佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 31

<<   作成日時 : 2015/12/18 00:00   >>

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「世の中、いろんな人がいていいし、いろんな人がいるべきなのよ。自分と考え方の違う人や、自分に同調しない人に対して、心無い言葉をぶつけることは、最大限慎むべき。いろんな人がいていいというのは、無制限ではないわ。自分たちに同調する人々だけが現実を見ていると思い込み、他人の思想や主義主張を尊重しない人たちは、さっさと世の中から退場することね。」
吉岡の言うことは苛烈さを増していくが、しかし口調は穏やかで柔らかいままだった。
茶倉の嫌いな連中は、総じて下品だ。ここで言う“下品”とは、チンポとかマンコとかいう言葉を口にするようなものではない。人間の根っこの部分というべきところの、品性や美学におけるものだ。
「疲れた大人は口癖のように、世の中は黒か白かじゃない、と言う。男と女とか、右翼と左翼とか、そうした二元論を見下して、世の中はグレーだと、わかったようなことを言うの。でもね、二元論者とそれ以外に分けることも、やっぱり二元論なのね。」
連中は二元論を否定しながら、どっぷり二元論者。それも、底の浅い方の。
このあたりの話は数学の集合論とも関わってくることであり、数学の得意な茶倉は即座に理解できた。
数字を扱うだけが数学じゃない。その本質は、抽象論理学とでもいうべきものだ。数学が苦手という人の中には、ただ計算が苦手に過ぎない人も少なくない。
計算の束縛から解き放たれた数学は、具体的な現実を考える際に、大きな助けとなってくれるものである。
「二元論は全ての基本になっているわ。善と悪、生と死、物質と観念、上と下、前と後ろ、熱いと寒い・・・。それらをまずは受け入れて、疑問や矛盾を感じるに従って、訂正され、組み合わされ、複雑化していく。そうした二元論の緻密な組み合わせが、豊かな人間性と社会を育んでいくのよ。」
まったくもって同意できた。世の中ここまで自分と同じ考えの、それも自分より深く考えている人がいるのかと、嬉しくて仕方なかった。
吉岡との付き合いは、自衛隊を退職してからも続いた。夫に会わせたとき、「いい男を選んだわね」と言われた。
(ああ)(やっぱり)(この人は味方だ)
それこそ主義主張や立場を超えて、確かな“同類”の絆だった。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「いろんな人がいていい」
ゴリーレッド「根本的に下品な人間は嫌悪される。言葉遣いや仕草だけでなく、何かこう、根本的に品格がないというか」
コング「僕も品格と美は誰よりも重んじている」
ゴリーレッド「ほう」
コング「上品な美女だからこそ大股開きの屈辱度が高いのだ」
ゴリーレッド「・・・れんそう」
火剣「数学的ということが重要なのか」
コング「僕は数学まで辿り着いていない。算数も怪しい。九九ができないおばかタレントを笑えない」
ゴリーレッド「茶倉も吉岡二曹も学歴学力のない者をバカにすることは絶対にない」
コング「本当か? 21が2、22が4、23が6、24が8、25、10・・・おおお、言えた!」
火剣「因数分解を学ぶと因数分裂しそうになる」
ゴリーレッド「問題そのものよりも、複雑な難問で頭を鍛えることにより人生で役に立つことがある」
コング「上と下の意味はわかる」
ゴリーレッド「死にたくなかったら答えはいい」
コング「上と下を同時に責め、後ろから前から愛し、熱いと寒いは、アイスノンとホットの缶コーヒーを交互に美ボディに転がし、それらを組み合わせて」
ゴリーレッド「アックスボンバー!」
コング「ごおおお!」
火剣「豊かな人間性。これが感じられないと発言がまともでもどこか信用できねえ」
ゴリーレッド「政治家はまともなことを言う。でも豊かな人間性や詩心は無いと出しようがない」
火剣「夫を愛している場合『いい男を選んだわね』は最高の言葉だろう」
コング「へへへ、夜がいいのかい?」
ゴリーレッド「品がない」
コング「品とはそういうことではない」


火剣獣三郎
2015/12/18 16:27
>火剣さん
子供の頃から、「個性を尊重しよう」というスローガンのもとに、乱暴さや下品さが看過されている現実を見てきました。その結果、むしろ没個性的な集団が出来上がっていく。
豊かな人間性は、基本を大事にするところから生まれる。激村さんの言葉を思い浮かべます。

山田「基本的であるからこそ個性的である。名言だ。」
佐久間「基礎を鍛えれば、自然と個性は出てくるからな。」
維澄「佐久間は一見、下品な単語を口にするけど、根本的な部分で上品なんだよね。」
佐久間「何だと貴様。」
山田「褒めてんだ。」
佐久間「芯だけ上品でも無意味。」
山田「照れんなよ。」
八武「男の好む淑女の要素も多分に備えているのに、何故その路線を選ばなかったし。」
佐久間「ロセン?」
山田「カタカナにするな!」
神邪「僕は人間味が無いと言われますね。豊かな人間には程遠い。」
山田「それを言ってる連中が、人間性が貧しいだけだろう。」
佐久間「数学だけでなく、あらゆる学問がそうだが、人を知的に見下す道具ではない。」
神邪「広い世界を少しでも多く知る為には、見下してる暇なんてありませんからね。」
八武「いつまでも、学ぶ姿勢を忘れない。私も数学の高度なところは付いていけないが、頭を鍛えるのは好きだ。」
維澄「認知症とは無縁そう。」
八武「エロいからね!」
佐久間「重要だ。」
山田「・・・」
アッキー
2015/12/18 22:39

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