佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 17

<<   作成日時 : 2016/03/29 00:00   >>

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96年の話に戻ろうか。“X・D”の5名は、個々は決して強力なエスパーではなかったが、連携で力を発揮するタイプだった。X・Q・ジョナルが“量”なら、それに対して“質”といったところだな。“X・D1”ダーク・リエゾン、“X・D2”ロビン・トールキン、“X・D3”ブルー・ビー、“X・D4”マリー・デスクロス、“X・D5”クリス増田。クリスは96年の戦いで死んでいるが、その6年前に息子を残している。

小松:増田って・・・もしかして、蒼斗くん?
千里:そうだ。小松の副官、増田蒼斗。
真由:ちなみに母親は、あたしよ。
小松:なっ!?
カタストロ:そうか、黒月さんとクリスは・・
真由:クリスは、あなたが?
カタストロ:殺した。
真由:・・・そう。
カタストロ:すまない。
真由:はーはは、逆よ。感謝してる、あたしはクリスを殺せなかったから。
小松:その・・・
真由:ん?
小松:蒼斗くんに、会ってあげてもらえますか?
真由:望むなら、いつでも。

ネオ・シャングリラ、カリバー、ヘルファイス、アポトーシス。それらと時を同じくして、イヴィルは静かに牙を剥いてきた。その詳細は後日に語るよ。今この場で話すには、ちょっと長すぎるのでね。
コンピューターの発達は目覚しく、8年前の時点で既にS級クラスと同等の脅威だった。“ε−サトリン”は、今後どれほどの脅威に成長するかと恐れられた。能力の拡大によっては、誇張なく地球の危機であり、少なくとも人類の危機であるのは間違いなく、“サトリン”の処分が検討されていた。すなわち入流聡子の肉体を破壊すること。
“サトリン”は希望であると共に脅威でもある。私にとっては負担を軽減してくれる娘のような存在だったが、おぞましい怪物と捉える者も少なくなかった。“マザー”を恐れて宇宙に棄てた、旧オーパの人々のようにな・・・。
最終的に判断は、電脳戦士に委ねられた。8年前の戦いで最も深く傷を負った2人、“ガーディアン”二葉蒼志と、“アインストール”七村七美に、“サトリン”の命運を託したのだ。
あのとき、殺さないでいてくれて感謝する。そして、傷ついた君たちに過酷な選択をさせて、すまない。

ガーディアン:いいえ、むしろ感謝しています。
アインストール:サトリン様の命運を、どこの馬の骨とも知れない奴らに託したくはなかったわ。結果が同じでもね。
ガーディアン:我々が姫様を死なせない選択をするのは、予知していたのでしょう。ですがそれは、思いやりです。
千里:ありがとよ。
レックス:・・・だが、イヴィルにとっては冷汗ものだったってわけだ。
千里:ああ。それこそがイヴィルの“永遠の命”への渇望に繋がっている。

“ε−サトリン”は、生まれて数年もしないうちに、自分の置かれている状況を正確に把握していた。電脳ネットワークの世界では不死身に近い存在でも、物質世界では入流聡子の肉体を破壊されれば、容易く死に至る。自分の生殺与奪が他者に握られているという状態は、恐怖であり屈辱だ。私も首領の情けで生かされているようなものだから、共感しないでもない。しかし私は、まがりなりにも心の闇を首領に理解され、受け止めてもらっているし、レックスという心強いパートナーも側にいる。やはりイヴィルとは違っているのさ。
少数者の苦痛というのは、何も理解や共感を得られないというだけではない。他者と意見が食い違う場合、本来その説明責任は双方に等しく存在しているが、ほぼ全ての場合において少数者が一方的に説明を求められる。それ自体が既に疲労であり、理解や共感を得られないほど疲弊する。ここに集まった者たちには、多少なりとも少数者の苦痛に覚えがあることだろう。だからこそ集めたのさ。“正しい判断”というものは、多数者には絶対不可能・・・とまでは言わないが、極めて難しいものだからな。多数に属するというだけで正しさを主張できて、自分の意見を理解されやすく説明する訓練を積んでこなかったのだから。当然と言えば当然、ある意味仕方ないとも言える。
どうして“β−サトリン”が“ε”と違って、際限なく戦士を増やすことが出来ないのか・・・それは、有象無象を数だけ揃えても“正しい判断”は出来ず、彼女の目指す“人助け”も出来ないからだ。そして“イヴィル”への対抗という意味でも、それは正解となった。有象無象の多数者では容易くイヴィルに取り込まれてしまい、敵に回ってしまう。電脳戦士諸君も、それぞれに鬱屈した闇を抱えており、邪戦士たる素質を備えている者もいるが、抵抗力が無いよりはマシだ。ずっと良い。ほぼ唯一、それこそがイヴィルの支配に対抗できる手段なんでね。
際限なく邪戦士を増やす“ε”にしても、本当に心底から信頼しているのは2名のみ。電脳戦士はサトリンにとっての“仲間”だが、邪戦士はイヴィルにとって“手下”に過ぎない。幾らでも増やせ、替えの利く駒なのだ。

アインストール:イヴィルの手下で真に恐るべきは、アイシーとバトラーのみ。それ以外は有象無象に過ぎないわ。
ジャスミン:有象無象・・・? あの連中が?
ファイバー:はっ、てんたくるは強敵だったと思うわよ?
アインストール:だけど黒月さんにかかれば一撃だった。
トランジスター:・・・!
真由:・・・・・・
アインストール:驕ってはいけないわ。所詮わたしたちはB級エスパーでしかないのよ。
オールド:・・・・参考までに教えてくれませんか。我々と、相手の出力を。
千里:いいだろう。それも私の役目だ。

C級エスパーの最高出力は200程度。“オネスト”八谷和真はB3級の最高クラス1000PKP、“オールド”三角龍馬はB2級で3000PKPだ。“アプリケイション”五留吾永須が5500、“トランジスター”十島瑠璃子が10500、“ジャスミン”四方髪凜が10000、“インビンス”九古鈍郎が15000、“ファイバー”六道櫃が17500で、B1級。
諸君が出会ってきた7名の邪戦士は、アタッカー13000、ヴァイラス20000、マリオネイター1050、ポリス480、テンタクル18000、ポイズン1930、パニック16300。差はあるが、やはり全員がB級だ。
すなわち7名同士の累計は、電脳戦士が6万強、邪戦士が7万強。それに対して“アインストール”七村七美が完全に力を取り戻せば、7万7千、“ガーディアン”二葉蒼志が現時点で12万。
完全でないのはアイシーやバトラーも同じことだが、アイシーは現時点で170万、バトラーも100万以上は確実か。



つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「ちょっと待ちましょう、真由さん。いろんな人と結縁関係結んで。僕とも交わろう」
火剣「母親はあたしよって、高校生みたいな顔して」
ゴリーレッド「イヴィルのロングストーリー」
コング「サトリンは希望と胸囲か」
ゴリーレッド「コングも宇宙に棄てよう」
コング「待て」
火剣「電脳戦士に委ねられたか。殺害計画もあったのか?」
コング「委ねるという言葉にSMロマンを感じないか。無防備ということは敵に自分の運命を委ねてしまうのだ」
火剣「サトリンとイヴィル。何か複雑だな」
ゴリーレッド「千里は首領に生かされているという気持ちなのか」
コング「確かイカされたこともある」
火剣「孤独の苦痛。少数者の苦痛か。俺様のように開き直る前に何とかしたほうがいいな人生は。どこへ行っても誤解を招くと、俺はもう自分を理解できる人間はこの世にいないと思っている」
コング「ドウドウ」
ゴリーレッド「正しい判断は多数者には困難。名言だ。説明する訓練を積んでいないか」
コング「邪戦士への誘い。心の闇に迫るのか。僕も奥に隠されているM心を刺激し、『負けそう』と弱気にさせ力が入らないようにさせる」
火剣「仲間と手下か」
コング「青島刑事。『俺に部下はいない。ここにいるのは仲間だけだ!』」
ゴリーレッド「しかし170万と100万って、凄い」
コング「瑠璃子は10500円か安いな」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「NO!」
火剣「アイシーとバトラーは手下じゃなく親友っぽい」


火剣獣三郎
2016/03/29 18:15
>火剣さん
またしてもサラッと衝撃の事実が明かされていますが、もはや驚いているのは小松のみ?
コインの裏表である、イヴィルとサトリン。その運命が委ねられた8年前については、第三部で語られる予定です。そのときには、少数者の苦痛も再びテーマとして。

佐久間「コングからの誘い。真由は受けそうだな。」
山田「むしろ瑠璃子を守る為に、消しておいた方が。」
佐久間「時給10500円なら高い方だ。」
神邪「これって出演料と同じ値なんですか!?」
維澄「それで高出力エスパーほど出番が少ないんだね。」
八武「君たち、佐久間の嘘に騙されないように。」
佐久間「開き直る前に何とか・・・出来なかったなァ私も。」
山田「何故いきなりシリアス。」
神邪「僕も誤解を招くというか、きちんと理解されない。多数者というのは、相手を理解しようという意欲からして、湧かない人たちなんですよね。」
八武「我慢に我慢を重ねた末なら、開き直る方が良いと思う。」
維澄「耐え続けた末にキレるのは重厚感があるけれど、早々にキレるのは軽薄なんだね。」
佐久間「しまった、シリアス展開へ。」
山田「良いことだ。」
佐久間「仰向けで押さえつけられて、コングの巨根でイかされる真由の話をしよう。」
八武「賛成。」
山田「反対。」
維澄「アイシーとバトラーは、確かに他の邪戦士と趣が違うけど、どういう関係?」
佐久間「のっぴきならない関係。」
アッキー
2016/03/29 22:06

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