佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘倶楽部PX   インターローグ 因果律の旅行者

<<   作成日時 : 2015/10/03 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



限られた理解力しか持たない我々の脳が

あまりにも複雑な世界に対面したときに

壊れてしまわないように脳自身が設定した

安全装置―――それが因果律なのです


                (小竹田丈夫)



◆ ◆ ◆



まあ、言ってしまえば私は、travelerだ。

あらゆる世界で最強のデュエリストになる為に設計された、兵器。
そして、その意味を失った。

最強になることに興味は無い。
頂点に立つことにも興味が無い。
究極を求めることも、完璧を求めることも、私の心を波立たせない。
世界を救うことも、世界を破壊することも、遣り甲斐を見出せない。


「最強のバリアーが創れるかって話があるじゃない?」


随分と涼しそうな、キャミソール姿の少女が、勝手に喋る。
金髪をなびかせた、あどけない顔立ちは、一見無害に見える。


「ある一点のみに特化すれば、ほぼ無限の防御力を得ることが出来る。」


その話は私も知っているが、相槌を打つ気分ではない。
黙って彼女の言葉を聞き流す。


「最強というのは限定的なものだし、限定しなければ最強は定義できない。」


それは極端に言えば、「身長と体重どっちが強い?」という問いが意味を成さないのと同じこと。
“限定しない”とは、そういうことだ。あらゆる前提を無視してしまえば、定義の根底が崩れる。


「逆に言えば、例えば時間を限定すれば、あらゆる世界で最強のデュエリストになることも出来る。」


「簡単に言ってくれるものだな。」

ようやく私は口を開いた。
時間さえ限定すれば可能だと、あっさり言ってのける傲岸不遜に、物申さずにはいられなかったのだ。

ククッ、傲岸不遜は私も同じことだが。

「貴様なら、“41人目”になることも可能だろうな。貴様の“敵対の力”ならば。」

「なれるとも言えるし、なれないとも言えるね。」

「まあ、そうだろうな。」

「あるいは、travelerというのは、決闘法則の具現化かもしれない。このカードのように。」

キャミソールの少女が取り出したのは、両面が渦を巻いている、珍妙なカード。
なるほど、このカードとtravelerは似ていると言いたいのか。
世界を切り替え、ルールを切り替え、デュエルを渡り歩いている。


「以前は、もとい以後は、この都市が墜ちた後に来てたよね。しばらく、ここに滞在するの?」

「いいや、ここには忘れ物を取りに来ただけだ。貴様と話をする気分ではなかったんだがな。」


長く世界に滞在するのは、気分じゃない。

私は視界を閉ざし、左足、右足を、踏み出した。



世界を渡るとき、見えない双眸に、とてつもない邪気を感じた。





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「安全装置は聞いたことあるな」
ゴリーレッド「あまりにもショックな出来事を目撃した時、気を失ってしまうのも脳の安全装置」
コング「快感も度を越すと失神しちゃう女子がいるが、あれもよがり狂わされないための安全装置か?」
ゴリーレッド「チョークスリーパーで失神したいと?」
コング「誰も喜ばない」
火剣「最強の定義か。言われてみれば、ヒョードルは『60億の頂点』と言われていたが、あくまでも総合格闘技という小さな枠の話だ」
コング「ライオン最強説に異を唱えるアニマルは、アフリカゾウ、虎、カバ」
火剣「キャミソール姿の少女?」
ゴリーレッド「この静かな始まりは、嵐の前の静けさか」
コング「あたぼーよ」
火剣「タイトルが因果律の旅行者か。因果律がテーマの一つか」
コング「メインはヒロピンだ」
ゴリーレッド「誰の?」
火剣「何千年、何万年を旅しているゴリーレッドには、いろいろな者が見えるのか?」
ゴリーレッド「人間にもいる。生まれ変わりはあるが、何十万年と旅してきたことを生命の奥底で自覚している者が。そういう人間は一般人とは違う思考を持っている。あまり口に出すと不思議がられるから日頃は普通に振る舞っているだろうけど」
コング「なるほどあのホテルのフロントなら助けを求めたほうがいいな。全裸美女がフロントに来て、姉さん、事件です!」
ゴリーレッド「前置きなしに話題を変えるな」
コング「高嶋政宏なら優しく助けてくれるだろう」
火剣「政伸だ」
ゴリーレッド「『トラベラー』『旅人』は人間の本質を表現している名称だと思う」
火剣獣三郎
2015/10/03 10:12
>火剣さん
難しいことを考えていくと熱が出たりしますが、あれも安全装置なのかもしれません。そして同時に、熱が引いた後は思考がクリアーになるので、難しいことを考えるのは、やめられません。

佐久間「極度のストレスに晒されたとき、心を閉ざしたり、人格が分裂するのも、安全装置のはたらきだ。」
山田「そのレベルになると、だいぶ緊急避難的だな。」
八武「キャミソールの金髪少女・・・カノンちゃんだね?」
佐久間「最強の定義は難しい。剣道三倍段というが、得物ありきの強さだ・・・とはいえ、剣士に素手で戦えというのは、いかにも不公平。かといって、空手家が剣を握っても、拳を使えなくなり弱体化する。」
維澄「まず、公平な条件での勝負というのが、そもそも成立しにくいってことだね。」
神邪「逆に武器の使用を認めれば、今度は拳銃、マシンガン・・」
山田「うーむ。」
神邪「しかし飛行機から爆弾を落とす兵士を、最強とは呼びませんね。」
八武「彼シャツとキャミソール、どちらが最強とも言えない。」
佐久間「少し定義を変えるだけで、がらりと話の雰囲気も変わる。」
山田「それは最強の意味が違うような。」
佐久間「そうだよ、文字通りに“違う”んだ。」
山田「なるほど・・。」
維澄「個体は種の進化をなぞって成長する。人間の中には、悠久の歴史が刻まれている。それを意識的自覚的に考えていくと、大勢と乖離するが、大勢に辿り着けない領域へ達する。」
八武「美女の中には、大いなる官能が刻まれている。それを開発していくと、エクスタシーへ達する。」
山田「あの世へ旅立つがいい。」
八武「待ちたまえ!」
アッキー
2015/10/03 21:45
行方さんことユクちゃんが登場すると聞いて飛んできました。
……私がいなくなって結構すぐだった!(10/3)

タミユクで心愛ちゃんを書いた時は雰囲気がリンネちゃんや禍音ちゃんっぽいなと思いつつ、未だに2人にはない心愛ちゃんらしい大物感を出せておらず……。(私がデュエルを書いたら書く前より弱く感じてしまう系になる気がしなくもない)

わりと短い今回のエピソードでも「何か書きたい!」っとくすぐられるものを感じましたので、私もアッキーさんをくすぐる何かを書かなければ……!

本ページはタミユクページにリンクも貼らせて頂きましたので、チェックお願いします!
http://hapihura4office.blog.fc2.com/blog-category-6.html
PXはまだ最新話まで追いつけていないので、ちょっとずつ追わせて頂きます!
kunai
2015/10/28 02:05
>Kunaiさん

リンクありがとうございます!
トラベラー時系列では、田宮さんが神邪と会う→禍音と会う、の順番ですが、決都時系列では逆になっているという現象。まさに心愛ちゃんの言う、「本」の原理!

八武「ユクちゃああん! 見てるかぁい!」
佐久間「男の世界に飛ばされたのに、懲りてないな。」

心愛ちゃん、あれでまだ大物感を出せていない・・・だと・・・?
この場合は、独自の大物感ということでしょうか。本と本棚の比喩は、トラベラーならではの切り口で、心くすぐられたものですが。
(単なる強さだけより、こうした知性を見せる方が、個人的に強者だと感じます)

Kunaiさんやオウカさんのようなボリュームある番外編は、なかなか書けそうにないですが、心愛ちゃん登場時のような感じを目指してみました。
チャットで少し触れた番外編も、推敲しつつあります!
アッキー
2015/10/28 21:12

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