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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 16

<<   作成日時 : 2016/03/28 00:00   >>

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アルカディアの前身シャングリラには、統括者シンファの配下に“五行星”と呼ばれる5名のS級が存在していたというのは、さっきも言ったな。“裁きの雷”ジュフィエ(木)、“黒き神腕”ミィマ(水)、“無間の炎”アンティージュ(火)、“超結界師”カシャルグ(土)、“白き神刀”カリバー(金)。このうちアンティージュ・ルベディアムは1945年に死んでおり、ジュフィエ・X・マキナは比較的安全な性質で、“ミレニアム・A”の一員でもある。しかし残る3名は、強い野心や凶暴さを持っていた。カシャルグ・アントロメーアは中国を拠点に半径4千キロの巨大結界を築き、高出力エスパーの侵入を阻んだ。副官にミィマ・ティーターンスノック、配下に“X・D”と呼ばれるエスパーなどを加えて、シャングリラを復活させようともくろんでいたのさ。野心家ではあったが、シンファへの尊敬もあった。
カシャルグの結界は、力ずくで破ろうとすると、中にいる全ての生物にダメージが生じるので、すり抜けられる出力の者で戦うことになった。相手がカシャルグとミィマでなければ、それで十分。初期状態ではイワンほどの高出力でも何とか通り抜けられたし、通り抜けた後に強化する分には問題なかった。培養したLUNA−VとESPブースターを別ルートで運ばせることに成功したしな。明日香や一也に至っては、出力としてのESPを持たない状態で通れば、センサーにすら引っかからなかった。それでいてミィマにも対抗できたのだから、“自然の力”様々だよ。
シャングリラの“X計画”は、遺伝子操作によってエスパーを生み出す計画の1つだが、この計画は交配を主とするものではなく、因子を操作して結果を予知でシミュレートするというものだ。シンファの当時は、X・マキナとX・カリバーの2名だけだったが、未来において8名、計10名の“X”が誕生すると予知されていて、実際そうなった。レックスの親友でもあった“X・Q・ジョナル”、アルカディアのNo.13ことX・クラメーション、“妖精”(ティンカーベル)の1人でもあるX・シード、そしてネオ・シャングリラの実働部隊となった5名のX・D。出力も能力もバラバラだが、ある共通性があった。

X!:それはもしかして、“闘衣”の素質とかですか?
千里:冴えてるな。その通りだ。
カタストロ:もっとも、10名の中で“闘衣”を習得できたのは、お前だけだが。
X!:うはっ、やっぱ俺って天才?
朋萌:調子に乗らないの。天才なのは確かだけど、足元を掬われるわよ。

“闘衣”というのは超能力の出力を爆発的に高める技術だが、それゆに高出力エスパーほど習得が難しい。カタストロの指導があったとはいえ、わずか10年足らずの訓練で習得したクラメーションとユイファは、大したものだよ。とはいえ“完全な習得”まで辿り着けたのは、歴史を振り返っても、シンファ、ノットー、カタストロの3名しか・・・ああ、そこの首領らしき人も一応使えるけど、特に意味は無いな。・・・どうされましたか首領、頬を膨らせて。
逆に言えば、“不完全な習得”であれば10名の“X”全てが使えるとも言える。クラメーションが抜きん出ているが、X・Dの5名も厄介な程度には使えて、S級のX・カリバーともなると厄介どころの話ではなかった。カシャルグ、ミィマと呼応していたわけではないが、状況が同じなら呼応したのと同じこと。1996年は、X・カリバーが暴れた時期でもあり、No.7(フィラデル・フィーア)を討伐に向かわせた。相手がS級とはいえ万全のフィラデルなら難しくない相手だったが、カシャルグ戦に力を回していたせいで、かなり苦戦していたよ。不完全ながら闘衣も使われたしな。
更に悪いことは重なるもので、1996年というのは第10神化系能力者ヘルファイスが暴れた頃でもあるのだ。最大半径30キロを焼き尽くす3万度のパイロキネシスは、神化系能力であるがゆえに防御不可能。並みの戦力など幾ら投入しても無意味なことで、彼の討伐にはNo.6(スカーレット・マーチ)を向かわせた。
“イヴィル・サトリン”は、このときを待っていたのだ。

海月:ネオ・シャングリラだけでも大変なのに、カリバーにヘルファイス・・・
レックス:同時多発の状況に、クレア(千里)は追われていた。神経が参っちまわねえか心配だったぜ。
千里:実際おかしくなってたんだろうさ。イヴィルへ対処する余力どころか、それらを犠牲なく収束させることも・・・
レックス:仕方なかったとは言わねえが、そもそもクレアに重荷を負わせるアルカディアの体質が問題なんだ。
千里:それを緩和する為の“電脳計画”でもあった。そして“アポトーシス”への対抗策としてもな。

“アポトーシス”の起源も古い。地球の文明と同じだけ昔から存在するそれは、“エスパーを殺すエスパー”という理念を持つ者たちだ。エスパーは普通人から迫害を受けてきたが、それではエスパーが総じて善良かというと、むしろ真逆に近いのは知っての通り。少なくとも、普通人より高尚とは言いがたい。超能力の被害に遭ってきた普通人も多いということさ。十島瑠璃子の祖父母や、九古鈍郎の両親の例を出すまでもなく、な。“アポトーシス”は全ての超能力者と因子を抹消し、自らも滅びて、地球を普通人の手に委ねることを目的としているんだよ。
実際問題それは、倫理道徳を無視すれば、人類の6分の5を殺戮することで可能になる。“アポトーシス”は組織であるが、本質は自然発生的な理念だ。6分の1も残れば種としての人類は存続できるし、環境にも優しい。そのような道理、正当性がある限り、“アポトーシス”は増え続ける。少なくとも、その発生は止められない。
“電脳計画”のフェイズを進めた理由の1割くらいは、“アポトーシス”を阻止する為だ。全人類がエスパーになれば、エスパーを殺すことイコール人類の全滅となり、“アポトーシス”の唱えている大義は失われる。理念で規定されている存在である以上、大義が失われれば、考えを改める者も少なくない。

カタストロ:大きな動きは97年だが、80年代からずっと活性化していた。96年の戦いにも深く食い込んでいる。
X!:そっか・・・この場に俺が呼ばれた理由って、そういうことだったんすね。97年は当事者でしたから。
海月:ワタシにとっても因縁の相手よ。奴らは、この機に乗じて必ず仕掛けてくるはず。
X!:生ける屍どもめ・・・!
ユイファ:あなたがシリアスになるなんて、よっぽどの相手ね。
X!:当たり前田のクラッカーよ。奴らは力を取り込むことを恐れず、死を恐れない。進化がハエーんだ。
千里:個体の経験が全体に行き渡るシステムを構築してあるのさ。
朋萌:30年前なら取るに足らない連中だったけれど、97年の時点でクラメーションを苦戦させた。
X!:・・・多分、今はもっと強くなってるはずだ。イヴィルの脅威にゃ及ばねーかもだけど、無視できねえ。
海月:エスパーを滅ぼすという考え方も含めてね。アポトーシスとイヴィルが手を結んだら、想像を絶する悪夢よ。
千里:結ぶさ。本質的には決して相容れる存在ではないが、イヴィルは“狂ってる者の味方”だからな。



つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「強い野心と凶暴性。大事でーす」
火剣「闘衣とは、超能力の出力を爆発的に高める技術か」
ゴリーレッド「シンファ、ノットー、カタストロと名を並べるとは」
火剣「最初見た時はギャグかと思ったが、クラメーションとユイファは優秀なんだな」
コング「ノットーがベッドの上でどんな『仕込み』をしたか知りたい」
ゴリーレッド「シャラップ」
火剣「仕込まれるものなのか」
コング「ある程度は。たとえば男が責めて来た時にどんな反応をすれば男が喜ぶかも重要な裏技だ」
ゴリーレッド「何の話をしている?」
火剣「クラメーションは天才か」
ゴリーレッド「魔は有頂天に棲む」
コング「千里以外の者が首領にああいう口を聞いたら泣かされるのかな?」
火剣「やめたほうがいい」
ゴリーレッド「なるほど千里一人に比重が行き過ぎる体制というのは感じる」
コング「エロに厳しい体制も改善の余地はある。エスパーだって女の子だ。ピンチに遭ってドキドキしたい。女子は超能力を使えない生身の普通の子になり、男は超能力使い放題の特別ルームを用意し、ヒロピン実演の」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「NO!」
ゴリーレッド「一般人も超能力の被害を受けているか」
火剣「アポトーシスとイヴィルが手を結んだらどうなる?」
ゴリーレッド「想像を絶する悪夢か」
コング「狂ってる者の味方という意味で大義名分完了!」
火剣「コングはイヴィルの味方か?」
コング「当たり前田のアキラよ」


火剣獣三郎
2016/03/28 13:11
>火剣さん
まがりなりにもアルカディアのNo.13とNo.14の、クラメーションとユイファ、ムラッ気はありますが優秀な2人です。
ギャグ体質のクラメーションもシリアスになるアポトーシス。イヴィルを手を組んだたら、訪れる悪夢は96年を凌駕するかもしれません。

佐久間「千里がジュエルに意地悪しても無事なのは、キャラ性というやつだな。」
山田「ゴリーレッドと魔王の関係みたいなものか?」
佐久間「まあ、負担をかけてることへの罪滅ぼしでないのは確か。」
八武「首領も崇められるだけでは物足りないのだろう。」
神邪「千里さん限定でMなんですか。」
維澄「わかる。」
佐久間「こっちを見て言うな。」
維澄「つい。」
佐久間「チョップするぞ?」
八武「それはさておきノットーの仕込み。」
神邪「気になりますよね。」
八武「女の子に色々と教え込むのは男のロマンだ。」
維澄「超能力を使えない部屋といえば、それも首領の能力だったね。」
佐久間「あの部屋は男女平等に出力が減る。」
八武「ぬう、平等か。ならば腕力で・・」
山田「そんな奴は入れない。」
神邪「アポトーシスの理念に賛同は出来ませんが、超能力の被害に遭ってきた一般人がいることは見過ごせないですね。」
佐久間「その為の、アルカディアです。」
山田「何故ゲンドウ風に?」
八武「私は美女の味方。」
アッキー
2016/03/28 22:47

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