佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘迷宮 54   Rabbit−Z 奪われたプライド (後編)

<<   作成日時 : 2014/06/07 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



難しく考えるな。雑念に耳を貸すな。
ボクはプライドを奪われてきた。それを取り戻す。それでいい。

人を殺すのは悪いことだ。
だからどうした。

ボクを人間扱いしなかった奴を、人間とは認めない。



ラビット:LP400、手札0
場:
場:欲望に染まる闇の世界(フィールド魔法)

ポーン:LP26000、手札0
場:地雷蜘蛛(攻4400)、人造人間−サイコ・ショッカー(攻2400)、スナイプストーカー(攻3000)、ルーレットボマー(攻2000)
場:気紛れな闇の世界(フィールド魔法)




「ボクのターン、ドロー!」

来た。来た。ついに来た。
ボクが待ち望んでいたカード。ボクのデッキの、ゾンバイアと対を成すフェイバリットカード。

好きなカードを入れるのは、勝負に真剣でないと言われる。
けれど今は、そんな雑音も気にならない。

このカードは、ボクに勝利をこたらしてくれるのだから。



「魔法カード《カップ・オブ・エース》発動。」



カップ・オブ・エース (魔法カード)
コイントスを1回行う。
表が出た場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。
裏が出た場合、相手はデッキからカードを2枚ドローする。




「ぎゃはははは! あんた馬鹿じゃないの!? わたしのデッキにはカードが3枚残ってるのよ!? それともデッキ枚数が40枚でカウントしてたぁ!? バーカ! わたしのデュエリスト能力で裏を出して、わたしが2枚ドローさせてもらうわ! そして次のターンの総攻撃で終わ・・・・・・・・・・」

キャサリンの顔が、みるみる青くなった。

気付いても、もう遅い。



デッキワンサーチシステム (特殊ルール)
決闘中に1度、自分のターンのメインフェイズにデッキからデッキワンカードを手札に加えることができる。
この効果を使った場合、相手はデッキからカードを1枚ドローする。




《カップ・オブ・エース》で裏を出して、キャサリンがカードを2枚ドローすれば、ボクはデッキワンサーチシステムを発動する。するとキャサリンはカードを1枚ドローし、デッキは0枚になる。
ボクはターンを終了すればいい。キャサリンはデッキからカードを引けなくなり、敗北する。


「こ、こんな・・・・!」


最初から狙っていたわけじゃない。
デッキ枚数をカウントして、キャサリンのデッキが41枚しかないことに気付いたのだ。
おそらく元のデッキに闇の世界を投入したんだろう。

確かにデッキは、40枚に近い方が強いとされる。
あまり多いと、キーカードが引きにくくなり、回転力が鈍るからだ。
けれど、これはキャサリンのミスだ。

結局ボクは、キャサリンより強くはなれなかった。
強くはなれなかったが、勝つことは出来る。


「2枚ドロー! 更に《カップ・オブ・エース》を発動! 2枚ドロー!」

「こんな・・・屈辱・・・・!!」


ラビット:LP400、手札3
場:
場:欲望に染まる闇の世界(フィールド魔法)

ポーン:LP26000、手札0
場:地雷蜘蛛(攻4400)、人造人間−サイコ・ショッカー(攻2400)、スナイプストーカー(攻3000)、ルーレットボマー(攻2000)
場:気紛れな闇の世界(フィールド魔法)




バーディーの姿が見える。

白い翼。


阿修羅 レベル4 光属性・天使族
攻撃力1700 守備力1200
このカードは特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。
このカードは相手フィールド上に存在する全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。

オネスト レベル4 光属性・天使族
攻撃力1100 守備力1900
自分のメインフェイズ時に、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事ができる。
また、自分フィールド上の光属性モンスターが戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。



これはボクの怒り。ボクの修羅。
そしてバーディーの翼。


オネスト レベル4 光属性・天使族
攻撃力1100 守備力1900
自分のメインフェイズ時に、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事ができる。
また、自分フィールド上の光属性モンスターが戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。



ボクではキャサリンに勝てなかった。
この力はバーディーから貰った力だ!



《阿修羅》 (攻1700→6100→10500)



ポーン:LP26000→18900→10400→2300→0



「※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※」


デュエルは終了した。

ボクは勝利した。


「※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※」


何か言ってるけど、本当に聞こえない。

いじけるのは今日が最後にしよう。
うじうじするのは、これで最後にしよう。

人を憎んで、心が逆立って、心に巣食う憎しみというモンスターに敗北し続ける・・・そんな人生は嫌だ。
もう終わりにしよう。

これからは優しくなろう。
人を憎まなくてもいい。気を張らなくてもいい。おかしいと思われるようなことをしなくていい。


バーディー!

バーディー!

ボクが君を助けたら、君の名前を教えてくれるかい・・・?



◆ ◆ ◆



おやおや、エドモンドは、闇に沈んでいくキャサリンを見届けることもしないようだ。
よっぽど“バーディー”を助けたいんだろうね。可愛いなあ、もう。

しかし僕としては、嬉しい気持ちよりも悲しい気持ちの方が強いかもしれない。
エドモンドは、憎しみを捨ててしまった。憎悪を飼い馴らすことを放棄したんだ。

いや何、それが逃避だとか妥協だとか言うつもりはない。ただ寂しいだけさ。
・・・少しばかり、仲間意識を感じていたんだ。いじめられた被害者として。

けれど、僕とエドモンドは全く違う人間だった。これっぽっちも似ていない。
彼は憎しみを捨ててしまえる側の人間なんだ。たかが、あれだけの勝利で?

ふざけるなと言いたくなるのは、お門違いなんだろうけど、僕は残念で仕方ないよ。
僕みたいな奴が増えないのは嬉しいけど、ここまで簡単に憎しみを捨てられると、別の感情が湧いてくる。
さっきから、ドス黒い感情が止まらないんだ。

せっかくエドモンドが未来へ向かって歩き出したというのに、駄目だな、僕は。
寂しいとか、惨めだとか、そんな感情が湧いてくる。

どうしたって憎しみを捨てられない。憎しみに心を食われてしまった。そんな人間に救いは無いのか?
ねえレイザ、君ならまだわかるかな。僕はもう、わからない。

憎しみを捨てた人間は、憎しみを捨てられない人間を嫌悪し、辛辣な侮辱の言葉を吐きつけるかもしれない。
今のエドモンドは恐いよ。僕と話していた純朴な少年は、いなくなっちゃったんだ。

・・・それも君の思い通りなのかな、レイザ。どうなっても思い通りだし、同時に思い通りじゃないんだろうけど。



◆ ◆ ◆



「“ポーン”が葬られたぁ!?」

“ビショップ”ことラティ・ストライプは、蒼白の様相で訊き返した。
その口を“ナイト”ことマーチ・スカイヘルが塞ぐ。

「しーっ! チェルシー様に聞かれたらどうする!」
「そ、そうね・・・。でもぉ、いずれはわかってしまうことよぉ?」
「ああ、わかっている。拙者も困ってるのだ。」
「だからぁ、わらわに相談してるってわけぇ? とりあえず“ルーク”も呼び戻しましょう。」

「もう来てる。」

“ルーク”こと、クリア・ハットマンが立っていた。
まだ“バーディー”に負けたショックを引きずっている様子だ。顔色が悪い。

「何か名案あるぅ?」
「無い。・・・でも、犯人を始末してから報告すれば、チェルシー様が暴走することはないと思う。」
「うむ。」

いつになく饒舌な“ルーク”に、“ナイト”は頷く。

「名案でなくてもベターなところだ。・・・しかし、チェルシー様の悲しみを想像するだに余りある・・・。」
「誰に葬られたのかぁ、記録は残ってないのぉ?」
「それが、相手も闇の世界を使っていたようで、不鮮明だ。」
「もしかしてぇ、タスクフォースの本部長なんじゃないのぉ・・?」

“ビショップ”が震えながら言う。

「あの子はぁ、多少カードの使い方に難はあるけど、そうそう負けることなんて考えられないわぁ。」
「確かにそうだ。チェルシー様の妹君だけあって、我々の中では最も強い。やはり・・・。」


そこへ、月島泰斗から放送が入った。

《諸君! 諸君! チェスの駒の諸君! 君たちも“バーディー”を追いたまえよ! 何をグズグズしてるんだ!》

「月島泰斗か! 我々はチェルシー様の直属だ。チェルシー様以外の命令は受け付けない!」

《キャサリンが死んだことを、チェルシーにバラされたいのかい?》

「・・・っ、貴様!?」

《大丈夫だ! 私は君たちの味方だ! 闇のゲームで闇に沈んでも、戻ってこれた事例はある! 私に任せろ、必ずキャサリンは復活させてみせる! だが、その代わりといってはなんだが、君たちには協力してほしいと思うのだよ! わかるか!? ああそうそう、キャサリンを倒した奴も私は知っている。“バーディー”を捕らえた後で教えてあげよう。グンナイ! 投げキッス、ちゅ〜!》

最後の一言で吐きそうになりながらも、3人は希望が持てた。
月島泰斗に従うのは癪だったが、“バーディー”を捕らえることに抵抗は無い。
彼女は能力者相手に無敗であっても、決して無敵ではない。
デュエルで足止めして、制圧部隊を待てばいいのだ。


3人はダンジョンに繰り出し、他方向から“バーディー”に迫っていった。



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内 容 ニックネーム/日時
今日の最強カードは《カップ・オブ・エース》!
デッキからカードを2枚ドローできるカードだ!
アルカナは光! 当然正位置ぃいいい!
斎王琢磨
2014/06/07 00:00
コング「こんな・・・屈辱・・・! キャサリン。負けちゃうと何だかかわいそうな気もするが」
火剣「バーディーへの愛の力が勝ったか」
ゴリーレッド「キャサリンは嫌悪が裏目に出た。心底蔑んでいる相手に反撃されると冷静さを欠いてしまう」
火剣「シンヤの言葉は重い。『彼は憎しみを捨ててしまえる側の人間なんだ。たかが、あれだけの勝利で?』」
ゴリーレッド「ドス黒い感情。一生消えない傷。まるで仲間に裏切られた気持ちになってしまい、それが正しくないと思っても止められない感情」
コング「そう。悪いことと知りながらやめられない欲望がある。シャイな清らかヒロインが真っ裸にされてしまった時の真っ赤な顔はかわいくて。マッパと真っ赤はやめられませーん」
ゴリーレッド「行き着く先はわっぱだ」
コング「僕よりも先に月島泰斗を逮捕するべき。ぐふふふ」
火剣「脅迫も得意か月島泰斗」
ゴリーレッド「エディはこれからどこへ向かう。バーディーと結ばれるというミラクルは起きるか」
コング「シンヤが心配だ。シンヤこそわっぱに最も近いかもしれない」
火剣「孤高の戦士の道をゆくか」
コング「♪ゆーけー、荒野を、おいらー、ボクサー」
ゴリーレッド「誰も知らない」
コング「力石徹だ。みんな知ってるね?」
火剣獣三郎
2014/06/07 10:50
>火剣さん
奪われたプライドを取り戻したエディですが、ここからバーディーと結ばれるまで行くのか、それとも・・・?
エディには少なからず共感を寄せていたシンヤですが、実は違う種類の人間だとわかって、胸がジリジリしています。私も、自分と同じタイプだと思っていた人が、実は全然違うとわかって、こんな感情は自分勝手だと思いつつも、胸の痛みが消えないことがありました。それは何度もぶり返します。

八武「落ち込んでるときに色々と考えるのは危ない。忘れかけていたことまで思い出してしまう。」
アッキー「しかし考えてしまうんですよねー。考えることを止めることが出来ない。シンヤやアルドと同じです。」
佐久間「寝るしかないな。眠ってる間は神経がマシだ。」
山田「負けてしまうと可哀想に思えてくるのは俺だけではなかったか。」
佐久間「まあ、キャサリンは人格の程度が低いってだけで、それを悪人と呼ぶかどうかは別の話なんだなぁ。」
八武「エディにとっては不倶戴天の仇でも、第三者にとっては違うからねぃ。」
佐久間「ああ。実際に対峙したら容赦することはないとしても、キャサリンを最も憎む権利があるのはエディだから。」
山田「60枚デッキなら、エディは負けていたか。ビショップやナイトの評価も、あながち間違いじゃないか・・・。」
佐久間「相手を嫌悪してると視野狭窄になる。それはアッキーも同じだがな。キャサリンを嫌悪してるから、《ネクロフェイス》の存在も忘れるんだ。」
アッキー「ぐ・・・面目ない。」
山田「教訓だな。」
八武「つまり女子の裸は、一部だけでなく隅々まで見るべきだということだね。広い視野!」
山田「おまわりさん、待機してください。」
アッキー
2014/06/07 20:25
ツヲ「おお!見事だ、エドモンド。君とバーディーが並び立ち、勝利したか。好きなカード、強いカード、そんなのは人の勝手。本当にそのカードが好きなのならば、そのカードを活かせるデッキや戦い方を工夫すればいい。いいぞ、エドモンド。君は大切なことを分かっている。さあ、先に進もう。バーディーが待っている。」
白龍「デッキワンサーチシステムは強制効果か。なるほど。引くことが出来る、と引くの違いは大きい。」
ツヲ「エドモンドは優しさに包まれたか。うん、それでいい。…しかし、恨みは残ったか。困ったな…。」
白龍「キャサリンが闇に飲まれたことで、チェルシー側に広がる動揺。」
ツヲ「殺し合いには憎しみの連鎖がついてまわる。エドモンドは背負いもしないと言ったけれど、足元から這いずり出して追いかけてくる。それが憎しみだ。気を付けろ、エドモンド。戦いはまだ続くんだ。」
千花白龍
2014/06/15 16:26
>千花白龍さん
キャサリンの能力を逆手に取って、《カップ・オブ・エース》を使いこなしたところは、我ながら上出来でした。後は《ネクロフェイス》とギア・フリード+ギルファーを組み込めていれば稀に見る出来だったなァ・・・。
そんなわけで作者的には不本意でしたが、エドモンドとしては自らの憎しみに呑まれることなく勝利し万々歳。チェルシー側が不穏ではありますが、はてさて?

佐久間「強いカード、弱いカード、そんなの人の勝手。」
八武「本当にデュエルが好きなら、エロいカードで戦うべき。」
維澄「いいわ、エディ。大切なことわかってる。先に進みなさい、オネストが君を待っているよ。」
佐久間「ようこそ、男の世界へ・・・!」
八武「あれ? 打ち合わせと違うよ!?」
山田「チェルシーVSエドモンドは、ありうるか?」
佐久間「可能性は十分あるが、チェルシーが万全の布陣を敷いてきたら、勝つのは難しいなァ。」
山田「だが、ゼロじゃない・・・。だろ?」
佐久間「ああ。エディは決して弱くない・・・ツヲが強さを発掘したように、今までは強さを発掘する奴がいなかっただけだ。」
維澄「しかしギルファーコンボは面白い。エドモンドのパワーアップでありながら、同時に攻略法にもなっている。」
佐久間「まさに“強さはそれ自体が弱点”ってやつだな・・。上手く出来てる。」
アッキー
2014/06/15 21:53

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