佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS クラメーションあるいは蔵目翔 6

<<   作成日時 : 2016/02/17 00:00   >>

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彼が目を覚ましたとき、既に日が暮れていた。
しかし驚いたのは、その点ではない。柔らかい毛布が彼を包んでいた。それは今まで味わったことがない感触。
「んっくう・・・」
彼は快感で身悶えした。
今の気持ちを何と表現したらいいのかわからなかった。
「あう・・・。」
泣きたいような気分で周りを見渡すと、自分が部屋の中にいることに気が付いた。
それは一般的には簡素な部屋だったが、彼にとっては眩暈を覚えるほど綺麗な部屋だった。
正確に言えば、綺麗だと思ったわけではない。むしろ、今まで住んでいた家と違いすぎて、気持ち悪かったくらいだ。思わず眩暈を起こしたのは、そのせいだろう。
その部屋のテーブルに、1人の女が突っ伏して寝ていた。彼を連れ去った女とは別人・・・どちらかといえば“綺麗”というより“可愛い”という形容が似合う、セミロングの焦げ茶の髪。年齢はわからなかった。
というのも、今まで彼が目にしてきた“女”と、あまりにも違っていたからだ。別種の生き物だとさえ感じられた。
その思考の繋がりで、彼は自分を連れ去った女のことを思い出した。彼女も皺だらけなのに若々しいオーラに溢れていて、やはり石泥地区の女たちとは別種の人間のように思えた。
「敵!」
口を突いて出た。
すると、寝ていた女が静かに目を開いて身を起こした。
「ああ、起きてたの。私は天道朋萌。」
「てんどう、ともえ。」
思わず真似て言った。
歳を聞いたら、44歳ということだった。今までの彼の感覚では、40歳を過ぎて若々しいなど有り得ないことだった。
一般的に言っても、天道朋萌は44歳としては若々しい部類だろう。単に若いだけでなく、落ち着いた色気がある。
むしろ気味が悪いくらいだった。もう少し枯れた感じの方がいいな、と彼は思った。
「敵は?」
自分を連れてきた女の名前を知らないので、とりあえずそう呼んだ。
「敵・・・。」
天道朋萌は少し考えるような素振りを見せた。
「・・・君を連れてきたのは十幹部のフィー・カタストロ。今は本部にいるはずよ。」
「フィー・カタストロ・・・。」
“敵”に明確な名前が宿った。そのときから“敵”とは別の何かに変わっていた。
「何歳?」
「やけに年齢を気にするわね。私より26上だから70歳よ。」
「へえ!」
驚いた。
天道朋萌が44歳だと聞いたときにも少なからず衝撃を受けたが、フィー・カタストロが70歳と聞いて、ガツンと殴られたようなショックがあった。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「人間の年齢はわからねえ」
コング「ライムやテーガンは人間じゃないから、とりあえず外すとして」
ゴリーレッド「フィデル・カストロに似ている名前といったら答えは一つ」
コング「ジャスティス」
火剣「正義しか合ってねえ」
ゴリーレッド「スラム街で生まれ育ったら、普通の部屋は特別な部屋か」
コング「打ち合わせはファミレスですよと、庶民派をアピールしている国会議員がいたな」
火剣「高級料亭を基準にしてはいけねえ」
ゴリーレッド「セミロングで焦げ茶の髪でかわいい」
コング「髪を焼かれたのか?」
火剣「色の話だ」
コング「落ち着いた色気。いいねえ」
ゴリーレッド「天道朋萌44歳」
コング「44歳の女の子」
火剣「フィー・カタストロは70歳か」
コング「景子竹下と喜子中田が62歳だから、キレイもあり得る」
ゴリーレッド「固有名詞は出さなくていい」
コング「♪わたしー、おばさんにならーなかったの!」
火剣「洋介江口のワイフか」
コング「自分年齢は自分で決める。大事でーす!」
ゴリーレッド「世間の44歳はこうという勝手な言い分に自分を合わせることはない」
火剣「でもこの時、蔵目翔はすでに44歳も対象外になりつつあったのか?」
コング「ドエス魔人といい蔵目翔といい、なぜ極端なんだ。八武院長のように少女から熟女まで幅広いほうが楽しいのに」
火剣「広過ぎるのも大変だ」
ゴリーレッド「ところでフィーと朋萌の目的は?」
コング「女子がうつ伏せに寝ているシーンって萌えないか?」
火剣獣三郎
2016/02/17 16:50
>火剣さん
ただでさえ個人差がありますが、エスパーの年齢はいっそう難解かもしれません。特にサイコキネシスの素養があると、肉体が若々しく保たれる傾向にあります。

佐久間「栞の年齢もわからない。」
維澄「もうすぐ39歳。」
八武「だが少女に見える。」
佐久間「処女に見える? 正解!」
山田「おい。」
維澄「フィデル・カストロとフィー・カタストロ。世代的にも同じくらい。」
佐久間「このときが1992年。『サトリン』本編より10年以上前だ。」
神邪「10年前は性格が違うようですが、老女嗜好はこの頃からですか。」
八武「老女嗜好というより、カタストロ嗜好という気がしないでもないねぃ。彼女が若ければ、若い女が好きになっていたかも。」
山田「なるほど。好きになった女がタイプになるか。」
神邪「一途なんですね。」
佐久間「後に天道朋萌や三日月海月にもモーションかけているがな。」
神邪「そうでした。」
八武「やはり根本的な資質なのかねぃ。」
佐久間「一途というのは私を指す言葉だ。」
山田「いつから一途は変態と同じ意味になったんだ?」
佐久間「よーし、いい度胸だ。大和魂をくれてやる。」
山田「いらん。」
神邪「うつ伏せの女子。萌えますね。」
八武「朋萌だけに。」
山田「目的は、保護か・・。それだけでもないかな。」
アッキー
2016/02/17 21:03

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