佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS シータあるいは入流小松 8

<<   作成日時 : 2016/03/10 00:00   >>

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「わが国では事実上、1978年に蛹田蛭巳(さなぎだ・ひるみ)が亡くなってから、超能力部隊が存在していない状態なんですよ。」
蒼斗は椅子に座って話していた。
カタストロは仕事で席を外しており、小松と蒼斗、小竹と小梅が室内に残っている。
「社会の諸関係が複雑化した現代で、かつてのような短絡的な暗殺などは論外です。しかし正義を為すには一定の武力が必要なことは否めませんし、情報も然り。」
「正義、ですか。」
14歳にしては大人びた喋り方をするものだと思ったが、自分も製造されてから4年しか経ってない身だ。それよりも小松は、正義という言葉に注目した。
「そう、正義。」
蒼斗は噛み締めるように繰り返した。
「善悪は相対的なものですが、だからこそ基準が必要になってきます。もしも善悪を、誰しも等しい価値観として持っているならば、正義など必要ないでしょう。何しろ、そこには争いが無いのですから。」
「みんな違うから、正義が無くてはならない・・・!」
小松は興奮気味に“答え”を口にした。
正義とは、“基準”なのだ。
「わたしの正義は、必要なんだ!」
「こ、小松隊長!?」
蒼斗が慌てたのも無理はない。小松は彼の胸に飛び込んで、抱きついていたのだから。
「ずっと恐かった。ぐるぐるしてた。正義を否定されるのが嫌だった。」
「・・・僕もです。正義のヒーローは、100人に感謝されても1人に恨まれる。」
斜に構えた大人は、悪党の論理を否定しにかかる。対岸の火事にコメントするように、気楽なことを言う。
しかし蒼斗は悪党の論理が、ひたすら恐かった。悪が理屈を述べることが、どうしようもなく不安を掻き立てた。

「理屈で悪を倒すことは出来ません。悪を倒すのは、圧倒的な正義です。」

それが小松と蒼斗、どちらの言葉だったのかは、わからない。
しかし小松と蒼斗、どちらも同じ思いを抱えていた。


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内 容 ニックネーム/日時
コング「正義かあ。みんなジャスティスの復活を願っているんだな」
ゴリーレッド「一切関係ない」
コング「寝ない子誰だあ?」
火剣「ちょっと違う」
ゴリーレッド「正義とは何か? 道徳の時間でもやってほしいが」
火剣「まとめる教師がその力量を持っていなかったらアウトだぞ」
コング「結論は可愛いは正義」
ゴリーレッド「善悪の基準。これも本当に難しい。そこでユゴーやトルストイ、ガンジーなど偉人の思想哲学を学ぶ意義がある」
火剣「ホセ・マルティ、ホセ・リサール、魯迅」
コング「ブッチャー、タイガージェット・シン」
ゴリーレッド「ん?」
火剣「理屈で悪を倒すことは出来ません。悪を倒すのは圧倒的な正義です。これは胸に響く」
コング「美女を落とすのは圧倒的な性技」
ゴリーレッド「悪党の論理、悪党の目線を知ることも正義が勝つための要因」
コング「悪党の論理か。戦隊ヒロインはショッカーを平気で殺すくせに自分が手足を拘束されて拷問されると『卑怯だぞ!』と叫ぶ。都合がいいヒロインにはお仕置きが必要だ」
ゴリーレッド「無関係な話しかできないなら黙っていてほしい」
コング「言論の自由を妨害するのも悪」
火剣「みんな違うから正義は無くてはならないか」
コング「みんな違ってみんないい」
ゴリーレッド「ここで使う言葉ではない」
火剣「小松たちは真剣だ。善悪の基準、正義とは何か。とことん議論することも重要だ。難しいテーマだからこそ理論武装して何を聞かれても即答できるようにならねば」
ゴリーレッド「即答は強い。即答されると相手は怯む」
火剣「そのテーマについて常に思索していないと即答はできない」
コング「圧倒的な正義って何だ?」
ゴリーレッド「悪の結託に対抗するには善も連帯を広げるしかない。悪は庶民の声をかき消すのが上手いから」




火剣獣三郎
2016/03/10 10:44
>火剣さん
自分がマイノリティーなので、価値観の多様化は歓迎する側なのですが、混乱する中で基準が見失われると、結局は多様性も失われてしまうのではないかと危惧しています。
それぞれが好き勝手な主張をするのではなく、お手本となるようなものを学び、そこから議論を尽くしていきたいですね。

佐久間「ある意味ジャスティスも正義だったな。」
山田「あれは正義ではない。」
佐久間「ククク、悪って何だァ? 自分の信念に忠実であれば、それは正義ってことじゃねえのか・・?」
山田「それは詭弁だが、そのセリフは正義の側が疑わしいことを示しているんだよな。」
佐久間「・・とまあ、このように正義は相対化できるんだ。ゆえに多様化するんだが、それは複雑ということでもあり、混乱しやすいということでもある。」
神邪「僕自身は正義と外れた場所にありますが、正義が無くていいとは思えないですね。」
維澄「基準となる正義を設け、それが絶対ではないという価値観のもと、議論していくことになるね。」
八武「小松のような美少女の主張。それを正義と言う。」
山田「言わない。」
八武「真面目な話だ。議論が大事だといっても、実質は人気投票ではないのかね?」
佐久間「それが民主主義の本質。」
維澄「生きている人間を基準にすると危ないのは確かだね。ホセ・マルティやシモン・ボリーバルが崇拝されるのも、生きている人間を基準にしないという、律しの顕れだと思っている。」
神邪「確かに、絶対値なら後世の革命家の方が優れていますからね。」
山田「歴史は相対的なものというわけだな。」
佐久間「言葉の意味も変わる。暴力と、暴力的、も違う。腕力を振るわなくても、不服従は闘争だ。腕力が無くても出来る。ガンジーは甘いのではなく、冷静に最大戦力を揃えたのだよ。」
山田「なるほどなあ。基準となる正義も突き詰めると深い。」
アッキー
2016/03/10 22:50

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