佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘少女ホーリーナイト   (パートB)

<<   作成日時 : 2015/03/29 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



時刻:AM 8:27
場所:都蘭布高校、1−C


「ねえ、昨日の彼って、彼なの!?」
「どこまで進んでるの?」
「告白どっちから?」
「彼のどこが好き?」
「もう初エッチとか・・・きゃー!」

昨日の懸念に違うことなく、えみるは質問攻めに遭っていた。
何故か男子たちは遠巻きにチラチラと様子を窺っている。

「え、あの、違うよ。緋色くんは彼氏とかじゃなくて・・」

その言葉に、男子たちが反応して体を揺らす。
中には安堵の息を吐く者もいる。

「でも呼び捨てにしてたよね?」
「彼氏じゃなくて既に夫婦!?」
「きゃー!」
「いや、諸君、これは兄妹とかいうオチですよ。」
「禁断の兄妹愛!?」
「きゃー! きゃー!」

女子たちは勝手に盛り上がっている。
えみるは顔を赤くして「違うよ」「違うよ」と首を振るが、その間にチャイムが鳴って、ホームルームの時間となった。



◆ ◆ ◆



時刻:PM 4:48
場所:黒須えみるの自宅


「はぁ、何とか誤解は解けたかな・・・。」

あれからも休み時間のたびに質問攻めに遭ったので、えみるはくたくたに疲れていた。
しかし心地良い疲労だった。

(学校って、楽しい。)

賑やかで充実した時間。
それが何よりの報酬だ。

アンジュレーションは金銭的なサポートはしてくれるが、給料は出ない。
それでも頑張る意欲が際限なく湧いてくるのは、みんなの笑顔を守りたいという思いがあるから。
悪に対する怒りと、平和を尊ぶ慈愛の心。それらが果てしないパワーを与えてくれる。


「えみる、お使い頼まれてくれる?」

母親の美雪(みゆき)は、今年で41歳になる。
長い黒髪を束ねてサイドテールを作っており、それがよく似合う若々しさだ。
えみるの少女らしい瑞々しさとは対照的な、大人の女としての色気を漂わせている。

「いいよ、どこへ?」

容姿こそ似てないが、声質や明るい雰囲気が、母娘であることを示してくれる。
えみるの西洋風の容姿は、祖母の隔世遺伝らしいと、以前に聞いたことがあった。

「新装開店したスーパーに・・・あ、地図書くわね。」



◆ ◆ ◆



時刻:PM 5:13
場所:???


「おっかしーな・・・。地図だと、このへんのはずなんだけど・・・。」

えみるは困った顔で、再び地図を眺めた。
自分が間違えてるのか、母親が書き間違えたのか、ともかくスーパーは見当たらない。

寂れた商店街や、潰れた病院などが立ち並んでいる。

「もしかして、最初のルートで逆に進んでたのかな?」



「いや、合ってますよ?」



「―――っ!?」

母親の安心感を与える声とは、真逆の感覚を与える声。
限り無く澄んでいるのに、不安や恐怖を招く、悪魔の声質。

今まで誰もいなかったところに、突如として少年が現れていた。
胡散臭い笑顔、いや、それは笑顔ではなく無表情なのかもしれない。

「黒須えみる、さん・・・ですね。魔法少女ホーリーナイトを消しに来ました。」

「なっ・・・!」

彼の言葉は淡々としていて、内容の恐ろしさと噛み合っていなかった。
喩えるならば、「今日の晩御飯はシチューです」と言うのと同じ調子。

「どういうことなの・・・?」

訊きながら、えみるは臨戦態勢を取っていた。
いつでも魔法少女に変身できるように、心構えを崩さない。

「どういうことというのは、さっきの言葉の意味ですか? それはつまり、僕が美雪さん・・・君の母親に、闇のデュエルで勝利したということです。」

「・・・っ!?」

それだけで全てを理解した。

闇のデュエルは、契約的性質を極限まで突き詰めた、絶対のゲーム。
美雪は、目の前の少年に操られ、えみるを罠に嵌める手伝いをさせられてしまったのだ。

「き・・・さ・・・ま・・・・ぁああああ!! お母さんを・・・・利用するなんて・・・・許さない!!」

えみるの魔力が溢れ出す。
聖なる力が彼女を中心として、規則正しい魔法律を構成する。



「ホーリーナイト・クロスファイア・オーバーフロー!!」



着ている服が一瞬にして光の粒子となり、清楚な西洋風の衣装と、シルバーアクセサリーへと変化する。



「聖なる光が悪党はびこる闇を罰する・・・魔法少女ホーリーナイト見参!!」



「魔法少女、間近で見るのは初めてだ。これを消さなければならない。それが僕の仕事だ。そうだ、そうだとも。」

少年は余裕を崩さない。
・・・いや、余裕なのだろうか?

そもそも彼には、“余裕”という概念すら無いように思えた。
心に響かない作文のような、空虚な言葉の羅列。

「僕はノヴァ・クリア。闇のデュエル組織“カンサー”所属の、暗殺者です。」

そう言って少年は、デュエルディスクを構えた。
同時に闇の瘴気が辺りを覆った。


「「デュエル!」」


ホーリーナイト:LP8000
ノヴァ・クリア:LP8000



「悪党め、お前こそ世界から消し去ってやるわ! わたしの先攻、ドロー!」

引いたカードを見もせずに、ホーリーナイトはデュエルディスクにプレイした。

「永続魔法カード《ジャックポット!》の効果発動! デッキから3枚のカードをめくるわ!」


ジャックポット! (永続魔法)
500ライフポイントを払って発動する。
自分のデッキをシャッフルし、その後デッキの上からカードを3枚めくる。
めくったカードが全てレベル7のモンスターだった場合、めくったカードを全て自分フィールド上に召喚条件を無視して特殊召喚する。
それ以外の場合は、めくったカードを全てデッキに戻してシャッフルする。
この効果は自分のターンのメインフェイズ時に何度でも使用する事ができる。



「出でよ、《ホーリー・ナイト・ドラゴン》!!」


ホーリー・ナイト・ドラゴン レベル7 光属性・ドラゴン族
攻撃力2500 守備力2300
聖なる炎で悪しき者を焼きはらう、神聖な力を持つドラゴン。

ホーリー・ナイト・ドラゴン レベル7 光属性・ドラゴン族
攻撃力2500 守備力2300
聖なる炎で悪しき者を焼きはらう、神聖な力を持つドラゴン。

ホーリー・ナイト・ドラゴン レベル7 光属性・ドラゴン族
攻撃力2500 守備力2300
聖なる炎で悪しき者を焼きはらう、神聖な力を持つドラゴン。




「3体のホーリー・ナイトとは、引きが強いね。」

魔法少女は伊達ではない。
身体能力の大幅な向上や、様々な魔法が使えるというだけでなく、デュエルにおける引きの強さを本人の限界まで高めることが出来るのだ。



「3体の《ホーリー・ナイト・ドラゴン》で、オーバーレイ・ネットワークを構築!」



聖なるドラゴンが、輝かしい光に包まれる。


「聖なる炎が、あらゆる邪悪を滅殺する! 神聖なる熱き魂よ、我が魂に共鳴せよ!」


そして眩い十字の閃光と共に、それは現出する。
体躯の鋭さを増した、六枚の羽を持つドラゴンが、フィールドに光臨した。


「エクシーズ召喚! ホーリー・ナイト・クロスファイア・ドラゴン!!」


聖夜の十字焔竜 ランク7 光属性・ドラゴン族・エクシーズ
攻撃力4000 守備力2500 レベル7・光属性・ドラゴン族モンスター×3
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「クロスファイア・ドラゴンは、先攻1ターン目から攻撃することが出来る! ただし、攻撃を行う前に・・・」



ホーリーナイト:LP7500→3750

ノヴァ・クリア:LP8000→4000




「フィールド魔法《うずまき》を発動したわ! 全ての常識は覆る!」



うずまき (フィールド魔法)
フィールドは「うずまき」となり、全ての常識は覆る。




「・・・・・・。」

少年が表情を変えた。
それは、このカードの危険性を認識しているというよりは、このカードの有名な使い手を思い出していたのだが、そのことをホーリーナイトは知らない。


「クロスファイア・ドラゴンで、直接攻撃! 焼き払え、ホーリーナイト・テラフレイム!!」


聖夜の十字焔竜 ランク7 光属性・ドラゴン族・エクシーズ
攻撃力4000 守備力2500 レベル7・光属性・ドラゴン族モンスター×3
このカードは先攻1ターン目からバトルフェイズを行うことが出来る。
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けず、フィールドを離れない。
???
???



「手札から《バトルフェーダー》の効果を発動・・」

少年は戦いを終わらせる鐘を鳴らす。

だが、そのときホーリーナイトの目が赤く光った。


「エクシーズ素材を1つ取り除いて、その効果の発動を無効にして破壊する! 天罰の火焔!」


聖夜の十字焔竜 ランク7 光属性・ドラゴン族・エクシーズ
攻撃力4000 守備力2500 レベル7・光属性・ドラゴン族モンスター×3
このカードは先攻1ターン目からバトルフェイズを行うことが出来る。
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けず、フィールドを離れない。
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、魔法・罠・モンスター効果の発動を無効にして破壊する。
???



灼熱の業火が、少年を襲う。
並みの相手なら、これだけで魂まで焼き尽くしてしまう。

デュエル犯罪組織には、闇のゲームの使い手も少なくない。
だが、それは諸刃の刃であることを教えてやる。
正義の力の前には、愚かな行為であることを教えてやるのだ。


「っう・・・2枚目の《バトルフェーダー》・・・」

流石にカンサーの暗殺者を名乗るだけあって、少年は生存し、デュエルを進めていた。
だが、ダメージが無いでもない。

「天罰の火焔!」

「・・・っ、熱っ・・・3枚目の《バトルフェーダー》・・・」

「天罰の火焔!」

「うあ・・・ぐ・・・・」

これで3枚のエクシーズ素材は消費した。
まだ《クリボー》や《速攻のかかし》が残っているかもしれないが・・

「そして、クロスファイア・ドラゴンがバトルフェイズを行うとき、相手に4000ダメージを与える!」



聖夜の十字焔竜 ランク7 光属性・ドラゴン族・エクシーズ
攻撃力4000 守備力2500 レベル7・光属性・ドラゴン族モンスター×3
このカードは先攻1ターン目からバトルフェイズを行うことが出来る。
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けず、フィールドを離れない。
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、魔法・罠・モンスター効果の発動を無効にして破壊する。
このカードがバトルフェイズを行うとき、相手に4000ダメージを与える。




「・・・《ハネワタ》で、効果ダメージも防ぐ。」

数千度に達する猛火を、小さな天使がバリアーを張って防いだ。
それでも普通なら生きていられる状況ではない。

そして、生きていようが、まだ《聖夜の十字焔竜》の攻撃が残っている。

(たとえ《速攻のかかし》で防がれたとしても、その時点でノヴァ・クリアの手札は0!)

手札に残る《強烈なはたき落とし》を見ながら、ホーリーナイトは勝利を確信していた。

少年は、今度は手札を使わず、極大の火焔を浴びた。

「ぐっ・・・あああ・・・・・ああああ・・・・・・・」




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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「何度も時刻が出てくるが、深い意味があるのかもしれない」
賢吾「賢者コングーの推理はたまに当たるからバカにできん」
コング「バカにしてあとで恥をかくグリーンボーイもいるが、クックック」
ゴリーレッド「はたきこみ!」
コング「早い!」
賢吾「プロレス技だけじゃなく相撲も技によっては強烈なダメージを負うな」
ゴリーレッド「また質問攻めに」
賢吾「初エッチか。高校生はしたら退学やけど」
コング「悪に対する怒りと平和を尊ぶ慈愛か。給料なし。使命感だけで戦う美少女。これぞスーパーヒロイン」
賢吾「母美雪は41歳か。十分ヒロピン候補や」
コング「祖母? もしかして祖母は有名人か」
賢吾「またまた推理炸裂か」
ゴリーレッド「悪魔の声質といえば」
コング「まさか美雪チャンは・・・おお、操られているけど、消されてはいないか、ホッとした」
賢吾「ついに闇のデュエルか」
コング「変身する時は一瞬全裸になるのが基本だぞ」
ゴリーレッド「ハニーだけだ」
コング「よし、ノヴァ・クリア。正義のヒロインを性技で落とせ!」
賢吾「暗殺者ゆことは真面目に消す気か」
ゴリーレッド「相手が悪過ぎるか黒須えみる」
コング「どうしたノヴァ・クリア! 負けるな!」
賢吾「あ、せ、ら、な、い」
コング「焦る。えみるは手ごわい。さすがは魔法少女」
賢吾「ノヴァ・クリアが負けるわけあらへん」
ゴリーレッド「そんなことはわからない」
コング
2015/03/29 08:43
>コングさん
臨場感の演出として今回、時刻と場所を表示してみました。時刻表示を伏線とするような、叙述トリックには憧れますねー。
さて、使命感を備えて戦う少女と、仕事に対する責任感で現れた少年。2人の対決は早くもクライマックス!?

佐久間「時刻表示は、試験的導入というやつだな。今後は深い意味を持たせることも出来るかもしれない。」
山田「昼間の平穏が嘘のような、戦慄の展開・・。」
八武「魔法少女に悲鳴を奏でさせよ! 性技の旋律を響かせろ!」
維澄「神邪の二つ名はノヴァ・クリアか。」
佐久間「二つ名の多さは私譲りだ。」
山田「お前かよ。」
八武「美雪が神邪くんに何をされてしまったのかと思うだけで、興奮が抑えきれない。」
山田「操っただけでも酷いが、まさか・・」
佐久間「人妻は神邪の得意ジャンルだからな。」
八武「殺さずイかす、熟れた肉体。」
山田「メッセンジャーとして操っただけだと信じたい。」
佐久間「マリクかっ。」
八武「どうしてマリクは杏子にエッチな命令を出さなかったのだろう。未だに謎だ。」
山田「お前の頭が謎だ。」
佐久間「だからマリクは姉萌えなんだってば。」
八武「神邪くんも姉萌え。ならば妹キャラに負けるわけにはいくまい。」
山田「どういう理屈だ。」
維澄「実際このとき、どれほど能力を使いこなせていたのかな。2つ目の弱点で、場合によっては・・」
八武「負けるな神邪くん!」
山田「・・・。」
アッキー
2015/03/29 21:51
真如「お母さんを利用する!?なんて卑劣な…!」
白龍「ノヴァ・クリアって神邪君…?」
真如「魔法を持つ者の前には常に敵が現れる…!大切なものをかっさらうために、うじゃうじゃと…!きっとお母さんもこんな卑劣な手で殺されたに違いない、違いない、違いない!」
白龍「あわわわわ…。」
真如「と、は言え…魔法少女ホーリーナイトのお母さんは生きている。これは救いだわ…。でももし、さっきのが偽物の母親だったら、全力でぶっ殺さないといけないけどね!」
千花白龍
2015/04/26 03:25
>千花白龍さん
“真紅新星”(クリムゾンノヴァクリア)というのが、カンサーにおける竜堂神邪のコードネームです。普段は省略して、ノヴァ・クリアで通しているようですね。
この母親は本物ですが、神邪に操られていました。周囲を巻き込まずに1対1で戦う為ですが、もちろんそれは倫理的な意味ではなく、任務を遂行しやすくする為です。
さて、勝負の行方は・・・?
アッキー
2015/04/26 05:35

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