佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘倶楽部PX   第二話 未来予知の眼

<<   作成日時 : 2015/09/27 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



・・・・・・言ってしまえば、僕はデュエリストだ。

ここは、暗くて寒い。
死んだ後も意識が残るとしたら、こんな感じなのかな。

僕は竜堂眸とのデュエルに敗北し、彼女に吸収されてしまった。
ここは彼女の内部世界。

僕のデュエリスト能力は、フィールドに《モリンフェン》様を降臨あそばせ奉ることが出来る、強力な能力だ。
だけど僕自身は、脆弱な凡人に過ぎなかった。
ひとたび降臨なされた《モリンフェン》様は、生贄になることはないと、高を括っていた。
通常のカード効果で生贄にならなくても、同じくデュエリスト能力なら話は別だ。
レベルイマジナリー能力“逆錐創世”(メティスカロフ)は、あらゆるものを反転させてしまう。
「生贄にならない」は、「生贄になる」へ。
迂闊に《モリンフェン》様を降臨させてしまった僕は、味方みんなの敗北の引き金を引いてしまったのだ。
もう合わせる顔が無い。ここで静かに朽ちて、竜堂眸の一部として残りの人生を過ごそう。

僕は何者でもなかった。風森無々(かざもり・むむ)という存在は、虚数の蝶だった。
竜堂眸という存在から派生した、紛い物だった。観念のゾンビだった。
父さんも、母さんも、いなかった。人生の記憶は偽物だった。
必要が無くなったからなのか、高校以前の記憶は、ぼんやりと薄れて消えかけている。
ダークネス事件のことも、知識として覚えているだけで、体験として覚えていない。
こうして「思う」ことすらも、誰かが設定したことに過ぎないのだろう。
自我なんてない、クオリアなき虚構。虚無。

嗚呼、モリンフェン様・・・・・・僕がモリンフェン様を崇拝する気持ちも、幻想に過ぎないのでしょうか?



◆ ◆ ◆



・・・・・・君・・・

ムー君・・・



「ムー君! ムー君!! うわああああ!! ああああ!!」

何が起きたのかわからない。
いつの間にか比呂子ちゃんが、泣き叫びながら僕に縋りついていた。
この幸せに、僕の頭は真っ白な地平線の向こうから黒い影が飛び立つううう!?

「あったかい・・・! ムー君の、体だあ・・・!」
「ひ、比呂子ちゃん、どうして・・・ここは、いったい?」

僕が意識を失った、闇坂本家ではない。
見知らぬ街の、デュエルリングが目の前に。

「風森! ・・・なんつーか、久しぶりって感じ、だよな。」
「立てるかい?」

次郎くんに、敦くん。
そして、その後ろには。

「はうう、無々くんも出してもらえたんだ。」
「リスティーちゃんも・・・。どういうこと?」

「それは私から説明しよう。」

少女の形をした恐怖が立っていた。
クリムゾン・ドラグーン。竜堂眸。
姿は10歳くらいなのに、凄い威圧感だ。



- - - - - -



24時間前。


安藤比呂子は、ひとりで怪物のところへ赴いた。

いつもは頼れる副人格も、今は怯えて意識を閉ざしている。
およそ恐いものなど無いと思っていた、ハチャメチャで、下品で、だけど優しい副人格。
彼女の心を折った怪物に、平凡な女の子が勝てるわけがない。
それどころか、対峙することさえ不可能に近いだろう。

実力の差を勇気で埋める。そう言うだけなら容易いことだ。
だが実際、一般人が立ち向かう相手として、野生の虎でも、手に余るどころではない。
まして竜王を相手に、どれほどのことが出来るのか?

比呂子を動かしているのは、勇気などではない。
むしろ、マイナスの感情だった。

(ムー君がいない世界なんて、もう嫌だな。)

つい数分前に、鷹野麗子から聞かされた事実が、比呂子の足を闇へ向かわせた。
風森無々とリスティー・N・ダークは、竜堂眸に吸収されてしまったというのだ。

(ムー君、ムー君・・・無々・・・くん・・・・)

その人をどれだけ想っているかは、その人がいなくなったときにわかるという。
いなくなってから、好意が膨れるのか、嫌悪が膨れるのか、あるいは感情が薄れていくのか。

比呂子は、自分でも意外だった。
彼のことを好きだという自覚はあったし、付き合いたいとも思っていたが、その思いの深さに自信は無かった。
それこそ、恋心なのか、それとも家族に対するような感覚なのかすらも、区別できていなかったほどだ。
出会ってから、それほど時間が経ってないというのもあり、ジュリエットのような熱烈なタイプでもない。
どこか冷めたところのある自分は、何かが壊れているような気もして、生きている現実感が薄い。
無々に惹かれたのも、彼が地に足の着いた感覚を与えてくれるからに過ぎないのかとも、思っていた。

だが、会えない時間は1日を10年にも引き延ばす。10年も想えば、恋は愛に変わる。
日常では拡散してしまう熱も、ひとりになれば溜まっていく。僅かな熱も溜まればマグマになる。
ひとりの今は、燈炉子に甘えられない。だけど、だからこそ自分が頑張れるチャンスでもある。


『クリムゾン・ドラグーン!!! たのもーーーー!!!』


『ほう、私に挑みに来たのか。その覚悟には敬意を禁じえないな。』

少女の形をした恐怖は、前触れもなく姿を現した。
姿形は12,3歳というところだろうか。
千億の夜を織ったような黒髪をなびかせて、純白に身を包み、鮮血の双眼が三日月に嗤う。

『ムー君と、リスティーちゃんを、吸収したってホントなの!?』
『あァ、そのことか。吸収したというより、元に戻ったという方が正しいな・・・“比呂子ちゃん”?』
『・・・っ、ムー君の声で・・・!』
『“比呂子ちゃんも、竜堂様に魂を食されるといいよ”。』
『やめて! ムー君の声で、そんなこと言わないで!』
『恋人を解放して欲しいのか? 私に勝てたら・・・いや、お前とのデュエルで、私のライフが100ポイント減るごとに、1人を開放してやろう。』

このとき比呂子は、危うくこの提案に乗るところだった。
だが、彼女は首を振って、地獄への道を回避した。

『そんなことしなくても、ムー君とリスティーちゃんを解放することは出来る!』
『ほう・・・。どうやって・・・?』
『毎年6月に、海馬コーポレーション主催の、高校生対抗デュエル大会があるのは、知ってるかな!?』
『もちろん。』
『わたしたちは、その大会で、2回戦を突破した。そして3回戦も、幽堂高校のメンバーに勝って、大会では不戦勝が決まっている。つまり、4回戦に進む権利がある。』
『なるほど、だから無々とリスティーを開放し、みんなを地上へ帰せと言いたいのか。』
『そうだよ! わたしたちを、日常へ帰して! わたしたちの日常を返して!!』
『ククッ、笑わせてくれるなァ・・・お前たちの日常など、誰にも奪えはしないのに・・・。しかし、要求の方は条件付きで認めてやらんでもない。』
『じょ、条件!?』
『この街で童実野と東仙が戦い、勝者のみが地上へ戻れるというのが条件だ。お前たちが負ければ、無々とリスティーは再び私に取り込まれる。』

竜堂眸の提示した条件は、確かに筋が通っている。
決闘法則に従った、比呂子の筋も通しつつ、自分の筋も通している。
これ以上の要求は、相手に対する甘えでしかない。

『・・・わかりました。その条件で受けます!』



- - - - - -



「・・・・・・というわけだ。」

“クリムゾン・ドラグーン”竜堂眸は、昨日の話を、魔術を駆使して臨場感たっぷりに語った。
それを聞いて、僕も比呂子ちゃんも真っ赤になっていた。

比呂子ちゃんも、僕のことを・・・?
・・・正直、嬉しい。
だけど、僕は比呂子ちゃんの想いに、ちゃんと応えられるんだろうか。
燈炉子さんには啖呵を切ったけれど、曖昧に誤魔化した面も否定できない。


「あのー、つかぬことを、お聞きしますがー・・・」

赤くなったまま、比呂子ちゃんが挙手した。

「・・・どおして、わたしの心情まで筒抜けなんでせうか・・・?」
「想像だ。」
「想像っ!? 想像で人の心が読めるわけないよね!?」

しかし竜堂眸は、半ば呆れたような顔で口元を曲げる。

「何もおかしなことはあるまい。他人の気持ちなど、想像するしかないのだからな。『人の気持ちはわからない』なんて言ってる奴は、単純に想像力が貧しいだけに過ぎない。」

聞きようによっては、傲慢きわまりない言葉。
しかし、彼女にとっては呼吸するのと同じ程度のことなのかもしれない。
そう・・・モリンフェン様にとって、僕に魅せてくれた奇跡の数々が、おしなべて児戯であるように。

「知性だとか、理性というものは、身の丈に合わないほどの想像力を指すのだ。神邪や日影の優れた才能を苦も無く理解できる私が、たとえ身の程に合わせたって、恋する比呂子の心情を推断することは容易い。」

三日月に歪む瞳は、ニヤニヤと笑っているようにも見える。
なんというか、冷やかしているような・・・。

「恋する少年少女というのは、どれだけ見ても見飽きないものだな。そんな思い出も無い私に、ヤツなりのお節介というところか・・・はン、それがメインでなくてもなァ。」

カノン先生のことかな。竜堂眸から、僕とリスティーちゃんを分割したって話は、嘘みたいだけど本当だ。
さっきまで取り込まれてたから、そのあたりは頭に入っている。
あの人は、いったい何者なんだろう。


「南城、早かったな。」

髑髏の面を被った女の人が、5人を連れてきて・・・

「殺霧さんに、一寸日さん?」

「風森さん! 開放してもらえたのですことか!?」
「待てフェン、そんな旨い話あるわけねぇぞ。」

東仙高校の、柊さんと遠山さんもいる。
DVDで観ただけで、実際に会うのは初めてだけど・・・。

残る1人は、誰だ?
カイゼル髭のような髪型の・・・なんというか、僕と同じ匂いがする少年だ。
まるで、世間的には評価の低いカードをエースとして、実戦レベルまで高めたような、そんな印象を受ける。
人に好かれる為の努力を惜しまず、女の子の仕事を代わってあげたり、カードをプレゼントするような感じだ。
もちろん、これは単なる印象に過ぎない。実際には、女の子に消火器で攻撃されたりしているかもしれない。


「このデュエルに負けたら、風森は再び食われちまうのか!」
「そうらしい。人間が人間を吸収するってのが、イマイチ想像できないけどな・・・。」

僕が考え事をしている間に、一寸日さんたちへの説明が済んだみたいだ。
どうも僕の方が、シリアスに欠けている気がするな。今だって、一寸日さんと次郎くんが、気心の知れた恋人みたいに見えると感じて、祝福したい気持ちになっているし。

比呂子ちゃんに強く想われてる幸せで、ボケてるのかなあ。
まだ日常へ帰れるって決まったわけでもないのに、何だか幸せだ。


そうしているうちに、ショートヘアの女の子(何故かフワフワのウサミミ)が、東仙高校の2人を連れてきた。
霧原さんと、稲守さんだ。彼女たちとも、実際に会うのは初めてのことだ。

そう言えば、波佐間さんが高校を卒業したから、新しいメンバーが入ってるはずだよね?
ということは、あの独創的な髪形の人が・・・・・・いや、そういう雰囲気じゃないな。

「にひひぃ、残るは1人だにぇ。」
「ご苦労、東堂。5人目は既に呼んである。じきに来るから、デュエルを始めよう。」

どういうことだ・・・?
ハッ、そうか、これは東仙の作戦だ!

「5人目の正体を謎にすることで、こちらに心理的プレッシャーを与えるということか! いいですよ、そう来なくてはね・・・。リスティーちゃんや僕に同情して、手を緩めるような相手でなくて良かった。場所は不本意ですが、正々堂々と戦いましょう! あらためて、僕は童実野高校の、風森無々です!」

そうだ、僕は風森無々だ。
創られた存在であっても、誰かの想像に過ぎなくても、僕は僕だ。

「はい、こちらこそよろしく。僕は東仙高校の柊聖人です。」


僕と柊さんは、互いにデュエルディスクを構えて、デュエルリングで対峙した。
自分の運命が懸かっているというのに、妙に落ち着いている。


「「デュエル!」」


風森無々:LP4000
柊聖人:LP4000



「ライフポイントが4000!?」

思わず竜堂眸を見ると、彼女は笑っていた。

「どうした? 私はマスタールールでデュエルすると言った覚えは無いぜ。」
「もしかして、レベルイマジナリー能力“逆錐創世”(メティスカロフ)で、ルールを反転させたんですか?」
「ピンポーン。何しろPX(プロジェクトクロス)だからな。」
「そ、そうか・・・『決闘倶楽部』から『決闘倶楽部PX』になったことで、そうなるのは必然!」

だけど、このルールは、むしろ僕に有利とも言える。
スーパーエキスパートルールでは、魔法・罠を1ターンに1枚ずつしか場に出せない。
僕が苦手とするロックが、スーパーエキスパートルールでは組みにくいのだ。

「僕の先攻、ドロー! スタンバイフェイズに、僕のデュエリスト能力が発動します!」



風森無々:LP4000、手札6
場:モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)
場:モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)、モリンフェン様(攻2100)

柊聖人:LP4000、手札5
場:
場:




「これが僕のデュエリスト能力“唯一神”(モリンフェン)・・・『デッキ・エクストラデッキのカードを全て《モリンフェン》様で構成することによって、自分のスタンバイフェイズに手札・デッキ・墓地・除外ゾーン・エクストラデッキから《モリンフェン》様を任意の数だけ降臨させることが出来る。この効果で降臨した《モリンフェン》様は生贄・コストにすることは出来ず、攻撃力はデュエルが開始してから経過したスタンバイフェイズの数×フィールド上の《モリンフェン》様の数×50ポイントアップする。また、守備表示モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えていれば、その数値分だけ戦闘ダメージを与える。』・・・レベル1だ。」

やはり、この絶望的な光景を目の当たりにしても、柊さんは動じていない。
流石だ・・・。あのカイゼル髭髪の少年などは、驚愕のあまり腰を抜かしているというのに。
これが逆の立場であれば、僕は失神しながら漏らしてしまっても不思議ではない。

「柊さん、これが絶望です。ターンエンド。」

「確かに、ここで何とかしない限りは、僕の負けですね。ターンなので、カードを1枚引きます。」

そのとき、柊さんの聖なる顔が、更に聖なる輝きを増したように感じた。

「・・・すいません、どうやら僕の勝ちです。」

「何だって!? これだけの戦力差を目の当たりにして、勝利宣言!? 僕を動揺させようとしても無駄ですよ!」

「残念ながら、ただの事実ですよ。《カードガンナー》を召喚して、そのまま攻撃します。」

・・・っ?
《カードガンナー》は、素の攻撃力が400しかない。
2250ものダメージと引き換えにしてまで、カード1枚をドローしたいのか?

「待てよ、確か柊さんの能力は、『数ターン先までのデュエル展開を、予知、および改変できる』レベル2能力!」

DVDで観たから間違いない。
柊さんは、デッキトップのカードを見ることが出来るんだ!

だけど、この絶望的な状況で、何を引けば勝てるというんだ?



ラプラスの宣告 (永続魔法)
このカードの発動に成功したとき、自分の手札と自分フィールド上のカードを全て墓地に送る。
カード名を1つ宣言する。
相手のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合そのカードを墓地へ送る。違った場合はこのカードを破壊する。
この効果は、自分のターンのメインフェイズに、1ターンに何回でも発動できる。




風森無々:LP4000、手札6
場:モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)
場:モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)、モリンフェン様(攻2650)

柊聖人:LP1750、手札0
場:
場:ラプラスの宣告(永続魔法)




柊さんが使ってきたのは、まさかの《ラプラスの宣告》だった。
だけど、忘れているのだろうか?

柊さんの能力は、レベル2としては強い方だが、決して万能ではない。

未来が見え、改変できるといっても、それは自分のプレイングで可能な範囲までの話だ。
また、未来が見えることでドローカードも確定されてしまい、必然的に自分の可能性を狭めてしまう。
相手の可能性を狭めるということでもあるから、あながち欠点とは言えないが、融通の利かない点ではある。

そして、天神さんのプレイングを予知できなかったように、そもそも予知というものが不確定な乱数を排除しきれない性質を持っているので、必ず相手のデッキを削りきれるとは限らないのだ。



「1枚目、《モリンフェン》。」



「なっ・・・!?」

信じられない。僕ですらドローの直前まで感じ取ることが出来ない《モリンフェン》様の波動を、この男は、この距離で感じ取れるというのか!? 柊さんのデュエリストセンスはっ!!


「2枚目、《モリンフェン》。」


「3枚目、《モリンフェン》。」


「4枚目、《モリンフェン》。」


馬鹿な・・・・馬鹿な馬鹿な馬鹿なああ!


「5枚目、《モリンフェン》。」


「6枚目、《モリンフェン》。」


「7枚目、《モリンフェン》。」


この人には、どこまでの未来が見えてるというのだ!?



- - - - - -



「・・・54枚目、《モリンフェン》。風森さんのデッキは無くなりました。これで僕のターンは終了です。」



「あ、ああ・・・・・そんな・・・・・・僕のデッキ・・・・僕の戦術は・・・・・完璧だった・・・・・だが・・・・・負けた・・・・・。」

がっくりと膝をついて、僕は空っぽになったデッキホルダーを見つめていた。

「わかっていたことだった・・・。幽堂高校のメンバーが、5人中4人も《モリンフェン》様に関係する能力者であるように、強豪校のデュエリストが、《モリンフェン》様への対策を怠っているはずもない・・・・・・。くっ・・・だけど、たとえ未来を見通せるといっても、《モリンフェン》様の鎮座ましましあそばされる僕のデッキを底まで見通せるなんて、どれほどまでに柊さんの、モリンフェン様に対する造詣は深いというのか!!? か、敵わない・・・!」


「しっかりするですことよ、風森さん! どうして貴方は何度も失念してることですか!? 貴方が自分で、デッキは全て《モリンフェン》さんだらけだと、告白したのを忘れたのですこと!?」

「はあっ・・・!? そ、そうだった・・・! しまった・・・・・・僕は、モリンフェン様の偉大さを魅せることばかり頭にあって、知らず知らずのうちに自らのデッキ内容を明かしていたのか! どうりで柊さんが勝利を確信するわけだ!」

またしても僕は、モリンフェン様の前で失態を演じてしまった・・・。
ああ、成長している気がしない・・・! 申し訳ありません、モリンフェン様!
4回戦の勝敗に、僕だけでなくリスティーちゃんの命運も懸かっているというのに、僕ってやつは・・・! 最低だ!



◆ ◆ ◆



「はうう、無々くん、大丈夫?」
「ごめん、リスティーちゃん。僕は、君の命運が懸かっているというのに、覚悟なくデュエルに臨んでしまった!」
「そんなの気にすることないよ! リスティーは、デュエルは楽しむのが一番だと思ってるよ! はう!」
「そうだよムー君。デュエルしてたときのムー君は、とっても活き活きしていたよ!」

気を遣わせてしまっているのが情けない。
そして、再び吸収される未来が近付いたというのに、何故か落ち着いているのが不思議だ。
魂の一部を取り込まれたせいで、精神に変化が起きているのかな・・・。

柊さんなら、これから僕がどうなるのか、未来を知っているのかもしれない。
そう思ってデュエルリングの向こうを見ると、柊さんが、モリンフェン様のような聖なる輝きを発していた。






   第二話 未来予知の眼   了

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2015/09/27 00:01

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
決闘法則を利用して無々君達を解放するという見事な知略!流石はヒロコさん!副人格ばかりが活躍することが多かったですが、主人格も負けてないぜ!
そして、無々君のデッキに一番刺さるであろうカードが登場。この一連のやり取りがかなりツボです。まったく、いつもどんな時も無々君は無々君だなあ、と温かい目で見守りたい感じ。変わらない安心感。
このデュエルでは無々君は相手フィールドにもモリンフェン様にお越し頂いて、フォールドを圧迫すれば良かったのだろうか。モリンフェンロック?またしてもモリンフェン様の力に一つ気がついてしまった気がする…。気のせいか?
千花白龍
2015/09/27 03:47
>千花白龍さん
2人の命運と、大会の行方は、おそらく最も気になっている事柄だと思われますが、繋がっていました。この大会に補欠制度が無いことが、助けになってくれています。
対戦相手は翔武か東仙かで迷ったのですが、是非とも無々くんを柊くんと対戦させたいと思ったので、東仙と当たりました。DVDの情報では、偽装を見破れるところまで行かないんですね。こうして考えると、翔武だけでなく他の学校に対しても利く作戦なんだと感心します。
ちなみにモリンフェンロックは、エクシーズ召喚で難なく突破されてしまいます。まあ、エクシーズを持ってるデュエリストは少ないので、大概の相手に有効ではありますが・・・今回の場合、攻撃して相打ち、メインフェイズ2で《カードガンナー》召喚、効果でラプラスを墓地に送って、《魔法石の採掘》で回収・・・という流れになるので、同じことでした。
アッキー
2015/09/27 07:43
人間とは、勧めた作品を読んでもらえると調子に乗って次々勧めたくなる生き物である。
徐々に義務感が勝っていって互いに不幸になるパターンもあるからあれだけどね……(過去を振り返りながら)

まど劇場の方から読んだ方が実は長編の破壊力高いのかなぁなんて思わんでもない。


>筒井康隆、小林泰三、綾辻行人

このあたりを想起させるというのはすごく分かるorなんとなく分かる。現代版それら、とでも言うべきか。
彼らの作品は、ちょくちょく読んだことありつつも、でも作家単位で全作読むとかは全然やってない、むしろ読んでない作品の方が多いレベル。

漫画たちの方は、今ある詰み本が落ち着いたら手を出してみようかなぁと画策中。というか注文中。

あれだよね。追ってるシリーズが多くなってくると(しかも増え続ける)、定常的にそいつらに追われるせいで、新しい作品に手を出してる暇がなくなるジレンマあるよね!
豆戦士
2015/09/27 14:50
>前回のコメントへの返信

>>天神さんの能力は永続効果なので

……え、そうなん?

「モンスターが場に出たとき、手札に戻す」って普通に考えると「効果の発動」がある誘発効果か誘発即時効果な気が……?
警告してモンスターを召喚すればそれだけで勝利できるから天敵だと思ってた。

いやまあ、シフトワンとかゴッドフェニックスみたいに、最速適用とか最遅適用とか、既存のルール内に収まらない能力の存在もあるので、全てがカード効果処理のルールで説明できる保証はないのですが。

ちなみに、私がいつかどこかで「永続効果です」って宣言していた場合、それは永続効果というものを理解していなかった可能性が大。
まあOCGでも、なぜか特定条件下では《奈落の落とし穴》に《イリュージョン・スナッチ》をチェーンして発動できるとかありますけどね! カード効果はルールにルールに優先するが、裁定はその両者に優先される。
豆戦士
2015/09/27 14:50
>再放送!

777回記念とキースの777を被せてきたのも神懸っていますが、立て続けに遊VS城戦をダブル再放送で被せてきたのも神懸っていると思うんだ……!
ただの再放送でどこまで計算づくなのかスタッフ。


>デニス!

今までは、エンタメデュエルがなんなのかよくわからない → EMの亜種みたいなEmはさらによくわからない、ということでデニスのデュエルにイマイチ乗り切れてなかった自分ですが、エクシーズモンスターを踏み台にして古代の機械融合モンスターを出したときには打ち震えましたね。うおおおお! それがやりたかったのかスタッフ。
色々融通効かないながらもまっすぐな黒崎さんも好きなので、これは今日の放送が楽しみすぎる。

>本当に大切なこと何かな

真面目な話をすると色々とあれですが、そのへんは全部さておいて、シンプルに、たとえば「IT企業の社長」なんかに「東大中退」って枕詞がつくと、とたんにカッコよさが跳ねあがるという話があってだな……。
時として「東大首席卒業」よりもかっけー響きを誇る「東大中退」。世界を動かすのは中二力。
豆戦士
2015/09/27 14:51
>《うずまき》と
>《モリンフェン》が
>出会うとき

もうこのフレーズだけでお茶を返せw


>「わたしのレベル3能力“見えざる闇”(ダークアブソリュート)は、情報系では最高峰を自負しております。」

1VS多人数で、1に対して多人数が苦戦しつつも辛くも勝利を収めるって珍しいな!
……と思いきや、原作ではダーツ藤原ゴドウィンアポリアドンサウザンドオベリスクフォースズ等々、わりとよくある話だったりもする。

「いやお前1対Nを認めてなければ普通に個別撃破できてたよねぇ!?」というツッコミを避けるため、決闘学園本編では避けた展開ではありますが。

ちなみに自分の作品内では、「少人数側が認めれば少数VS多数のデュエルは可能(多数側の一方的な要求だけでは実現できない)」という設定(裏設定だったか作中で言及したかは忘れた)があり、そのおかげで「強敵にはとりあえず人数集めて挑めばよくない?」というツッコミを回避しているとかいないとか。


>逆錐創世

レベル6能力たるゴッドフェニックスだけでほとんど全ての相手に勝利確定なのに、この後におよんでまだこんな変態能力を備えていらっしゃるのかこいつは……。
いちおうラスボスあるいは大ボス的な立ち位置だと思うんですが、(神邪以外)勝てる見込みが全然ないのに相手の強さだけがどんどん上がっていくってどういうことだよ……(褒めてる)

豆戦士
2015/09/27 14:51
>未来予知の眼

うおおおお自作キャラVSアッキーさんキャラの大会始まったあああああああ!!
自作の二次創作をしてもらう中でも、最高級にテンションが上がる展開のうちの1つです。楽しみすぎる。

そして、仮に自分が書くとしても、むむたんVS柊でほぼ全く同じ展開を1戦目に持ってきそうな気がするから不思議だ! なんでだろうね(棒)

とはいえ、実はむむたん1ターン目に相手の場をモリンフェン様で埋めていれば、少なくともこの敗北は避けられた(可能性があるだけで、今回は同じことだったようですが)わけで、そう考えるとむむたんの戦略の幅が本当に広がってるなぁ……。

>『数ターン先までのデュエル展開を、予知、および改変できる』レベル2能力

(作者の)解釈しだいで、いくらでもできることの幅が広がる能力「未来予知」。
そんな曖昧な力をデュエリスト能力として認めてしまうとなんでもありになってしまうので、まあ本編ではただの嘘という話だったわけですが、
ガチで解釈しだいで色々なことができる能力があふれかえるアッキーさんワールドにおいては、未来予知能力くらいあっても何らおかしくないという不思議ね!
豆戦士
2015/09/27 14:51
コング「ムーは凡人ではない」
火剣「今夜は十五夜か」
コング「満月を見ると興奮して女子を犯したくなる」
火剣「コングと八武医者は365日満月だろ」
コング「狼男に変身しているのだから満月の日は何でもアリ」
ゴリーレッド「そんな法律はない」
コング「文句があるかなら十五夜に言え」
ゴリーレッド「16文キック!」
コング「NO!」
火剣「なるほど勇気を振り絞るのは大変だが、投げやりの感情は恐怖を忘れる」
ゴリーレッド「失って思いが募るか、思いが薄れるか」
コング「比呂子は交渉決裂か」
火剣「成立したんだ」
ゴリーレッド「クリムゾーン・ドラグーンは三日月の瞳」
火剣「風森無々VS柊聖人」
コング「モリンフェン様の鎮座ましましあそばされる。噛まない男ムー。きゃりーぱみゅぱみゅ」
ゴリーレッド「ムーとリスティーの命運か」
コング「吸収は流行りだからな」
火剣「流行ってはいない」

火剣獣三郎
2015/09/27 21:44
こんばんは。
本当にお久しぶりです、とちの木です。
覚えていらっしゃいますか?
(覚えてるよ〜、とおっしゃっていただけると嬉しい(^^ゞ)
アメブロでブログをまた書いてみようかな、と思っています。
よかったら遊びに来てください。
・・・私がウェブリのブログを書かなくなったとき、
メッセージをお送りしてしまい、申し訳ありませんでした。
不躾でしたね。反省しております。
アメブロのほうも徐々に記事を書いていこうかな、と思っております。
では!
http://ameblo.jp/sky-spooky-snoopy
とちの木
2015/09/27 21:50
>豆戦士さん

知られざる豆戦士さんの過去が明らかになる・・・!
そうですね、私も義務感とか関係なく、薦めたいものを薦めたいときに薦めたいだけ。これが正しい。
そして今まさに長編の破壊力を味わっている最中です。最中・・・。

短編を読んで思い浮かべた3名のうち、特に小林泰三と似ていると、
長編を読みながら感じています。
アムリタで「本」と共に「酔歩する男」が、お面の女で「アリス殺し」を思い浮かべ、そして生物と非生物の境界に関する話が私は大好物で、こっち方面でもストライク!
そして「酔歩する男」を思い浮かべた直感は、間違っていなかった!
順番に読む意味をようやく理解しつつ、いよいよ謎の「2」へ・・・。
今夜はお楽しみだなー!
アッキー
2015/09/27 23:51
>永続効果というものを理解していなかった可能性が大

何・・・だと・・・!?
え、いやほら、学園リアルタイムデュエルのとき、既に場に出ていたモンスターを手札に戻したわけなので、「モンスターが場に出たとき」に発動する効果ではなく、「場にある」という事実に対して永続的に発動し続けている効果なのかな、と。

リアルタイムデュエルに対応してないOCGルールでは、デュエリスト能力を既存の処理ルールで対応できていないと、そういうことですね。
特殊裁定が山のようにあるOCGは、リンネ様に文句は言えない。
・・・まあ、天敵であっても展開上そんな大きな齟齬が生じるわけではないのですが。
アッキー
2015/09/27 23:52
◎リマスターも素敵!

妹に言わせると画質が随分と綺麗になっているそうな再放送。
遊城デュエルは原作で物足りなかった要素を補完してくれて好きな回です。ラストの涙に心を揺さぶられた本放送を今でも覚えてる!

アークVとの対比で、一方は爽やかの極み、もう一方はドロドロというのも、パンチ効いてて素敵!


◎デニスどうなる

そう確かに今までデニスのモンスター群に対して思い入れは無かったわけですが、それはアンティーク・ギアを際立たせる為の演出だったんだあ!
(ぶっちゃけエンタメイジはエンタメイトと魔界劇団を半端に足したようなものだと思っていました)
ちっくしょう、アクションカード拾えなくて負けてしまったぁ・・・という感じですが、黒咲さんのサテライト・キャノン・ファルコンに大興奮したという。アニメの《サテライト・キャノン》が大好きで、そうですよ、サテライト・キャノンは成層圏まで飛ぶのですよ! わかってらっしゃる黒咲さん!
いや、前にも書いてますが、黒咲さんのことは私も嫌いじゃないんですよ。今言うと調子いい発言に聞こえますがw


◎中二ワードの機微

何故かわかる気がする、その響きの感覚。
そして「日本の大学は、出ることではなく入ることに価値がある」というのは、出るよりも入ることが難しい実情を顕した名言であるというアレ。
父親は、「入ってしまえば後は同じ」とか言ってましたねえw
アッキー
2015/09/27 23:52
◎プロジェクトクロス!

決闘倶楽部といえばモリンフェン様!
プロジェクトシリーズといえば《うずまき》!
その2つが出会ってしまいました!
如何なる化学反応が待ち受けているのか。

多対1で、多い方が勝つという展開は、我ながら新しいなと思った次の瞬間にはダーツ戦をはじめ様々浮かんできたわけですが、それはさておき。
負けたら大切なものを失う闇のデュエルとかだったら、個別撃破を考えた可能性が高いです。(その場合でも勝てるかどうかは別ですが)

多対1に関するルールは、リンネ戦を見ても多分そうだろうと思っていたので、それを実現する為には特殊ルールを設ける必要がある→地下都市20ルールが出来る、という流れだったかな・・・?(だいぶ記憶が怪しい)

そのルールを作って、わざわざ自分を追い詰めるような、もはや自分を追い込むのが趣味みたいになっている真紅竜王さんですが、その理由もおわかりかと思います。
ちなみにラスボスではないにしろ、大ボス的な立ち位置ではある・・・のかな・・・?(とても一言では説明できない)
アッキー
2015/09/27 23:53
◎山札幻視

地下都市編まで続いた理由の中でも最大の1つが、VS東仙を描きたかったという動機でした。
スピンオフという割には長らく自キャラだらけだったので、これぞ本来あるべき姿なのだっ!!

ダークネスを倒せるのに、永続魔法1枚だけで沈む能力とは一体。
全然成長してないと思いきや、戦略の幅自体は相当広がっているので、それを活かしていくのが今後の課題ですね。
たとえデッキトップを見る能力が無くても、ラプラス1枚で沈められるので、翔武学園と当たったときは吉井くんが同じ戦術を使っていた気がする・・・?

未来予知は原作でイシズさんが使っていたので、何の疑いもなく信じ込んでいましたねぇ・・・。不思議な力が当たり前に存在することが、偽装を見抜きにくくしている、素敵な世界。
ちなみに“ブック・オブ・ザ・ワールド”も、断片的に未来予知が出来ます。あんまり確定的ではないですが。
アッキー
2015/09/27 23:53
>火剣さん
満月になると気力が充実する・・・のは、人間も実は同じかもしれません。良書を読み続けているおかげもありますが、ここ数日は気力が充実しています。
そんなわけで無々とリスティー、束の間の復活!

佐久間「束の間だけどな。」
山田「そこを強調するな。」
八武「早く狼男になりたーい!」
維澄「既に近付いている気はする・・・。」
八武「それは襲ってOK? いっただっきまーす!」
維澄「逃走!」
佐久間「闘争じゃないのかよ。」
山田「しかし比呂子は、よくやった。」
佐久間「ビッグチャアアアンス!」
山田「やめろ、不吉だ。」
神邪「思えば噛まないのは流石です。」
維澄「それは私も思ってた。日本語として怪しいけど、面白い。」
八武「それはさておき、吸収という言葉に官能的ロマンを感じる同志は多い!」
佐久間「何とも言えない悦楽と愉悦がある。」
山田「恐ろしい・・・。」
アッキー
2015/09/28 00:05
>とちの木さん
おおお!! もちろん覚えてますとも! お久しぶりです!
しばらくメッセージもメールもチェックしてなくて、閲覧できたときには既に去った後だったので、どうしているのか心配していました・・・!
アメブロで復活するという話は聞いていたのですが、ずっと音沙汰が無いので、最近は諦めかけていましたが、これは嬉しい!
またそちらの方にも遊びに行きますね。
アッキー
2015/09/28 00:10

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決闘倶楽部PX   第二話 未来予知の眼 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
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