佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘倶楽部PX   第一話 闇のカード (前編)

<<   作成日時 : 2015/09/25 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



ま、言ってしまえば僕はデュエリストだ。
そして自他共に認めるイケメンでもある。耳を澄ませば、女子からの黄色い声援が聞こえてくるようだよ。
幻聴や妄想などでは決してない。ただ事実を述べただけだ。異論は嫉妬と見なすけど、いいかな?
そんな僕の名前は・・・おっと、ここで本名を口にするのはやめておこう。
僕の名前は迂闊に口にすると、とてつもない災いが降りかかってしまうのだ。
決して、鷹野さんに妨害されて痛い目に遭うからというわけじゃない。

そうそう、ここは海抜マイナス数百メートルはあろうかという、地下都市だ。
デュエリスト誘拐事件を追っていた鷹野さんが、何故か高笑いと共に現れて、僕を拉致したのだ。
そのとき僕は、鷹野さんが誘拐事件の首謀者なのだと、かなり本気で思っていた。
何しろ、実力のあるデュエリストばかりが誘拐されているのだ。
鷹野さんを超えるとまで噂されているこの僕が、狙われないはずがないからね。
しかし実際は、鷹野さんは調査する側だった。そう言えば、どうして調査しようと思ったんだろう?



◆ ◆ ◆



「私が地下都市を調査しようと思った理由? あら、まだわかってないの?」

鷹野さんは口に手を当てて、情けないゴキブリを見るような目つきで、首をかしげた。
くそっ・・・相変わらず嫌な女だ。
こんな奴に素直に「わかりません」と言うのは、デュエリストとしてのプライドが許さない。

「は、ははは、何を言ってるんだい。今のは冗談に決まってるじゃないか。今のが冗談だってことも、わからないなんて、上手くやっていけるか心配だな〜。あ、ちなみに何で僕をパートナーに選んだの? 有能だから?」

さりげなく、もうひとつ知りたかったことを尋ねてみた。
別に僕でなくても、鷹野さんなら黎川さんと組んだ方が強い気がする。最強タッグだ。
さすがに僕といえども、黎川さんには敵わないという認識はある。うーん、謙虚な僕。

「色々と聞き捨てならないけど、まず言っておくわパラコン。あなたは無能よ。

・・・っ、この女、わざわざ赤字で強調してきやがった!
何これ、新手の嫌がらせ!?

「毎回、私に圧倒的な差をつけられて無様な敗北を晒し、地べたに這い蹲る、ゴキブリ並みに弱いデュエリスト。それがパラコンボーイ・・・あなたなのよ。ゴキブリ並みのパラコンボーイ、略してゴボーイ。」
「誰がゴボーイだクソアマああ!!」
「え、何て言ったの?」

そう言うのと同時に、鷹野さんは僕に、関節技をかけてきた!
ぐああああああ!! 痛い痛い痛い!!

「申し訳ありませんでした、華麗にして強大なる鷹野麗子様・・・。」
「よろしい。」

くっそおお、すっごい悔しい!!
チキショオ! チキショオオ!! チキショオオオオ!!!


「さて、いつまでも無能なパラコンボーイ、略してムボーイに構ってる暇も無いから、私1人で調査を開始するわ。」
「ええええええ、僕を連れてきた意味は!?」

その疑問に対して、鷹野さんは信じられない一言を返してきた。


「特に意味は無いわ。」


はああああああ!!? 何じゃそりゃああああ!!?

「あと、あなたの髪型って微妙よね。」
「それは前にも聞いたあああ!!」



クソアm・・・パーフェクトな美少女・鷹野麗子は、僕を置き去りにして、勝手に歩き去っていった。
だったら僕を連れてくんじゃねえよチキショウ! バーカバーカ! おたんこなす! ・・・聞こえてないよね?
いや、決して僕は、鷹野さんが恐いというわけじゃない。あんな女、恐くない。
僕が恐れることは、読者(美少女)が迂闊に僕に触れて、火傷してしまうことだけさ。

・・・よしっ、今の僕、すっげえ決まってる!
またしても僕のファンが増えてしまった気がするが、気のせいではないだろう。


「よお、パラコンじゃねえか。」

残念ながら、聞こえてきたのは男の声・・・あれ、どこかで聞き覚えがあるような・・・。
振り返ると、背の高い、野生児のような男が、そこにいた・・・・・・って、やっぱり東仙高校の遠山力也!!

「あー、久しぶりです、遠山さん。」

知らない人の為に解説しよう!
僕と遠山さんは、かつて「番外プロジェクト3 〜プロジェクトシリーズVS決闘学園!〜」において、死闘を繰り広げた間柄なのだ!
遠山さんには惜しいところで負けてしまった僕だけれども、それは物凄く相性が悪かったからであって、まともに戦えば僕は、レベル5能力者にも勝てるポテンシャルを秘めている。
理論上は、あの波佐間さんにすら、勝つことが出来るのだ。

「こんなところで何やってんだ?」
「ふ・・・それは愚問ですね、遠山さん。デュエリストが集うとき、そこが戦場となる。そういうことですよ。」
「はっ、なるほどな。卒業した2人の穴を埋めたのは、お前と鷹野か。」

遠山さんの目つきが、鋭く輝く。
そのとき僕は、遅すぎた違和感に気付いた。

「・・・あれ、そう言えば、今はデュエル大会の真っ最中ですよね? どうして遠山さんがここにいるんですか?」

毎年6月に行われる、海馬コーポレーション主催のデュエル大会。
これに東仙高校が出場しないはずはないし、遠山さんがレギュラー落ちも考えられない。
強力なレベル4能力者だし、去年の決勝戦でマトモに白星を稼いだ唯一のデュエリストでもある遠山さんが、今年レギュラーの座を追われるということは、ありえないだろう。

「あ? お前が来たのは、大会関係じゃないのか?」

そこまで言われて、聡明な僕は気付いた。
デュエリストが攫われているということは、大会の参加者が攫われているということだ!

「オレたちの次の対戦相手は、童実野か幽堂のはずだった。だが・・・両方の選手が、消えた。」
「この都市にいるんですね?」
「ああ。このままじゃ東仙高校は、不戦勝になっちまう。そんな勝利は願い下げだ。」

不戦勝を嫌う。それは一流のデュエリストとしてのプライドだ。
対戦相手を取り戻す為に、はるばる地下都市までやってきたのだ。
やはり遠山さんからは僕と同じ匂いを感じる。

「童実野の対戦相手だった、都蘭布高校の連中や、幽堂の対戦相手だった、星条学院の連中も、何か知ってるはずだと思って訪問してみたが・・・いなくなってやがった。」

悔しそうな顔で力む遠山さんだったが、何かに気付いたように顔をあげた。
そこには笑顔のハンサムな男が、2人の美少女を連れていた。チキショオ! 何だかとってもチキショオ!

「・・・って、よく見たら柊さん。」
「対面するのは、これが初めてですね、パラコン君。」

知らない人の為に説明しよう!
去年の大会で、鷹野さんが一方的にライバル視している天神さんと、死闘を繰り広げた柊聖人。
ハンサムでデュエルが強いという点が、僕と似ている。

しかし、美少女2人は誰だ?
ひとりは相当な細身で、倒れてしまいそうなところを抱きとめて、甘い言葉をかけてやりたい紳士な僕。
もうひとりは学ラン姿の、こちらは女の子らしい体つきをした女の子だ。おっと、紳士な僕はジロジロ見ない。

「そいつらは・・・殺霧(あやきり)に、一寸日(いっすんび)か。」
「そうです。彼女たちの話で、おおまかな事情が掴めました。」

僕たち5人は、互いに名乗り合った。
なるほど、細身の方が殺霧敷衍(あやきり・ふえん)、男装少女が一寸日獲斗(いっすんび・かくと)か。

これまでの経緯を再び説明してもらい、それに柊さんの説明が加わって、僕にも事情が理解できた。
童実野高校と都蘭布高校は、2回戦で2−2まで持ち越したところで、闇のデュエリストが乱入。
2回戦を制したのは童実野で、3回戦の相手である幽堂にも勝利したということらしい。

「ということは、オレらの相手は童実野高校ってことだな。」
「そうなります。まずは稲守さんたちとの合流地点まで戻り、それから童実野メンバーを探しましょう。」
「おう。そうと決まれば、旅は道連れだ。パラコンも一緒に来いよ。」

その申し出には、ありがたく乗らせてもらおう。
僕は頷いて戦列に加わった。

「そうですね。いずれ当たる敵とはいえ、今は味方です。」

柊さんも、やや憮然とした顔をしているけど、納得してくれたようだ。
このメンバーと一緒なら、鷹野さんを出し抜けるかもしれないからな。

「はっはあ、ライバル同士が組む展開か。熱いじゃねえか!」
「まったく、一寸日は宿命とかライバルとかいう単語が好きですことね。」
「はっ、フェンも女ならわかるだろ? この熱き血潮を!」
「未だに貴方の性格は掴めないですことね。」
「いやいやいや、遠山たちはわかるよな!」
「ああ、そういうノリは好きだぜ。やっぱ王道だよな。」
「僕も嫌いじゃないですよ。吉井くんとのタッグは、策略の一環とはいえ、新鮮な気分でした。」
「えーと、僕は・・・まあ、そういうのも悪くないですよね。」

正直、鷹野さんなんかと二度とタッグは組みたくない!
だけど、それを口には出さない、空気を読める僕。えらいぞ。

「ほーら見ろ。フェンの理解度の低さが証明されたぜ。」
「此方の推測では、気を遣って言ってくれている可能性が78パーセントですことよ。」
「何だよ78パーセントって! そのテキトーな数字!」
「数字ではなく数値ですことよ。それと一寸日、おしとやかモードは期間終了ですこと?」
「うっ・・・うるさいざます・・・あれ、違うな・・・。黙れですわ・・・じゃない・・・。」

一寸日さんが、顔を赤くしてモジモジし始めた。
これは、もしかして僕に惚れてしまったのか?
ぐふふ、ここに来て2日目、早くも女子のハートをゲットしてしまったようだ。
これで晴れて僕にも春が来―――

・・・・・・
・・・・・・・・・

・・・あれ、どうして鷹野さんの顔が出てくるんだろう。
そうか、僕が幸せになろうとしたら、鷹野さんに邪魔されているからな。これはイエローアラートだ。
まったく、どうして鷹野さんは、僕の幸せを邪魔しようとするんだろうな。



「うふ、うふ、うふふふふ、懐かしくもない顔ぶれに、柊さんに、遠山さん・・・それから、えーと・・・・・・ああ、申し遅れました、わたしは南城暦(なんじょう・こよみ)。“お骨様”と呼んでください。」

突然出てきた、髑髏の仮面を被った女は、こともあろうに僕をスルーしやがった! チキショオオ!
何か柔らかい声してるけど、絶対この人、性格悪いって!

「南城・・・!」
「てんめえ・・・!」

ほら、殺霧さんと一寸日さんも、殺意の目つきで睨んでる!
こんな性格のいい子たちに睨まれるとは、悪い奴に違いない!
あ、そうだ、南城暦って、話に出てきた闇の裏切りデュエリストじゃないか!

「どうやら、お前は童実野メンバーの行方を知ってそうだな。」
「デュエルで聞き出す他ないようですね。」

遠山さんと柊さんがデュエルディスクを構える。
おっと、ここは僕も後れを取ってはならない! だけど出来れば、僕以外の誰かを相手にしてほしいな・・・。

「うふ、うふ、うふふ。5人まとめて相手してもいいですよ? わたしは、負けませんから。」

くっ、まずい・・・。これは敗北フラグだ。集団で1人に挑むと、集団が負ける。
これはデュエルではよくあることだ。お約束といってもいい。
だけど今更、後には引けない・・・。ここで僕が逃げたら、僕を尊敬してくれている遠山さんと柊さんの期待を裏切ることになり、僕の魅力にメロメロになっている一寸日さんと殺霧さんにも幻滅されてしまうだろう。
男には引き下がれないときがあるのだ。それが今だ。


「「「「「「デュエル!」」」」」」


パラコン:LP8000
遠山力也:LP8000
柊聖人:LP8000
殺霧敷衍:LP8000
一寸日獲斗:LP8000

南城暦:LP40000



「4万ですこと!?」

「うふふ、そちらは5人なのですから、わたしが5倍の初期ライフを持つことは、当然ではないですか。」

そう言いながら南城さんは、先攻を取った。
話術で相手を言いくるめて先攻を取るとは、鷹野さんに匹敵する外道だ。
ちょっと厳しすぎる評価かもしれないが、さっきの恨みは忘れていない。よくも僕を軽視したな?
今から僕の実力を、たっぷり味わうがいい!

「はっはっは、南城さん! 墓穴を掘ったね!」

「うふふ、どういう意味です?」

「わざわざ5倍の初期ライフを設定するということは、そうでもしないと勝てないと告白したも同然! 君は、せっかくの勝利フラグを、ポッキーのようにポッキリ折ってしまったのさ!」

き、決まったーーーーー!!
メチャクチャ決まったよ、僕!

解説するまでもないと思うけど、お菓子ポッキーとポッキリをかけた、高度な言葉遊びだ。
こんなハイセンスなギャグが即興で思いつけるなんて、今の僕はとても冴えている。


「わたしのターン、ドロー。」

どうやら南城さんは動揺しているようだ。動揺を必死に押し隠してドローしているのが手に取るようにわかる。
フィールドにも彼女の心境を顕すように暗雲が・・・・・・あれ、本当に暗雲が漂ってる?


「わたしのレベル3能力“見えざる闇”(ダークアブソリュート)は、情報系では最高峰を自負しております。」


手札、ライフ、フィールド、その全てが見えなくなってしまった!
こんなデュエリスト能力、インチキだ! レベル3というのは偽装に違いない!



パラコン:LP8000→4000
遠山力也:LP8000→4000
柊聖人:LP8000→4000
殺霧敷衍:LP8000→4000
一寸日獲斗:LP8000→4000




「何が起こったのですことよ!?」

「落ち着くんだ殺霧さん! これは《うずまき》の効果だ!」

これまで散々、鷹野さんに痛い目に遭わされてきた僕だから、すぐにわかった。
《うずまき》みたいなチートカードを平気で使うなんて、やっぱり性格が悪い!

「う、《うずまき》・・・??」

「《うずまき》の効果で、このデュエルはマスタールールから、スーパーエキスパートルールに切り替わった。それによって初期ライフも変動したのさ。」

「確かルール切り替え時のライフ変動は、半分になるか4000マイナスだったよな。」

「なるほど、それを自由に選べるとすれば、南城さんのライフは36000ということですか・・・。」

遠山さんと柊さんは渋い顔をするが、ここで再び僕の出番だ。

「違うよ、遠山さん、柊さん。南城さんは、僕たちに合わせて初期ライフを5倍にした。8000それぞれが4000になるわけだから、どっちにしろ20000だ!」


「うふふふ、なるほど、この都市に来ているからには、雑魚ではないようですね。」



南城暦:LP20000



覆っていた暗雲が晴れて、ライフカウンターが20000を差しているのが見えた。
やはり僕の推理は正しかったのだ。どうだい鷹野さん、僕もやるときはやれ―――

・・・そっか、今は調査で、いないんだった。
何だかんだで、僕がデュエルするときは鷹野さんがいることが多いから、つい条件反射で振り向いてしまった。


「よーし、サンキュウだぜパラコン! そうと決まれば、オレの・・・えふん、わ、私の、デュエリスト能力を発動しますわよ。《モリンフェン》ちゃん・・・・さん、3体・・・・・ああもう、しゃべりにくい!」

え、何そのデュエリスト能力?
うーん、まあ、僕らプロジェクトシリーズも大概だけどね。

「キャラ作りがブレブレですことね。それはさておき、此方のデュエリスト能力も発動ですことよ。《モリンフェン》3体分の攻撃力、5250ダメージを受けろ、南城!」

殺霧さんのキャラも若干変わった。
フィールドに出た《モリンフェン》の攻撃力分のダメージを与える能力か・・・。物凄いインチキ効果だ。
彼女が敵でなくて良かった。心の底から良かった!


南城暦:LP20000→14750


「うふふ、何らかのプレイを行い、ターンエンドです。」

手札とフィールドが暗雲に包まれているせいで、どんなプレイをしたのかわからない。
だけど、見えないなら見えないで、やりようはある。
見えるけど見えないものにロマンを滾らせるのが、男の宿命だ。

「僕のターン、ドロー!」

「あらら、いつの間にフィールドにモンスターを?」

「気付いたようだね、南城さん。僕は《うずまき》が発動されたことにより、手札から《応戦するG》を特殊召喚していたのさ!」


応戦するG レベル4 地属性・昆虫族
攻撃力1400 守備力1400
(1):相手がモンスターを特殊召喚する効果を含む魔法カードを発動した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードの(1)の効果で特殊召喚されたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「応戦するG」以外の攻撃力1500以下の昆虫族・地属性モンスター1体を手札に加える。



【ゴキブリ・ロック】は、日々進化を続けている。
かつてはクズカード扱いされていたゴキブリカードだけど、今や第一線で活躍できるカードも少なくない。
そんな大器晩成な経緯は、この僕に使役されるに相応しい。何故なら僕も、大器晩成だからだ!


「わたしが発動したのは、ルールを切り替える《うずまき》のみ。どうして《応戦するG》を特殊召喚できたのです?」

「ふっ・・・どうやら君は、《うずまき》を真に理解しているとは言えないようだね。《応戦するG》の最初の効果を、よく見てごらん。そう、モンスターを特殊召喚する効果を“含む”と書いてあるんだ。」

僕は白い歯を輝かせてポーズを決めた。
この為に歯磨きを30分やっておいた甲斐があったなあ。

「どういう・・・ことです・・・?」

「何だ、知らないのかい? 《うずまき》は100を超える効果を内蔵している・・・当然その中には、モンスターを特殊召喚する効果だって、含まれているに決まってるじゃないか。例えばセキュリティルールに切り替えれば、デュエル開始時にポリスモンスターを可能な限り特殊召喚できる。Q.E.Dだ。」

「うふ、ふふ、ふふ・・・やりますね・・・。あなたほどのデュエリストが、どうして無名なのやら。」

「仕方ないことさ、南城さん。ある事情で僕は、本名を名乗ることが出来ない身・・・。」

ああ、つくづく僕も罪な男だな。どうやら南城さんまで僕の虜になってしまったようだ。
だけど君と僕は敵同士。残念だけど、容赦はしないよ!

「僕は攻撃力1200の《ゴキボール》を召喚! 《応戦するG》で、一番左のモンスターゾーンに攻撃だ!」


《応戦するG》 (破壊)

パラコン:LP4000→3300



「・・・っ!」

「ふふん。」

首尾よくモンスターを破壊した南城さんが悔しそうな顔で、せっかくのモンスターを破壊された僕が上機嫌。
一見すると不思議な光景に思えるかもしれないけど、当たり前のことなのだ。

これで僕たちは、「南城さんの一番左のカードゾーンに攻撃力2100のモンスターが存在する」という情報を手にすることが出来たわけだ。1対5のデュエルにおいて、この情報の優位性は大きい。

「やるじゃねえかパラコン。」
「お見事です。」

遠山さんと柊さんが、尊敬の眼差しで僕を見る。
いやあ、尊敬されるって気持ちいいもんだなあ。

「なるへそ、こんな攻略法があったとは!」
「此方としたことが、思いつかなかったですことよ。」

一寸日さんと殺霧さんも、僕のタクティクスに惚れ惚れしている。
しかも僕は、《応戦するG》の効果で、《ゴキボール》を手札に加えた。勝利へ近づいたわけだ。

「まだ僕のバトルフェイズは終了していない! 《ゴキボール》で左から2番目のモンスターゾーンに攻撃!」


《ゴキボール》 (破壊)

パラコン:LP3300→2400



「攻撃力2100が2体ですこと・・・?」
「どーゆうことだ?」

僕はカードを1枚伏せてターンを終了し、遠山さんにターンを回した。

「オレのターン、ドロー! 《二重召喚》を発動し、《ゴブリン突撃部隊》と《ゴブリンエリート部隊》を召喚するぜ!」

攻撃力2300の《ゴブリン突撃部隊》に、攻撃力2200の《ゴブリンエリート部隊》を並べた。
1ターン目から攻撃力2000を超えるモンスターを2体も出してくるなんて、遠山さんの実力の高さが窺える。
尊敬されている僕だけど、うかうかしていると追い抜かれてしまうかもしれない。

「そのまま2体で、真ん中と右から2番目のモンスターゾーンを攻撃だ!」


南城暦:LP14750→14550→14450


「またしても攻撃力2100ですか・・・。」

柊さんが、ぼやきの声を発する。
しかし、全く状況がわからないのではなく、何かを思い出しかけている感じだ。
そう、僕も、何かを思い出しかけて、思い出しきれない、もどかしい状況だ。2100、2100・・・。

「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

「それでは僕のターンですね、ドロー。《カードガンナー》を召喚します。効果でデッキトップから3枚のカードを墓地に送り、攻撃力を1900まで上昇させます。右端のモンスターゾーンへ攻撃です。」


《カードガンナー》 (破壊)

柊聖人:LP4000→3800



「なるほど、やはり攻撃力2100ですか。」

「攻撃力2100が5体・・・」

「・・・あ、そうか!」

僕と柊さんと遠山さんは、ほぼ同時に気が付いた。
というより、思い出したというべきだろう。

「え、どういう・・・だいたい攻撃力2100を5体も出し・・・・・・あ、ああ!」

「なるほど、此方としたことが気付くのが遅れたですことよ。」


僕たちは、声を揃えて叫んだ。





「「「「「地雷蜘蛛!!」」」」」





パラコン:LP2400、手札4
場:
場:伏せ×1

遠山力也:LP4000、手札2
場:ゴブリン突撃部隊(守0)、ゴブリンエリート部隊(守1500)
場:伏せ×1

柊聖人:LP3800、手札5
場:
場:伏せ×2

殺霧敷衍:LP4000、手札5
場:
場:

一寸日獲斗:LP4000、手札5
場:モリンフェン(攻1750)、モリンフェン(攻1750)、モリンフェン(攻1750)
場:


南城暦:LP14450、手札?
場:地雷蜘蛛トークン(攻2100)、地雷蜘蛛トークン(攻2100)、地雷蜘蛛トークン(攻2100)
場:うずまき(フィールド魔法)、地雷蜘蛛(永続罠)、?





つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「あなたは無能よ」
コング「鷹野麗子はSか?」
火剣「今のところMではなさそう」
コング「S子にMの喜びを体験させたら虜に」
ゴリーレッド「そんな物語ではない」
火剣「バイオレンスガール。鷹野麗子はバガール」
コング「ボンバーガールだからボガール」
ゴリーレッド「ムボーイは酷い」
火剣「遠山力也、柊聖人、殺霧敷衍、一寸日獲斗、続々登場」
ゴリーレッド「南城暦も現れた」
コング「集団で一人に挑むのは敗北フラグ? これはデュエルに限らずアクション映画でもたいがいそうだ」
火剣「モボーイの独白はずっと凄いが、この自信はどこまで本物なんだ?」
ゴリーレッド「敷衍、獲斗、暦、誰も虜にはなっていないと思う」
コング「ポッキーの駄洒落はそんなに高度なのか?」
火剣「段々怪しくなってきたが、デュエルの実力は本物のようだ」
ゴリーレッド「雑魚ではないようねって、そんな余裕をかますほどの実力差があるのか」
コング「見えないのもロマンだ。たとえばシャワールームでシルエットだけが見えるけど、目をこらしても見えない」
ゴリーレッド「何の話をしている?」
火剣「後編につづく」
火剣獣三郎
2015/09/25 20:22
>火剣さん
鷹野さんは常にドSですね。プロジェクトシリーズと決闘都市の合間ですが、お変わりありません。
そして自信過剰と思いきや、実力は確かなパラコンボーイ。鷹野さんには毎回のように負けていますが、それは鷹野さんが強すぎるからであると、名誉の為に言っておきましょう。

佐久間「鷹野麗子はプロジェクトシリーズ第2位のドSだ。」
山田「第1位は誰だ?」
神邪「師匠に決まってるじゃないですか。ああ、蔑みの目で見つめられたい・・・ワクワク。」
八武「神邪くん、しっかり!」
維澄「正常。」
佐久間「おい。」
山田「しかし続々と出てきたな。」
佐久間「ゾクゾクすると言いたいのか?」
山田「カノンじゃあるまいし。」
神邪「ポッキーのようにポッキリ。このギャグセンスをメモメモ。」
山田「待て、それは修羅の道だ。」
八武「しかし実力は本物か。最初の頃が嘘のようだねぃ。」
佐久間「無々も最初は弱かったが、今やダークネスの1体にも勝利できたほど。成長する主人公は人気の秘訣だ。」
神邪「僕は弱いまま成長しないから不人気なんですね。」
八武「安心したまえ、需要も人気のうちだ。君が美女を陵辱することで、どれほどの人々を救っていることか。」
山田「その理屈はおかしい。」
八武「しかし地雷蜘蛛か。是非とも女性モンスターを捕らえてほしい、地雷蜘蛛か。」
山田「なぜ願望まで口に出した?」
八武「その拳を収めたまえ! 見えるけど見えないものだよ、山田くん!」
アッキー
2015/09/25 23:23

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