佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 決闘迷宮 31   Avatar−Z 冬の朝

<<   作成日時 : 2014/05/12 00:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 7

◆ ◆ ◆



おい、デュエルしろよ



◆ ◆ ◆



誰が言ったか忘れたが、「敗北から学ぶことは何も無い」という言葉を聞いた覚えがある。
どういうつもりで言ったのかは知らないし、頷けるかどうかは言った者の人格や状況にも左右されるだろう。
それにまあ、こういうことは多くの人間が似たようなことを言ってるとは思う。

僕としては概ね賛成だ。
例えば棋士が将棋で負けたとき、敗因を研究して次に備えることは出来る。否定派の根拠は、大体そんなところだ。具体例を挙げて、反例を挙げて、数学的に否定する。
けれど僕は、それって勝者の側も出来ることじゃないかと思うのだ。棋譜は敗者だけが手に入れられるわけではない。勝者の方が、次なる敗北を恐れて強い気持ちで研究できるかもしれない。

敗北から学ぶことなど何ひとつ無い。
強いて言えば、次に負ける方法を学べるくらいか。要するに負け犬根性のことだが。

とはいえ僕は、敗者は学ぶことは無いとは思わない。
敗北そのものから学ぶことは何も無くても、敗者が学べることはある。敗者のにみ可能な学び方は無くても、それは学ぶことが無いことにはならない。
敗北から学ぶことは無くても、世界から学べることは多い。多すぎて困る。

そんなことを考えるとき、思うことがある。
勝者と敗者では、どちらが精神的に優位なんだろうか?
負け続けることで、負け犬に成り下がる者もいれば、劣等感をバネに強靱な精神力を手に入れる者もいる。
勝ち続けることで、調子が良くなる者もいれば、次は負けるのではないかという恐怖で壊れてしまう者もいる。

実のところ、僕は大して壊れていない。
壊れていても、そんなに壊れてるわけじゃない。
普通の範囲内で多少壊れているだけだ。
特別ではないし特殊でもない。異質でもなければ異常でもない。悪辣にもなれないし悪党にもなれない。
ごく普通で平凡な小市民で、それ以上でも以下でもなく、ただ悪い奴なだけで大物ではない。

どこにでもいるし、そこにだっている。
どこにいてもいいし、いなくても構わない。
フツーってこと。フツー。
ふてくされるのは嫌だし、ふてくされる奴は嫌いだ。そういうのと一緒にされるのも嫌い。
嫌いな奴を排除したい、ただの人間であって、他の何者でもない。

悪党になれるのは、例えば久藤誠司みたいな人物を言うんだろう。
傷つきやすく繊細で、逃げなかったから壊れてしまった。
けれども間違えてはいけない。彼は強いから壊れたのだ。弱ければ逃げていたのだから。

そして僕は逆に、弱かったから逃げられなかった。
強いから壊れた彼と違って、弱いから壊れた。
だから壊れ方も大したことないし、未だに弱く、脆く、惨めなままだ。

本物の“壊れた者”は、普段は真っ当だ。
壊れていることに気付かれないし、自分で壊れていることもわからない。
ここぞというときに壊れっぷりを発揮して、そのギャップで僕たちを萌えさせてくれるんだ。
僕のように一発で壊れているとわかる奴なんて、ぜんぜん大したことない。ぜんぜん普通で、ぜんぜん平凡だ。

僕は恐れられたい。
嫌われるより、恐れられたい。
恐れられるのは、好かれるのと似ている。


そんなことを考えながら、僕はマサキの体を切り刻んでいた。
マサキは細身に見えるが、それは着痩せするからで、脱いだら結構がっしりしている。体重は70キロ以上はあるはずだ。非力な僕は、マサキをDホイールに乗せることすら出来ない。悲しいね。
しかし、こんなこともあろうかと、糸鋸を用意しておいて良かったぜ。
・・・すいません、嘘です。たまたまリストカットする為に持ってきただけです。

もちろん時間は止めてある。人間は首を切られても15秒くらいは生きている。“停刻”なら、その15秒を永遠の長さに引き伸ばすことが出来る。
バラバラ死体ならぬバラバラ生体をDホイールに乗せて、僕はアジトへ戻る・・・前に、ちゃんとベーター・アンからカードを回収しておいたよ勿論。
ベーター・アンのボディを分解して、内蔵してあるカードも回収する。もったいない精神というやつだ。
その間にマサキが意識を取り戻してくれれば良かったんだけど、ベーター・アンにエロ同人みたいなことをされたのが、よっぽど激しかったらしい。ちょっと見たかったな。

何しろ、僕がベーター・アンを精巧に作ったのは、マサキと結婚させようと思っていたからなんだ。僕のせいで、マサキと高見沢円の恋愛は破綻した。謝って済むことじゃないから、せめて代わりを作ろうと思ったんだ。
ベーター・アンもマサキが気に入ったらしく、僕は少しだけ気が楽になっていた。
けれどマサキがベーター・アンをお気に召さなかったというか、別に好きな人がいるというか、とにかく僕はマサキの気持ちを全然わかってなかったということだ。駄目だなぁ。きっと僕は駄目な奴なんだ。死ねばいいのに。
だから僕は、ベーター・アンを処分することにしたのだ。苦労して作った割には、壊すのは簡単だったな。何事も作るより壊す方が簡単だってことだね。


アジトへ戻ると、いつも見かけるメンバーと共に、新顔が増えていた。
“バーディー”が連れてきた、瓶底メガネのソバカス少年。アカデミア出身の、エドモンド・ホワイトだ。
彼は何故か悲鳴を漏らして真っ青な顔をしていた。僕にも人に恐れられるだけの貫禄がついてきたってことかな。

それについて考えるより先に、マサキの体を元に戻しておこう。
ベッドの上で、“逆刻”を使って肉体を繋ぎ合わせ、“停刻”を解除して完了だ。
そうそう、僕の“逆刻”は死者を蘇らせるほどの力は無い。あくまで物理的状態を元通りにする程度だ。
たとえ生き返らせることが出来たとしても、“停刻”は使ったけどね。
マサキを殺すなんて、生き返らせることが出来たとしても絶対やりたくない。誰だってそう思う。

おっと、完了じゃないや。マサキの年齢を19歳に戻しておかなくちゃ。
母さんの“呪い”で、マサキはデュエルに敗北するたびに老いてしまう。

僕に出来ることは本当に少ない。老化を対戦相手に伝播させないこと、年齢を元に戻すことくらいだ。
“黒薔薇煉獄”を発動したときの魂への痛みを、和らげることさえ出来ない。
しかも僕が施した細工のせいで、いっそう痛みを激化させてしまっている。
これでマサキが罪悪感を抱かずにデュエルできると、喜んでいた自分を殴りたい。

僕が余計な細工を施さなければ、“黒薔薇煉獄”を使っても、ここまで消耗することは無かっただろう。
命に別状は無いみたいだけど、しばらくマサキは動けそうにない。
エドモンドの処遇を僕が決めるわけにはいかないし、どうしたものかな。
連れてきたはずの“バーディー”は何故か見当たらない。どこへ出かけているんだろう。

エドモンドと言えば、愛称はエディだ。
そこから僕は、どうしてもエディアカラ紀を思い出してしまう。

高校時代に、わかりやすい覚え方を考えたことがあった。
クリオゲニアン紀は、栗を投げにあん紀。
エディアカラ紀は、エビや殻紀。
カンブリア紀は、寒ブリ焼き。
オルドビス紀は、折るとビスッ紀。ビスッてのは擬音ね。
シルル紀は、知るるか。巻き舌がポイントだ。
デボン紀は、デボンッと水に落ちる。
石炭紀は、咳痰紀。
ペルム紀はペッるむ紀。痰を吐くように言うのだ。
三畳紀は、恐竜たちが参上紀。
ジュラ紀は、じゅらっ!紀。受話器をウルトラマンみたいに叫ぶように言う。
白亜紀は、はっ!くわっ!紀。
第三紀は、恐竜たちが退散紀。
第四紀は、人類出現だよ〜ん紀。

こんなことを思い出している間に、エディが僕を見つめて何かを思い出したようにハッとしていた。

「あの、もしかして、どこかで会ってませんか?」
「会ってるよ。6年くらい前に。」
「あ、あのときの!」

どうやら僕のことを思い出したらしい。
それよりも、一緒にデュエルしていた少女のことを思い出すべきだと思うんだが。
何で彼女を差し置いて僕なんかを思い出すんだ?
あのときの僕は、単なるモブキャラに過ぎなかったというのに。

「僕たちを助けてくれた女の人の、息子さんですよね!」
「そうだよ。久しぶりだね、エディ。」

なるほどね。母さんの息子ということで、僕を覚えていたんだ。母さんのインパクトは凄いからな。
どうりで僕なんかを覚える為に脳のメモリを無駄遣いしているわけだよ。もったいない、もったいない。
母さんが凄いから、僕の印象まで濃くなり、一緒に戦った少女の印象が薄くなったわけだ。
戦友を思い出すのは時間の問題としても、これでは僕が虎の威を借る狐みたいじゃないか。

まあ、このチーム・ブラックにおける僕の状況は、“タイガー”の威を借る狐のようなものか。
マサキの親友だからこそ、みんな僕に優しく接してくれているのだ。このチーム内で僕は暴力を振るわれたこともないし、不愉快な口を利かれたこともない。みんな優しいなあ。
基本的に僕と会話するのはマサキだけだ。人見知りする僕は、よく知らない人と話すのが苦手で、おそらくマサキが根回ししてくれたのだろう、僕に話しかける人は殆どいないし、いても短い時間だけだ。

小学校時代は、僕が本を読んでいるときに話しかけてくる奴がいた。もちろん友達ではない。
よく知らない芸能人の話をされて、その人は知らないと答えると、驚き呆れられた。そこから家で何してるのかとか、プライバシーに踏み込んでくるようなことを訊かれ、すっかり焦った僕は言われるがままに答えてしまい、それをネタに嘲笑されたりした。
そういうことが血みどろの暴力より嫌いな僕は、何度も死んだような気分になった。

それだけが理由ではないが、このダンジョンではマサキに頼るしかない。
僕は弱いから、マサキのような強い奴の庇護下にいるのが似合っている。
本当は、肩を並べて歩けるくらいになりたいんだけどねぇ。もちろん同情や憐憫でなく。対等に。
ダンジョンの最新情報でも持っていれば、もっと役に立てるんだけど、僕の知ってるのは7年前の情報で、現在とは幾らか違っている。それを補整するべく、マサキは毎日のように探索を続けているのだ。

「エディを連れてきたのは“バーディー”だよね?」
「あ、はい、そうです。」
「彼女、どこへ行ったか知ってる?」
「え、えと、あ、“タイガー”を探すって言って、出て行きました。」
「そっか。入れ違いになったんだ。」
「あ、じゃあ、あなたが“タイガー”?」
「それは“タイガー”に失礼だよ。よりにもよって僕なんかと間違えられたら、彼の名誉に傷がつくじゃないか。」
「あ、ご、ごめんなさい。」

萎縮させてしまったみたいだ。
しかしマサキの名誉の為だ。致し方ない。

「じゃ、じゃあ、あの人が・・・?」

エディはベッドに横たわっているマサキを見て言った。
マサキは精悍な顔を天井に向けながら、じっとりと汗ばんでいた。
汗の似合う男が好きな人には、たまらない光景だ。これが読者サービスというやつだな。

「そうだよ。彼が“タイガー”だ。」

今のところ男しかいないアジトで、マサキは貴重な読者サービス要員だ。
エディもマニア受けしそうではあるが、読者サービス要員としては微妙なところだ。
もちろん僕などはファンサービスどころかマインドクラッシュ要員なので論外だ。悔しいですねぇ。

「強いんですか?」
「もちろん。僕と違ってデュエリスト能力抜きでも強い。最近も11人を同時に相手にして一方的に蹴散らした。」
「それって、11対1ってことですか?」
「その通り。映画のタイトルみたいだね。あの映画は好きなんだ。」

好きな理由は色々あるけれど、僕が挙げるとしたら、理性的なところを挙げたい。
どれほど差別的で偏見に満ちた人間であっても、論理と弁舌の前に屈服する。ありえない理想を、リアリティを以って描いてくれる、実に痛快な映画だ。
どれほど現実が劣悪でも、ひとつの虚構が心を救うときもある。巣食うときもあるけどね。

「そうですか・・・。」
「エディは、あの映画はお気に召さない?」
「あ、えと、優れた映画だとは思います。でも、やっぱり世の中、口が上手い人間が勝つんだなと思うと・・・。」
「なるほど、そういう捉え方もあるか。」

きっとエディは口下手なことで苦労してきたんだろうな。
口が上手い人間が勝つというのは、ひとつの真理だ。
ろくに反論が出来ない人間は、いつまでも悪い気分を引きずってしまう。ずるずる。ずるずる。

「しかし、彼は勝ったわけじゃない。人を助けたんだ。勝ったのは、無実の罪を着せられた人の方だよ。口下手だが、勝ったと言えるだろう。」
「な、なるほど・・・。」

僕も殺されかけたところをマサキに助けられた。マサキがいなければ、精神的に死んでいた。
となると、僕は勝利したということなのかな?
大河柾という男と親友になれた時点で、僕は人生の勝利者ではないのか?

もちろん今でも死にたくなることはあるし、吐き気を催す記憶は消えない。
けれども、マイナスが消えないことがプラスを否定することにはならないし、心に傷を負った人間が幸せになれないわけでもないのだ。

ただ、今度は恐怖が湧いてくる。
マサキが僕を嫌いになったらどうしようという恐怖だ。
どうしようもないね。どうしようもない。

これが杞憂ならいいんだけれど、マサキが僕を憎んでいるのは確かだからね。憎む理由もわかっている。
僕とマサキの間にある、歪んだ友情の黒い糸は、正しくなったら千切れてしまう、脆く汚れた糸なんだ。
正しいことは嫌いだなあ。正しいだけで、つまらないことは。

「あの、ところで、ボクとデュエr」
「それはさておき、将棋でも指さないか?」

我ながら、不動遊星に叱られそうな発言だ。
闇のデュエルで人が死ぬより、よっぽど衝撃的な発言だろう。

「しょ、将棋ですか?」
「囲碁でもチェスでもいいよ。」

チェスは死のゲームと言われている。死んだ駒は蘇らない。何となく西洋らしい発想だと思う。
将棋はデュエルモンスターズと似ている。死んだ駒が蘇る。これは東洋的発想と言えるだろうか。
囲碁は取られた石で陣地を減らされる。死んだら人の迷惑になるという、これまた東洋的発想だ。

3つのゲームに共通するのは、勝利の為には犠牲も辞さないということだろうか。捨て駒に、捨て石。まるで人類社会のようだが、勝ち負けなんてゲームの中だけにしてほしいものだ。
そう思ったことは何度かある。そうではないと思ったこともある。

「あ、あの、デュエルでは、駄目なんですか?」
「僕なんかとデュエルするよりも、まずは“バーディー”とデュエルするべきだ。理由はデュエルすればわかる。」

エディの人生は光の道であるべきだ。僕なんかの出る幕じゃない。
・・・そうだろう、レイザ?

「“バーディー”・・・あの子、強いんですか?」
「おそらく、このダンジョンにおける最強のプレイヤーだろうね。“タイガー”は彼女と3回デュエルしたが、1度も勝てなかった。」
「ええっ・・?」

チーム・ブラックの人数は、現在20人ほど。

束ねているのはマサキの力でも、集めたのは“バーディー”の力だ。



◆ ◆ ◆



やや時を遡って、去年の12月25日。

『オレを仲間にしてくれ!』

そんな第一声を発したのは、青い帽子を被った少女だった。
声こそ少女のものだが、口調や格好は少年のようだった。短パンとスニーカー、半袖の青いシャツ。
この真冬に何て格好だと、ここが地上ならマサキも言ってただろう。
冬でも摂氏15度程度が保たれているデュエル・ダンジョンでは、動きやすい服装の方がいい。

マサキは黄色のシャツに、使い古したジーンズ。裾が破れていてカッコイイ。
僕は寒がりなので、黒いシャツの上にジャケット、下はジーンズだ。

『お前を?』

マサキが少し顔を赤くした。
きっと脚線美に見とれたんだな。
それとも、かすかな胸の膨らみを見ていたのだろうか。

『足手纏いにはならない。きっと役に立つ。』

彼女の顔は真剣だった。
それを見てマサキも咳払いして表情を整えた。

『そんなことは二の次だ。ハンパな覚悟でないってんなら、2つ・・・まずは俺とデュエルだ。』
『いいぜ。あんたとは一度やってみたかった・・・!』

2人はデュエルディスクを展開した。
やけに楽しそうで、それが羨ましかった。


『『デュエル!』』


タイガー:LP8000
バーディー:LP8000




- - - - - -



デュエルが終了し、マサキは彼女の力を認めた。
そして。

『お前の目的を聞かせてくれ。』

マサキの問いに、“バーディー”は拳を震わせて答えた。


『ダークネス・エイジを倒し、姉さんが奪われたものを取り戻すこと。その為にオレは、ここに来た。』


彼女は怒りと悲しみを瞳に映していた。
マサキは無言で彼女を仲間にすることを認め、彼女もまたマサキの表情を読み取って手を出した。
2人は握手を交わし、互いに笑みを浮かべた。

そして僕は、彼女の姉に会ってみようと思ったのだ。





というわけなんだよ、レイザ。
君の前に僕が現れたのは偶然ではない。全ては君の努力の結果だ。

僕なんて実に単純なものだよねぇ。
それに比べてレイザ、君は複雑だ。相反する2つの結末を、それぞれ強く望んでいる。
何かを望んだときに、それに反する感情も同時に芽生えるのは人間の基本的性質だが、君の場合は双方への思い入れが同程度だ。
どちらでもいいわけではなく、どちらも同時に叶うような・・・二律背反ここに極まれり、だな。

「わたしは単純よ。本当は、わたしこそが・・・」

そうかな。
それも確かに間違っていないんだろうけれど、君は既に諦めてしまってるのではないのか?

「・・・っ!」

本当は恋愛なんかする気は無いくせに、カップルを見て羨ましがったりする。
そういう現象に見えるんだけどな。

「で、でも、羨ましいと思うのは本当よ・・・。」

何が羨ましいのかな。
恋人がいることが?
それとも、恋人がいることが幸せだと思えることが?

「・・・っ!?」

心が薄汚れてしまった人間は、恋人が出来ても幸せになんかなれない。
恋人も所詮は他人だからね。
君の心を理解できずに、傷つけるようなことを言ってしまうかもしれない。
それに耐えられるのが普通の人間だけど、薄汚れた人間は耐えられない。
まあ、混沌の闇のような君の心を分析すること自体が滑稽なのかもしれないが。

「・・・・・・ありがとう。」

礼を言われるようなことなど何ひとつしてないよ。
だいたい、僕が“逆刻”を完全に使いこなせていれば、君の若さだけでも取り戻せたんだ。
恨まれこそすれ、感謝される筋合いは無い。
もっと早く助けに来いと、思わなかったはずはないだろう?

「・・・それでも、ありがとう。・・・・他に正しい表現があるかもしれないけど、多分これが一番近いから。」

僕みたいな奴に感謝の言葉を与えない方がいいぜ。
もしも僕が少しでも“いい奴”に見えるのなら、自分の認識を疑った方がいい。

星なき無明の夜に剥かれる牙は、それが微かな光に見えることすらも、あるのだからね。





テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
決闘迷宮   目録
◆ ◆ ◆ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2014/05/12 00:01

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
フハハハハ! さあ、今日の最強カードの名を呼べ!
《邪神イレイザー》は嬲る相手が多いほど滾る!
そして、死なばもろともの寂しがり屋のようだな!
気に入ったぜ・・・女ァ!
闇マリク
2014/05/12 00:00
火剣「敗北から学ぶことは何も無いか。失敗から学ぶものは何も無いという言葉も聞いたことがある」
ゴリーレッド「これも本人次第で、もちろん敗北や失敗から学ぶものは大きいし、『勝った時に次の敗因を積むこともある』という勝負論がある」
コング「勝って兜の緒を締めよ」
火剣「連戦連勝のチームが試合で追い込まれてボロボロのグダグダになった時、解説者が呟いた。『負けたことがない人間の脆さが出ましたね』」
ゴリーレッド「強いから壊れたのが久藤誠司か」
火剣「コングはいつ壊れた?」
コング「壊れてない」
火剣「弱いから壊れた・・・神邪が弱いとは到底思えないが」
コング「自分で壊れたことに気づいていないのはヤバイ」
火剣「激村のことか。ここぞというときに壊れっぷりを発揮する」
ゴリーレッド「壊れてない」
コング「嫌われるより、恐れられたい。名言だ」
火剣「その気持ちわかるな。嘲笑されるよりも怖がられるほうがいいからな」
コング「エロ同人みたいなことって、どんなだ?」
ゴリーレッド「お、エドモンド・ホワイト登場」
火剣「逆刻とか停刻とか、ついていけねえ。にのまえか?」
コング「6年ぶりの再会。あれ、神邪とエディは心が通じ合うのではないか?」
火剣獣三郎
2014/05/12 22:10
コング「タイガーと間違えられただけで、この嫌悪。謙虚とも思えない本音。神邪の深遠は果てしない。僕と多少趣味は違うが話は合うかも」
火剣「汗は読者サービスになるな。汗まみれで息を弾ませるヒロインは絵になる」
コング「サービスというならやはりバーディーのナイスバディを魅せるしかない」
ゴリーレッド「黙りなさい」
火剣「再び名言炸裂・・・どれほど現実が劣悪でも、一つの虚構が心を救うときもある・・・これぞ文学の役目だ」
ゴリーレッド「巣食うこともあるから諸刃の剣ではあるが」
火剣「逃げることも必要だ。学校では『逃げるな』と教わるかもしれねえが、自殺するなら逃げるほうが百倍正しいと言いたい」
コング「姉レイザもそんなに厳しいのか?」
ゴリーレッド「神邪だからこそわかる心、見える心があるのではないか。苦しみの底でしか見えない人間の真実がある。だから、苦しみの底に沈んだことがある人間は、絶対に死んではいけない」
ゴリーレッド
2014/05/12 22:22
コング「バーディーとデュエルすればわかる?」
火剣「チェスは死のゲーム。将棋とデュエルは生のゲームか?」
コング「闇デュエルは性のゲーム。ぐひひひ」
ゴリーレッド「エルボー」
コング「痛い!」
火剣「薄汚れた人間というと、言葉が悪いが、劣等感を持った人間は、その劣等感をくすぐられると、破裂するんだ。暴言吐いて自分で火をつけておきながら突然激怒されると驚く。そんな人間は多い」
コング「激村か?」
ゴリーレッド「違う」
火剣「そうだ。激村の胸中は常に怒りのマグマだからな。ガスが充満している状態だということに気づかずに喧嘩を売って点火する奴は、犠牲になる。俺は何度も目撃した。突然豹変するんだ。今まで静かに談笑していたのが、いきなり素早く立ち上がり、髪を掴んでテーブルに頭部を叩きつけ、尻餅をつく顔面にキック! ダウンするとイスを振り上げて鬼気迫る殴打連打殴打連打!」
ゴリーレッド「知らない人が聞いたら、ただの危ない人ではないか」
火剣「それだけ心に傷を持っている人間はデンジャラスってことよ。人を舐めないほうがいいぜ。俺様のように温厚な紳士ばかりじゃねえからな」
コング「ぐふふふ」
火剣「ギャグは飛ばしてねえ」
ゴリーレッド「でも神邪は詩人だ。『もしも僕が少しでもいい奴に見えるのなら、自分の認識を疑った方がいい』」
コング「じゃあ疑おう」
火剣「いい奴っていうか、深い男だ」
コング「不快男?」
ゴリーレッド「やめなさい、洒落にならない」
火剣「星なき無明の夜に剥かれる牙は、それが微かな光に見えることすらも、あるのだからね・・・ハードボイルド風味を醸し出している」
コング
2014/05/12 22:40
>火剣さん
神邪は敗北の経験が心を蝕んできたので、敗北を忌み嫌う感覚が強いです。しかし、ある意味それも“敗北から学んだ”ということかもしれません。自分で言うほど弱くはないと、様々な方面で言われる神邪・・・後にマサキも触れることになります。
ちなみに逆刻や停刻は、そう言えばアニメだけの用語でした。原作よろしく“時間の巻き戻し”や“時間停止”という表現を使った方がわかりやすいかも・・・。ネーミングがカッコイイので気に入ってるのですが。

佐久間「何を以って敗北とするかにもよる。」
山田「戦争が起きた時点で誰もが敗北してるという論もあるな。」
佐久間「神邪の思う敗北は、心の敗北だ。単に悔しい思いをしたとかいうレベルでなく、頭をよぎるだけでパニック発作を起こし、今の生活に支障が出る、“活かせない敗北”。これは経験者にしかわからんだろう。」
八武「戦場から戻ってきた兵士のカウンセリングで、パニック発作で所構わず頭を打ちつけて獣のように叫び続けた人がいた。話を聞くと、『ここでなら発作を我慢せずに済んで嬉しい。家や街中ではどんなに苦しくても我慢しなければならないから生き地獄だ』と・・・そんなことを言うので、防音の利いた病室へ入れた。何度か自殺を図ったけれど、監視カメラがあったから早く処置できた。いじめやパワハラの被害者でも、似たようなのが何人もいた。」
維澄「比ぶれば、勝利し続けた者が1度や2度挫折するのは、それすらも次の勝利へ繋がるステップか・・・。やるせない話だ。」
アッキー「しかし、挫折を知らない者が一度挫折すると脆いというのも、本当ですけどね。ベテランの先生が、その典型みたいな生徒を担当したときのことを話してくれたことがありました。」
維澄「うん。やはり、簡略化すると両方とも一理ある言説・・・複雑な諸要素を抜きにしては語れないね。」
アッキー
2014/05/12 23:03
>ゴリーレッドさん
しょこたんの言葉が印象的ですが、逃げる選択を知ってることは必要ですね。逃げても破滅するときだけ戦えばいいと思います。
レイザは後々にサブテーマの一端を担ってくることになりますが、真相が明かされてから再び読んでもらえればと思います。神邪は事情を知っており、レイザの心境に感じるものがあるのでしょう。切り札の1つであるブック・オブ・ザ・ワールドを渡しているあたり、かなりレイザを気に入ってます。

佐久間「私の持論は、死ぬことが敗北だ。肉体的には勿論、精神的に死ぬことも敗北だ。生きる為に、逃げて逃げて逃げまくる。泥水を啜ってでも生き抜いて、屈辱を与えた奴らに逆襲する。それが勝利だ。」
山田「前と言ってることが違わないか。」
佐久間「違わない。逃げても破滅するなら戦って死ぬべきだと言ったことはあるが、それと今言ったことは矛盾しない。勝つ為に逃げるのは敗北じゃない。自分の生き方から逃げるのが敗北なんだ。」
八武「戦場帰りの兵士の話だが、同じ経験をした者同士を引き合わせて、話をさせると、驚くほど回復した。今も回復していっている。自分は独りじゃないと思えるのは、不幸中の幸いだねぃ。」
維澄「読書も選択肢の1つだと知っておくことは大事だ。今はインターネットもあるが、それでも自分と近しい人と出会えるとは限らない。そこで本から探す。何だかんだで自分と全く同じというのは無いから、部分で同調するものを多く集めて、自分が満たされればいい。もちろん同調だけでなく、感動があればそれでいいと思う。人の評価はとりあえず置いといて、自分が何を思ったかを大事にしたいんだ。」
佐久間「栞の経験だったのか。」
維澄「人間の心は隙間だらけで、ネットでふと目にした何年も前の記事が心を打つこともあった。苦しんでる人は、自分の言葉が誰かにとって価値あるものだと信じていいと思う。」
アッキー
2014/05/12 23:32
>コングさん
まさしく神邪は、心の中が火山状態。それでいて欺瞞を嫌う潔癖さがあります。“悪いことしてるけど根はいい奴”だと思われたくないプライド。“深い”という評価が最も合ってるように思えます。

佐久間「深い人間は、浅い人間から不快に思われるものだ。絶対とは言わんが。神邪を嫌う奴が浅いとも限らないし。」
山田「逆に、深い人間も軽薄なタイプを嫌うな。」
佐久間「その観点で言えば、神邪はあまり人を嫌わないんだ。そこは私と違うところ。」
維澄「佐久間も何だかんだで人好きするタイプだと思うが・・。」
佐久間「嫌悪を隠すのが上手いだけだよ。地殻が厚いんだ。」
山田「そうなのか?」
佐久間「要するに神邪は不器用なんだなぁ。好意を伝えるのも、嫌悪を隠すのも、下手くそだ。」
八武「サトラレは好意もストレートに伝わる分だけマシかね?」
山田「マシとは言えないかも。」
維澄「劣等感の他にも、対等に話したいのに見下されたらというのがあるね。ある活動家のグループで、お茶汲み扱いされてキレたことがあった・・・。」
佐久間「お互い暴力人生だな。キレてないのは死根也くらいか。」
八武「可愛い女子をいたぶる方面へ転化されるから。」
山田「こいつこそ危ない。」
佐久間「さて次回からバーディー編だ。」
アッキー
2014/05/12 23:57

コメントする help

ニックネーム
本 文
決闘迷宮 31   Avatar−Z 冬の朝 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる