佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS ユイファあるいは火頭結花 7

<<   作成日時 : 2016/02/28 00:00   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 2

訓練が終わって、夜。星空の下でユイファは、ふと過去を振り返った。
元アルカディア重幹部を祖母に持つユイファだが、では両親は如何なる人物だったのか。
母親は元アルカディア砕組ルーファ・アータスティー。容姿は母親譲り、特に大きな目は、そっくりだった。
しかし破綻した人格や、おぞましい能力は、父親譲り以外の何物でもない。
ヘルファイス・クァニーヴァ・テスタロッサス。史上10番目の神化系能力者にして、大量殺人鬼の発火能力者。
「おとうさん・・・おと、さん・・・・?」
張り付いた笑顔と、巨躯を誇る大男は、ルーファを見初めて攫い、強姦して孕ませた。
かつて、“邪神”ノットーがキアラを犯して、ヘルファイスを産ませたように。
「のっ、とー?」
顔も知らない祖父の血が、この体に流れている。
ただの血脈ではない。遺伝子よりも濃密な、悪魔の精神を受け継いでいるのだ。
祖父も、あのような笑顔をしていたのだろうか。あの笑顔で女を犯したのだろうか。
ヘルファイスの張り付いた笑顔。笑顔。エガオ。
痛み泣き叫ぶ自分の声は、永遠の呪いとなって魂に刻まれている。
「あっ・・・・イ、く・・・・・・」
恍惚とした表情で痙攣する少女は、流暢な言葉を覚えても、魂まで狂気に濡れているのは変わらない。


- - - - - -


1995年は戦後50年の節目であり、翌年1996年はアルカディアにとって災厄の年だった。
しかしユイファもクラメーションも、それらとは殆ど無縁に過ごしていた。16歳になった2人は、“災厄”の事後処理を終える頃に、正式にアルカディアのナンバー持ちとなった。
もはやユイファは囚人ではなく、ナンバー14、“焦熱美帝”。出力120万PKP。
クラメーションも、予(かね)てから名乗っていた“影月X帝”を正式と喜び、その出力も150万PKPで安定。
まだまだキアラやコムザインなどの、歴戦の勇者と比べれば未熟だが、十分立派なものである。
「随分と背が伸びたわね、クラメーション?」
「おおっと、俺に惚れるなよベイベェ! 俺の守備範囲は50歳以上だからな!」
「自意識過剰も大概にしなさい。」
まるで友達以上恋人未満の初々しい男女に見えるが、実際には2人の間に恋愛感情は欠片も無い。
ユイファの望むような陰惨な狂気を、クラメーションは持ち合わせてないし、クラメーションにとって50歳未満の女は全て幼女でしかない。16歳など、乳児くらいに感じている。
しかし、友達以上という点に関しては当たっていなくもないのだ。気軽に話せる相手であり、対等の相手。友人というよりは家族の方が近い感覚。
捕獲された頃に比べると、2人とも随分と表情豊かになり、会話も増えた。それは“外”で活動しているおかげでもあるのだろう。2人は日本を拠点としており、蔵目翔と火頭結花という偽名を使っている。
「時代が要求しているのだ、俺のようなパラノイアを!」
「あなたの時代? 来るといいわね。」
「にゃろー、本気にしてないな。これだからお子ちゃまは困る。朋萌ちゃんだったらなあ、パラノイアを恐れない為には自分もパラノイアになるのが最善かもしれないって、言ってたんだからな?」
「それ、遠回しな皮肉じゃないの。」
「ちげーし! さてはオーレンジャーを観てないな? ダッシュ!ダッシュ!オーレンジャー! ダッシュ!ダッシュ!オーレンジャー! 大地の鼓動が消えかかるぅ! いーそげーーー! ダッシュ! オーレンジャー!Woooo!!」
「ダイレンジャーと混ざってるわよ。」
「いっけねえ。・・・知ってんじゃねーか。」
「知らないとは言ってないわ。・・・はあ。」
「んだよ、露骨に溜息ついちゃって。幸せが逃げるぞ。」
「あなたは楽しそうでいいわね。」
「おう、毎日が楽しいぜ!」
ボディビルのサイドチェストみたいなポーズで、クラメーションはドヤ顔を決めた。
「私の求めている狂気は・・・・いつ現れるのかしらあ・・・・・? ふふ、ふふふ・・・・・ひひひひひ・・・・・・」
「こんな頭おかしい奴と、よく付き合い続いてんな俺も。」
「頭おかしいのはお互い様よ。」
「なんでストーン!? クシャミ百回ルル3錠! 影月X帝クラメーション! 今日も元気だクラメーション! ほら、健全で爽やか! 何もおかしくなーい!」
「ナンバー持ちは狂人と変態しかいないって噂されてるの知ってる?」
「そうか、俺は例外だったのか・・・。流石、俺。」
「はあ・・・。」
再びドヤ顔を決めるクラメーションと、溜息を吐くユイファだった。



つづく

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「サトリン」 第二部目録 (2)
■■■■■ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2016/03/06 21:13

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「あまり深く考えたことはないが、自分はレイプで孕まされた子と知ったらどういう気持ちになるんだ?」
ゴリーレッド「できれば知らせないほうがいいが」
コング「犯されたのに産むという女子はどんな気持ちなのか」
火剣「16歳は立派な大人だ」
コング「クラメーションから見れば16歳は幼女以下か」
ゴリーレッド「焦熱美帝、ナンバー14のユイファ」
火剣「49歳以下は対象外? 朋萌はギリギリ対象内か」
コング「40で若いのは普通になってきた。有紀内田も40だ。50でも若いというのが試金石、女だけど正念場」
ゴリーレッド「意味わかってて言葉を使っているか?」
火剣「蔵目翔と火頭結花は日本人名か」
コング「時代が要求しているものは何かを常に研究しキャッチする。時代の要請と自分のポリシーの兼ね合い。ただの迎合ではダメで、ブレないことが新しい場合もある」
火剣「そこは難しいところだな、アクターもレスラーも」
コング「狂人と変態しかいない?」
ゴリーレッド「界隈のような」
コング「自分だけいい子ぶる暴力皇帝」
火剣「クラメーションのテンションは面白い」
ゴリーレッド「ユイファは落ち着いている」
コング「美帝。まさに美しきヒロイン。16歳になったら常に犯される危険を警戒せねば」
火剣「M気質はそのままなら警戒しないかもよ」
コング「パラノイアって何だ? パラグアイの親戚か」
ゴリーレッド「関係ない」
火剣「クラメーションはどっちの意味で言った?」

火剣獣三郎
2016/02/28 00:33
>火剣さん
呪わしい血脈を抱えているユイファですが、それを狂気の栄養にしているのは、逞しさか忌まわしさか。
クラメーションも壮絶な過去がありますが、こちらは陰惨な雰囲気とは遠い、正反対のコンビ。

佐久間「好みこそ相容れないが、仲良くやっている。」
山田「レイプされた場合、堕胎を認めるべきだと思うが、生まれてきた子供もいるし、生まれる権利を奪っていいのかどうかも・・。答えは出ない。」
八武「堕胎を依頼されることは多いが、どのような理由であれ断ったことはない。そのことに後悔は無いが、ユイファは生まれてきて正解だった。」
維澄「既に生まれた子供には、罪は無いからね。ユイファは人を殺しているけど、それは生まれながらの罪ではない。」
八武「もとい、美少女は正義。」
山田「真面目な話じゃなかったのか?」
八武「もちろん真面目な話だとも。不実の子が醜く生まれてきたら、どのような目に遭うと思うのかね?」
山田「それは・・・しかし・・・」
八武「難しく考える必要は無い。美少女にとっては全てが付加価値なのだ。」
神邪「ユイファさんなら、気にしないよりも萌えられる方が嬉しいでしょうね。」
佐久間「それでこそ狂人。」
維澄「時代を変えるには、傍から見て狂ってると思われるほどのエネルギーが必要だという。誇大妄想は、妄想を現実に変えていけば有言実行となる。」
神邪「火頭結花16歳!」
山田「急に何を言ってるんだ。エロペンギンか。」
八武「50代が普通に若い時代が到来すれば、クラメーションは時代を先取りしているかもしれない。」
アッキー
2016/02/28 03:36

コメントする help

ニックネーム
本 文
ユイファあるいは火頭結花 7 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる