさにとばっちりで殺されたも等しくなる。
私の測定結果はあまり信用できるものではないので、はっきりとしたことは言えない。・・が、4人協力しても助けることが出来なかった可能性は大きい。通常、災害救助というものは、重装備の人間や特殊な重機をもってするもので、スコップ程度で出来ることは限られている。体の半分以上が瓦礫に挟まれていたのでは尚更である。
まあ、このあたりは私の推測に過ぎないが・・・。災害救助にそれほど詳しいわけでもないし。

最後の検証は蛇足としても、この事件において被害者4人に殺されるだけの罪は無かったということは間違いないのではないか・・?
百歩譲って、彼らに殺されるだけの罪があるとしよう。その場合、航空会社の重役にも罪がある。それも、4人よりも遥かに重い罪だ。この事故が起こったのは20世紀末(21世紀という説もあるくらいだ)。あれほどの事故が起こったのは技術的なものではなく、整備ミスなどによるものだろう。整備ミスの多くは整備時間の短縮によって起こる。もしかしたら他の原因かもしれないのだが、十中八九、間違いあるまい。営利を優先して人命を軽んじた航空会社の重役にこそ責任があり、犯人の復讐のターゲットとして真っ先に挙げられなければならない連中なのである。
もしも十中の一だとしても、重役たちに責任が無いわけではない。少なくとも、殺された4人よりは重い罪がある。それだけは間違いない・・。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

金田一少年読んでたけど、一つ一つの事件の内容までは覚えていないなあ。こんな動機だったんですね。
「復讐」ってテーマはそそられますね。私なら、復讐相手が結構いい人で復讐するか犯人が葛藤して・・・ってストーリーの方が萌えます。
漫画や小説を読んでいて「え、こんな動機??」って思うときがありますね(自分の作品は自己愛により棚に上げて無視)納得いかない動機ならむしろ快楽殺人の方が納得がいきます(もちろん、架空世界での話ですよ)金田一少年で快楽殺人はなかったかな。少年誌だし、動機ある殺人がほとんどでしたっけ?高遠さんは、快楽殺人犯に近いのかな・・・??
みっちゃん
2008/11/12 09:57
理由といえば、いかなる理由があれ、殺人を正当化することはできませんね。
唯一正当防衛。相手を殺さなければ、自分が殺されていたという場合。
小説でも、ドラマでも、殺人動機にしては薄いとうのはあります。
とある小説のように、少女の手首を拘束して崖から突き落とそうとしたとか。女性を大勢で裸にして屈辱を与えようとしたとか。
これなら殺されて当然のレベルです。
私は小説でも、何の罪もない人があっさり殺されるのは、胸が痛みます。
なるほど。復讐劇はたくさんありますが、動機は重要ですね。
例えば『モンテクリスト伯』なんか、まさに復讐は当然。標的に何の同情も湧きません。
ドラマ『流星の絆』はどうなるのか。基本的に原作とは別物として見ています。両親を殺された三人の子の復讐劇に、複雑な恋愛が絡み合う。その辺は創作する人間のセンスで、ただの復讐ものにはしない。
しかしアッキーさんはあらゆる角度から見ていますね。
沢里尊
2008/11/12 18:55
みっちゃんさん、こんばんは。
私が小説を書き始めたのは中学生の時ですが、そのときに書いたうちの一つが「復讐」をテーマにしてるんです。いずれ焼き直して発表する予定です。何年後になるかわからないけれど、お楽しみに。あー、でもお眼鏡にかなうかどうか。
あくまで小説の中なら、快楽殺人鬼は魅力的だったりすることも・・。今書いている小説の主人公はまさにそれですし。「金田一少年の事件簿」でも放課後の魔術師(想像図)が妙に気に入っていたり。現実ではこんなに暴力を憎むのに、フィクションの中では血みどろが好き。これは現実と虚構をきちんと区別できているということでしょうか。
「金田一少年の事件簿」は、やはり少年誌の枠内ですね。もちろん傑作なんですが。主人公はあくまでも復讐を否定する。そこに何かしっくりこないものを感じてしまうんです。だから私は高遠が一番好きですねー。金田一少年が否定する人間の裏側を担当していると思います。
アッキー
2008/11/12 23:06
沢里さん、こんばんは。
冒頭に取り上げた首吊り学園の事件は、犯人の動機はかなり納得できると思います。恋人を面白半分に殺され、しかも殺した人間たちは何の裁きも受けず、反省もせず、のうのうと暮らしている。そんな話なんです。
「モンテクリスト伯」、やはり復讐の話と言えばこれですよね。他には「ダルタニャン物語」のモードント。私にとって復讐劇や殺人劇は麻薬みたいなものなんです。実際脳内麻薬が出てるかもしれない・・。罪もない人が殺されるのがダウナー系で、殺されてもいい連中・殺されて当然の連中が殺されるのはアッパー系。少女の手首を拘束して崖から突き落とすなどとんでもない。石つぶてで体をぶち抜いてやりましょう。・・・何書いてんだ、私は。危険人物と勘違いされるではないか。
真面目な話もしておかないと人間性を疑われてしまう。様々な角度から見るのはやはり重要ですね。事実の一面だけ見てると、真実を見失う。今回は上手く全面的に捉えることが出来たでしょうか。
アッキー
2008/11/12 23:27

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