佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS ユイファあるいは火頭結花 4

<<   作成日時 : 2016/02/25 00:00   >>

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「―――見事。」
その一言が、カタストロの感動の深さを顕していた。
訓練のために用意された広い平原は、灼熱の地獄と化していた。熱風の吹きすさぶ中で、老女と少女の2人。
老女の方―――カタストロは、老いてなお進化する化生であり、少女に勝るとも劣らない狂気を孕んでいた。
「“火掌発剄ウルカヌス”。この短期間で、祖母の技を会得したか。」
カタストロには、友人と呼べる者は少ない。キアラ・テスタロッサは、その数少ない1人で、同期だった。
その孫娘、12歳のユイファ・テスタロッサを、こうして訓練している。やや感傷めいた感慨を覚えないこともない。
「とはいえ、まだ連続では撃てない?」
「あはぁ・・・連続で撃たなくてもイイ・・・」
ユイファは双眸を紅く燃やし、濡らし、火炎同化で3体に分裂してみせた。
そして、それぞれの炎人形が左手に炎を集約し、撃ち放った。
「ほう・・・。」
紅蓮の炎がカタストロを包み、しばらく視界から消える。
バリアーを張っているカタストロは、当然のように無傷であるが、地面は溶岩になっていた。
「連射数を増やすより、分身数を増やした方が良さそうだ。」
「あ・・・・んん・・・・・気持ちイイ・・・・」
「・・・・・・。」
優秀な生徒には違いないが、このマゾっ気は困りものだった。
もうひとりはムラっ気があるし、なかなか手のかかる弟子たちである。
(いっそのこと、このマゾヒスティックな気質を伸ばす手もあるな・・・。その方が、“闘衣”(とうい)への近道かもしれん。デュースの後釜としては十分な素質を持っていることだしな。)
考えを巡らせるカタストロの前で、ユイファは蕩ける目で座り込んでいた。見れば自分でスカートの中に手を伸ばしているが、カタストロは特に注意しない。情操教育が主軸ではないのだ。
アルカディアのナンバー14、“獄炎魔帝”デュース・ディーバーは、キアラの副官だった男だ。キアラが引退してから、彼が隊長になっているが、既に超能力のピークは過ぎている。年齢も60を過ぎた。
それでもナンバー14の序列で、しかも前線で活躍しているあたり、常識外れのエスパーには違いないが、だからこそ戦死させたくない。デュースの代わりが務まるようなエスパーを育てることは、彼の命を守ることでもある。
(ナンバー13も病気で長くない。ナンバー15を檻から出すのも、先の話になるだろう。)
生まれつきの体質から持病を抱えている“斬空剣星”に、七逆帝の生き残りで囚人の“空曲折帝”。
ここにデュースを加えた3名で、現行“三帝”と呼ぶには、いびつに過ぎるというものだった。
そして、遠くないうちに、ナンバー13、14、15は、カタストロの弟子たちによって占められることになる。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
コング「見事! ユイファは褒められて伸びる子」
火剣「友達が少ないと聞くと親近感を覚えるな」
ゴリーレッド「短ライ、激村先生、賢吾、コング、結構いる」
コング「界隈の面々も」
火剣「激村は友達じゃねえ」
コング「独りエッチはもったいない。いつでも相手にしてあげる」
ゴリーレッド「火傷するだけだ」
火剣「闘衣とは?」
コング「亜衣麻衣が着ているものと関係あるか」
ゴリーレッド「シャラップ」
コング「ユイファのM気質を伸ばすのは賛成だ。亜衣麻衣がなぜ全裸で吊るされて凶器の爪で股を切り裂くと脅されても負けないか。それはMだから責めに強い」
ゴリーレッド「全否定」
火剣「60歳でも機敏に動き、60と聞いて驚かれる。これは一つの目標でもある」
コング「火剣にもロマン(目標)があるのか」
ゴリーレッド「趙雲は齢七十でも大軍の殿を任されていた。敵軍が『あんな白髪の老いぼれを殿につけるとは孔明の兵法も大したことないな・・・しまった! 趙雲だあ!』」
火剣「ユイファはキアラの孫か。血統は文句なし」
コング「良尻サラブレッドだったか」
ゴリーレッド「アトミックドロップ!」
コング「があああ!」
ゴリーレッド「良血だ」
火剣「教育はやり甲斐のある仕事。カタストロが燃えている」
コング「ユイファも燃えて萌えて大変だ」
ゴリーレッド「情操教育は主軸ではないと言っても・・・」
コング「だから僕が火炙りの刑ごっこを手伝ってあげる」
ゴリーレッド「ついでにコングを焼き尽くしてもらおう」
コング「ヒロピン界が20年遅れる」
火剣獣三郎
2016/02/25 10:26
>火剣さん
特殊な性格、生き方を貫いていると、友達は精鋭化されますね。
同期の友人たちが現役を退いて十年余り、これが最後の仕事かと情熱を燃やすカタストロ。実際には、まだまだ引退しないのですが。
老将が活躍していると、嬉しいものがあります。

八武「見事ユイファ。見事なイきっぷりだ。次はおぢさんが手伝ってあげようね?」
佐久間「焼き殺される覚悟は?」
八武「ハッハッハ、女の子にイタズラするときは常に、リスクを背負うものだ。」
神邪「カッコイイですドクター!」
山田「カッコよくはない。」
八武「もとい、目の前の仕事に情熱を燃やし続けていれば、何歳になっても活力が漲るものだ。」
山田「それを先に言ってくれないかな!」
八武「いやいや、何はさておきユイファの痴態。」
維澄「既にM気質はMAXな気がするけど、まだ伸ばすの?」
佐久間「伸ばすというか、制御することを覚えないとな・・。」
維澄「なるほどね。我慢して解き放つと。」
神邪「バックドラフトのように、ですね。」
佐久間「勢いは大事だが、逸る血気を抑えることも大事だ。三国志より5百年の昔も、老将は篭城して相手の消耗を待ち、いたずらに兵を失わなかった。」
山田「廉頗将軍か。」
佐久間「しかし次に任命された若い将軍は、ある名将の息子だったが、兵の数に任せて突撃し、多くの犠牲を出して敗北してしまった。名将の子は必ずしも名将ではない。」
維澄「血統が良くても、やはり教育は大事だね。カタストロは逸材を手にして、どのように育てるか?」
八武「無理やり犯されて昇天しちゃう、極上のM子に!」
山田「そっちの育成じゃない!」
アッキー
2016/02/25 21:24

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