佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS ブラック・ジャック・ブーム!

<<   作成日時 : 2015/10/19 00:10   >>

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略してブラジャーなんて考えたことはないですよ本当ですよ(挨拶

・・・はい、嘘つきました。
下セカのせいにするつもりはありません・・・昔から考えていたことを、ようやく口に出せるようになっただけです。


「鉄腕アトム」の有名エピソードを大胆にリメイクした「PLUTO」は、誰も真似できないレベルでした。
ガチの浦沢絵で、しかもゲジヒト主人公で、アトムは可愛いしエプシロンは素敵だし、現実社会をスライドさせて、原作の解釈として優れた作品でもあるという、これね。

他にアトムをリメイクした話を聞かないのだけど、わかる気はする。作家の端くれとして。
二次創作しやすいタイプの作品と、しにくいタイプの作品とがあり、アトムは典型的後者。
どうしてと言われると、このあたり私は感覚的に理解しているので、説明しにくいのですが・・・。
作家の得手不得手もありますし、今はスルーで。


翻って、「ブラック・ジャック」はアンソロジーやリメイクが結構あります。
わかる。きっと私も、アイデアを出す程度なら出来る。二次創作しやすいのです、B・Jは。
それこそ「PLUTO」で、ちょっとだけ出演させるようなことも出来るわけで。
(アトムを描く場合、関連人物や背景まで描ききらなくてはならないのに対し、B・Jは単独で動かせる)

しかし、二次創作しやすいことと、上手く料理できるかどうかは、また別で・・・。
私自身も数々の失態を演じてきているが、なまじ敷居が低いからこそ逆に難しいのが、創作の世界だ。


私が最初に触れたのは、アンソロジーである「ALIVE」だった。
現在ちょっと手元に無いのだが、豪華な執筆陣で、いわゆる俺得。
エロイカやランなど、自作キャラと共演させているものとか、ピノコの立体視の話とか、超未来の再生とか。

そして「NEO」を描いている、田口雅之。
個人的に「NEO」は、B・Jリメイクの中で、最高クラスだと思っている。

原作「ブラック・ジャック」は、私が生まれる前の医学知識で描かれており、そこには現代医学との乖離がある。
B・Jをリスペクトしながら同時にアンチテーゼである「スーパードクターK」でさえ、現在連載中の「K2」からすれば、だいぶ古くなってしまった知識や感覚が多分にある。
ましてB・Jに至っては・・・。

・・・はっきり言ってしまうと、原作B・Jは、精神科医としては三流以下だ。
そこは「巨人の星」よろしく、時代ということで読み飛ばしてきたものだが、「NEO」の最初のエピソードでは、現代との乖離が埋められるような結末を迎えている。
外科医としては優秀だが、相変わらず心に疎いB・Jが、ラストで心の大切さに気付くという。

かといって原作を否定しているわけではない。
無免許医であり、多額の治療費を要求するB・Jは、手塚の鬱屈した心が具現化されているが、手塚自身は作中で、それを明瞭に言語化できていない。
「金色の小石」では、B・Jの“誇り”について、原作へのファンレターよろしく考察が成されている。

私も覚えがあるのだが、屈折している人間ほど、自分の心は他者から分析されて理解できるものだ。
それは何というか、自分で解説するのは恥ずかしいという感覚も含まれている。
的確な分析に対しては敬愛するように感謝し、見当違いの分析に対しては手厳しく非難する。
屈折した人間が誇り高く生きようと思えば、そうなるのは当然だろう。

そんなわけで、短いですが「PLUTO」を髣髴とさせる名作でした。
「ALIVE」で読んだ「心眼」が大胆アレンジで好きだったのですが、それを中編で読めるとはね!


翻って、原作に忠実なリメイクとしては、「黒い医師」がある。
原作の中でも、“黒い”エピソードを多く集めてリメイクしており、3巻ラストなどはモウたまらない。
この話は原作の中でも、手塚の邪悪さが最も色濃く出ている回だと思っている。

いかにも悪そうな会長を悪役としているように見せかけて、その実もっと深い。
結果だけ見れば、カネに飽かせて子供の命を助けようとしている2人とも、憂き目を見ている。
食事するまで待たせたシーンも、何気に重要だ。

かつてマザー・テレサは、「あなたの懐が痛まない施しは受けない」と言ったが、それと似ているかもしれない。
「どれだけカネを積んでも子供の命を助ける」という言葉は、金持ちと庶民では、その重みが違うのだ。
もちろん金持ちだからといって差別するほど、B・Jは単純ではないのだが・・・。


また、個人的に「青き未来」が、かなり好きだったりする。
持病持ちになった、初老のB・J・・・老いて猶イイ男であるが、向かう先は危険な国ハロイ。
政情不安の国で、オペの腕と病気を利用して立ち回るB・J。
そして謎の美人女医クロエ・・・革命に向かう国の中で、彼女の本質と正体が明かされていく過程はダイナミック。
原作絵から中山絵になり、ラストふたたび原作絵になっていく、この手法も良いなあ。


「ヤング」がアニメ化で注目されていますが、むしろB・Jリメイク全般が注目されるといいなあと思っています。
時系列が混乱して読みにくいのは、私も人のこと言えないのですが、「ヤング」はレッドパージ臭がキツくて、それ単独でブームと呼びたくないのよね・・・。

声に押されてアトムを歪ませてしまったりと、手塚が学生運動に悪感情を持っていたことは事実ですが、そこだけを抜粋したような不自然さを感じてしまいます。
なんというか、よくあるプロパガンダみたいな。

しかし一方で、キリコが魅力的に描かれていて、オイシイのですね。
キリコ登場シーンとか、もうね、たまらないよね!

原作でもジャックよりキリコの方が好きな私・・・。ドクター八武のモデルもキリコだからね!
ようやく「K2」で大々的に扱われ出したQOLについて、実はキリコこそが先駆者になっているという。

不満というほどでもないんですが、原作だとキリコはB・Jに及ばない感じで、ライバルの座とかファスナー神父に奪われてるんじゃないのって感じですが、「ヤング」のキリコは“先輩”という感じが、とてもイイ!


“正義の味方”アトムは、それゆえに描くのが難しく、「PLUTO」は1つの始まりから終わりまでを描いています。
それと対照的に、“屈折したピカレスク”B・Jは、その屈折ぶりが様々な描き方を可能とし、また、ひとつの描き方だけで完結するものではないのでしょう。


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