佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘倶楽部PX   第五話 宿命の対決 (後編)

<<   作成日時 : 2015/10/02 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



“パラコンボーイ”。

そう呼ばれる以前は、まだ、人間らしい名前があった。
うろ覚えだが、確か、苗字は二文字で、名前は三文字。
この世界では、大して珍しくもない、名前だったはずだ。

あるとき、突っかかってきた女子が、触れただけで顔を歪めた。
周りの子供たちも、大人たちも、笑っていた。・・・嗤っていた。
心の澱みは、降り積もるばかりで、浄化されることは、なかった。

女子から嫌われるなら、好かれる為の努力をすればいい。
代わりに仕事をやってあげたり、誕生日プレゼントをあげたりすれば。
認めてもらえるはずだ。好かれるはずだ。

誰かに―――





シリアス・マジック (魔法カード)
文章のコミカル度をダウンさせて発動。
文章をシリアスっぽい雰囲気にする。
この効果は作者の精神力が持つ限り続く。




◆ ◆ ◆



パラコン:LP4000、手札6
場:ガキボール(攻800)、ギキボール(攻1600)、グキボール(攻2000)、ゲキボール(攻200)、ゴキボール(攻1200)
場:伏せ×1

代々木:LP3500、手札4
場:ダイ・グレファー(攻1700)
場:



「俺のターンだな。ドロー! 2枚目の万華鏡を発動、再び《ダイ・グレファー》を3体に分身させる!」

「2枚目の万華鏡!?」

ふふ、予想通りだ。
僕は驚いたフリをしながら、内心しめしめと思っていた。
グレファーが分身するところまで含めて、僕の計画に入っているんだからね。

「そして、来い、ダイ・グレファー!」

新たなグレファーが出てきて、代々木のフィールドにはグレファーが4体。


「4体のグレファーを生贄に、来い、《真魔獣ガーゼット》!!」


真魔獣ガーゼット レベル8 闇属性・悪魔族
攻撃力0 守備力0
このカードは通常召喚できない。自分フィールドのモンスターを全てリリースした場合のみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は、このカードを特殊召喚するためにリリースしたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。



《真魔獣ガーゼット》 (攻0→6800)


「ガーゼットで、バトルだ!」

「くっ・・・迎え撃て、ゴキボール五姉妹!」


姉妹の攻撃力合計は5800、つまり連携攻撃力は2900!


《ガキボール》 (破壊)
《ギキボール》 (破壊)
《グキボール》 (破壊)
《ゲキボール》 (破壊)
《ゴキボール》 (破壊)


パラコン:LP4000→100



よし、計算通り!

勝利の為なら、3999ポイントまでのライフは、くれてやる!


ガッチャ・フォース 罠カード
自分のライフが100ポイント以下の時に発動可能。
ほぼ確実に、自分はそのデュエルに勝利する。
ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!



「リバース・カードをセットして、ターン終了だ。」


パラコン:LP100、手札6
場:
場:伏せ×1

代々木:LP3500、手札1
場:真魔獣ガーゼット(攻6800)
場:伏せ×1



「着々と書き進められる勝利の方程式は、僕の思い描く結末を栄光で照らしている・・・ここで僕は、リバースカードを開かせてもらうよ!」


「・・・っ! そのカードは!?」



ヒューリスティクス・クラッシュ (永続罠)
フィールド上に存在するこのカード以外の全てのカードのコントロールと、お互いのライフポイントを入れ替える。
この効果は自分・相手ターンを問わず、1ターンに何度でも任意のタイミング(ダメージステップ時も含む)で発動する事ができる。




パラコン:LP3500、手札6
場:真魔獣ガーゼット(攻6800)
場:ヒューリスティクス・クラッシュ(永続罠)、伏せ×1

代々木:LP100、手札1
場:
場:




「どうだい代々木、君は僕を追い詰めたと思っていたかもしれないけど、それは僕の手のひらで踊っていただけに過ぎなかったのさ!」

「待て、パラコン! そのカードは、公式デュエルでは使用できないはずだ!」

ちっ、よく知ってやがるな。きっと東仙高校のメンバーに教えてもらったに違いない。
代々木なんかが自力で辿り着けるわけない。そうだとも。

だけど、その程度の反論で、鷹野さんの屁理屈と互角に渡り合ってきた僕を論破できるとでも?

「おいおい、何を言ってるんだ代々木。このデュエルは非公式なんだから、公式デュエルで使えなくても問題ないじゃないか。たとえ公式大会の勝敗が懸かっているデュエルの続きであっても、れっきとした非公式なんだよ。」

「く・・・確かにパラコンの言う通りだ・・・!」

ふふふ、代々木を論破してやったぞ!
イケメンを論破するのって気持ちいいな!

伏せカードは、ふんふん、《奈落の落とし穴》か。
ちょっと厄介だな。


「僕のターン、ドロー! まさかこの程度で終わりなんて言わないだろうね・・・ガーゼットでダイレクトアタック!」

「もちろんだパラコン! 《クリボー》を捨ててダメージを0にする!」

「やっぱり、しぶといな・・・。」

渋い顔をしている僕だが、これは演技だ。
ここで代々木のライフを0にしてしまうわけにはいかない。

僕には遠く及ばないが代々木はデュエルの才能がある。
ちょっとヒヤヒヤしたが、この程度で負けるはずはないと思っていた。

「カードを2枚伏せて、ターンエンドだよ。」



パラコン:LP3500、手札5
場:真魔獣ガーゼット(攻6800)
場:ヒューリスティクス・クラッシュ(永続罠)、伏せ×3

代々木:LP100、手札0
場:
場:




「俺のターン、ドロー! 魔法カード《ハーピィの羽根帚》が、パラコンの魔法・罠を打ち砕く!」

「な、何ぃいいい!! 何て空気の読めないカードを! だが、それで代々木の手札は0! 僕の勝ちは揺るがない!」

「それはどうかな? ここで俺のデュエリスト能力を発動!

「デュエリスト能力だって!?」


狙い通り! (罠カード)
やれやれ、マヌケな男を演じるのも一苦労だな。



狙い通りに全体除去を打ってきた。これで厄介な《奈落の落とし穴》は消えた。

そして、やはりデュエリスト能力に目覚めていたか。
追い詰めてやれば、能力を使ってくると踏んでいた。

え、僕? 僕の能力は今回は使わないよ。
それでは目的を果たせないからね。


「レベル1能力、“武装する闘争者”(グレート・フォーム)! 『自分フィールドにカードが無く、自分のライフが100以下のときのみ発動することが出来る・・・デッキからグレファーを呼び出し、デッキから魔法カード1枚を装備する!』」



パラコン:LP3500、手札5
場:真魔獣ガーゼット(攻6800)
場:

代々木:LP100、手札0
場:戦士ダイ・グレファー(攻7100)
場:




守護神の矛 (装備魔法)
装備モンスターの攻撃力は、お互いの墓地に存在する装備モンスターと同名のカードの数×900ポイントアップする。



「ガーゼットに攻撃だ!」


《真魔獣ガーゼット》 (破壊)

パラコン:LP3500→3200



「くっ・・・やってくれたな代々木!」

「俺はターンエンド。」



あと少しだ。



「僕のターン、ドロー! フィールド永続魔法《王家の神殿》を発動。これで2枚の罠を伏せる! ターンエンドだ。」


「俺のターン、ドロー! 3枚目の万華鏡で、グレファーを3体に分身させる!」


パラコン:LP3200、手札3
場:
場:王家の神殿(フィールド・永続魔法)、伏せ×2

代々木:LP100、手札0
場:戦士ダイ・グレファー(攻7100)、戦士ダイ・グレファー(攻7100)、戦士ダイ・グレファー(攻7100)
場:



「3体のグレファーで、ダイレクトアタックだ!」

「僕は墓地から、2枚の《ネクロ・ガードナー》を除外し、2体の攻撃を防ぐ! そして罠カード《ガード・ブロック》!」

「ターンエンドだ。」


勝った・・・! 清々しい気分だ・・・。
ただの勝利じゃない。目的も達成しての、完全勝利だ。

さあ、ドローしよう。

そして、仕上げに入ろう。


「僕のターン、ドロー! 伏せカードは2枚目の《ヒューリスティクス・クラッシュ》! グレファー3体のコントロールをいただくよ!」

「お、俺のグレファーが!」



「3体のグレファーを生贄に、《武道神の甲冑》を召喚!」



武道神の甲冑 レベル8 闇属性・戦士族
攻撃力2500 守備力2500
このカードは特殊召喚できない。
自分フィールド上の戦士族モンスター3体を生け贄にして生け贄召喚しなければならない。
このカードの直接攻撃によって相手ライフを0にした場合、このカードのコントローラーはマッチに勝利する。




パラコン:LP100、手札4
場:武道神の甲冑(攻2500)
場:ヒューリスティクス・クラッシュ(永続罠)

代々木:LP3200、手札0
場:
場:王家の神殿(フィールド・永続魔法)




「このデュエルに勝てば、吸収された人が、1人解放される・・・だったら、マッチキルならどうだ!? マッチに勝利することは、少なく見積もっても2回勝利するのと同じだけの価値がある! つまりマッチキルに勝利すれば、吸収された2人ともが戻ってくるんだ!」


そして抜かりない僕は、手札から《悪魔のくちづけ》を発動する。


《武道神の甲冑》 (攻2500→3200)


「これで終わりだ! 代々木にダイレクトアタック!!」






・・・・・・

・・・・・・・・・


・・・あれ?





「あァ、正しいよ。“マッチキルに勝利すれば2人とも取り戻せる”というところまではな。」


僕の耳に、鷹野さんとは異なる美声が、侵入し響く。


「だが、スーパーエキスパートルールは、こういうことが起こる。」


何だ。何が起こっている。何が。


「勝負は、最後の最後まで、わからない。」




パラコン:LP100、手札3
場:武道神の甲冑(攻3200)
場:ヒューリスティクス・クラッシュ(永続罠)、悪魔のくちづけ(装備魔法)

代々木:LP3200、手札0
場:
場:王家の神殿(フィールド・永続魔法)




フィールドには、何の変化もない。

じゃあ何だ。
代々木が都合よく覚醒したとでもいうのか。ふざけるな。
それとも代々木の能力が偽装だったのか。
《王家の神殿》の隠し効果か。



「パラコン。俺のグレファーに対する思いが、通じたみたいだ。」



え、何それ知らない。


・・・・・・
・・・・・・・・・

・・・いや、知ってる。
原作キャラである僕は、この現象を知っている。


《武道神の甲冑》は、いつの間にかグレファーに着られていた。

奪われたブルーアイズが、持ち主に攻撃するのを躊躇ったように。
デッキマスターを元にしたモンスターが、新たなデッキマスターになるように。

攻撃力3200のモンスターが、僕に向かって、突進してきた。


パラコン:LP100→0


・・・・・・

・・・・・・・・・


はああああああああああああああああああああああ!!!!???
ふざけんなチキショオオオオオ!!

何なんだよ、この展開はあああああああああ!!!



逆・転・劇 (罠カード)
敵が反則レベルに強くて、主人公が追い詰められた時に発動!
主人公は意外な方法で逆転する。




ちょっと待てええええええええ!!
いつから代々木が主人公になったあああああああ!!??



HERO RELIEF −主人公交代− (魔法カード)
群像劇ではよくあることデース☆




代々木祐二は、幼い頃から女子に好かれていた。
運動するのも好きだったし、勉強も得意だった。
大人からは、良い子だと言われ、それが嬉しかった。
だけど彼には、ひとつだけ手に入らないものがあった―――


「何か回想が始まった! やめろ作者! 誰が得するんだチキショオ!」


彼には、同性の友人がいなかった。
親しくしている男子も、嫉妬の色が見え隠れしていた。
笑顔の裏に、こっぴどい陰口があった。
3人の弟たちも、陰で悪口を言っていた。
人望の半分は、打算で出来ていた。


「女子にモテるなら、同性の友人なんかいらねえだろコンチキショオオ!!」


そして、女子から好かれるといっても、それはアイドルへの憧れのようなものだった。
本気で自分と生涯を過ごしてくれそうな人は、いなかった。

気分は不快だった。

『代々木様、カッコイイ〜!』
『代々木様、結婚して!』

うわべだけ見ている彼女たちに、笑って手を振る。
本当は、笑ってなんかいないのに。

好かれることは、最初は嬉しかった。
けれど、そこに重みが無いとわかると、空疎な気分になってしまう。

明るく気さくな自分を演じ続けて、不安と憂鬱が膨れていった。
ぐちゃぐちゃと考え込んで、堂々巡りになっていた。


「いいかげんにしろよ作者あああああ!!」


そんなときに出会ったのが、パラコンボーイだった。


「え、僕?」


他の男子と違い、嫉妬心を隠さない、正直な男だった。
隠しているつもりなのかもしれないが、バレバレだ。
それが何だか可笑しくて、笑ってしまった。
久しぶりに、心の底から笑えた気がした。

気分は爽快だった。


「え、何それ? どういうこと? 何か馬鹿にされてるのは気のせい? 気のせいじゃないよね? チキショオ!」


デュエルを始めたのも、パラコンに影響されたのが大きい。
しかも、始めて間もないうちに、パラコンの方からデュエルを挑んできたのだ。

これが運命でなくて何だろう。

パラコンとデュエルしてから、代々木の人生は変わった。
親しい人間が増えて、本気で自分を好きになってくれる女子も現れた。
以前からバレンタインデーにチョコレートを贈ってくれていた人だった。
そのチョコレートを届けてくれたのも、パラコンだった。


「チキショオオオオオオオオ!!!」


代々木にとって、パラコンは尊敬すべき男だった。
彼と互角の勝負が出来たことを、誇りに思っていた。

だが、卒業デュエルで彼は思い知る。

自分とパラコンの間にある、圧倒的な“力”の差を―――


「嫌味か皮肉にしか聞こえねえよチキショオオオ!!」


パラコンに勝ちたいと思った。

彼が翔武学園に入学すると聞いて、急いで志望校を変更した。
当初は恋人と同じ高校へ行くつもりだったが、それを差し置いてでも。
デュエル推薦で東仙高校へ入学した彼は、ゆえにデュエルメンバーの目に留まる。

そして今に至る・・・。


今、万感の思いで、代々木祐二は勝利を噛み締めていた。





「何でイイハナシっぽく締めてんだ作者あああああああ!!? チッキショオオオオオオ!!!」






   第五話 宿命の対決   了

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「パラコンボーイは言葉の魔術師か?」
火剣「論破という言葉も難しい。激村もよく虎男をギロチンドロップで黙らせて『論破』と言っていた」
コング「鷹野麗子は屁理屈なのか?」
ゴリーレッド「そういうイメージはないが」
コング「理屈抜きにお尻を責めたら屈するという暗号かもしれない」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「NO!」
火剣「吸収された2人が戻ってくる? 段々一休さんのとんちの世界になっている気が」
コング「♪いーきゅうさん、いっきゅうさん」
ゴリーレッド「うるさい」
火剣「逆・転・劇・・・?」
ゴリーレッド「言葉のマジシャンは代々木祐二のほうだったか」
コング「敵が反則レベルに強くてヒロインが追い詰められた時に発動? 官能サスペンスではあってはならないことだ」
ゴリーレッド「あっていい」
火剣「そうか、パラコンの性格はあれでいいってことか。正直者が救われる世の中」
コング「救われているのか?」
ゴリーレッド「微妙だが」
コング「ところで『HOTEL』とはヤバイ小説?」
火剣獣三郎
2015/10/02 21:38
>火剣さん
コミカルなのかロジカルなのか、はたまたリリカルか。言葉の不思議がわかりかけてくる・・・?

佐久間「逃げない此処から♪真実を此の手にする♪」
山田「相変わらずの美声。いつもこれならいいのに。」
佐久間「いつも通りだろ?」
山田「肉体言語で論破するのが佐久間の日常。」
佐久間「お前だ、お前。」
八武「新概念、尻理屈。」
維澄「網と綱の話?」
神邪「理屈が優先する僕には、辿り着けない境地かもしれません。」
山田「辿り着かなくていいと思う。」
佐久間「散々レイプされた後に逆転する話があったな。」
山田「される前に逆転しよう。」
佐久間「ちなみに『HOTEL』は石ノ森章太郎。」
八武「事件です。」
神邪「鷹野さんの相棒を務められるというだけでも、人生の勝利者だと思うんですよね。」
山田「パラコンが聞いたら全否定しそうだが。」
佐久間「相棒というより相方かな。」
アッキー
2015/10/02 22:53

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