佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 74

<<   作成日時 : 2016/02/02 00:00   >>

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タンクトップとショートパンツの少女は、気の強そうな美人だ。ショートボブの髪型が様になっている。
その横にいるハンサムな男とは、恋人のような距離感だが、やや歳が離れている感じだ。
(私と妻も歳が離れて見えるんだろうな。)
別に鈍郎が老けて見えるわけではないのだが、茶倉が実年齢より若く(幼く?)見えるので、一回りくらいは離れて見えるだろう。
生物学のレポートを眺めている男も、年齢的には同じくらい、おそらく30代だ。野性味のある顔立ちで、あまり学者には見えないが、妻らしき女性と話している内容は、専門用語が苦も無く飛び交っている。
女性の方は20代というところか。ハネたショートにヘアバンドをしている、西洋風の美人だ。
しかし鈍郎としては、その後ろで目を光らせている長身の女の方が、より気になった。どちらかというとハンサムな男のような、中性的な顔立ちの彼女は、右目に眼帯をしており、シニカルな笑みを浮かべている。
(妻とタイプは違うけど、なかなか・・・おっと、私は妻一筋だ。)
これで総勢30名に、一通り目を通した。
どうせ見かけの年齢や雰囲気などは当てにならないんだろうと思いながら、鈍郎は納豆を食べ終わった。
やはり九条ねぎ入りは美味い。
「おいしかったですか?」
「・・・!」
背後から声をかけられたことで驚いたのではない。
その男の声は、中年らしい深みと落ち着きがありながらも、内に秘めたる獣性がスパイスとなって、理想的なバリトンとなっていた。
(こんな声が欲しい。)
そう思いながら振り向くと、そこに50代と思われる西洋人の男が立っていた。
いつの間に背後にいたのか。
「初めて会う方もいらっしゃいますので、あらためて名乗り申し上げます。俺は、アルカディア月組・隊長補佐の、レックス・ブースターです。レックスとお呼びくださいませ・・・・・・俺の日本語、おかしくありませんか?」
一同に向かって挨拶した後、レックスは鈍郎に小声で尋ねた。
「いえ、むしろ丁寧で上手ですが。」
(イイ男だな・・・。)
間近で見ると、その迫力に心が躍る。鈍郎の身長は170弱だが、それより10センチほど高いだろうか。
他の面々も鈍郎に同意し、頷くが、しかしレックスは何故か納得いかない顔だ。
すると、中央の黒い球から、きりっとしたソプラノが響いてきた。
「だから言ったろう、何も変じゃないと。」
よく見れば、その声の源は、黒い球に腰掛けている少女から発せられたものだった。
その位置にいながら、床まで伸びた長い長い黒髪。おそらく10代前半と思われる美少女は、しかし絶対に10代とは思えない、ゾッとするような殺気を放っていた。
いや、殺気などという生易しいものではない。これは“邪気”だ。
そして・・・
「あなたの仰ることは、何となく信用できないのですよ。」
その凄まじい邪気を放つ少女相手に、言葉こそ丁寧だが気安い態度のレックスも、只者でないどころじゃない。
「それに、剣呑な空気を発せられるのは、いただけませんね。」
「わかったから自己紹介くらいさせろ。私はアルカディア・ナンバー4、月組隊長・三日月千里だ。」
そう言うと少女は音も無く消えて、次の瞬間にはレックスの背中に抱きついていた。
「離れてくださいませ。」
「ヤだ。」
「子供ではないのですから。」
「大人でもヤだ。」
近くで見ると、豊かで形の良い胸が、むぎゅうと押し付けられていた。
妻も大きい方だが、それ以上の大きさだと、鈍郎は感心した。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
コング「タンクトップにショーパンは好きなスタイルだ。ショートボブも良い。犯したくなる」
ゴリーレッド「一言余計だ」
火剣「30代、野性味のある顔立ち?」
コング「ハネたショーツとは大胆な。これだけ大勢の男女の前で」
ゴリーレッド「ショートだ。髪の話をしているのになぜ下へ行く」
火剣「長身な女、右目に眼帯、シニカルな笑み・・・おぼろげながら」
コング「鈍郎が妻一筋ではないことはすでに判明している事実」
火剣「瑠璃子のほうが鈍郎一筋かもしれねえ」
ゴリーレッド「茶倉も鈍郎一筋」
火剣「鈍郎が鈍いのは女心だけで戦闘では鋭いはず。その鈍郎の背後を取るか」
コング「ゴルゴ13の域には達していないか」
ゴリーレッド「レックスかあ」
火剣「東のマサキ、西のレックス」
コング「10代の少女に見える、殺気、邪気、床まで伸びた長い黒髪。チュルーリか?」
ゴリーレッド「まじめに考えよ」
コング「ぎゃあああああ! 三日月千里只今惨状!」
ゴリーレッド「落ち着け」
火剣「とてつもない大物登場」


火剣獣三郎
2016/02/02 17:07
>火剣さん
一通り人物を見渡した鈍郎の背後からレックス、そして三日月千里がついに本筋に絡んできました。
鈍郎は浮気の虫が騒いでいる模様・・・?

維澄「美少女の大きな胸に目がいってしまうのは仕方ない。」
佐久間「お前は何を言ってるんだ。」
山田「レックスに千里! そうか、21世紀だからレックスは50代か。」
神邪「しかし千里さんは変わりませんね。」
佐久間「首領の趣味でな。」
八武「良いことだ。もう少し成長した体型が私の好みだが。」
維澄「確かに口調も含めてチュルーリっぽい。」
神邪「鈍郎さんの好みは幅広いというか、なんとなく共感。」
八武「妻一本の男はいても、妻一筋は難しい。」
山田「おい下品だぞ。」
佐久間「私も幼女になって山田に甘えたいものだが、すぐに殴られるんだ。レックスは紳士。」
神邪「物腰が丁寧になってるのも好ましいですが、かつての荒々しさが鳴りを潜めたのは寂しい気もします。」
八武「人間は変わっていくものさ。」
佐久間「しかし変わらない部分もある。」
アッキー
2016/02/02 20:12

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