佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 決闘倶楽部   第二十六話 ファントムの花嫁! (後編)

<<   作成日時 : 2015/09/02 00:00   >>

驚いた ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 2

◆ ◆ ◆



遡ること、少し前。
リスティーは呆然とした顔で、目の前に倒れている少女を見つめていた。

「ど・・・どうして・・・? は、あう、立夏さん? どうしたの・・・?」

どうして立夏は倒れているんだろう。
今の今まで、デュエルに勝って、普通に話していたはずなのに。

どうして自分は、会ったこともない立夏を知っているんだろう。
名前は知っていても、写真を見たことはないのに。

どうして自分の体からは、闇が溢れ出しているんだろう。



「みゃはは、自分の正体に気付いちゃった?」

可愛らしさではリスティーに負けてない笑顔が、ぬっと闇の中から現れた。
ブラウスとミニスカートは、ところどころ破れているが、すぐに直った。

「違う・・・・・・」

リスティーは泣きながら首を振った。

「違うもん・・・・リスティーは、リスティーだよぉ・・・・・・・ダークネスなんかじゃ、ない・・・・・!」

「みゅ? そうなの? それならリスティーちゃん、どうして立夏ちゃんからデュエルエナジーを吸い取ってるの?」

「ふぇ!?」

気が付けば、リスティーは立夏の豊かな胸に、口をつけていた。

「あふ・・・・あふあ・・・・・美味しいよぉ、美味しいよぉ、何でぇ・・・・止まらない・・・・ぃ・・・・あああああん!!」

エナジーを吸い尽くされた立夏は、闇の中へ消えていった。

「嫌あああああっ!!!」

「みゃはは、そんなに腹ペコなんだね♪」

「やだ・・・・立夏、せんぱい・・・・ごめんなさい、ごめんなさい、許して許して許して許して許して許して許して許して」

「みゅふ、もっと食べたいでしょ、デュエルエナジー。」

「嫌あっ! 食べたくない、食べたくない、食べたく・・・・・・」

そう言いながら、リスティーは口から溢れんばかりの涎を垂らしていた。
血走った目は、今にも咽笛に噛みついて不思議ではなかった。

「あ・・・・魅了さん・・・・・おいしそう・・・・・・」

デュエルに敗れて倒れていた闇坂魅了は、そのままリスティーの餌食になった。

「ごくっ、ごくっ、ごくっ、ごくっ、はう・・・・・・おいしい・・・・・もっと、欲しい・・・・・食べたいよ、デュエル・・・・・・・」

「みゃはは、だったら私からリスティーちゃんへ、このデッキをあげちゃおう!」

カノンはカードの束を取り出して、リスティーに差し出した。
それを受け取ったリスティーは、魅了のデュエルディスクを奪い、デッキをセットする。

「あっち・・・・おいしそうな、気配が・・・・」

ふらふらとした足取りで、リスティーは歩いていった。



◆ ◆ ◆



「ごめんね、無々くん。謝って済むことじゃないけど、ごめんね。今すぐ消してあげるから。」

「リスティーちゃん! 君は・・・」

自分の知っているリスティーと、そうでない意思が、混在しているように思えた。
無々は、4年前の忌まわしい事件を思い出していた。
デュエルモンスターズに携わる者なら、誰もが知っているであろう、その存在。

「この世界は残酷だから、リスティーが君を消してあげる。無々くんのデュエルエナジー、リスティーに頂戴?」

瞬間的にデュエルディスクが展開された。
それは無々のデュエルディスクも同じだった。

相手を強制的にデュエルに引きずりこむ。
それは、“闇のゲーム”と言われる。


風森無々:LP8000
リスティー:LP8000



「デュエル開始時に、リスティーはファントムの効果を発動するよ! はう!」


ファントムとは何だろうか。真っ先に思い当たるのは、《ファントム・オブ・カオス》だ。
幻魔つながりでデッキに入っていても、おかしくない。

だが、当然ながら《ファントム・オブ・カオス》には、デュエル開始時に発動できるような効果は無い。


「ファントムは、デュエル開始時に手札にあるときのみ、場に出すことが出来るんだよ。ただし、他のカードを全てデッキに戻さないといけない。」


リスティーの肉体を、闇がコーティングしていく。

着ていた服を溶かし、掻き消し、闇の瘴気だけを纏う。


「リスティーは、リスティー自身を特殊召喚する。」


風森無々:LP8000、手札5
場:
場:

リスティー:LP8000、手札×
場:???(攻?)
場:



「リスティーちゃん・・・。」

際どい格好に照れることも出来ないほど、息苦しい闇が渦巻いていた。

「一会さんも言ってたみたいだけど、『オペラ座の怪人』って話があるよね。」

リスティーはゾッとするような優しい笑顔をしていた。


「”リスティー・エヌ・ダーク”は、アナグラム・・・並べ替えると、“クリスティーヌ・ダーエ”。ファントムの花嫁だよ。」


ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」に出てくる歌姫、クリスティーヌ・ダーエ。
リスティーの西洋風の顔立ちや、邪気の無い雰囲気は、怪人に愛される素質は十分だ。


「リスティーは・・・ううん、私は、私こそは“ダークネス・ファントム”。思っていたより、醜いだろう?」


彼女は両手を広げて、闇の瘴気を撒き散らした。


「天真爛漫な、美しい心の少女リスティーは、どこにもいない。いるのは醜い心のダークネス。」


そして、小首を傾けて、涙を流しながら笑った。


「ねえ無々くん、君の繰り出すモンスターは、無尽蔵に攻撃力を高めていける。だけど攻撃力無限大の私には、どうやっても永遠に追いつけない。」



風森無々:LP8000、手札5
場:
場:

リスティー:LP8000、手札×
場:ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊(攻∞)
場:




ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊 レベル33 闇属性・アンデット族
攻撃力∞ 守備力∞
このカードは通常召喚できない。デュエル開始時、このカードが手札に存在するとき、自分の他の全てのカードをデッキに戻したときのみ特殊召喚できる。
このカードは相手のカードの効果を受けず、生贄・コストにならない。
このカードがフィールド上に存在する限り、互いに他のカード効果を使用できず、無効になる。
また、自分のドローフェイズをスキップする。
???
???
???




「今すぐサレンダーしなよ、無々くん。この世界から消して、優しい闇へ送ってあげるから。」

「しない・・・! そんなこと、しない! 僕のターン、ドロー!」

ランプが点灯し、無々はカードを引く。
いや、引かせていただく。

「デュエリスト能力、発動!!」



風森無々:LP8000、手札6
場:モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)
場:

リスティー:LP12000、手札×
場:ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊(攻∞)
場:




「これが僕のデュエリスト能力“唯一神”(モリンフェン)・・・『デッキ・エクストラデッキのカードを全て《モリンフェン》様で構成することによって、自分のスタンバイフェイズに手札・デッキ・墓地・除外ゾーン・エクストラデッキから《モリンフェン》様を任意の数だけ降臨させることが出来る。この効果で降臨した《モリンフェン》様は生贄・コストにすることは出来ず、攻撃力はデュエルが開始してから経過したスタンバイフェイズの数×フィールド上の《モリンフェン》様の数×50ポイントアップする。また、守備表示モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えていれば、その数値分だけ戦闘ダメージを与える。』・・・レベル1だ。」

この口上も、何度言っただろう。
無々は、絶望的な状況の中で、日常的なプレイングを行った。
それがリスティーの心に届くと信じて。

「知ってるよ。だけど、モリンフェン様でも私を救うことは出来ない。ダークネス・ファントムの効果発動。」



リスティー:LP12000→36000



ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊 レベル33 闇属性・アンデット族
攻撃力∞ 守備力∞
このカードは通常召喚できない。デュエル開始時、このカードが手札に存在するとき、自分の他の全てのカードをデッキに戻したときのみ特殊召喚できる。
このカードは相手のカードの効果を受けず、生贄・コストにならない。
このカードがフィールド上に存在する限り、互いに他のカード効果を使用できず、無効になる。
また、自分のドローフェイズをスキップする。
1ターンに1度、任意のタイミングで、フィールド上に存在するモンスターの数×4000ライフポイントを回復することが出来る。
???
???




これがライフが増えていた理由。


「そして私のターン。ドローフェイズはスキップされているから、そのままバトルフェイズ。その前に、ダークネス・ファントムの効果で再び24000ライフポイントを回復する。」


リスティー:LP36000→60000


冗談のようにライフが膨れていく。
しかし風森を動揺させることはない。

どのみち、無敵の耐性を持つ攻撃力無限大の前には、有限のライフ回復などは、取るに足らないことなのだから。



風森無々:LP8000、手札6
場:モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)、モリンフェン(守1300)
場:

リスティー:LP60000、手札×
場:ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊(攻∞)
場:




「ダークネス・ファントムで、攻撃。食らえ、悲劇の咆哮−トラジディ・スクリーム!!」


《モリンフェン》 (破壊)


風森無々:LP8000→4000



「はぐっ・・・・がはっ・・・・・あうあああああああ!!!」

闇の瘴気が突き刺さるようにして、風森から悲鳴を搾り出した。



ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊 レベル33 闇属性・アンデット族
攻撃力∞ 守備力∞
このカードは通常召喚できない。デュエル開始時、このカードが手札に存在するとき、自分の他の全てのカードをデッキに戻したときのみ特殊召喚できる。
このカードは相手のカードの効果を受けず、生贄・コストにならない。
このカードがフィールド上に存在する限り、互いに他のカード効果を使用できず、無効になる。
また、自分のドローフェイズをスキップする。
1ターンに1度、任意のタイミングで、フィールド上に存在するモンスターの数×4000ライフポイントを回復することが出来る。
このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合、相手のライフポイントを半分にする。
???




「そして、私のエンドフェイズに、相手の全てのカードはデッキに戻る。」



ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊 レベル33 闇属性・アンデット族
攻撃力∞ 守備力∞
このカードは通常召喚できない。デュエル開始時、このカードが手札に存在するとき、自分の他の全てのカードをデッキに戻したときのみ特殊召喚できる。
このカードは相手のカードの効果を受けず、生贄・コストにならない。
このカードがフィールド上に存在する限り、互いに他のカード効果を使用できず、無効になる。
また、自分のドローフェイズをスキップする。
1ターンに1度、任意のタイミングで、フィールド上に存在するモンスターの数×4000ライフポイントを回復することが出来る。
このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合、相手のライフポイントを半分にする。
自分のエンドフェイズに、相手の全てのカードをデッキに戻す。




風森無々:LP4000、手札0
場:
場:

リスティー:LP60000、手札×
場:ダークネス・ファントム−原初欲求の邪霊(攻∞)
場:




「無々くん、いつでも絶望していいよ。ターンエンド。」






   第二十七話に続く・・・

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
驚いた
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
決闘倶楽部   目録
◆ ◆ ◆ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2015/09/02 00:04

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「立夏と初対面だったか?」
ゴリーレッド「デュエルエナジー?」
火剣「これは本物のカノンか」
コング「ブラウスにミニスカートということは本物だ」
ゴリーレッド「答えになっていない」
コング「幻魔。ファントム・オブ・カオス」
火剣「吸い取られた人間はどうなったんだ? もうダメなのか」
コング「吸収される瞬間に無意識というのが惜しい」
ゴリーレッド「シャラップ」
コング「服を溶かし?」
ゴリーレッド「そこに反応するな」
コング「ということは、リスティはスッポンポン!」
火剣「でも一糸まとわぬではない。闇の瘴気をまとっている」
コング「アニメ的にはちょうどバストトップと下だけ濃い闇で隠されてテレビ放送ギリギリセーフって状態か」
ゴリーレッド「立て板に水」
コング「水着以上にきわどいリスティ。純情なムーには効いているはずだ。リスティの美脚・美ボディを見るチャンスはそうそうない」
ゴリーレッド「命懸けのデュエルでそんなこと感じるわけがない」
コング「甘い! じゃあ何で命を落とすかもしれない戦闘で麻衣は感じちゃうんだ?」
ゴリーレッド「知らない」
火剣「絶望的な状況でも諦めないムー」
コング「亜衣もどんなに絶望的な状況でも諦めない。たとえば素っ裸の状態で手足をk」
ゴリーレッド「ラリアット!」
コング「があああ!」
火剣「ムーの諦めないは、リスティを救おうとしている。その優しさと真心が届くかどうか」
ゴリーレッド「つづくか」

火剣獣三郎
2015/09/02 16:38
>火剣さん
とんでもないことになってきました。(絵的にも)
闇化したリスティーに、心が届くと信じてデュエルを続ける無々ですが、突きつけられるのは攻撃力無限大という絶望。
いよいよ“あの日”の光景へ、物語は到達します・・・続く!

山田「恐ろしい光景だ・・・!」
八武「イイよお、実にイイよお!」
山田「この闇が晴れたら助かるよな? GXのダークネスのように!」
佐久間「勝てば、な。」
維澄「デュエルに勝たなければ永遠の闇か。」
佐久間「だーくねぇーす・・・だーくねぇーす・・・」
山田「恐いって。」
佐久間「謎の光ならぬ、謎の闇。放送コードには引っかからない。」
八武「そのチラリズムも良い! 闇が晴れるときが楽しみだ・・・頑張れ無々くん!」
山田「どういう応援の仕方だ。」
八武「主人公を応援するのは当然ではないか。」
山田「こんなときだけ主人公を応援する死根也。」
神邪「服が溶けるのは、闇のゲームの効果ですか?」
佐久間「そう、闇バクラVS闇マリクと同じことだ。つまり原作準拠。」
山田「だいぶ違う気がするのは俺だけだろうか。」
八武「そりゃあ、顔芸少年と美少女では、だいぶ違う。」
維澄「闇のゲーム効果ということは、デュエルが終われば服も元に戻るような。」
八武「なにっ、そうなのかね?」
佐久間「鋭いな。闇マリクも元通りになってただろう。」
八武「服は消えたままにしよう!」
山田「それ以前に勝てる気がしないんだが、それは・・」
アッキー
2015/09/02 20:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
決闘倶楽部   第二十六話 ファントムの花嫁! (後編) 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる