佐久間闇子と奇妙な世界

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<<   作成日時 : 2015/09/13 00:05   >>

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◆ ◆ ◆



エリートって何よ



◆ ◆ ◆



大学の小教室で、もうじき50の大台に差しかかろうという男が、数人の生徒相手に話をしていた。
着やせしているが屈強な体格で、気難しそうな顔に似合わず流暢な言葉を発している。

「諸君、エリートとは何か?」

それに対して、生徒は手を挙げて言う。

「人より優れていることです。」
「文武両道、ですかね・・・?」
「社会を回している人たち・・」
「人の上に立つ者ですね。」
「非情な決断が出来る者。」
「多くのことが見えていて、多くのことが出来る人?」

それら思い思いの意見を、彼はホワイトボードに書き記していく。
生徒の1人が手を挙げて、質問した。

「この中に正解はあるんですか?」
「正解を問う質問ではない。これから諸君らと付き合っていくにあたって、考え方を知っておくのは必要なことだ。」
「では、先生の考えは何でしょう?」
「本質的には、諸君らの言ったことと同じだ。他人に正解を求めず、自分で考え、判断する。他者から情報を得るのはいい、やり方を学ぶのはいい、しかし自分の思考を放棄してはならない。」

「先生のことだから、“弱者に優しく”とかいう答えが出るのかと思ってました。」
「弱者に優しくする必要などない。」

その返しに、教室は少々ざわつく。

「諸君らが、自発的に弱者に優しくするのであれば、それは尊いことだ。しかし決して、わたしが要求する筋合いのものではない。小学生の道徳を行うつもりは無いと言っておく。」

静かな声で、荒々しさは感じられないが、強い存在感があった。
生徒たちは各自に思考を巡らせ、それぞれの理解を経由して頷いた。

「それでは諸君、弱者とは何だ?」



◆ ◆ ◆



緋桜絞殺(ひざくら・こうさつ)が生まれた頃、日本は革命の嵐が荒れ狂っていた。
自分が生まれる前から革命の気運は盛んだったと聞いているが、実感は無い。

彼にとってのリアルな実感とは、暴力に対する嫌悪感だ。
決して体格に恵まれていなかった彼は、子供時代、よく近所のガキ大将から暴力を受けていた。
理由は単純で、緋桜の家が金持ちで、絞殺という名前が気に入らない、そんなところだった。

子供というのは残酷なもので、他の子供たちも絞殺を攻撃した。口々に罵り、汚物を投げた。
絞殺を攻撃する中には、日頃ガキ大将から暴力を振るわれている子供もいた。
戦争ごっこと称して、絞殺を多人数で攻撃するのは、暇をもてあました子供らの娯楽だった。

暴力とは、何も力学的な殴る蹴るだけを指すものではない。
相互理解を放棄し、相手の意見を拒絶して、自分たちの意見を通すこと全て、暴力的なことだ。
それは互いの物的な力量が拮抗していれば、暴力的であっても十分フェアであはあるだろう。
しかし人数や腕力の有利を背景にした、一方的な暴力を、絞殺は忌むべき陳腐として考える。

そこで絞殺は考察する。
自分は腕力には恵まれない。しかし知力と財力には恵まれた。それは“有利な背景”ではないのか?
その力を、他者への攻撃とした使ったことはない。その点で、自分を攻撃する連中とは違う。
だが、その力が事実として存在しているという点では、同じことだ。知力や財力が暴力より上等とは言えない。

絞殺は、自分が正しいことは知っている。
その正しさを維持する為には、自分のもっている“有利な力”を正しく認識する必要があることも理解している。
中学生の頃に彼は、おぼろげに将来の目標を決定した。
教師か、作家か、政治家か。人を導き教える職業を目指そうと、思ったのだ。



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学園闘争が荒れ狂う中、絞殺は社会主義や共産主義について独学で勉強していた。
カール・マルクスの「資本論」を読んだのは、高校生の頃だった。

その思想には共鳴を覚えたが、革命闘争に参加しようとは思わなかった。
闘争で勇ましく声をあげている中に、かつて自分を攻撃していた者たちがいたからだ。

個人的な恨みが無かったとは言えないが、参加しない理由は、理性に基づくものだった。
“人数の有利と腕力を背景に、相手を無視した暴力的な行動”―――それは絞殺の目から見れば、動物的な衝動に身を任せているのと変わりなかった。

まるで子供だ。
実際、子供の頃から何も変わってはいないのだろう。
それこそ革命闘争と銘打ってはいるが、子供の頃の戦争ゴッコの延長でしかない。

そんなに戦争が好きなのか。
それが男らしいということなのか。
怒りは湧いてこなかったが、呆れ果てた。

革命闘争に参加することは、絞殺にとっては動物的な衝動に身を任せるのと同じことだった。
自分の肉体を鍛える行為さえ、自分を攻撃した連中との同化を感じ、生理的な嫌悪感を覚えたくらいだ。
まして思想を、生き方を、実践を、唾棄すべき連中と揃える気は無かった。

法律や経済を勉強し、スポーツと格闘技を鍛錬し、絞殺は気が付けば30歳に近くなっていた。
高校時代は、30歳といえば人生の半ばだと思っていたが、なってみれば大海を知らない青二才。
まだ、これから。良い意味でも悪い意味でも、人生これからだった。

男らしさを誇示するような革命闘争には、欠片ほども共鳴できなかったが、思想まで貶すつもりはない。
ただ気に食わないからとか、自分の正しさを主張したいが為に、思想を否定するのであれば、やはりそれは思考を放棄した、動物的な衝動でしかないと考える。

そこから絞殺は、反逆とは何かと考え始めた。
筒井康隆の小説で、「年を取ってからの反逆は大概が偽物である」というフレーズが出ていたことを、絞殺は長らく気にしていた。
それは単純に、「若者の反逆は本物である」というわけではないだろう。
ならば、どういう意味なのかと考えているうちに、ある確信めいた結論が浮かんできていた。

それを言語化するまでには、そこから更に数年を要することになる。



◆ ◆ ◆



「緋桜先生も、デュエルなされるんですか?」

非常勤講師の宮村采配(みやむら・さいはい)が話しかけてきたのは、大学の食堂でのことだった。
ふわりとした顔立ちをしている彼女が、中身まで緩いわけではなく、几帳面で仕事は丁寧だ。

「はい、そうですが。」

絞殺は食事も終えたので、采配の質問に答えた。
娘と同じ年頃の同僚というのは苦手意識がはたらくのだが、嫌いなわけではない。むしろ好感を持っている。

「あたしに付き合ってもらえません?」
「どこへですか。」
「あたしの受け持ちに、休学している学生がいるんです。その子の家にです。」

采配は薄ら寒い笑みを浮かべて言った。

「許せないんですよね、あたし。・・・休学してる子のことが、ではなくて。どんな事情が彼女にあるにせよ、学生の興味を引くことが出来なかった自分自身を、許せないんです。」

穏やかな声だったが、だからこそ迫力を感じた。
普通なら越権行為だとたしなめるところだが、絞殺は首を縦に振った。

「付き合いましょう。」



- - - - - -



部屋の中で彼女は、伸びてきた前髪を鬱陶しそうに掻き分けた。
また今日も、日がな一日、睡眠で時間を潰された。
眠くなるのと、胃が痛くなることは、どうにかならないものかと思う。

もっとも、薬を飲まなければ、耐え難い不安感と吐き気を催すので、飲まないわけにはいかない。
衝動的に自殺したくなるほどの狂乱と、人生を無駄に消費することを天秤にかけて、選択したのが後者だ。

そのように書くと、彼女が麻薬でもやってるかのように聞こえてしまうが、麻薬などやるまでもなく、彼女の脳は正常な機能を損なっている。
酒も飲まず、煙草も吸わず、ドラッグと名の付くものには大麻にも手を出したことが無い彼女は、ただ真面目に生きてきたことで、心を病んだ。
人と関わるのが恐くなって、今は散髪に行かなければならないことに恐怖を感じている。

大学に入って半年で、もう限界だと感じて、休学を申し出た。
高校時代までにデュエルで稼いだカネのおかげか、親は快く承諾した。カネの力は偉大で、ありがたい。

休学してなければ三回生になっている彼女は、また今年も4月が来たのかと思うと、気分が滅入った。
とにかく休みたいのに、休学を申し込んだときの煩わしい説得。思い出して、鬱陶しさと申し訳なさが交錯する。
寝て起きて、食って・・・知的活動の欠片も無い生活に、うんざりしていた。
この煩わしい眠気だけでも、どうにかならないものだろうか? 思索に没頭できやしない。

家に大学の講師が訪れたのは、4月半ばだった。



- - - - - -



「・・・はい。」

重苦しい気分で、彼女は服装と髪を整え、椅子に座った。
まるで気分は、刑を宣告される被告人だ。

訪ねてきたのは、ふわりとした顔の宮村という講師と、緋桜という厳めしい顔つきの教授だった。
どうして大学を休んでいるのかという質問と、それに精神病だからと答え、そこから詮索される。煩わしい。
流れから結末に至るまで、彼女は予測して、うんざりした。


だが、緋桜が発した言葉は、彼女の予想外だった。

「秋野さん、私とデュエルしませんか?」



◆ ◆ ◆



秋野連珠(あきの・れんじゅ)は、不良や劣等生が活躍する物語が嫌いだ。
そんな物語が世の中に多いことを、苦々しく思う。無くなれとは思わないが、少なくなれと思う。

描かれる優等生は、露骨に人を見下した発言をしたり、自分の頭の良さを誇示しようと振舞っていたり、そうでなくても人生の楽しみを知らない、つまらない奴だとレッテルを貼られている。
そんな優等生を、不良や劣等生が打倒して、それが痛快であるかのように描かれる。なんて不愉快。
ご都合主義。出来レース。作者が優等生を嫌ってるのだから、勝てるわけがない。

教育現場を知らない素人が、優等生が気に食わない大人が、毒を撒き散らす。
それは残虐なレイプシーンなどよりも、遥かに、遥かに、おぞましいものだと思った。
優等生とは、嫌味で憎たらしい、やられて当然な悪い奴なのだと、大勢に認識を植え付ける。
それに比べれば、凄惨な暴力や殺戮のシーンも、等しく娯楽の範疇でしかなかった。

連珠は、決して忘れない。
忘れたくても脳内で再生されるのだから、どうしたって忘れない。
高校時代は、忘れていたわけではなくても、意識にこびりつくことは少なかったのだが・・・。

そして、その手の物語を嫌うのも、所詮は自分の個人的な感覚に過ぎないのだろうと思う。
実際には嫌味な優等生もいるだろうし、情に篤い不良もいるだろう。描かれていることは、どこかの事実だ。
だからこそ余計に、気が滅入る。
不良や劣等生を一括して罵れたら、どんなにか爽快になるだろうが、それが頭の悪い行いであることを知っている以上・・・また、そんなことで恨みも晴らせない以上は、いずれにしても気分は不快だ。

気分は不快だった。



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どうして、何が切欠で、精神病になったのか、連珠は覚えていない。
ただ、人間の頭の中には、たくさんのスイッチがあって、あるとき良からぬスイッチが入ってしまったのだろう。
自分でも気付かないうちに、いじめられた記憶がスイッチに圧力を加え続け、あるとき、カチッと。


「「デュエル。」」


秋野連珠:LP8000
緋桜絞殺:LP8000


「私の先攻、ドロー。《宝玉獣サファイア・ペガサス》を召喚し、《宝玉獣トパーズ・タイガー》を永続魔法カード扱いで置きます。ターンエンド。」

「わたしのターン、ドロー。スタンバイ。・・・《レスキューラビット》を召喚する。」

一呼吸置いて、絞殺は《レスキューラビット》の効果を発動。
デッキから2体の《セイバーザウルス》が特殊召喚された。

「2体の《セイバーザウルス》を素材に、《ジェムナイト・パール》をエクシーズ召喚する。」

このプレイングの間にも、絞殺は連珠を観察していた。
伏せカードは無いが、手札誘発効果を使おうか迷っているなら、その予兆を察知できた。

(・・・覇気が無い。これが本当に秋野連珠か?)

絞殺は、このデュエルは自分が勝つだろうと予感した。
彼女が高校生の頃なら、とても勝てる相手ではなかっただろうが―――



- - - - - -



「ありがとう。」
「・・・ありがとうございました。」

連珠は戸惑っていた。デュエルに負けたことが理由ではない。今の自分が大学教授に勝てるはずもない。
デュエルに負けて多少の悔しさはあるが、すぐに疑問に塗り潰される。
どうして訪問してきたのか。復学を勧めに来たのではないのか。

「今日は、君に復学を勧めに来た・・わけではない。」
「・・・!」

言葉が詰まったのかフェイントなのか微妙なタイミングだったが、連珠は驚いた。
隣を見れば、采配も目を見開いている。不満でなくても驚いてはいるようだ。つまり予定外。
采配は、自分に復学を勧めに来たつもりだったのだろう。

「それでは、何の為ですか。」
「君とデュエルをする為だ。条件の無い、何も賭けない、しがらみの無い、ただのデュエルだ。」

デュエルすることで、何かを変えたかったわけではない。
勝ち負けに関わらず、復学はしないだろう。

もしも絞殺が勝てば復学するという条件であれば、復学させることには成功するが、連珠が苦しむだけだ。
精神病の症状を抱えたままでは、授業や講義に集中できない。そういう単純なことなのだが、シンプルであるがゆえに解決は難しい。さながらロシアンルーレットに必勝法が存在しないように。

「君が自発的に復学しようと思うなら、それは良いことだが、わたしが勧めるのは筋が違う。たとえ善意から出たものであっても、君にとっては理不尽な圧力でしかないからだ。」

とはいえ、何も無さすぎるのも不気味だと思ったのか・・・どうかは定かではないが、絞殺は最後に言った。

「ひとつだけ言うことがあるとすれば、わたしの持論だが、本物の反逆は優等生の中からしか生まれない。

このとき、この言葉が連珠の心に響いたかどうかはわからない。
連珠は結局、このときは復学する気が微塵も無かったのだ。

しかし半年後、絞殺と采配の授業には、連珠の姿があった。



◆ ◆ ◆



貝塚恒星(かいづか・こうせい)とは、まんざら知らない間柄でもなかった。
教職員同士の繋がりの中で、絞殺と恒星は数年前から会話を交わす仲だ。年齢も同じくらい。
取り立てて特徴の無い、平凡な顔立ちの恒星は、名前よろしく不変の男である。
日和見主義者を自称しているが、その日和見というスタンスを崩さない。
そんな彼が絞殺に声をかけてきたのは、自身の中立性を維持する根拠を、他者に求めたからだった。

「緋桜先生も、デュエルなされるのですよね?」
「はい、なされます。」

采配と同じ問いかけに、絞殺は少々ふざけた物言いで返した。
というのも、互いにデュエリストであることなど承知の上で、あらたまって尋ねてくるのが可笑しかったので、つい笑いを取ろうと思ってしまったのであった。

「ぼくの上司が緋桜先生をスカウトしたいそうです。」
「幽堂高校ですか。わたしは高校生相手に教鞭は執れません。」

それは、やる気と技術の両方で、出来ないということだった。
高校生の中にも、何なら小中学生の中にも、優れた者、大人びた者がいないわけではない。
しかし大半は、まだ子供だ。比較的優れた者でも、背伸びしているだけの、生意気な幼稚さが拭えない。
見込みのある者を峻別すれば、極めて少人数の、クラブ活動のようなものになるだろう。

「教師としてではなく、理事としてです。大学には籍を残したままで構いません。定例会議に出席してもらえれば、それで十分です。」
「お飾りの理事になるつもりは無い。」
「ぼくも緋桜先生には実権を持ってもらうつもりで話しています。」

そんな答えは想定内だとばかりに、恒星は澱みなく、圧迫してくる。
圧迫されたところで臆することもないが、興味を引かれるのは確かだ。

「理事長の下に、ぼくを含めて4人の理事がいますが、どうも革新に偏っていましてね。」
「わたしを理事に据えることでバランスを取りたいのか。」
「そうです。」

絞殺は、自分が保守的な人間であることを理解している。
自分の能力だけでなく、そういったスタンスも込みでスカウトしようというのであれば、猶更興味を引かれた。

話を持ちかけてきたのが、夏休みの時期であるというのも良い。計画性を感じる。
年度の替わる間際になってからでは、やっつけ感が否めないのだ。

「しばらく考えさせてください。」

内心では殆ど承諾しようと決めていたが、それでも熟慮するのが絞殺の保守的と言われる所以である。



◆ ◆ ◆



それから数年後、秋野連珠は私立翔武学園高等学校の教師になっていた。
相変わらず薬は手放せないものの、以前より症状は軽くなっており、こうして働ける身だ。

入学式を終えたら、恒例の1次選考が始まる。
生徒会の役員と教員とで協力して、入学式の後片付けを行い、ものの1時間ほどで体育館は殺風景になる。

今年のテーマは、“攻撃と防御の流れを自在にコントロールする力を見る”ということで、3ターンごとに互いのライフポイントが入れ替わるというルールになっていた。

(めんどくせえルールだな。)

いつからか翔武学園の選考会は、特殊ルールの下で行われるのが不文律となっていた。
連続優勝を成し遂げているプライドからか、はたまた単なる遊び要素なのか・・・いずれにしても面倒だ。
人数の多い1次選考なのだから、特殊ルールでチマチマと戦うよりも、シンプルに潰し合えばいいのに。

そんなことを考えていたとき、先輩教師の干支川火元(えとがわ・ひもと)が気さくに声をかけてきた。

「おもろいルールやね。」
「そうですわね。」

さばさばした美人で、生徒から人気のある火元は、体育教師なのでジャージ姿である。
何かと先輩風を吹かしてくるので、連珠は苦手だった。
翔武学園のことなら、火元などより勝手知ったる身であるのだが、それゆえに余計に気に障るのだろうか。

(3ターンごとにライフが入れ替わるなら、戦略は大きく分けて3種類。コンセプト通りなら、互いに削り合う。ルールを利用するなら、スーサイド戦術や《ギフトカード》など。そして・・・)

この年度に入学した天神美月は、最後のパターンだった。
すなわち、ルールが適用される3ターンを待たずして、相手を仕留めてしまう。

「おおっ、流石はレベル5やね!」
「そうですわね。ですが、彼女の能力は防御偏重なので、攻撃力の高いプレイングも見事だと思いますわ。」

おしとやかに振舞っているのは、自衛の為だが、さほど苦ではない。
考えて喋るタイプの自分にとっては、やりやすい。



- - - - - -



2次選考、3次選考を突破し、天神美月は生徒会役員になった。
しかし彼女は、周囲からの心無い攻撃により、デュエルを辞めてしまう。
朝比奈や佐野が尽力したものの、天神の彼女の決心を変えることは出来なかった。

連珠は一度だけ、天神とデュエルしようかと思ったことがある。
かつて絞殺が自分とデュエルしたように、ただデュエルをしようかと考えた。
しかし自分と違って、天神はデュエルそのものが心の傷となっているのだ。

(余計なことは、しない方がいいか。死ぬわけでなし。)

どれだけ強くとも、そして能力に恵まれようとも、デュエルを辞めてしまったデュエリストに興味は湧かない。
それよりも今は、注目している生徒が何人かいる。その子たちのことで頭がいっぱいだ。

しかし教師たちの多くは、せっかくのレベル5能力者ということで、是非とも復帰して欲しいと考えていた。
あるいは、「レベル5である前に1人の女の子」などという文言を掲げて向かう、火元のような教師もいた。
どの道、天神の前に敗北し、膝を折ることになるのは同じだったが・・・。

(馬鹿らしい。)

連珠は呆れていた。
他の生徒を二の次にして、血眼になる教師たちは、自分たちのことを指導熱心な教師だと思ってるのだろうか。
もっと他に、やるべきことは無いのか。


天神美月が1人の少年によって、再びデュエリストとして復帰するまで、連珠は彼女に関心を示さなかった。






   to be to be ten made to be・・・continued・・・“決闘教師”

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