佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS ターミナルから来た男 (後編)

<<   作成日時 : 2015/09/09 00:05   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 0

◆ ◆ ◆



セイクリッドはヴァイロンを創造し
インヴェルズを封印する

伝道師が氷結界の三龍を封印する

部族間の争いが耐えない世界に
隕石が飛来し
ワームが出現する

ここから歴史は始まった




◆ ◆ ◆



リュウヤ:LP6800、手札6
場:
場:

郁美:LP8000、手札4
場:アマゾネスの射手(攻1400)、幻銃士(攻1100)
場:伏せ×1



(・・・? 何だ、このカードは? 見たことないぞ。)

デッキからカードを引いたリュウヤは、見慣れぬカードに戸惑った。

「あ、それ、わたしが入れたの・・・ごめんなさい・・・。」

「そっか・・・いや、謝ることはないな。オレのデッキを強化してくれたってことなんだろ?」

「た、多分そうだけど、実際に回してないから何とも・・・」

「だったらオレが回してやるよ。《忍者マスターHANZO》召喚だ。」

見たこともないカードなのに、リュウヤは自信たっぷりに召喚した。
そしてサーチ効果が発動される。


忍者マスターHANZO レベル4 闇属性・戦士族
攻撃力1800 守備力1000
このカードが召喚に成功した時、デッキから「忍法」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。
また、このカードが反転召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから「忍者マスター HANZO」以外の「忍者」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。



「オレはデッキから・・・ええと、これだな。《忍法変化の術》を手札に加える。効果は後のお楽しみだ。」


忍法変化の術 (永続罠)
自分フィールド上に表側表示で存在する「忍者」という名のついたモンスター1体を生け贄に捧げて発動する。
???
???



「忍者マスターで、《幻銃士》を攻撃するぜ!」

「ちょっとは伏せカードを警戒しないの〜?」

郁美は指を甘噛みしながら間の抜けた声を出す。
しかし伏せカードは発動されることなく、攻撃は通った。


《幻銃士》 (破壊)

郁美:LP8000→7300



「カードを1枚・・・や、2枚伏せて、ターンエンドだ!」

「んじゃ、エンドフェイズにイクミちゃんは、伏せておいた速攻魔法を発動するね。」


リュウヤ:LP6800、手札4
場:忍者マスターHANZO(攻1800)
場:伏せ×2

郁美:LP7300、手札4
場:アマゾネスの射手(攻1400)、羊トークン(守0)、羊トークン(守0)、羊トークン(守0)、羊トークン(守0)
場:



(・・・っ、しまった!)

戦闘で《幻銃士》を破壊したことで、郁美のモンスターカードゾーンに4つの空きが出来てしまい、《スケープ・ゴート》を発動されてしまった。
4体ものトークンを出せる《スケープ・ゴート》だが、発動ターン、自分はデメリットを負う。
ゆえに相手ターンに発動できるということは、それだけでアドバンテージと見なすことが出来るのだ。


「そしてイクミちゃんのターン、ドロー!」

5枚に増えた手札を一瞥し、まずは《アマゾネスの射手》の効果が発動される。
モンスター2体を生贄に、1200のダメージ。これはダメージ効率としては、《キャノン・ソルジャー》を凌駕する。

「可愛い子羊たちを弓に番えて、発射オーライ!」

「くっ・・・!」

リュウヤ:LP6800→5600→4400


「そしてイクミちゃんのデュエリスト能力が発動するよ。デッキから《チャッチャカアーチャー》特殊召喚!」


チャッチャカアーチャー レベル6 風属性・戦士族
攻撃力1200 守備力1800
1ターンに1度、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを破壊する。



「・・・っ!」

リュウヤの顔色が曇る。
それを見て郁美は唇をニヤリと歪める。

「へっへ〜、伏せた2枚のうち、どちらかは《忍法変化の術》でしょう? それでミスト・バレーのエースを出すつもりなんだろうけど、イクミちゃんには通用しないよ。」

マスク越しの眼光が、リュウヤのフィールドを舐めるように睥睨する。

「決〜めた、イクミちゃんから見て左側のカードを破壊する!」

「くそっ・・・!」


《忍法変化の術》 (破壊)


「やった、やったね。それではイクミちゃんは、《チャッチャカアーチャー》を生贄に、《海帝アズヴェリエ》の召喚!」


海帝アズヴェリエ レベル6 水属性・海竜族
攻撃力2400 守備力1000
このカードが生贄召喚に成功したとき、デッキからレベル6のモンスター1体を特殊召喚する。



「・・・!」

「ハッタリかましてみたけどね、イクミちゃんは、もう1枚の伏せカードを警戒しない女の子じゃないんだよ。前のターンでリュウヤ君は、1枚伏せようとして、もう1枚伏せたよね。つまり2枚ともトラップカードじゃないの? だとすると《忍法変化の術》は最初から手札にあって、それで初見のカードでも意味がわかった、とか〜?」


アズヴェリエの効果で、2体目の《チャッチャカアーチャー》が特殊召喚される。


チャッチャカアーチャー レベル6 風属性・戦士族
攻撃力1200 守備力1800
1ターンに1度、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを破壊する。



リュウヤ:LP4400、手札4
場:忍者マスターHANZO(攻1800)
場:伏せ×1

郁美:LP7300、手札4
場:アマゾネスの射手(攻1400)、海帝アズヴェリエ(攻2400)、チャッチャカアーチャー(攻1200)
場:



「イクミちゃんの《チャッチャカアーチャー》で、伏せカードを破壊すれば、3体の総攻撃で3200ダメージ。おお、するとリュウヤ君の残りライフは1200だね〜。イクミちゃんは迷いなく《アマゾネスの射手》の効果を発動するよ。」

「くっ・・・!」

「じゃあ、まずは予告通り《チャッチャカアーチャー》の効果発動!」


《クロス・カウンター・トラップ》 (破壊)


「・・・はにょ?」

郁美は目を丸くして素っ頓狂な声をあげた。
しかしすぐに考える。

「む・・・イクミちゃんは、アズヴェリエでHANZOを攻撃!」


だが、その攻撃は通らない。


「ハッタリだとでも思ったか? 手札から《忍法変化の術》を発動するぜ!」


《クロス・カウンター・トラップ》は、自身が相手の効果で墓地に送られたターン、罠を手札から発動することが出来る、特殊な罠カードだ。
この効果に注目したリュウヤは、保険として伏せておいた。それはデュエリストとしての直感とでも言うべきか。


忍法変化の術 (永続罠)
自分フィールド上に表側表示で存在する「忍者」という名のついたモンスター1体を生け贄に捧げて発動する。
選択したカードのレベル+3以下の獣族・鳥獣族・昆虫族のいずれかのモンスター1体を手札またはデッキから自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードが自分フィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。



リュウヤ:LP4400、手札3
場:霞の谷の巨神鳥(攻2700)
場:忍法変化の術(永続罠)

郁美:LP7300、手札4
場:アマゾネスの射手(攻1400)、海帝アズヴェリエ(攻2400)、チャッチャカアーチャー(攻1200)
場:


「うう〜、イクミちゃんはターンエンドだよお・・・。」


霞の谷の巨神鳥 レベル7 風属性・鳥獣族
攻撃力2700 守備力2000
魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時に発動できる。
自分フィールド上に表側表示で存在する「ミスト・バレー」と名のついたカード1枚を選択して持ち主の手札に戻し、その発動を無効にし破壊する。



「それじゃあオレのターンだな。ドローカード!」

勝利へ向かって、リュウヤはカードを引く。


そして



リュウヤ:LP4400、手札1
場:霞の谷の巨神鳥(攻2700)、ミスト・ウォーム(攻2500)
場:忍法変化の術(永続罠)、霞の谷の神風(フィールド魔法)

郁美:LP7300、手札7
場:
場:



「こっちの世界だと、《ミスト・ウォーム》の素材は自由なのか・・・。」


ミスト・ウォーム レベル9 風属性・雷族・シンクロ
攻撃力2500 守備力1500 チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した場合、相手フィールドのカードを3枚まで対象として発動する。
その相手のカードを持ち主の手札に戻す。



そしてリュウヤの残る手札は、速攻魔法《スワローズ・ネスト》である。


スワローズ・ネスト (速攻魔法)
自分フィールド上に表側表示で存在する鳥獣族モンスター1体をリリースして発動する。
リリースしたモンスターと同じレベルの鳥獣族モンスター1体を自分のデッキから特殊召喚する。




郁美:LP7300→4800→2100→0



「あーあああ、イクミちゃん負けちゃったよお・・・。」

憐れっぽい声を出しながら、彼女は闇に消えていく。

「・・・っ!?」

これが命懸けの闇のデュエルであるとは告げられていたが、実際に罰ゲームを目の当たりにすると恐ろしい。
底知れぬ闇は、どこまでも深く、郁美を呑み込んでいく。

「イクミちゃんが告げ口することは、無いのれす〜。ばっはは〜い。」



◆ ◆ ◆



「ありがとな。さくらのおかげで勝てたようなもんだ。」

リュウヤは安堵の息を吐くと、桜に礼を述べた。
その笑顔に、どうしても心ときめていしまう。

(わたしは、やっぱり・・・)

少なくとも自分は、雨堂を裏切ったも同然だと思った。
リュウヤの勝利に手を貸してしまった。応援してしまった。応援している間、雨堂のことを忘れていた。

なんて残酷なデュエルモンスターズ。

なんて素敵なデュエルモンスターズ。

デュエルしているときは、倫理観など吹っ飛んでしまう。
デュエルを観ているときは、背徳も受け入れてしまう。
体こそ重ねていないけれど、心は既に裏切りをはたらいている。


「リュウヤ君・・・。わたしと一緒に、逃げてくれる?」


流される女を演じるのは、もう終わりにしよう。
ズルい逃げ口上なんか言えない状況を、自ら作り出してやる。
はっきりと婚約者を裏切り、自分が罪人であることを自覚しよう。


「・・・いいよ。さくらと一緒なら、どこへでも。」

逡巡は数秒。わずかな時間でリュウヤは、人生を桜に捧げた。



◆ ◆ ◆



ワームの出現により
争っていた各部族が休戦協定を結ぶ

ワームとの全面戦争が開始される

多くのワームは倒されるも
残ったワームが増殖と進化を始める

ワームの侵攻により滅ぶ種族が出始める

大小さまざまな部族が集まり
協議が行われる

そしてA・O・Jが結成され
兵器が各戦場へ投入される

ワームとジェネクスが接触

A・O・Jの技術者がジェネクスの存在を確認

進化を続けたワームの中で
高い知能を獲得した者が出現する

X−セイバーが苦戦を強いられる

XX−セイバー誕生

ナチュルの森にワームが侵攻

フィールド・マーシャルが奮闘する

隕石から未知の物質を発見し
A・マインドが完成する

ワームの捕獲を目的とした兵器が量産される

ミスト・バレーが離脱


・・・・・・

・・・・・・・・・




◆ ◆ ◆



ある時間、ある場所。
空間が歪み、おどろおどろしい闇の中から郁美が引きずり出されてきた。
デュエルディスクとデッキだけを身につけていて、服は消滅している。

「にゃは〜、イクミちゃんとしたことが負けちゃったよ。ありがとねん、闇夜(やみよ)ちゃん。」

「毎度毎度、貴様という奴は・・・。私の力にも限度があるんだぞ。手の届かない深い闇まで沈んでしまえば、サルベージも出来やしない。」

郁美を引きずり出したのは、同じ年頃の少女だった。
僧侶のように頭を丸坊主にしており、服装も僧侶が着るようなローブを羽織っている。
そこはかとなく色気があり、禁欲的でありながら蠱惑的だ。

三十三間堂闇夜(さんじゅうさんげんどう・やみよ)。
同じ苗字を持つ郁美の、2つ違いの姉である。

「そんなこと言って、毎度毎度サルベージしてくれる闇夜ちゃん、好きだよ。頼りになるぅ。」

「褒めても何も出んぞ。だいたい、貴様の“メトロアーチャー”に勝てるデュエリストなど、そうはいない。どうせ今回も手を抜いたんだろう。」

「だって、能力デュエルどころかマスタールールにも不慣れな相手だよ。そんな相手を全力で叩き潰すって、イクミちゃんの趣味じゃないな〜。」


“地下鉄丸之内”(メトロアーチャー) レベル4能力(所有者:三十三間堂郁美)
1ターンに2度まで、自分のメインフェイズに、手札・デッキ・エクストラデッキ・墓地・除外ゾーンから、「アーチャー」と名の付くモンスター1体を特殊召喚することが出来る。
このとき、特殊召喚したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与えることが出来る。



「相変わらず甘い奴だ。その甘さに足を掬われないように、せいぜい注意するんだな。まともに戦えば貴様は、全盛期の【アーチャーブレード】を凌駕する実力を持っているのだから。」

「貶してんだか褒めてんだか・・・。闇夜ちゃんの“集合意識”(ダークネスレギュレーション)こそ、向かうところ敵ナシでしょ〜?」

「・・・わかってると思うが、別に必勝ってわけじゃないぞ。」

「だから恐ろしいんじゃない〜。必勝なんて、それを崩されたら必敗になるんだから、正解の出ない問題を考えるような闇夜ちゃんの能力こそ、けっこう最強なんじゃないの?」

「ふん、それこそ褒めてるのか貶してるのかわかりはしないな。」

本当に化物じみたデュエリスト能力を知ってるだけに、闇夜は憮然とした表情で称賛を流してしまう。
それを郁美は特に不快に思うことなく、キョロキョロと辺りを見回した。

「遊底(ゆうてい)君と、芝生(しばふ)君は、いないの?」

「銃架堂(じゅうかどう)と極限堂(きょくげんどう)なら、今回の仕事はパスだとさ。」

「え、そうなんだ? 2人がいないと寂しいな〜。」

郁美は人差し指を噛んで、しゅんとなった。



◆ ◆ ◆



・・・・・・・・・

・・・・・・


氷結界内部での抗争が激化

ノエリアとナタリアがインヴェルズの召喚に失敗

トリシューラ解放


・・・・・・

・・・・・・・・・








   ターミナルから来た男   終

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
デュエル小説 (短編集目録)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2016/12/25 00:00

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ターミナルから来た男 (後編) 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる