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zoom RSS スイート・メイプルスの勝利要因を研究する (メイプル戦記より)

<<   作成日時 : 2010/06/09 23:45   >>

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メンバーが女性で構成されるプロ野球チーム“スイート・メイプルス”は、ペナントレース初出場にして優勝するという偉業を達成した。メイプルスの戦力分析を行いながら、その理由を探っていくことにする。





◎攻撃力
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エドワーズと仁科を中心として、里見の俊足と若生の援護を含めた平均的な攻撃力。エドワーズ、仁科とも、ややムラがあるものの、ここぞという場面に強い。
広岡監督が守備に力を入れている為、攻撃力は高さよりも確実性が求められる。

◎守備力
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広岡監督の主義であり思想である「野球は守備」を反映させたと言える鉄壁の守備力。
内野を務める相本の4つ子は高柳コーチに「あまりに高い理想」と言われたことをこなすリズミカルな守備を行い、外野手の3名も広岡監督の要求水準を十分に満たしている。
投手陣は層が厚く、MAX163キロの本格派である神尾、宗教に傾倒することで精神力を高めるスコット、あらゆる変化球の使い手の芹沢が当初から一軍におり、打たせて取るピッチングを得意とする木村など二軍にも投手が多い。

◎走力
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打順1番の里見は「球より早く走る」と言われる程の俊足の持ち主。読売ジャイアンツ(巨人の星)の速水といい勝負だろう。それが攻撃力を底上げしている。
守備の方面でも足の速さや俊敏な動作が地味ながら縁の下を支えている。

◎知力
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優れた野球理論を持つ広岡監督と、綿密な情報収集を行う高柳コーチが中心となっている。互いに足りない部分を補って、高い戦略と戦術を展開する。
時々は変なこともやらかすが、運良く選手にとってマイナスにはならない。

◎結束力
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広岡監督のカリスマ性を中心に、和気藹々としたムードで結束している。なあなあの関係ではなく、言うべきことは言う。高柳コーチや立花社長の心配りも貢献度は高い。
いわゆるチームワークというよりは、仲間意識または家族のような関係ということだろう。

◎特殊能力
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芹沢の“ハクション大魔球”やスコットの宗教パワーなども特筆すべきことだが、チーム全体としても他の球団には無い優位性が存在する。女性で構成されているために、メンバーは体が柔らかく、疲れにくい筋力を持っている。その為に負傷などで戦力を落とすことが少ない。
神尾は染色体はXYだが、中1日の休みでピッチングを行って26アウトを取るなど、女性的な柔らかい筋肉の持ち主であると推察される。逆にエドワーズは染色体XXだが、やや男性的な筋肉の持ち主ではないだろうかと思う。





メイプルスは極端とも言える守備力偏重のチームである。しかしペナントレースで優勝できた最大の要因は、その守備力によるものではない。女性で構成されているということで、メンバーが柔らかい筋肉を持っているということである。
トーナメントである高校野球ならともかく、リーグ戦であるペナントレースでは、この他球団には無い特殊能力が極悪なまでに威力を発揮する。普通は疲労や負傷、練習中の故障などで、ペナントレースを全てベストメンバーで戦うことは不可能である。しかしメイプルスは殆どの試合をベストメンバーで戦うことが出来るのだ。これは大きすぎるアドバンテージである。
このことは、オープン戦でリンクスを6-0でシャットアウトしたことに示されている。また、神尾を欠いたときに23連敗を喫していることも、最大戦力でなければ決して強くないということを表しているだろう。
最初の方で既に、一巡したら簡単には勝てなくなったり、中盤でタイタンズ相手には負けることが多かったりしている。
すなわちメイプルスは最大戦力だけで言えば決してリーグ最強ではない。しかし、パ・リーグも含めた13球団の中で、最も最大戦力を維持できる球団なのだ。それが優勝の最大要因である。

家族のような結束力で、チーム内に妬みや猜疑心などが存在しないということも挙げておこう。例えば千葉マリナーズ(ワンナウツ)は渡久地の策略で分裂したが、そういうことはメイプルスには無かった。
小早川との絡みで神尾が失踪したこともあったが、チーム内での不和とは異なるものである。そのことが復帰後に即座に勝利したことに表れている。
宝塚ファンの立花オーナー、食堂を担当する立花社長、忍者の部下を持つ高柳コーチ、小心者のようで実はカリスマである広岡監督と、球団ぐるみで家族のようなコミューンを形成しているのである。
こうした独特の結束力は、守備力と同じくらい優勝に貢献したのではないだろうか。

投手について補足しておこう。
エースピッチャーである神尾は投球時速160キロで初回から最終回まで投げられる本格派。グリフィンズ戦で完全試合を達成したパーフェクトピッチャーでもあり、前述の通り柔らかい筋肉を持つ恐るべき投手。ただし精神面では脆いところもあり、小早川の件で行方をくらましたことがあった。しかしマウンドではフーリガンの攻撃にも全く動じないという強さも持っている。彼女が優勝に貢献した度合いは大きい。なにしろ160キロ前後の投球を9回裏まで続けられる上に、疲れにくく負傷しにくいというのだから、対戦相手にとっては脅威だろう。鼓オーナーが小早川の件を仕組んだ理由には、彼女を潰す目的も含まれていたかもしれない。
芹沢は日本人としては珍しくナックルを投げることの出来る投手である。ナックルはそれ自体が魔球と呼ばれるほどのボールだが、カウントを悪くしやすく四球になりやすいという欠点がある。また、作中でクローズアップされていないことから、芹沢のナックルは完璧なものではないと思われる。二宮(ちかいの魔球)の分身魔球、星(巨人の星)の大リーグボール3号、水原(野球狂の詩)のドリームボール・・・“揺れる”魔球は多い。星と同じく球質が軽い彼女だが、魔球を開発することで補って余りある活躍を見せた。

結論から言うと、ハクション大魔球というのは時速200キロのナックルボールなのである。1球ごとに変化し、しかも直線ではなく縦横や回転の変化をする。これこそが決して打たれない理由であり、1試合に3球しか投げられない理由でもある。単なる直球ならば、彼女の軽い球はタイミング次第では打たれる可能性もある。しかし複雑な動きをするナックルは普通でも打ちにくいのに200キロともなれば言わずもがなである。
強力な技ほど使用回数は限られるというのは、よく言われることである。作中でもベホマズンやバハムートに喩えられている。例えば165キロを投げる倉井(ワンナウツ)は、30球しかスタミナがもたない。
体力を消耗する投法だと言われているが、もう少し正確な表現を使えば、体を痛める魔球ということになる。豪速球投手は腕を痛めやすいが、球速が凄まじいほど筋肉や腱、関節を痛めやすいのは承知の通りである。また、毛細血管にもダメージが大きい。広岡監督がこの魔球の特性を見抜いて球数を制限していなければ、芹沢も星と同じように短い投手生命だったに違いない。

最後に広岡監督について挙げておく。
ファンから“ウナギのような性格”と言われているように、なかなか掴みどころのない変人だ。一見したところは単なる気の良いお姉さんにしか見えないが、柔軟な思考と固い信念を持ち、高い知性と怠惰な性質を併せていて、小心者でありながらカリスマでるという、なかなか複雑で深い人物なのだ。
守備力を極度に重視しており、かつて豆の木高校で野球部の顧問を務めたときは、選手権で殆どの試合を1-0で勝ち抜いて自らの理論を実証した。タイタンズとの戦いで毎回1点ずつ取って9-8で勝利したのも彼女の作戦である。
神尾の恋、仁科の夫婦対決、芹沢の魔球開発などが目立ったが、この作品の主人公は広岡監督ではないかと思う。


それでは今一度、メイプルスの優勝に拍手を送ろう。

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