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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 14

<<   作成日時 : 2016/03/26 00:00   >>

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我々がゲシュペンストを追い詰めたのが1976年。そのときに咲村志織を巻き込んでしまった。巻き込むまいと発した警告が、かえって彼女の好奇心を刺激し、破滅へ導くことになってしまったのだ。ミル・ネヴィーは志織の好奇心を見誤り、私はゲシュペンスト相手に千里眼が通じず、結果としては最低だったよ。70年代までの私は、あるまじき失敗を繰り返している。・・・1980年以降も、パーフェクトには程遠いのだがね。
咲村志織はアルカディアが保護し治療したが、やがて彼女はエスパーの存在を調べようとするようになった。それがどれだけ危険なことか、教えてやれる人がいなかった。教えることは、すなわちエスパーの存在を教えてしまうことであり、好奇心の赴くままに明るみに晒されてしまう。その自体が来たときは、ナンバー8(ハヌマン・アンタ)の出番になっていたが、そうならないと予知できていた。だがそれは彼女にとっては、決して良かったとは言えなかった。
素人の単独調査としては実際、彼女は恐ろしいまでに深く首を突っ込んでいた。十島育生が重力使いの能力者であることまで突き止め、接触を試みたのだ。

トランジスター:・・・・・・
茶倉:・・・・・・
千里:ことわっておくが、咲村志織を妊娠させたのは、十島育生ではない。
トランジスター:そ、そうなんだ。
茶倉:・・・肉体関係が無かった、とは言わないのね。
トランジスター:・・・!
千里:察しが良いのは時に残酷だな。十島育生は、知ってることを話す対価として、体を要求した。
トランジスター:・・・お父さんなら、やりかねない、か。
千里:好奇心も洞察力に負けず劣らず残酷なもの、大きな対価を払った志織は、引き返す選択肢を捨てた。
茶倉:その頃の話は断片的に聞いてるわ。妻を亡くした男やもめと関係を持っていたとも。
インビンス:・・・―――!!
トランジスター:センセー? ・・・・・・・・え、まさか・・・?
茶倉:兄さん、なのね。
インビンス:・・・私には7つ下の妹がいると、父が言っていた。それが茶倉・・・なのか・・・?
舜平:聞いたことは・・・あったな。
ファイバー:・・・は、そうなると、母親が違うとはいえ兄妹同士で結婚したということなの?
トランジスター:そんな・・・
千里:ところが違うんだな、これが。
インビンス:えっ
茶倉:・・・え?
千里:咲村志織を妊娠させたのは九古貞主で合ってる。しかし、お前たちは兄妹ではないのだ。
真由:やっぱりそうだったのね。
トランジスター:黒月?
真由:志織は辿り着いたのよ。偶然に助けられたとはいえ、一介の市民が、このわたしへ。
千里:そのとき真由良(真由)も妊娠していたんだ。ちなみに父親は十島育生だ。
真由:育生だったんだ・・・。ごめん、十島。
トランジスター:う、うん。でもそれより、どういうことなの?
真由:あたしと茶倉さん、他人の空似なんてものでなく、凄く似てると思わない?
インビンス:あ・・・ここに来たとき、そう思ったんだったな・・・。
トランジスター:・・・あ、赤ちゃん取り違えられた、とか?
真由:以前から疑ってはいたのよ。真弓(娘の名)は志織に似ていて、あたしには似てなかったからね。
茶倉:・・・母さん?
真由:はーはは、ありがと。こんなあたしを母さんと呼んでくれるのね。
千里:図にするとこうなる。


   志穂___貞主___志織 真由____育生___隆子   ※貞主は光子との間に七美
      _「_      「           「      _「_       ※育生は他の女との間に陸生
     |   |     |・・(取り違え)・・|     |   |
    鋭郎  鈍郎   茶倉        真弓   累月  瑠璃子


トランジスター:ということは茶倉さんは私の姉・・・。あはっ、姉妹で同じ人を好きになっちゃったんだ。
茶倉:血は争えないわね。・・・それとも、争ってみる?
トランジスター:・・・・・・
茶倉:・・・・・・
インビンス:すまないが十島、私の答えはもう出ている。君の思いに応えることは出来ない。
トランジスター:・・・うん、わかってる。私は想ってるだけでいい。想ってるだけなら綺麗だから。

想ってるだけなら綺麗だというのは、ひとつの真理だな。では、汚れてしまったことに耐えられない人間は、どうなると思う? 自分であろうが他人であろうが、“汚れている”ことを許せない人間は、死ぬよりも恐いことがある。それは誇りを失って生きることであり、そうした人々に誇りが汚されることだ。“死んだ方がマシ”という言葉を冗談でなく本気で、そして自他ともにダブルミーニングで適用する。熱く湧き起こる正義の怒りは、時として法を超える。正義が法に裁かれるのなら、そんな法に守るべき価値は無いと、自らのルールで動き出す。怒りは純粋であるほど強力で、自分でも止められない。多くの理不尽に耐えてきた者ほど、動き出したら止まらないんだ。
こうした気持ちは多かれ少なかれ、人類の過半数が抱いているものだ。とりわけ若者、心が若い者ほど怒りも強く、理解は火の融合に、無理解は火に油を注ぎ、世界を焼き尽くす大火となるポテンシャルを秘めている。それは向かう方向によって、最も美しい正義となることもあれば、最も破壊的なファシズムになることもある。扱う者が破壊を望んでいる場合は、より強力かつ強固なファシズムとして、反対する者すべてを悪と断じるようになる。
サグの副官パトナは、“音声麻薬”と呼ばれた装置“アカバン”をバラ撒き、感情に指向性を持たせていった。最も上手い洗脳の方法とは、誰もが心の中に抱いているような感情を増幅してやることなのだ。大半の人間は、たとえ義憤に駆られたとしても、そうそう行動には移さないが、催眠(ヒュプノシス)によって指向性を操作させられれば話は別。普通に生きていれば一過性に過ぎない感情だろうと、存在する以上は増幅できる。それが自殺衝動であったとしても、無いものを与えるよりは簡単なのだ。

インビンス:母も父も、エスパーに殺された・・・。
千里:それが真相だ。許されるものではない。
インビンス:生きていてくれれば、その後も違ったのでしょうか。
舜平:・・・・・・
千里:そうだな。1990年の話をしよう。




つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「対価として体を要求か」
コング「それを聞いて怒らない娘は立派。体も体も大人なんだ」
ゴリーレッド「心も体もだ」
火剣「しかし表にして見てもこんがらがるが、なるほどとりちがえか」
コング「真由と茶倉は似ているか。二人とも美乳だし」
ゴリーレッド「見たのか?」
火剣「美脚美ボディは水着でわかるが美乳は全裸を見ないとわからないはず」
コング「夜這いプレイで見た」
ゴリーレッド「真由に夜這いは不可能」
火剣「茶倉もソルジャー」
コング「迷彩服の女子を見ると犯したくならないか?」
ゴリーレッド「聞くな。そんな男はいない」
火剣「八武医者が挙手しそう」
コング「茶倉と瑠璃子は姉妹? 血は争う」
火剣「争わないようだ」
ゴリーレッド「誇りのためなら死ねる武士。命の上に己の誇りを置いていたのが侍だ。この侍の生き方がアメリカでは凄く興味津々らしい」
火剣「三国志の武将も同じだから日本特有のものでもない」
コング「女のためなら死ねる」
ゴリーレッド「何に命を懸けるか。こればかりは自由だから」
コング「愛に生きる瑠璃子」
火剣「そうなのか?」
ゴリーレッド「法律は人間が作ったものだから絶対無上のものではない」
火剣「誇りだけじゃなく、その法律を守ったら生きていけない場合、守らないほうが正解な気もする」
コング「死んだほうがマシという言葉を人に使うのが暴力皇帝だ」
ゴリーレッド「ほう?」
コング「死んだほうがマシというのは自分に対して言う言葉だ」
ゴリーレッド「でも、大変でも生きて生きて生き抜いてほしい」
火剣「催眠によって指向性を操作か。2016年の話をしているようで恐ろしいな」
コング「次は1990年。僕が生まれた年か」
ゴリーレッド「嘘つきは泥棒の始まり」
コング「完練の始まり?」
火剣獣三郎
2016/03/26 17:09
>火剣さん
次々と真相が明かされていきますが、作者から見ても複雑な血縁関係です。整理しないと私自身こんがらがるという。
それはさておき、超能力など無くても人々の指向性が操作されるのは、世の中ありふれていますね。順法では生きていけなくなって、思いに突き動かされた先が、操られていたというのは恐いことです。

維澄「苦しさの中にいる人々は、ヒトラーのような人物を祭り上げてしまうことがある。それは現代日本でも変わらないね。」
佐久間「警鐘を鳴らす者が、差別や迫害に冷笑的なら、かえって動きは加速する。」
山田「恐ろしいことだ。」
八武「それも対価を求める心理なのだよ。苦しんできた分、並の幸福では納得できない。大火は対価を求める熱意から起こる。」
佐久間「迷彩服の女。」
八武「萌える!」
山田「おい、話の腰を折るな佐久間。」
神邪「僕も挙手。」
佐久間「美乳なのは推理できる。真由はミレニアム・Aによるデザイナーズベイビーだったからな。」
神邪「遺伝子操作で美女が生まれるとなれば、賛成せざるをえないですね。」
八武「世界中を美女で埋め尽くすのだ。」
山田「危険思想。」
佐久間「世界中を戦乱と奴隷で埋め尽くすのが、現代社会が向かいつつある思想だが・・・?」
山田「うーむ。」
神邪「危険思想なのはわかってるんですが、現代社会の思想が安全かというと、ぜんぜん違う気がします。」
維澄「少なくとも、誇り高い人間には耐えられない世界だよね。だからこそ命を懸けるものは慎重に選びたいよ。」
アッキー
2016/03/26 20:21
コング「おばんでやんす。みんなあ、マジになっちゃアカン警察。ここらでホッとひと呼吸。いつも頑張っている神邪にプレゼントを持ってきた」
ゴリーレッド「荒らし発見」
コング「荒らしではない。神邪が好きそうな60分全編リョナという珍しい動画」
ゴリーレッド「帰りなさい」
コング「セクシーヒロインが怪人にボコボコにされて磔にされ拷問されてラストはまさかのバッドエンド!」
ゴリーレッド「笑顔で言うか」
コング「強気なヒロインが泣き叫ぶ苦悶の表情に興奮するのは健全な男子の証し」
火剣「タイトルもストレートで『磔にされたスーパーヒロイン』ってそのまんまだ」
ゴリーレッド「何の捻りもない」
コング「でもヒロインは怪力で捻られてギャー!」
火剣「完全に三原則を破っているハードリョナ」
コング「ヒロインの体を思いきり傷つけて血まみれにしている時点で主文死刑」
火剣「おっと、あまり言わないほうがいい」
コング「ヒロインの豊かな胸と引き締まったボディ、美脚がたまらん」
ゴリーレッド「荒らしは去りなさい」
コング「嵐?」
火剣「悲鳴の研究になった」



コング
2016/03/26 21:12
>コングさん
ホッと一息どころか、むしろ落ち着かなくなってしまう!?
なんという私好み・・・ゲフンゲフン、ドクターと神邪が好みな展開! 60分間、目が離せませんでした!

八武「素晴らしい! 美しいよ、その苦しみに歪んだ顔! これこそ本気のファンサービスだ!」
神邪「いやあ、この動画で僕、お尻の良さに目覚めてしまったかもしれません。」
八武「うむ、怪人による美尻かじり、そしてテールスパンキング!」
神邪「もちろん美脚と美乳も見逃せないところです。オープニングから釘付け。これは結婚したい。」
八武「うふふ奴隷妻。良い響きだねぃ! アクセル・ガールは、悲鳴も可愛らしいんだ。彼女が悲鳴を発するたびに、私もハッスル!」
神邪「僕もハッスル!」
佐久間「みんなでハッスル!」
維澄「リョナを魅せる動画だったね。犯さないところに、こだわりが感じられる。」
佐久間「やはり栞もリョナマニアだな。私は知っていた。」
神邪「食べられる恐怖は、レイプにも似た興奮が・・・僕は悪い子になってしまいました。」
八武「いいんだよ神邪くん! それは健全だ!」
山田「勝ったと思いきや、まさかの・・」
佐久間「モニターの前の諸君、アクセル・ガールが勝ったとき、『え、そんな?』と思わなかったか?」
八武「ふふふ、期待を裏切らないバッドエンド!」
維澄「ミノタウロスは、もしかしてわざと遅れて来たのかな?」
佐久間「私も思った。」
維澄「ストーリー性も含めて魅力的だった。」
八武「ありがとう・・・ありがとう・・・!」
神邪「ありがとうございます!」
アッキー
2016/03/26 22:55

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