佐久間闇子と奇妙な世界

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<<   作成日時 : 2015/02/28 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



さて、今度は1年前だ。

全世界デュエリスト能力者大会が行われていた頃。



- - - - - -



闇のデュエル組織“カンサー”に所属している者は、基本的に人格が破綻している。
中でも“混沌派”は最も酷いと言われるが、そこに闇坂伸久郎も名を連ねていた。

「きぃん、こぉん、かぁん、こぉん・・・」

朝の日差しが眩しくなる頃。
胡乱な目つきの伸久郎は、女に馬乗りになって殴っていた。

「あぐっ・・・も、やめ・・・」

殴りながら、犯していた。

「きぃん、反応が鈍くなってきたな。」

彼は女の首に手をかけた。

「は、ぐっ・・・うっ・・・」

首が締まっていくと共に、女の顔から意識が失われていく。

「いつもながら、この感触は好き・・・きぃ、きぃ、きぃん・・・」

がっくりと女が事切れた。

伸久郎は死体の中へ射精した。

「ふぅ・・・。」

このような鬼畜の所業も、この都市では合法。
日常茶飯事の、当たり前の光景だった。

“混沌派”には、20の都市が存在する。

地下都市、船舶都市、迷宮都市、食肉都市、海底都市、剣戟都市、悪魔都市、外道都市、科学都市、金属都市。
神聖都市、鎮魂都市、強権都市、観劇都市、無人都市、亜空都市、未来都市、天空都市、機械都市、暗黒都市。

このうち、闇坂伸久郎が統括するのは、自ら名乗る“外道都市”。
レベル−1から−5までの能力者を駆り集めた、マイナスの都市だ。



「きぃん、や、来たか神邪(しんや)くん。」

午後になって、伸久郎が呼び寄せた人物が現れた。
中性的な顔立ちの、弱々しい体躯。胡散臭い笑顔を浮かべている少年。

「きぃん、相変わらず胡散臭い顔してるな。」
「今回の用件は何でしょうか。」

神邪は顔色を変えずに、本題に入った。

「きぃん、また愛人が孕んだんで、その始末。」
「了解しました。」
「きぃん、これで何人目だぁ。女ってやつは、どいつもこいつも、子供が出来ると態度がでかくなる。」

伸久郎の愛人を始末するのは、これで14回目だ。

「きぃん、世の女どもは、少しは竜堂様を見習ってほしいものだ。男に何かを要求するのではなく、男が進んで尽くしたくなるような、そんな女になるべきなんだよ。そう思うだろ?」

大きく溜息を吐きながら、伸久郎は与太話を続ける。

「きぃん、弱い女は駄目だね。この前に強姦した女なんか、その後で自殺してしまったし。まったく情けない。きぃん、わたしは自殺する奴って嫌いだな。命を粗末にする、最低の馬鹿だよ。」
「それでは任務に参ります。」

どうやら他に任務は無いようなので、神邪は頭を下げて退出しようとした。
ところが、伸久郎は口元を歪めて呼び止めた。

「おい、待てバカ。本題はこっちだ。デュエリスト能力者大会のことは知ってるな? 手頃なプラス能力者を100人ほど狩ってこい。もちろん商品価値を失わせないままにな。きぃん、言ってる意味わかるよな?」
「はい。まだ敗北していない能力者を、敗北させないまま誘拐してくるんですね。」

無表情のまま、神邪は答える。

「・・・きぃん、相変わらずリアクション薄い男だな。良心の呵責とか覚えないのか?」
「いえ、特には。」
「あっそう。まあ、どっちでも同じことだ。きぃん、神邪くんの存在価値は、どんな汚い仕事でも100パーセント遂行する、その一点のみにあるってこと、忘れるなよ。」
「わかっています。」
「きぃん、念の為に言っておくけど、これは神邪くんに対する温情だってことも忘れてないな? 神邪くんの生活費は“混沌派”で捻出してるわけだから、その分だけ働いてもらうのは当然のこと。Win−Winの関係というには、ちょっと神邪くんに条件が有利かかもしれないな。」
「そうですね。ありがたいことです。」

適当に相槌を打ちながら、神邪は伸久郎の顔を眺めていた。

「きぃん、どうした? わたしの顔に何か付いてるか?」

「いえ、どうして泣いているのかと思いまして。」

「きぃん? 泣いている? ・・・お、これは気付かなかった。何で涙が出てるんだろう・・・・・・何で・・・・・・?」



- - - - - -



どこかで仮面が笑っていた。

何人もの人生を狂わせて、仮面は力を蓄えていた。




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内 容 ニックネーム/日時
火剣「外道の街・・・何かハードボイルド小説のタイトルのようだ」
コング「ハードボイルドにエロ要素を加味した官能サスペンスを制作しろ」
火剣「うるせえ」
ゴリーレッド「基本的に人格が破綻している?」
火剣「性格破綻者は何人か見てきたな。激村とか短ライとか」
ゴリーレッド「親友を悪く言うものではない」
火剣「親友じゃねえ」
コング「きぃん、こぉん、かぁん、こぉん。闇坂伸久郎がここまで壊れていると思わなかった」
火剣「殴りながら犯して殺す?」
ゴリーレッド「コングでもそこまではしない」
コング「人を性格破綻者のように言うでない」
火剣「このような所業もこの都市では合法って待て。合法でたまるか」
コング「日常茶飯事の当たり前の光景? 色魔界よりも酷い」
ゴリーレッド「神邪?」
火剣「伸久郎の与太話は聞いていられない」
ゴリーレッド「命を粗末にする馬鹿とは自分のことか?」
コング「ドウドウ。そんなマジになっちゃアカンがなあ」
火剣「良心の呵責とはどの口が言う」
ゴリーレッド「神邪の存在価値とは失礼だ」
火剣「神邪が界隈に来るまでどれだけ虐げられた青春だったか」
コング「界隈は楽園。皆平等。約二名暴力で言論の自由を妨害する皇帝がいるが」
ゴリーレッド「なぜこんなところに日本刀が落ちているんだ?」
コング「ダッシュ!」
火剣「涙? 仮面? 神邪の淡々とした無表情とつながりはあるか」
火剣獣三郎
2015/02/28 10:21
>火剣さん
とことん壊れている闇坂伸久郎です。都市の治安には、トップの性格が出ていますね。
この街を舞台に一本書くとすれば、R18ハードボイルドサスペンスになることは間違いないでしょう。

佐久間「地下都市に続いて、迷宮都市、船舶都市、そして外道都市。」
山田「どんどん酷くなってねえか・・・?」
維澄「それだけ竜堂眸が誠実だったということだね。」
佐久間「誠実というか、オーソドックスかなぁ。他の都市のモデルとなる以上は、あんまり変なもん作れない。他の都市も竜堂眸の趣味が反映されていることは間違いない。」
八武「この頃はまだ、神邪くんはカンサーの仕事をさせられていたんだったね。」
山田「仕事自体が既に犯罪だが、この扱いも酷すぎる。何だこの物言いは?」
神邪「しかし闇坂さんは、まだ優しい方でした。」
山田「優しくない。・・・それだけ他が酷かったということか。」
神邪「カンサーだけでなく、“会話”にすらならない連中が世の中ごろごろいますからね。以前に食ってかかってきたランク能力者なんかもそうでした。渡る世間よりカンサーの方がマシですねぇ。」
山田「性格が荒んで当たり前だな。」
神邪「界隈へ辿り着いたのは、奇跡としか思えません。」
佐久間「界隈で会話が出来る。」
山田「誰が上手いこと言えと。」
アッキー
2015/02/28 22:06

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