佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS ユイファあるいは火頭結花 3

<<   作成日時 : 2016/02/24 00:00   >>

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「いかがでした?」
「感触は悪くない。」
火傷した手を治しながら、カタストロは海月に答えた。
あの後、ユイファに火傷を負わせられたが、その時点でユイファの気力が限界だった。火炎同化が解除された彼女は、恍惚とした表情で全身を痙攣させ、失禁しながら失神していた。
「私に手傷を負わせるなど、クラメーションでも難しいことだからな。捕獲されるまでの場数の差か、戦闘センスは及第点だ。あくまで現時点の話だがな。」
「嬉しそうですね。」
海月は微笑んだ。カタストロの過去を断片的にでも知ってるだけに、今の状況が「しんどい仕事を引き受けさせられた」のではなく、「望むところ」であることくらいは、わかっている。
「充実しているのは確かだ。今の私なら・・」
そこで言葉を切ったのは、昔を思い出したからだろう。
かつてカタストロには大勢の弟子がいたが、その殆どが戦死している。
「・・・過去に戻って、“この技術”を伝えたいものだ。」
それは海月に向かって言ったというより、独り言のようなものだった。
今の自分なら、もっと先の段階まで教え込むことが出来るのに。
当時も精一杯やったが、未熟者の精一杯に過ぎない。戦死した弟子たちに対して、言い訳など出来ない。
しかしカタストロの思いは、決して過去に囚われた哀愁だけではない。“この技術”と聞いたとき、海月はギョッとしてカタストロを見た。
「アレを教え込むつもりですか?」
「お前たちからすれば、死なず程度の教育成果で上々なのだろうが、私は欲張りなんだ。」
「しかし・・」
「お前たちにしても、“電脳計画”を今の段階で満足とは思ってないのだろう。」
「それはそうですが。」
「私の目には、驚異的なエスパーが誕生したようにしか見えないのだが、関係者は一様に“途中でしかない”と言う。それと同じことだ。私にとって、超能力の制御や成長などは途中段階でしかない。」
「突き詰めるところは“技術的進化”ですか・・・。あの子たちが、ねえ。」
「眉唾ものって顔だな。いいさ、信じなくても。しばらくは制御の訓練を主軸に据えなければならないのは確かだし、最短でも10年かかるロマンというやつだ。」
「ロマン?」
海月は怪訝な顔をした。
この仏頂面のカタストロから、ロマンなどという単語が出てくるのは、似つかわしくない。
「私がロマンを口にするのはおかしいか?」
「似合わない自覚はあるみたいですね。」
「ロマンで悪ければ、目標と言い換えようか。食事の算段から世界平和まで、目標というのは生きることそのものだからな。」
「変わりましたね、カタストロさん。」
「そうかもしれない。」



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「カタストロに火傷を負わせたか」
コング「でもユイファは失禁失神という女の子にとっては屈辱的な負け方。しかしM子にとっては快感」
ゴリーレッド「カタストロが嬉しそうか。充実感は幸福の条件の一つ」
火剣「弟子は大勢戦死した」
コング「戦士だからな」
ゴリーレッド「ところでアレとは?」
コング「アレと言ったらアレだ。テレビで言葉にできない時アレって言うだろう。SEXとか」
ゴリーレッド「卍固め!」
コング「NO!」
火剣「電脳計画か」
コング「電脳計画と聞くとどうしても電影少女あいを思い出してしまうことはいけないことか」
ゴリーレッド「もちろん」
火剣「技術的進歩を重視とは科学者や技術者のようだ」
ゴリーレッド「最低でも10かかるロマン」
コング「ロマンは大事だ。僕にもロマンがある。とびきりにかわいい女子と二人きりで旅館に泊まり、浴衣着エロ」
ゴリーレッド「ロマンを目標と置き換える詩心」
コング「詩心は大事だ。浴衣を脱がして浴衣で縛る」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「だあああ!」
火剣「食事の算段から世界平和まで。壮大なスペクタル」
ゴリーレッド「変わったことも本人は認めているのか」
火剣「アレとは何か?」
火剣獣三郎
2016/02/24 16:16
>火剣さん
この頃のカタストロは、出力こそ全盛期を過ぎていますが、アルカディア屈指の老練な手練。手傷を負わせただけでも敢闘賞ものです。
カタストロの言う技術的進化とは果たして?

八武「アレを教え込むというと、私もSEXを思い浮かべる。」
山田「違うと思うが。」
佐久間「お、今日は暴力を自重するのか。」
山田「ユイファの状態が酷すぎて、あながち的外れな推論でもないように聞こえるからな・・・。」
八武「美少女を捕らえて、SEXの技術を教え込む。これが最終進化だ!」
維澄「八武の精神は、ある意味してるかもしれないね、進化。」
佐久間「教え込むのは超能力の技術だが、ユイファにとっては似たような意味かもしれない。」
神邪「人格を考慮しないというのは、人格的な偏見を持たない教師ということでもありますね。」
佐久間「ドM相手でも冷静な態度を崩さない。それがカタストロ。」
維澄「私相手にも冷静な態度を崩さない。それが佐久間闇子。」
佐久間「何故この流れで言う?」
八武「誰しもロマンを持っているのだよ。」
神邪「僕のロマンは美しい人妻とイケナイ関係になることです。」
山田「そんな晴れ晴れとした顔で、言うことは曇りきっている!」
佐久間「常に目標を持って生きることが大切だ。自販機へジュースを買いに行くのも、目的意識を伴った行動であることを忘れてはならない。」
山田「今日の佐久間は真面目で良い。」
アッキー
2016/02/24 21:03

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