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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 2

<<   作成日時 : 2016/03/14 00:00   >>

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イワン:おれたちの祖先が・・
ミュラ:わたしたちオーパの人間ですってェ?
シュン:・・・・・突拍子もない話だけど、そう考えると納得いくことはあるな。
パイク:何がだ?
シュン:ちょっと妙だとは思ってたんですよね。オーパの人たちは、地球人と似すぎてるって。

最初から違和感があったわけじゃないんですよ。あの頃のオレは、星ひとつ丸ごとハーレムだってハシャいでいた、バカなガキでした。でも、それ自体が糸口だったんです。
この宇宙で、生命が発生する星の割合って、どれくらいなんでしょうね。その中でも、知性を持ち、理性を持ち、高度な文明社会を築くともなれば、それだけで天文学的な確率です。更にそれが、ヒトという生物種によって成される確率。同時期に文明が存在している確率。そして、容姿までもそっくりな確率は?
仮に、人類という種の発生が、ある程度まで必然的であっても、ネアンデルタール人や北京原人を見ればわかる通り、ホモ・サピエンスとは似ても似つかないのが大半です。
率直に言えば、オーパの“美少女”たちはオレの好み過ぎた。それはつまり、地球でも千年あれば丸っきり変わってしまうような“美的感覚”すら、共通していたってことなんですよ。
これを偶然とか、大宇宙の奇跡だとかいう言葉で片付けてしまうよりは、近しい共通の祖先を持っているって論の方が、ずっと腑に落ちる・・・。

補足説明ありがとう、柵原俊。
まだ納得しきれていない者もいるようだが、話を続けるよ。
遥か彼方より来たりし“古代超人類”は、地球という新天地に希望を抱いた。“マザー”の呪いを打ち破る可能性を信じ、知識と超能力を使って文明を進歩させ、豊かさをもたらした。地球とオーパで似ているのは、何も人類の容姿だけではない。科学や文明の発展も、その方向性において酷似している。源流が同じなのだからな。
緑褐色の肌と白い髪は、強大な超能力の副産物だった。バウフェークやポフォロムに比べれば、人種の違い程度の変化に過ぎず、むしろ純朴な地球人たちに“神”としての印象を与えるメリットになった。
超能力の副産物として真に忌むべきは、容姿ではない。ただでさえ低い繁殖能力を、いっそう低くしてしまったことにある。“マザー”の呪いから逃れる為の能力が、逆に呪いを強めてしまう結果になったのは、皮肉が過ぎる。ナンセンスなジョークだとでも思いたいね。
しかしこれは、生命進化においては“ごくありふれた現象”に過ぎない。一般的に個体の生存能力が高い種ほど、繁殖能力は低い。個として強いほど、種としては弱いんだ。例外はあるが・・・。
古代超人類は、何百年という寿命と、強大な超能力を持っていたが、それゆえに自分たち同士での繁殖は不可能。地球人との交配が、彼らの希望だった。時間はたっぷりあったしな。
しかし“希望”とは、“予兆”と共にパンドラの箱の中に残った、究極の災厄でもある。真の絶望に苦痛は無い。希望と絶望の狭間で揺さぶられ、地獄へ叩き落される過程に、耐え難い苦しみはあるのだ。
結論から言えば、古代超人類と地球人類の間に、殆ど子供は生まれることはなかった。多くの場合、母体との適合不全で母子ともに死に至り、生まれた子供も寿命は並で、超能力も弱かった。
古代超人類は数が少なく、地球人は数が多い。どういう意味かわかるだろう? 古代超人類の男は、多くの地球人の女を妻にして、死なせていった。既に地球人の男と恋仲だった者もいたが、“神”に逆らえるはずもない。
さて、今一度思い出してみよう。純朴な地球人類たちが、古代超人類を畏れ敬ったのは、その超能力に対してではなく、もたらされる恩恵に対してだったな? では、次々と女を死なせていく“神”に対して、地球人たちは何を思っただろうなァ。
それでも、“神”に対する反逆に至るまでには、それなりの年月を要した。自然災害の脅威に晒されても、なかなか自然を憎むようにはならないものだ。それと同じことで、古代超人類は“自然”そのもの。恵みをもたらすこともあれば、時として荒れ狂う脅威ともなる。
しかし、ひとたび不信の火種が放り込まれたならば、それが急速に大火となるほどには、地球人たちの心は乾いていた。文明の恵みで潤う生活とは裏腹に、極めて原始的な渇きが、地球人たちの間にあったのだ。
・・・だがね、それを知らない古代超人類ではないし、地球人の不信感も、それだけで反乱を起こすほどのものじゃない。文明の潤いは、ちっぽけな不信感など抑え込んでしまう。
火を入れた奴がいるのさ。
そいつこそ“ゲシュペンスト”! 有史以来、あらゆる大量虐殺に関わってきた、悪魔も血の凍る憑依能力者だ!

レックス:クレア(千里)にとっては部下の、俺にとっては親友の仇だ。あのとき確かに殺したはずだったが――
千里:私のミスだ。幽界に本体が存在するゲシュペンストには、千里眼も殆ど通用しない。
レックス:奴には物理的な死はおろか、ESP拘束だって時間稼ぎにしかならねえんだ。
イワン:ジュノー号で見たときには、そんな怪物だとは思いもしなかったが・・・。
レックス:・・・すまねえな、茶倉さん。
茶倉:え?
レックス:あんたの母親の腕を折ったのは、俺の仲間だ。ゲシュペンスト討伐班のリーダー、ミル・ネヴィー。
茶倉:・・・・・・
レックス:あのとき俺も、その場にいたんだ・・・。
茶倉:謝るなら本人が一番手を務めるのが筋だと思うわ。
千里:悪いが、それは無理だ。死者に紡げる言葉など無いからな。
茶倉:死んだ・・・?
レックス:相討ちでゲシュペンストを仕留めたはずだった。だが、奴は生きていた。
千里:ミルが死んだのが1976年。タロンに捕縛されたゲシュペンストが、目を醒ましたのが1981年。
レックス:横浜中央病院の事件を知ってる人もいるよな?
ファイバー:あれも“げすぺんすと”の仕業だったのね!
インビンス:その“ゲシュペンスト”というのは、古代超人類とは別系統のエスパーなんですか?
千里:その通り。奴は地球生まれの“自然な”超能力者さ。だからこそ際限なく凶悪になったのかもしれん・・・。

古代超人類は、卓越した知識と強大な超能力を持っていたが、ひとつ致命的な弱点があった。それは一般には美徳なんだがね、近親者に対する自己犠牲的な愛情ってやつさ。それが強すぎたんだな。それこそ、我が子を人質に取られれば、どんな屈辱的な命令でさえ従ってしまうほどに。
まともに戦って勝てないなら、まともでない方法で戦えばいい。地球人たちは、まさにそれを実行したのさ。強力なテレパスでもあるゲシュペンストは、古代超人類の弱点を察知し、人質を奪還されないように、極めて狡猾に事を為していった。そして古代超人類は、わずかな混血の生き残りを除いて、根絶やしにされたのさ。何割かは自らの招いた禍とはいえ、その非人道的な虐殺の過程は、現代人の苛烈さとも何ら変わりない。
生き残りの中には、タイムリープで別の時代に飛んだ者もいて、かつて私が弟と呼んだ“ミコン”も、その1人だった。肉体が朽ちて精神だけが赤子と融合したアリョーシャ(アルカディアNo.J、月組副隊長)みたいなのもいるが・・・ちなみに本名はアレクセイ・フョードロヴィチ。要するにイワンの叔父なんだが、全くの偶然ではあるまいよ。
混血の人間は、見かけも地球人と変わらず、子孫を増やし続けた。しばらくは超能力の因子も薄まっていく一方で、“神”の時代は終わりを告げたかに見えた。しかし広まった因子は、いつまでも平衡ではない。確率的な揺らぎによって増幅され、再び超能力者は世界に生まれる。
それが我々だ!



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「クレアが真実を語る」
コング「クレアは隙がないな。隙があるほうがモテるのに」
ゴリーレッド「軽い」
コング「かわいげは大事だ」
火剣「64歳を感じるか」
ゴリーレッド「七瀬と同じ、一種の使命感だろう。のほほんとなんかしていられない」
コング「ハーレム星というものは果たして存在するのか」
ゴリーレッド「いらない」
火剣「飽きてしまう気はする」
コング「知性、理性、高度な文明社会か」
ゴリーレッド「人でも知性も理性も乏しいのはいる」
コング「人の顔を見て喋るな。僕の仕事は女子の理性を飛ばすこと」
ゴリーレッド「仕事ではなくて犯罪」
コング「千里のような使命感の塊は心のどこかで自分の理性を飛ばすほどの・・・」
ゴリーレッド「甘い。クレアはそんな甘くない」
コング「じゃあ、はちみつプレイで」
ゴリーレッド「浴びせ蹴り!」
コング「があああ!」
火剣「人類誕生は必然だと思う」
ゴリーレッド「地球とオーパか」
火剣「美的感覚、美人の要件は時代によって変わる。だから小野小町は後ろを向いているんだ」
コング「クレオパトラは本当に全裸だったのか?」
ゴリーレッド「ゲシュペンスト!」
火剣「震撼させたなあの頃」
コング「なーるほりろ」
火剣「奈留?」
ゴリーレッド「根絶やしという考えは、やはり復讐の阻止や血の阻止か」
コング「大河ドラマで姫や女中、少女までみんな磔にされて槍で刺されるシーンはむごい。思わず目をそむける」
火剣「直視してただろ」
ゴリーレッド「現代人の苛烈さという言葉は強烈だが、今も昔も人類は人を簡単に殺し過ぎる」
火剣「我々か。ここに辿り着いたロングストーリー」
火剣獣三郎
2016/03/14 17:01
>火剣さん
様々な断片がクレアによって統合されていきます。物語の真相に迫っていく第十六話、これからも驚愕の真実が次々と明らかに。

八武「うむ、七瀬と同じ雰囲気を感じるよ。」
神邪「僕は隙の無い方が好きですね。」
山田「隙があった方が愛らしいと思うが。」
佐久間「ふん、山田も“馬鹿な女は可愛い”と思うタイプだったな。理知的な女にケチをつけたがる、男尊女卑野郎だ。」
八武「何もそこまで言わなくても・・。山田やコングの言ってることは、そういうことではないのだよ?」
維澄「想いが届かないね山田。」
山田「いつものことです。」
神邪「まあ、男も隙のある方がモテるのと同じことですよ。」
佐久間「そうだな。男は隙がある方が愛らしい。」
山田「おい貴様・・・俺に何て言った・・・?」
八武「落ち着きたまえ山田くん、拳を収めて!」
佐久間「ちなみにオーパは女だらけだが、美人ばかりではない。原作者も嘆いていた。」
維澄「自分で描いておいて?」
佐久間「ハーレムものじゃなくて、SFだからな。リアリティを追求した結果だ。」
八武「地球を美女だらけにした後は、どうやらオーパへ行かねばならないようだねぃ。」
山田「貴様をオーパへは行かさん!」
神邪「美少女といえば、奈留に憑依した状態のゲシュペンストが凄く好みです。」
維澄「私も。」
八武「大昔から存在していたのだねぃ。」
山田「古代より繋がっている系譜と、因縁か・・。」
アッキー
2016/03/14 22:42

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