佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS クラメーションあるいは蔵目翔 3

<<   作成日時 : 2016/02/13 23:59   >>

驚いた ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 2

やがて10歳になり、精通が始まった。彼は女たちの欲望を、更に満たせる体になったのだ。
彼は自分の体をプロデュースした。品の無い言い方をすれば、“タダではヤらせない”ということだ。好き勝手に犯されてきた今までよりは事態が改善したし、少なくとも彼は感じていた。男を相手にするよりは、女を相手にする方が、幾分か苦痛が少なかった。対価として、僅かなカネや粗末な食料を得た。
潰れそうな薬屋で、効くかどうかもわからない薬を買った。自分に使うのではなく、病気の母親の為だ。

母親の名は“まん”といった。男に買われるときにしか呼ばれないし、そういう意味を含んだ言葉なので、これ以上は筆者も書くに忍びない。よって、この先も一般名詞を用いることにする。
彼女は赤子の頃、癇癪の激しい性格だった。生まれたばかりの人間にも、僅かに性格めいたものがあり、育てやすさとも大きく関わってくる。それは性格というよりは、性質や気質に分類されるべきものかもしれないが、いずれにせよ、彼女は育てにくい赤ん坊であり、ノイローゼになった母親に捨てられた。
貧困と孤独の中では、母性など糞以下だ。昔話にあるような、貧乏でも愛情豊かな家庭などというものは、決して当然の光景などと思ってはいけない。
捨てる者あれば拾う者ありで、彼女は歳を取った女性に拾われた。その老婆は耳が遠かったので、赤子の泣き声にも煩わされることなく、子育てが出来た。やがて老婆が寿命を迎える頃には、赤子は少女になっていた。
後にクラメーションあるいは蔵目翔と呼ばれる男の母親は、このようにして生き延びたのだった。

彼は12歳になるまで母親の薬代を稼ぎ続けた。すえた体臭も生臭い息も、気にならなくなっていた。
楽しくはない。殆ど快楽も無い。糞まみれのセックスの中で、彼は自分の体が絡繰の玩具のように思えた。刺激を受ければ反応して硬くなる肉の棒。けれどそれが自分の脳と切り離されて、勝手に動いている気がする。まさしく彼は女たちの道具で、奴隷で、殆ど肉の塊だった。

母親の病は徐々に重くなっていった。やはり薬は効かなかったのだろうか。
それとも薬が効いたから、何年も生きてられたのだろうか。
いずれにしても、母親の苦痛は次第に強くなり、呻き声が多くなっていった。
あるとき母親が言った。
「もう、殺してくれ。」
それまでにも苦痛に耐えかねて、同じようなことを呻きながら言うことはあった。しかし、このときは落ち着いていた。
彼は、来るべきときが来たのだと思った。
「うん、わかった。」
家事の手伝いをするのと同じような気持ちで、彼は母親の能力を空間干渉能力で、潰した。



つづく

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
驚いた

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「サトリン」 第二部目録 (2)
■■■■■ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2016/02/21 05:33

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「女たちの欲望を満たせる体?」
ゴリーレッド「母親もそんな大変な生い立ちだったとは」
火剣「無償で助けようというナイトはいなかったのか」
コング「男たちの欲望を満たせる少女の体」
ゴリーレッド「貧困に病気が加わると人の心は非常に危険だ」
火剣「行き着くところ自殺か殺人だ。だからそうなる前に手を尽くすことが大事なんだが」
コング「真・女神転生の半裸のマーメイドを見て興奮する僕はロリの素質があるのか?」
ゴリーレッド「何の話をしているのかな?」
コング「男たちの欲望を満たせる体の話だ」
ゴリーレッド「会話をする時に脈絡を意識することはないのかね?」
コング「脈絡って何だ?」
火剣「戦後の焼け野原も無法地帯だったと聞くが、スラム街も無法地帯。12歳にはきつい体験だ」
コング「せっかくできるのに快楽がないというのはもったいないオバケが出そうだ。年上の女子が快楽を与えなかったのもいかんね」
ゴリーレッド「そこなのか?」
コング「12歳を相手にするということはシャコタンか?」
火剣「それは改造車」
ゴリーレッド「追い込まれての殺人は現代も後を絶たない。防止のための手が尽くされているのだろうか?」
火剣「大義のためなら多少の犠牲は仕方ないという愚かな権力者か、誰一人置き去りにはしないという本物の指導者か」
ゴリーレッド「その分かれ目はその国の国民の宿命でもあるが」
コング「一人でもS女がいれば蔵目翔も苦痛よりも目覚めがあったのに」
ゴリーレッド「どうしてもそこか?」
コング「ソコソコ!」
ゴリーレッド「・・・殺意が湧いてきた」
火剣獣三郎
2016/02/14 14:32
>火剣さん
貧困と病気は切り離せないものだと思います。「母を訪ねて三千里」のワンシーンを思い出しながら書いていました。少女は助かりましたが、無償ではなかったですね。

佐久間「相手が貧乏人と見るや冷たい態度を取る人間が、マルコがお札を出した途端に態度を変えて医者を派遣。」
山田「やるせないシーンだ。少女は助かったが、無償でなかったということは、助からなかった方が多いということになる。」
八武「真・女神転生? 検索。ほうほう、これは・・・ゴクリ」
山田「おい。」
八武「貧困からは、病気は寿命と割り切る考え方も生まれる。ひいては、体の弱い人間を見下す感覚も。運動の不得手な者は、望む望まざるに関わらず、貧困と関わっていくことになるのだよ。」
維澄「その真面目さを最初に発揮してくれると良かったんだけどな。」
八武「最初に発揮するものはエロスだ。中村医師も、まずは生きろ、井戸を掘れと言ってるではないか。」
神邪「ドクターにとって、エロスは命の水と同義語ですからね。」
佐久間「隠された脈絡。」
山田「こじつけじゃないのか?」
佐久間「エロスを与えるエス女。私のことか。」
山田「お前も何を言ってるんだ。」
神邪「正しいです。」
山田「だが脈絡が無い。」
佐久間「時には話題転換も必要。クラメーションが運命の相手と出会う日は近い。」
神邪「Sとですか?」
佐久間「S・・・なのかな。どっちかというとSかもしれないが。」
八武「ふむ? 誰だろう。」
アッキー
2016/02/14 19:15

コメントする help

ニックネーム
本 文
クラメーションあるいは蔵目翔 3 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる