佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS ユイファあるいは火頭結花 5

<<   作成日時 : 2016/02/26 00:00   >>

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「参上、参上、参上、参上!参上、参上、参上、参上! 影・月・X・帝! クラメーション!」
両腕を振りまくった後に、キレッキレのポーズを決めながら、少年は自己紹介を終えた。
そう、これがクラメーションの考えた自己紹介、すなわち“前口上”である。既に5パターン以上あるらしい。
「あは・・・・ははははは・・・・ひはっ・・・・・」
対するユイファは、確かに笑っているのだが、可笑しくて笑っているようには見えない。
かといって失笑でもなければ、馬鹿にしているようでもない。狂気の瞳は何も映さない。
「私はユイファ。ユイファ・テスタロッサ。あは・・・ウルカヌス!
「!?」
いきなりユイファは炎の重爆撃を見舞った。
至近距離で爆炎が巻き起こり、上昇気流がミニサイズの竜巻を発生させる。
「だったったあ〜! ご挨拶だなあ、いきなりだあ!」
肝を冷やしながら、クラメーションは空間干渉で防御していた。
この光景を見ながら、カタストロは涼しい顔をしていた。
「フィーちゃん! 何この子!」
「あは・・・楽しそうな狂気ね・・・。私の好みじゃないけど・・・面白い・・・?」
「ふんがー! 話が通じてないぞー!」
「こうなることを予測して、今まで会わせるのを控えていたんだ。」
カタストロも、どこ吹く風という態度。クラメーションは地団太踏んだ。
「よーし、女の子を殴るぞ。女の子を殴っちゃうもんね!」
空間干渉の拳が、ユイファを襲う。
しかしクリーンヒットした瞬間、ユイファの表情は恍惚の笑顔に包まれた。
「!?」
「いだい・・・キモチイイ・・・・・」
「マゾなの!?」
「そうだ。」
カタストロは冷静に答えるが、クラメーションとしては困惑しかない。
「いやー、この幼さでマゾとか・・・将来が恐いぜ。」
「お前と同じ年齢だ。誕生日までな。」
「あはは・・・・そうなんだ・・・・?」
「えー、マジでございますか?」
ユイファが“好みでない”と形容した以上に、クラメーションもユイファに苦手意識を持った。それゆえに、今後も2人の間に恋愛感情は発生しないのだが、ゆくゆく仲間意識は育つことになる。
それはカタストロの教育とは別の要素が絡んでくるところなのだが・・・。
「仲良くする必要は無い。個別に訓練するよりも、効率が良いからな。」
そもそも馴れ合いを嫌うカタストロとしては、これくらい互いに苦手意識を持っている方が好ましかった。
「まずは組み手から、始めよう。」


- - - - - -


アルカディアが1980年から取り入れたナンバー制度だが、ナンバー10までを特別に“十幹部”と呼称する。
その理由の1つは、ナンバーJとナンバーKを除く、ナンバー13以下すべてを相手にして勝利できることだ。
「どうした、もう終わりか。」
「だあぁ〜、やけのやんぱちもグゥの音も〜。」
「あ・・・・イく・・・・イっちゃう・・・・・・」
へたり込んだクラメーションに、痙攣しながら舌を出しているユイファ。
そして無傷で突っ立っているカタストロ。
「まだまだ力のムラが多すぎるな。」
「フィーちゃ〜ん、ムラって何すかあ? フィーちゃん見てるとムラムラするんダンス〜う〜マンボ!」
「クラメーションは143万PKP、ユイファは107万PKP、それだけの出力を常にフルパワーで使えれば、2,3時間で原子爆弾と同じだけの破壊を齎(もたら)すことが可能だ。」
「2時間も3時間も全力とか出せないっすーだらだった! 5分で打ち止め〜、へへへ早漏と笑ってくれよ。」
まるで思春期の少年のように・・・いや、実際に思春期の少年なのだが、かつて男娼として働いていたとは思えないセリフであった。
そしてカタストロは、そんな軽口に付き合わずに話を続ける。
「無理なく常時フルパワーが出せるのが、93年の課題だな。私が教えるものは、その先にある。」
「あはあ・・・・情事・・・・その先っぽ・・・・」
ユイファは相変わらず蕩けた目で、スカートの中に手を伸ばしている。
やれやれ、前途多難だ・・・と思いつつも、カタストロは生き甲斐を感じていた。




つづく

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「サトリン」 第二部目録 (2)
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内 容 ニックネーム/日時
コング「前口上は大事だ。吹けよ風、呼べよ嵐、笑う子も号泣する恐怖のバイオレンスマシーン! 女コング只今惨状・・・誤字じゃないよん」
火剣「参上!連発から影・月・X・帝! クラメーションか」
コング「キャラ設定は重要だ。プロレスは勝ち負けよりも観客をオーバーヒートさせたほうが勝ちという裏の決まりがある」
火剣「アメリカマット界はファンをヒートさせられないレスラーは『明日から来なくていいよ』だからな」
ゴリーレッド「マンガや小説のキャラも同じかもしれない」
コング「群雄割拠、いつでも戦国時代のサバイバルウォーだ」
火剣「ところでフィーちゃんって?」
コング「ほら見ろ、攻撃されても萌えるユイファ。やはりMは責めに強いという特徴があるのだ」
火剣「ユイファとクラメーションに恋愛感情が湧くのは勇気がいるだろう」
コング「今のところ心配なしか。ぐふふふ」
ゴリーレッド「馴れ合いを好まない。大事だと思う。多少の適距離は必要だ」
コング「距離がゼロになってもいいのは恋人同士と夫婦だけだな」
火剣「一概には言えないが」
コング「アザラシの原理だ。近づき過ぎると牙で傷つけ合ってしまう」
ゴリーレッド「若いゆえまだムラがあるか」
コング「ムラムラ来るのは仕方ない。朋萌の水着姿にもムラムラ来た」
ゴリーレッド「そんなシーンはない」
火剣「常時フルパワーか。技のコントロールは難しい」
コング「プーローのーうーでーまーえー手加減しっなーい!」
ゴリーレッド「文字数の無駄」
火剣「情事の心配も今のところないか」


火剣獣三郎
2016/02/26 16:41
>火剣さん
「サトリン」第十五話でも前口上を発していましたが、この頃から考えていた1つでした。人生という長い劇を演じる、生まれついてのアクターなのかもしれません。

山田「この頃からフィーちゃん呼び。殆ど現在のクラメーションだな。」
佐久間「闇の力で全てを解決! リョナダークネス!」
山田「お前の前口上は別にあるだろ!」
佐久間「何だったかな。久しく使ってないから思い出せない。」
八武「美女をヒートアップさせたい。」
維澄「ヒートアップしてるのは八武の方では?」
神邪「蔵目さんは独特ですが、性癖はノーマルなんですね。」
佐久間「守備範囲は狭いがな。」
山田「狭くはないが特殊だな。」
維澄「馴れ合いと言えば、左翼グループに属していた頃、集会やデモの後で飲みに行く慣習が苦手だった。参加すれば浮くし、参加しなければ疎外感を覚える。」
佐久間「切り替えが出来ずダラダラしていると、何事も為しえない典型例だなァ。」
維澄「人数分の生ビールが注文され、それを訂正して自分は日本酒や果実酒を頼むときの、あの雰囲気が嫌。何で好きなものを飲めないのかと。思想を揃えても好みまで揃えた覚えは無いっつーねん・・・。」
佐久間「何故に大阪弁?」
八武「苦労してきたのだね、しおりん。お酒を飲んで忘れたまえ。」
神邪「酔い潰して陵辱しようとしてません?」
八武「しかしまあ、思想は揃えても好みは別か。クラメーションとユイファも、志は揃えても個性は殺さない。」
山田「個性が尖りすぎるのも問題だが。」
佐久間「ん? 今すごーく説得力に欠ける発言が飛び出したような。」
山田「どういう意味だ?」
佐久間「山田こそ個性が尖っているだろうが。クラメーションの前口上も、山田のセリフが元になっている。」
山田「ああ、どうりで懐かしい感じがすると思った。」
アッキー
2016/02/26 22:31

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