佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 29

<<   作成日時 : 2015/12/16 00:00   >>

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茶倉には、嫌いな言説があった。
それは例えば、「未来に生きる子供たちの為に、戦争の無い社会を作ろう」という類のものだ。
反戦とか、平和とか、革命とか、そうした言説の中には・・・子供子供子供、女子供。
(うるさいんだよ)(いい加減にしろ)
筆者も疑問であるのだが、女性と子供の命は、成人男性の命より重いのだろうか?
生物学的に言えば、成人男性の数は少数でいいとの論もあるが、そうした論は“獣の論理”だと茶倉は思う。
(ヒューマニストを名乗るなら、人間の理屈を口にしやがれ!)(ああ)(いらいらする)
また、そうした成人男性蔑視は、女性を“産む機械”と捉え、閉経した女性を役立たず呼ばわりするのと同じだけ、底の浅い生物学もどきであった。
社会的合理性ないしは遺伝子学的多様性を考えたとき、底の浅い自称生物学者は容易く地金を晒す。
(しかし)(しかしなあ)
茶倉が苛立っているのは、そのせいだけではない。
そのような反戦論者の言説に対して、軍国主義的な押し付けがましい物言いをする連中がいる。
例えば「誰がお前らを守ってやってるんだ」「反戦を叫んでいられるのは誰のおかげだと」「現実見ろよ」・・・そうした言説に対して、茶倉は腹を立てていた。独善的な物言いに、心底ヘドが出る。
そうした連中は、反戦平和の多くの言説と同じく、“女子供”という物言いを平気で、普通に使っていた。
(どいつもこいつもヘドが出る!!)
茶倉は二重三重に苛立っていた。会う人間、会う人間、どこまで人を見下しながら生きているのか。
そう感じる自分も、そうやって人を見下して生きているのか。やりきれない。いらいらする。
だからこそ、吉岡二曹との出会いは貴重なものだった。母親と九古鈍郎に続く、3人目。
あるとき彼女に、このことについて話を振ってみた。
「・・・そうね。」
吉岡二曹は軽く言葉を切ってから、言うべきことを考えて目を瞑った。
腕を組むと、彼女の豊かなバストラインが強調される。同性でも、というか同性だからこそ注目してしまう。
「そこは二重三重に話がこんがらがっているのだけど、少なくとも私も、あなたと同じ意見よ。右翼だろうが左翼だろうが何だろうが、くだらない人間が多いし、けれども尊敬すべき人間も中にはいるってね。」
少し話を振っただけなのに、的確な答えが返ってきた。
(そうか)(そういうことだ)



つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「茶倉の嫌いな言説。ドキッとするな。言ってそうで」
火剣「じゃあ、たぶん茶倉も『考え過ぎだよう』というセリフも嫌いだろう」
ゴリーレッド「サリン事件や湾岸戦争で一人でマジギレしていた激村先生。周囲が誰も激怒していないので余計に孤独感を強めていった」
火剣「でも茶倉はどんなにいらいらしても皿の上に人の脳天を落とさないだろう。忍耐力があるんだ」
コング「暴力皇帝に平和を語る資格があるのだろうか?」
火剣「女子供か。タイタニック沈没の時に先に子供と女性を下ろしたというのはいいと思うが」
ゴリーレッド「ニュースで一目瞭然で、若い女性や子供が殺されたニュースと、同じ女性でも80歳だと受け止め方が違う。これが実相だ」
火剣「命の重さに変わりはねえ」
コング「そうか、反戦平和を唱える平和主義者が人権無視をするから茶倉は怒っているんだな。僕はもともとヒールだから怒られる必要はない」
ゴリーレッド「逃げの一手か」
コング「色魔界には美女及び美少女しか入れない。何という割り切った世界か」
火剣「自信あったなのに入れなかった女はきついな」
ゴリーレッド「話がそれてる」
コング「茶倉も一度仰け反るほどの快k」
ゴリーレッド「バックドロップ!」
コング「があああ!」
ゴリーレッド「言わせない」
火剣「吉岡二曹はバストラインが美しいのか。凄く重要なことだ。茶倉の柔軟性を見た」
コング「美脚美ボディ美乳と三拍子揃ってこそ女だ」
ゴリーレッド「全否定する!」
火剣「それは否定する」
コング「そう、僕は悪い人」
ゴリーレッド「開き直るな」

火剣獣三郎
2015/12/16 17:55
>火剣さん
よく、「考えすぎ」「気にしすぎ」という言説が聞こえるたびに、むしろもっと考えなくてはならないだろうと思います。
茶倉も小学生時代、教師から「気にしすぎ」と言われてきました。一方で子供を孤独に追い込みながら、「子供を守ろう」という言説を吐いている大人を見てきた茶倉は、欺瞞を見抜きます。

佐久間「そう、言動の悪さだけでなく、言動と実態の食い違いに茶倉は憤っている。」
山田「今現在の人々を尊重している人が、未来を語ったら、それは素晴らしいことなんだがな。」
維澄「文字通りの意味で『子供を守ろう』としている人は少数で、大半は『子供だけでも守ろう』という実態。」
神邪「守られないまま大人になった人々は、今度は“子供の害になるもの”として、追加の迫害を受けている。忍耐にも限度がありますね。」
佐久間「フェミニストも考えものだぞ山田。」
山田「俺はフェミニストではない。」
八武「タイタニックは同系列では語れないがね。」
山田「時代も違うからな。」
維澄「女性と子供を優先することを、全くの間違いと主張するわけにもいかない。それが正解であるケースもある。だけど、それが抑圧に繋がっている方のケースも忘れてはならないね。」
神邪「真理は常に具体的ですからね。男性が車道側を歩くことまで、ケチつけることはないです。」
山田「確かにな。」
八武「美乳を賞賛することも、正しい。」
維澄「同性だからこそ注目してしまう。あるある。」
佐久間「また栞の目つきが剣呑に!」
アッキー
2015/12/16 23:19

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