佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 54

<<   作成日時 : 2016/01/12 00:00   >>

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鈍郎のいない家で、茶倉は一日だけ休んだ。
待ってるだけの女は性に合わない。
まだ自分は何も知らない。
全てを知る為に、行こう。
12月28日、25歳の誕生日に、彼女は出発した。

「吉岡一曹、知ってることを話してくれますか?」
何も当てが無しに行動したわけではない。休息の一日で方針は決まっていた。
変わらぬ柔和な笑顔で、吉岡人見(よしおか・ひとみ)は待っていた。
「そうね。話してもいいのだけど・・・」
何から話そうか迷っているのか。あるいは茶倉の覚悟を計っているのか。
いずれにしても、ビンゴ。
鈍郎の居場所を突き止めるのが早かったのは、吉岡のおかげであるが、では彼女の情報源は何かと考えたとき、白紙の第三者であるはずがないと確信するには十分だった。
「それは私の口からではなく、七村さんの方から聞くのがいいわ。」
「え・・・?」
出た名前を聞き返そうとしたとき、まさに本人、七村七美が現れた。
黄色いミニスカートに、サングラスによる変装。
「貴様――」
「ごめんなさい!!」
茶倉が驚き目を尖らせた瞬間、七村は勢いよく頭を下げた。
「――え?」
「わたしが早まったせいで、取り返しのつかないことになるところだったかしら!」
「・・・・・・。」
何だか拍子抜けだった。
調査による印象では、七村七美という人物は、狂信者さながらの危険人物だったのだが。
(会ってみないとわからないこともある、か――)(あるいは演技)(フェイク)(まさか)
電子力場プロテクトがあったとはいえ、銃で撃たれて、この態度。ヒステリックな狂信者ではない、大人としての器の大きさを示された。
もっとも、そのように茶倉が感じたのは、鈍郎が殺されかけていたことを知らないからであるのだが・・・。
「わたしに出来ることなら、何でも言ってほしいかしら。」
「それでは――」
知ってることを洗いざらい話せ、と言いかけたが、それでは何から話していいかわからないだろう。
それよりは、きちんと核心を突いた質問を重ねていくべきだ。知ろうとするなら、何を知りたいのか定めなければならない。
「・・・“イヴィル”とは何者ですか?」
それは茶倉の想像を超えて、核心に突き刺さった問いだった。
「・・・っ、イヴィル・・・!」
みるみるうちに七村の顔は青くなり、土気色にすらなった。
「嫌・・・嫌あ、嫌よ助けて・・・ごめんなさい、ごめんなさい、許して、わたし嫌あああ!」
「七村さん!」
すぐに吉岡が七村を抱き締めて、落ち着かせた。
「ひくっ・・・ひぐっ・・・恐いよ、こわいよ・・・」
「・・・・・・。」
まさか今の質問で、こんなになるとは思っていなかった。
少女を通り越して、幼児にすら見えた。



つづく

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2016/01/27 00:23

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内 容 ニックネーム/日時
コング「吉岡人見というのか。いつ水着姿を披露してくれるのだ?」
ゴリーレッド「そんな約束はしていない」
コング「全国1000万のヒロピンファンが見たがっている」
ゴリーレッド「コングとドクターの二人だけだろ」
火剣「一応神邪も入ってるはず」
コング「栞んも見たがっているはず」
火剣「七村七美」
コング「黄色いビキニで登場とは」
ゴリーレッド「貴様こそ現実を直視しなさい。黄色いミニスカートだ」
火剣「人間は会ってみないとわからない。実際に対話してみないとわからない」
コング「僕と出会った女子の大半が僕を忘れられない」
ゴリーレッド「そりゃ忘れないだろう、自分を拷問した相手を」
コング「拷問ではない、バトル」
火剣「イヴィルが何かしたのか?」
ゴリーレッド「強気の七美がこうなるなんて」
コング「ミニスカートだからか」
火剣「かなり関係ない」
ゴリーレッド「茶倉の質問だけでこうなると思えない。やはりイヴィルが何かしたか」
火剣「吉岡人見は何をどこまで知っている?」
コング「吉岡人見とイヴィルはグル」
ゴリーレッド「またあてずっぽか。365回に1回は当たるからって」
コング「的中率はもっと高い。舐めてはいけない」
火剣獣三郎
2016/01/12 14:40
>火剣さん
茶倉は七美を危険人物だと思っていたので、鈍郎奪還のときは有無を言わせず撃ちましたが、会ってみて印象が大逆転。吉岡人見を間に挟んで、話し合いが始まります。

八武「そうだ、自衛隊時代のエピソードで、どうして水着シーンを出さなかったのか疑問に思っていたのだ。」
山田「お前とコングの生き方が疑問だ。」
佐久間「つまり私は真っ当な生き方をしていると。」
山田「佐久間の生き方には疑問どころではない。」
佐久間「愚問か。」
神邪「水着姿・・・見たいですねぇ。」
維澄「それはさておき、七美の意外な側面。狂信的な面だけでないリーダーシップは知ってるけれど、こういう面があるとはね。」
八武「いつもは気の強い女子が、たまに弱気な面を見せるのって・・・イイよね。」
神邪「それだけイヴィルを恐れているからこそ、勘違いで鈍郎さんを殺しかけるような行動に出たわけですか。」
佐久間「イヴィルと出会ったら、忘れられない。」
山田「だろうな。」
維澄「人見はグルでなくても、清廉ではないはず。茶倉に武器を流したのは、彼女以外ありえない。」
八武「ふむ、確かに疑わしいところはある。まあ、白だと思うがね。」
佐久間「ビキニの色が?」
山田「おい。」
アッキー
2016/01/12 21:51

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