佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 強い善人を作ろう パート5

<<   作成日時 : 2010/03/24 12:05   >>

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維澄栞(いずみ・しおり) 「アンニョーン! ハーモニカ!」

アッキー 「ハシムニカです。」

維澄 「そうとも言う。」

アッキー 「苦情が来ますよ。」

維澄 「恐れるな。出口の無いトンネルは無い。」

アッキー 「いいセリフのはずなのに・・・使いどころを誤るとこうなるんですね。」

維澄 「さて、今回は予告通りテロリストについて語ることにしよう。」

佐久間闇子(さくま・やみこ) 「呼んだか下民ども。」

維澄 「これが悪い例です。」

佐久間 「おい貴様。」

維澄 「テロリストには大きく分けて2種類いる。“この世界は腐っているから全て破壊して新しい世界を作ろう”という傲慢で独善的タイプと、どうしようもなく追い詰められた挙句に選択したのが自分の命を捨てでも状況を改善しようとする破滅的なタイプだ。」

佐久間 「私は世界を破壊したくもないし、命を捨てる気も無いぞ。」

維澄 「そうだね、ただの自己中だね。」

佐久間 「聞こえんなあ〜。」

アッキー 「前者のタイプは、『デスノート』の夜神月とか?」

維澄 「概ね正しいな。前者と後者を見分けるコツの一つは、庶民を馬鹿にしているかどうかだ。自分の理想を理解しない人間を“愚民”と呼んで見下すのは駄目な方だ。アッキーが以前に所属していた組織も、そんな傾向があったんと違うか?」

アッキー 「まあ、そうかもしれません。しかし傲慢で独善的だというのは言い過ぎですよ。」

維澄 「マンガやドラマじゃあるまいし、完全にどちらか一方だけの性質を持った人間なんて少ないさ。」

アッキー 「後者のタイプというと、安重根ですか?」

維澄 「諸説あるが、概ねそうだろう。大日本帝国の侵略を阻止するべく、伊藤博文を暗殺したということだった。しかし彼の奮闘虚しく韓国は併合されてしまったがね・・・。」

維澄 「100年前のこともいいが、テロリストについて語るなら現代のテロリストについて語るべきだな。日本にはろくに情報が入ってこないから、憶測を避ける為に詳しくは語れないんだが・・。パレスチナで起こっている自爆テロについて少し説明しよう。」

アッキー 「パレスチナと言えば、イスラエルによって占領されているんでしたよね。封鎖されていて、酷い状況になっているとか・・・。具体的にはよく知らないのですけど。ドキュメンタリーなども幾つも観たはずなんですが、細かいところが思い出せない・・・。酷い状況だということはわかっているんですけれども。」

維澄 「落ち着け。1回で何もかも説明しようとするな。」

アッキー 「はい。」

維澄 「確かに社会的な事例の説明は難しいのだよ。自分が前提として知っているようなことを万人が知ってるとは限らない。しかし不十分でも語るしかあるまい。読者からの反応を見て、実践的に作っていくコーナーだからな。」

維澄 「パレスチナの人々が抑圧と戦い続けていたことは知ってると思う。本当は歴史的経緯から説明しなければならないのだろうが、今回は自爆テロに焦点を絞る。」

維澄 「まず最初に断っておくが、私は自爆テロを肯定しない。しかし否定する前に、自爆テロを行うまでに追い詰めた連中を糾弾する。」

アッキー 「自爆テロでは罪も無い市民が犠牲になっていますね・・・。」

維澄 「だから肯定は絶対にしない。しかし抑圧され虐められている背景を語らずに、自爆テロを行う人々を非難しても、テロは絶対に無くならない。最も重要なのは、テロリストを非難することではなく、テロが起こらないようにすることだ。“やってはいけません”なんて綺麗事は後でいい。そうやっていい子ぶる前に犠牲者を1人でも食い止めてみろということだ。」

維澄 「例えば、アッキーは酷い虐めを受けてきた。加害者を殺してもいい、あるいは殺さねばならないと思ってるな?」

アッキー 「もちろんです。1人くらい殺しておけば、もっと誇りを持って生きてこれたでしょうがね。」

維澄 「ここで、殺人はいけないことだと言うのは簡単だ。しかしそれでアッキーの無念は晴れない。パレスチナでは、アッキーの経験したことの何百倍もの悲惨なことが、何千倍もの規模で行われている。まずは、そういったことを知らなければならない。」

アッキー 「人間としての尊厳を回復するための戦い・・ですか? しかし罪も無い市民が犠牲になってることを思うと、どうしても引っかかるんですよ・・・。」

維澄 「だから私も肯定は絶対にしない。だいたい本人だって犠牲になるのが自爆テロなんだ。もちろん大まかには自分たちを抑圧する軍隊を標的にしているが、その際にどうしても無辜の犠牲が出る。だからといって、”やってはならない”と言えるか?」

アッキー 「それは・・・」

維澄 「ただ虐め殺されるだけの日々を送るくらいなら、巻き添えで無辜の人間が犠牲になる可能性を考えても実行しようと思わないか? 自爆テロを行う人々というのは、それくらい追い詰められているのだ。自爆テロを行う人々よりも豊かな暮らしをしている人間に、“やってはいけない”などと非難する資格があると思うか?」

維澄 「テロの被害に遭った無辜の人々は別だ。しかし9.11の事件でも、被害者遺族の中で確かな見識を持っている人は、中東ではなくアメリカ政府を非難している。非難するのは順序だてて行わなければならない。虐められている人間が事件を起こしたとしたら、その責任は虐める側にあるだろう。」

アッキー 「私も状況次第ではテロリストになっていたかもしれませんが・・・。関係ない人々を犠牲にするという部分で、どうしても引っかかるんです。」

維澄 「納得しなくていい。納得できる問題じゃない。人が死んでいるのに何で納得しなければならないんだ。私だって、自分で話していて、もやもやした嫌な気分になる。」

維澄 「言いたいことをちゃんと伝えることが出来たかどうか、いまいち不安ではあるが・・・。とりあえず、ここまでにしておこう。後は読者の判断に任せる。」

アッキー 「タイトルとはだいぶ別の話になりましたね。」

維澄 「そうでもない。アッキーは自分を虐めた人間を殺したいとは思っていても、その為に関係ない人を傷つけるのは承服できないと言った。そのモラルの高さは強みだ。モラルが低くなるのは弱さの表れだよ。アッキーのその強さは、恵まれた環境にいるが故の強さではあるがな。」

アッキー 「そうですね。先程も言いましたが、私も状況次第ではテロリストになっていたかもしれないです。秋葉原での通り魔事件のことを耳にしたとき、私が感じた恐怖は「自分も殺される恐怖」ではなく「自分も同じことをしてしまうかもしれない恐怖」でした。」

維澄 「最後に重ね重ね言っておくが、私はテロを肯定しない。しかしテロを根絶するためには、単純に実行者を否定するだけでは駄目だ。傲慢で独善的な馬鹿は論外だが、尊厳を踏みにじられ生活的に追い詰められた人々がテロに走るということを理解しておかなくてはならない。そういうテロリストもいるということだ。」

アッキー 「かつてなく読者の反応が怖いですが、それではまた次回・・・。」

佐久間 「くそっ、途中から私の出番が全く無かったぞ。」


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2014/08/03 05:00

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これまでのシリーズも興味深く読ませてもらいました。
テロリストと言えば、石川啄木ですね。彼の著作に「われは知る、テロリストのかなしき心を――」で始まる『ココアのひと匙』(URL参照)という詩があります。
啄木は晩年に(といっても若死にしたので20代ですが)ロシアの社会運動に共感するようになり、1910年に「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨を塗りつつ秋風を聴く」という歌を詠んだように、日本の朝鮮支配も批判的に見ていました。
『ココアのひと匙』が書かれたのが1911年、すなわち韓国併合の翌年にあたるということで、ここで描かれた「テロリスト」というのは、安重根のイメージも含まれていたのではないかと思われます。
安重根が獄中で著した「東洋平和論」のことが最近「世界」という雑誌に載っているのを見ました。彼は死刑宣告を受けた後、控訴しないから「東洋平和論」を書き上げる時間をくれと要求したそうです。しかし、彼の願いは聞き入れられず、まだ執筆途中のまま死刑が執行されてしまいました。さぞかし無念であったと思われます。
すすな
URL
2010/03/24 16:58
>すずなさん
「奪はれたる言葉のかはりに、おこなひをもて語らむとする」というのは心に響きますね。言論の自由が無くなれば、暴力が支配する世界になってしまう。
革命闘争に関しては、深く関わるほど迷うばかりです。結局は暴力なのだろうか・・・という問いは、常に自分の中にあります。
人間が他の生物と異なる、唯一の最も優れた存在である理由は、弱者でも豊かに暮らせることではないかと思っています。逆に言えば、そうでない社会は動物並みと言わざるを得ないでしょう。
ちなみに個人的には安重根、大好きなんです。中学の教科書で読んでファンになりました。100年も昔のことなので詳しいことを知らなかったのですが、タイムリーで注目されているんですね。
アッキー
2010/03/25 00:12

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