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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 61

<<   作成日時 : 2016/01/19 00:00   >>

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それから月日は矢のように過ぎていった。

2004年2月、七村が“イヴィル・テンタクル”を捕捉するも、すんでのところで逃亡される。
2004年3月、二葉が“イヴィル・ポイズン”を捕縛。
2004年4月、龍閃村へ七村と十島が向かう。
2004年5月、九古鈍郎の能力デビュー。
2004年6月、十島の単独任務。六道が“ファイバー”として覚醒。
2004年7月、三角、八谷が、それぞれ“オールド”、“オネスト”として覚醒。
2004年8月、みんなでプールへ行く。
2004年9月、10月、11月・・・

あれから1年が経とうとしていた。
約束のクリスマスまで、後わずか。鈍郎は自分の能力制御に、自身が持てるところまで来ていた。
この能力で、妻を傷つけてしまうことはない。それが予感から確信へ変わり、意識するまでもない境地へ達した。
(いける・・・!)
三角に諭されてから、自分の中で歯車がガッチリ噛み合う感覚が、頻繁に生じるようになった。
からからと、がらがらと、がりがりと。
軽快と重厚のハーモニックには、以前までの軋みは感じない。
このとき鈍郎は、自らの能力“偶石握殺”(サークルファイア)を完全に制御した。精神と連動して、肉体も軽い。
能力トレーニングの一環として行っていた、身体トレーニングも、違和感を生じなくなっていた。
子供の頃から運動が苦手で、よく見下されてきた鈍郎は、運動をする度に嫌な記憶が蘇る。それが無くなったわけではないが、それに伴うギクシャクが消えた。
肉体的な修練と、精神的な成果が、ようやく自分の中で噛み合ってきた。
クリスマスまで、あと5日、4日、3日・・・。
気力が充実し、意識がクリアーになる。
そして12月24日。
1年前は七村の勘違いで襲われて、大変だったが、今となっては笑い話に出来てしまう。そんな自分は、成長したものだと思う。
子供の頃は、大人になれば成長は止まると、漠然と思っていた。それは限界に達するという意味ではなく、人格が完成するという意味であり、20歳になっても幼い自分に吐き気がしたものだった。
20歳になっても完成に程遠い自分は、人間として根本的な欠陥があるのではないかと思った。
しかし、そうではない。子供の頃の自分が思い描いていた程度の“完成”などは、大人になった自分から見れば未完成も甚だしいということである。
成長していないのではない。自分の見る目が厳しくなっていたのだ。
考えてみれば、成長しているのなら、それを評価する目も成長しているということ。大人の成長は子供の成長とは違うが、しかし大人も成長するのだ。
物事を気にしないのではなく、気にしつつも芯はブレない。揺らがない。
それこそ“不惑”。
孔子の言う40歳まで、あと6年を切った。この感覚を定着させるには、丁度いい時間の猶予を与えられた。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
コング「2004年8月、みんなでプールに行くは覚えてる」
ゴリーレッド「そこしか覚えてないのか!」
コング「美女の水着姿に果てしないロマンを抱くのは私だけではあるまい」
火剣「そういえばタイトルは約束のクリスマスだ」
コング「二文字間違えている」
ゴリーレッド「コングは全てが間違っている」
火剣「鈍郎は自分に厳しいな」
ゴリーレッド「でも自己完成を目指す生き方は素晴らしいと思う。そんな人間が果たしてどれくらいいるだろうか」
火剣「20歳でこんなに自分に厳しいのはなかなかいねえ」
ゴリーレッド「人間として明らかに根本的に欠落していることに気づいていない幸福者もいる」
コング「誰だそれは?」
火剣「でも少年ジャンプのポリシーは『未完成の荒々しさ』だからな」
ゴリーレッド「なるほりろ」
コング「不惑の40か。僕もあまり迷わない」
ゴリーレッド「少しは迷え」
火剣「40まであと6年もあるのか。若いな。30歳じゃ早過ぎるから40歳を一つの自己完成の目標に生きるのは良いと思う」
ゴリーレッド「40歳を過ぎれば新たな地平線が見えてくる」
コング「♪あのちーへいせーんー、なつかーしいーのーはー」
ゴリーレッド「歌はいい」
火剣「約束のクリスマスに真夜中の浪漫飛行という話ではなかったか」
コング「代わりに僕が」
ゴリーレッド「何の意味もない」
コング「意味はある」
火剣獣三郎
2016/01/19 13:07
>火剣さん
ようやくタイトル通りにクリスマスが到来です。長かった・・・。
自分に厳しく生きてきた鈍郎ですが、だからこそ豊かな成長をしているとも言えますね。

八武「たわわに実った果実を眺め、成長ぶりを視姦する。」
山田「早速だが死根也には消えてもらおうか。」
八武「何度でも蘇ってやる!」
佐久間「二文字というと、タリスマンかな。」
維澄「今日は下ネタ自重するんだ?」
佐久間「おや、栞さんは何を思い浮かべたのかな。さあ、大きな声で言ってごらん!」
山田「やめい。」
神邪「子供の頃は、20歳といえば完成された大人に見えました。」
維澄「20歳になったときは、特に感動は無かった。何かが変わったという気はしなかったね。」
佐久間「それ以前から飲酒していたからな。」
維澄「そこじゃない。」
八武「人生50年の時代は、早い成熟が良しとされた。しかし現代日本で求められるのは、豊かな成熟だ。人生の半分が完成の目安。」
山田「人生80年なら、40歳が目安ということか。なるほどな。」
佐久間「最初の節目は7分の1と言われる。昔なら、男女7歳にして席同じくせず。今なら、10歳の壁かな。」
維澄「鈍郎と茶倉は体を重ねるの?」
佐久間「ノーヒント。」
八武「むう、予測不可能。」
アッキー
2016/01/19 22:31

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