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zoom RSS 雪影村殺人事件 〜真に許されざるは「誰」か〜

<<   作成日時 : 2009/09/24 23:21   >>

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「金田一少年の事件簿」Case4収録の雪影村殺人事件より。


かつて2週間だけ滞在した東北の雪影村。金田一少年は5年の時を経て再びその村へ足を運ぶ。彼を含めて8人の友人グループの1人、Hが自殺したという報せが入ったのだった。その葬儀の夜、遺体にそなえられた3本の矢が何者かによって持ち去られる。それが復讐劇の始まりであった。
雪の中でFが、部屋の中でAが殺され、やりきれない思いを抱えつつも金田一は犯人を推理する。

さて、ここで私は事件の動機について注目した。
@まず、Hは犯人(もちろんその頃は犯人ではない)との間に子供を身籠もっていた。
AFとAは犯人のことが好きだった。
BFとAは嫉妬から犯人とHが兄妹だと嘘を吐いた。
CHは兄妹で子を成すのは許されないと遺書を残して自殺する。
D犯人はFとAの会話からHの自殺の真相を知る。
E犯人はFとAを許されざる者として殺害。
F犯人はHの死は自分にも責任があるとして自殺を図る。

さて、ほんの小さなすれ違いや勘違いが取り返しに付かないことになった・・として締めくくられているこの事件だが、どうも納得のいかない部分がある。
真に許されざるのは「誰」か?
嫉妬から犯人とHが兄妹であると嘘を吐いたFとAか。確かに彼女らには罪があるだろう。しかしそれは殺されるだけの罪だっただろうか。
Hの様子がおかしいことに気がつけなかった、そして例の写真をうっかり見せてしまった犯人か。確かに彼は過失を犯したかもしれない。しかしそれは死に値するほどのものであっただろうか。
こんなことを述べるのも、真に許されざるべき者は他にいるのではないかと思っているからだ。
Hの父親? なるほど、あまり良い父親ではなかったようだ。Hの遺書も父親に対しての恨み言だ。しかし、違う。

Cに注目してもらいたい。
そもそも兄妹で子を成すことは、死ななければならないほど許されないことなのだろうか。はなはだ疑問である。
確かに世間一般的には近親相姦はタブーとされている。その理由は様々あるが、最も有力なのは「障害児が生まれやすい」ということだろう。しかしそれはあまりにも陳腐な障害者差別である。
確かに障害者を育てるのは困難である(私も精神障害で散々親に迷惑をかけてきたものだ)が、両者の合意の上で作ったのなら障害児だろうと産む義務がある。最近は出産前に障害児かどうかわかるらしいが、それで殺すことを選択する親は多い。一般的にはいろいろとあるだろうが、今回のケースでは2人は望んでセックスをし、Hは妊娠した。いったん2人が望んで子供を作ったのに、兄妹の間に出来たからということで子供を殺すなどということが、果たして許されることなのだろうか?
百歩譲って死を選ぶとしても、まずはパートナーに相談するべきではないだろうか。それほどに薄っぺらい愛だったのだとすると、犯人は哀れだし、FもAも浮かばれない。
許されざるは「誰」かと問われれば、自分の独善的な判断で自らと共に我が子を殺害し、伴侶を復讐に駆り立てたHであると思われるのだろうが、いかがだろうか。もっと言えば、近親相姦を異常にタブー視して迫害する世間の「常識」が今回の事件を引き起こしたとも言える。Hが自殺を選択したのは、そういった環境で育ってきたからであるのは間違いないのだ。


さて、ここからは私の勝手な想像になるが、あくまで「雪影村殺人事件」を切なく哀しい物語として覚えておきたい人は、この先を読まないでもらいたい。


よろしいかな。
















Hは、よく絵を描いていた。
よく、みんなを「観察」していた。
それぞれが最も輝いているときの表情を選んでスケッチブックに描けるほどに。
5年の月日が過ぎても、それが一目でわかるほどに。


Hは、知った。
自分の胎に宿る子は「罪」の子であると。
写真を見て、それが「真実」だと「確信」した。


Hは思った。
罪の子を産むわけにはいかないと。
この子を堕ろさなければいけないと。
そして「彼」とは別れなければならないと。


しかし、「彼」と別れた後、どうなる?
Fか、Aか、自分以外の女が「彼」の恋人となり、伴侶となり、子を成し、祝福される。
自分は、こんなにも、苦しんでいるのに。
許せない。
許せない。
Hの心に嫉妬と憎悪が宿る。


そうだ、「彼」に生涯消えない傷を付けよう。
そして、「彼」がFとAを憎むように仕向けよう。
あわよくば殺してしまうくらいに。
簡単だ。
簡単だ。


いつも、みんなを「観察」していた。
「彼」が夢に破れて絶望していたときにつけ込んで、コントロールした。
出来る。
出来る。
今度も出来るわ。





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