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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 15

<<   作成日時 : 2016/03/27 00:00   >>

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現代日本が平和か動乱か、豊かなのか貧困なのかと、抽象的に話しても無意味なことだ。歴史区分や多数者を基準にすれば平和で豊かだし、生活の苦しい者にとっては貧困で、抑圧を受けている者にとっては動乱だ。立場や視点によって評価は全く異なるし、他者の立場を想定するほど評価は複雑化する。かように評価というものは下すのが難しく、決定に足りる情報を得ているか否かの判断まで含めれば、今度は時間との戦いになってくる。評価によって作られる成果を労力が上回ったとき、評価すること自体の意義が薄れることもある。
しかし、ひとつ単純なことを言えば、たとえ自らが豊かで平和な人生を送っていたとしても、貧困や抑圧に苦しむ者が存在すれば、豊かさや平和が脅かされる危険性があるということだ。ゆえに平和は精度によって質的に別物であり、目指すべきは世界平和ただひとつ。今あるだけの平和を守ろうとするのは、合理性を欠いた倫理であり、どこかで必ず破綻が起こっている。その破綻も大多数の者とは関係が薄いので、他人事として捉える者が多いが、当事者にとっては時代の流れよりも優先的に、意識や感情が集中する。1990年は、九古鋭郎の妻・坪内純が殺された年であり、それから九古舜平への虐待が始まった頃でもある。

インビンス:私が側にいれば、虐待は防げたのでしょうか。
千里:そう思う?
インビンス:・・・いえ。
千里:ならばそれが真実だ。
インビンス:・・・・・・
舜平:誰が・・・オフクロを殺したんだ? 誰が!
千里:それは本人に名乗り出てもらおうか。
舜平:・・・!? ・・・・は?
インビンス:この中に純さんを殺した犯人がいるとでも!?
ジャスミン:ちょっと待って・・・
アインストール:・・・・・
ガーディアン:・・・・・・
アプリケイション:・・・いつか、このときが来ると思ってたべ。
インビンス:え、永須さん・・・? 何を言ってるんですか・・・?
トランジスター:うそ・・・
ジャスミン:・・・・・・あんたが?
舜平:・・・・・・オフクロ、を・・・?
アプリケイション:舜平くんが虐待されたのは、全てはオラの責任だべ。
ファイバー:は・・・
インビンス:まさか、そんな
アプリケイション:殺したのはオラ・・・オレだ。
舜平:・・・あんたが、本当に? てめえが?
アプリケイション:そうだ。どんな罰でも受ける。
ジャスミン:・・・っ、信じられないわ。五留吾さん、“アプリケイション”は、貧しい者、はみ出し者の味方で・・・
アプリケイション:それはオレが、貧しくて、はみ出し者だったからだ。
舜平:っ・・・!
インビンス:・・・・・・・・

名は体を顕すという言葉があるが、それぞれの戦士名は能力の性質と関係している。“ガーディアン”と“電子防御”(プロテクト)、“ファイバー”と“雷撃雷化”(トゥールアクセル)のようにな。第四の戦士“アプリケイション”の本来の能力は“電影作為”(ブラウザクラフト)。任意の能力を無尽蔵に生み出すことが出来る、超常アプリそのもの。課せられし戦士は桐札零一(きりふだ・れいいち)・・・当時の第四戦士だ。そしてゴルゴタのイエスこと五留吾永須は本来、第五の戦士“トランジスター”であり、“聖痕”(スティグマータ)を課せられていたのさ。もっとも、ここで言う“本来”とは、入流聡子の想定した人格という意味以上のものは無い。人物ではなく人格だしな。

朋萌:自己犠牲の能力を得たのは、贖罪の感情から来るものとでも言いたいのね?
X!:そういうことだったのか・・・。でもさ朋萌ちゃ・・・朋萌さんが責める筋合いじゃねえって。
朋萌:話を聞いてなかったの? “電影作為”は人助けも戦いも万能にこなせる能力なのよ?
X!:あ・・・
朋萌:罪を償うのは結構なことよ。だけど電脳戦士の枠を奪い、“電影作為”を失わせたのなら話は別。
アインストール:・・・“電脳戦士の本分は人助けであって贖罪ではない”。
朋萌:七美さん。
アインストール:かつて私が言ったのと、同じことを言うのね。
朋萌:・・・・・・
アインストール:蔵目さんの言う通り、責めるか否かは当事者に任せるべきじゃないかしら?
朋萌:・・・そうね。
舜平:・・・・・正直どう考えていいかわかんねえよ。いきなり言われても・・・
インビンス:時間をくれませんか。今は事情を知っただけで十分のはずです。
千里:そうしよう。

それと朋萌の誤解を正しておくが、お前が思ってるほど“電影作為”は万能ではないぞ。任意の能力を作り出せるというのは、そのまま「思った通りの能力しか作り出せない」という短所でもあるんだ。多くのエスパーは自分の能力の原理など知らなくても力を使えるが、“電影作為”は詳細に原理を理解している能力しか作り出せない。強力で有用な能力には違いないが、出力以下のことしか出来ない前提もあるし、実質的には“電脳海遊”(マルチサイバー)の廉価版のようなものだ。“損傷引受”(ダメージシフト)の上位互換であるのは、言う通りでもな。
わかりやすく言えば、もしも“電影作為”が朋萌の言う通り万能に強ければ、桐札零一は8年前の時点でイヴィルを倒せていたはずだ。違うか?

朋萌:そ、それは・・・そうですが・・・
アインストール:わたしも零一を万能だと錯覚してしまったのよ。それを繰り返してはならないのではないかしら?
朋萌:七美さん・・・
アプリケイション:・・・・・・
ガーディアン:しかし朋萌さん、彼を高く評価してくれたことは、感謝します。
朋萌:・・・ええ。
トランジスター:・・・その、もしかして桐札さんは今・・・・
アインストール:そうよ。零一はイヴィルに触れることさえ出来なかった。
レックス:イヴィルが暴れたのが1996年でなければと今でも思うぜ。狙いやがったんだ、奴は。
千里:・・・アルカディアにとっては、半世紀ぶりの大災厄だった。

8年前、1996年について語ろう。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「平和か動乱か。お世辞にも平和ではない。特に政治家は平均で見てはいけない。餓死ゼロ、貧困による自殺ゼロ、貧困が原因の強盗ゼロになって初めて経済大国と名乗れると思っている」
コング「ドウドウ」
ゴリーレッド「自分だけの幸福はない。一国だけの平和はない。しかし『一国だけの平和はない』という言葉も危うい方向へ皆を向かわせるためにも使えるので権力は鋭く監視していかねばならない」
火剣「隣に激村みたいな人間が住んでいたら安堵はない」
ゴリーレッド「激村先生は大丈夫だが、自分が大金持ちでも隣人が地獄の底にいたら安全は保障されない。自分が幸福になるためには世界平和と全民衆の幸福を目指すしかない。道は遠くても目指すは世界平和。『世界平和なんか絵空事』と言っている知ったかぶりは無視だ」
火剣「この中に純を殺した人間がいる?」
コング「いきなり横溝正史の世界か?」
ゴリーレッド「五留吾永須?」
火剣「まさか」
コング「西尾」
ゴリーレッド「いきなり言われてもって感じか」
火剣「目的は贖罪ではなく人助け」
コング「食材は手段だ。腹がへっては人助けはできぬ」
ゴリーレッド「1996年?」
火剣「半世紀ぶりの大災厄?」


火剣獣三郎
2016/03/27 00:31
コング「ミノタウロス君。君は英雄だ。素晴らしい功績だ! ガブリガブリガブリ」
ゴリーレッド「荒らしめ」
コング「荒らしではない証拠に神邪だけじゃなくみんなこんなに喜んでくれたではないか」
火剣「神邪はアクセルガールと結婚したいと」
コング「神邪の拷問なら奴隷妻として忠誠を誓わせたかもしれない」
火剣「なるほどレイプしないのは一つのこだわりか」
コング「全裸にはしてほしかったが、最後、片足だけ裸足など芸が細かい」
火剣「全部倒してハッピーエンドかと思ったらまさかの刺殺。しかも食べるとは」
コング「むごいい」
ゴリーレッド「笑顔」
コング「背中にヒップに容赦なく鞭打ちは燃えに萌える」
火剣「ほかのワンパターンの戦隊ヒロインものと何かが違っていたな」
コング「一つには降参しなかったからよりエキサイティングになった」
火剣「正義のヒロインがすぐに観念して裸にされて犯されてアンアンじゃほかのAVと変わらないからな」
コング「ヒロインものは屈しないところに興奮度が高まる」
火剣「強気には出るんだけど責められると女の子らしい悲鳴をあげ色っぽく息を乱す」
コング「僕が知らなかったエロペンギンと真崎杏子16歳など、今後も情報を共有したい」
ゴリーレッド「・・・」
火剣「情報共有は大事だ」
コング
2016/03/27 00:42
>火剣さん
9割の人にとっては本当に平和なので、平和を求める声が掻き消されてしまうのが悔しい日々です。平和を享受する権利を奪うわけにもいかないので、やはりトップの認識と行動が重要になってきますね。
そうした前置きを踏まえて、舜平の母を殺した犯人が明かされました。いきなりのことで、鈍郎ともども戸惑っています。

山田「信じられん・・・と言うのは、俺の認識が足りてないってことか。差別や貧困を憎んでも、どこかで世の中は平和だと思ってしまってるのかもしれない。」
佐久間「それだけ真面目なら1割の側だ。何も恐怖に怯えて過ごすのが正解ってわけじゃないんだからな・・。」
維澄「苦しんでいる人がいれば、その苦しみを理解することは大事だけど、共有する義務は無いわけだからね。」
八武「ふむ、苦痛を分かち合うのではなく、楽しみを共有することを考える。」
神邪「共有は大事ですね!」
山田「何の話になってる?」
佐久間「真面目な話だ。情報の共有は友好の証だが、平和の共有はよく押し付けになる。特に国家間だとな。」
維澄「大東亜共栄圏なんて、その典型だったからね。」
八武「ふむ。」
神邪「自分の幸せが他人の幸せとは限らない。学校でも、クラスが団結する中で、窮屈な思いをしている生徒がいれば、そのクラスは駄目なんです。」
佐久間「規則というものは、特定の個人の為に変えることは出来ないという。しかし、いつも割を食い続ける特定の個人がいるとしたら、その規則は果たして正常だろうか? 少数派の価値観が尊重されてない世の中は、私には平和に見えない。」
八武「すなわちリョナ嗜好も尊重されて然るべき。」
山田「どうしてもその話になるのか。」
アッキー
2016/03/27 01:41
>コングさん
やはり一番の立役者はミノタウロスでしたね。グリードは詰めが甘かったですが、自立行動するミノタウロス。主人の仇を討ったのか、それとも・・・?

佐久間「ミノタウロスの勝利だ!」
八武「うむ、決して屈しないヒロインが、餌食にされる! これだよバキュンバキュン!」
山田「撃つなっ!」
神邪「齧るという行為が、これほど興奮するとは知りませんでした。」
維澄「牙の生えた大口で迫られるシーンが恐かった。」
佐久間「興奮した?」
維澄「寒さが吹き飛んだよ。」
八武「アクセルガールも吹き飛ぶ、ミノタウロスの一撃。」
神邪「あの尻尾が使われることを期待していたら、予想以上に振るわれていました。」
八武「背後からバシッ! 続いてバシッ! かわゆい悲鳴!」
佐久間「片足だけ脱がす演出は、久々に見た気がする。」
八武「古き良き伝統だ。絶やしてはならない。」
神邪「脱がしてから食べるということは、あの後で全裸にされて呑み込まれていったのでしょうか?」
八武「想像の余地が滾るねぃ。」
佐久間「誰の言葉だったか、『平和とは、フィクションが残酷であること』・・・すなわち残酷さが現実ではなく、フィクションの中にある世界ということ。ゆえにフィクションは、現実を超えたリアリティが必要なのだ。」
山田「そんな真面目な話だったのか。」
八武「真面目と堅物は違うよん。」
アッキー
2016/03/27 02:03

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