佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 32

<<   作成日時 : 2015/12/19 00:00   >>

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さて、ここで話を1996年の2月に移さなければならないだろう。
茶倉が鈍郎と再会した、あの日へ。
「運命としか思えない。」
配属先が沖縄で、そこで鈍郎の姿を見つけたとき、茶倉は思わず呟いた。
3年前の、ドロドロした狂おしい感情が、堰を切って溢れ出した。
彼を忘れていたのではない。彼への思いを心の奥に溜め込んでいたのだ。
恋や愛なのか、欲望や衝動なのか、それらの合わさったものなのか。
わからないが、どうでもいい。
とにかく彼に会いたかった。
恋愛なんて知らない。確信があるだけだ。
「九古さん、お久しぶりです。」
居酒屋から出てきた鈍郎に、うわずった声で茶倉は声をかけた。
本当は出てきた時点で声をかけるつもりだったのだが、緊張のあまり声が出なかった。
彼が建物の中に戻ろうとしたとき、このまま声をかけなかったら二度と会えないかもしれないと、危機感が緊張を振り払った。
「・・・咲村さん?」
呼ばれて、心臓がドクンと鳴った。
顔が熱くなっている。
彼の瞳は3年前と同じく、底知れない深い輝きを放っていた。
その声には安心感があった。
(私は?)
自分の声は心と同じで刺々しく、うらぶれた双眸は濁っているのだろう。
やっぱり自分は人殺しで。
尊敬すべき平和活動家である彼は、この3年で更に深みを増していて。
(私は馬鹿だ。)
自覚を持つなど、基本中の基本。
自覚したところで人殺し。
それでも、自分が人殺しであることを自覚してない人間よりは、上等だと思っていたか?
(何それ。)
恥ずかしかった。
合わせる顔が無かった。
反戦を唱える人々からの攻撃にも鉄面皮だった彼女が、このときばかりは大いに恥じた。
「偶然ですね。」
何か言おうとして、つまらないことを言ってしまう。
もっと気の利いたことが言えないのか。ぐるぐる考えていることは多いくせに、ちっとも言葉になりゃしない。
「仕事中じゃないの?」
言われてギクッとした。
ここにいるのは、実は宿舎を抜け出してきていたのだ。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「恋、愛、欲望、衝動。わからない、どうでもいいという大感情こそが恋愛だ」
コング「咲村さんと苗字を呼ばれたらだけでドクンと来るということは、茶倉と名前を呼び捨てにされたらイッちゃうな」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「待てえええ!」
ゴリーレッド「そんなわけない」
火剣「人殺しの自覚か。自覚していない者よりはマシという気持ちか」
コング「自覚は大事だ。八武院長も常に自分がレイプマンであることを自覚している」
ゴリーレッド「同列に並べてはいけない」
コング「殺人と強姦は同等だ」
ゴリーレッド「そういう意味ではない」
火剣「これほど愛されるということは、幸せなことだ」
コング「鈍郎は贅沢だ」
ゴリーレッド「鈍郎も茶倉のことを愛しているはず」
火剣「これほど鈍郎を愛していたら、抱き締められたらどうなる?」
コング「愛撫されたら蕩けるだろうよ」
ゴリーレッド「不謹慎な」
火剣「鈍郎の目は深いのか」
コング「深みにハマって理性を失い、茶倉をs」
ゴリーレッド「スリーパーホールド!」
コング「げえええ」
火剣「茶倉は仕事中か。夢中になっている姿は愛らしい」
ゴリーレッド「素敵な女性だ。本当に魅力的だ」
コング「美脚、美ボディ、美乳」
ゴリーレッド「見たのか?」
コング「見てない、見てない」
ゴリーレッド「飲んでるか」
コング「レモンサワーを少々」
火剣「自覚は大事かもしれないが、俺は人殺しとなんか見ないな」
コング「僕も茶倉の水着姿が見たい」
ゴリーレッド「一度あの世へ送らないといけないか」
コング「待ちたまえ。言論の自由は拳法で保証されている。アチョー、ハイー!」

火剣獣三郎
2015/12/19 14:05
>火剣さん
すぐにはそれと自覚できないほどの狂おしい感情。それこそ恋愛なのかもしれません。
一方で人殺しの自覚を持っている茶倉ですが、やはり殺人鬼などでは決してない。鈍郎との再会で、乙女心が疼きます。

佐久間「私も山田から下の名前で呼ばれたらエクスタシー。」
維澄「闇子たん。」
佐久間「お前じゃない。」
維澄「このとき鈍郎は、自分の目は濁っていると感じていたけれど、茶倉から見れば深みがある。そして茶倉の瞳も、鈍郎が思うように澄んでいるに違いない。」
山田「美しい。」
八武「美しい女を犯したくなるのが私。」
佐久間「死根也の目には一点の曇りも無かった。」
山田「降水確率100パーセントの空並みに曇ってるよ! むしろドロドロみどろが沼レベルで濁ってるよ!」
佐久間「私は?」
神邪「澄んだ瞳のその奥に、底知れない邪悪を感じます。その瞳の先からも、恐ろしい気配が・・・目が増えてる!」
佐久間「私の目は11ある。」
山田「実は1日ごとに交代してんだよな。」
八武「行け鈍郎、そこで抱き締めて押し倒せ!」
山田「だが真摯だ。」
八武「紳士なのか。」
神邪「やはり迷彩服姿の美少女は良いものですね。」
八武「紳士としては反応せざるを得ない。」
佐久間「水着か。茶倉の持ってるのはスク水だけ・・・と思いきや、吉岡がプレゼントしたものがある。」
八武「ほほう。」
佐久間「着るかどうかは不明だが。」
八武「着るべきだ。」
アッキー
2015/12/19 22:44

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