佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS シータあるいは入流小松 1

<<   作成日時 : 2016/03/03 00:00   >>

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20世紀最後の年の、5月。
アルカディアNo.10、フィー・カタストロに、ひとつの辞令が下った。
「何の冗談ですか?」
この日、カタストロの表情に、新たなバリエーションが追加された。元から無表情な方ではあるが、80年近く生きてきて、こんな顔になったのは初めてのことだった。
スラリとした体躯を、サイコキネシスの椅子にもたれかけて、カタストロは何とも形容しがたい表情―――近いものを挙げれば、鳩が豆鉄砲を食らったような―――で、No.4、ギガマイル・クレッセントを見た。
「そんなに変か?」
「私がこんな顔をする程度には。」
スラリとしていても、決して身長が高い方ではないカタストロだが、目の前の女は更に低い。見た目はニンフェットと呼ばれる年頃の、胸の大きな美少女。狂気に満ちた瞳は、見た目通りの年齢だった頃から変わらない。
「おかしな話でもあるまい。有機物の含有量で言えば、No.7も似たようなものだ。」
澄んだソプラノだが、口調は少女らしさを感じさせない。
それ以前に、雰囲気が決して見た目通りの年齢ではないことを物語っている。
「あれも規格外ではありますが、あくまで生物の脳がベースではあるでしょう。アーティフィシャル・インテリジェンスを認められないほど頭が固いわけではないですが、デジタルの人格に超能力が宿るとは信じられない。」
「アナログは究極に進化したデジタルだ。我々より遥かに単純な構造の植物にも、どうして自我が無いと言い切れる? 論より証拠、まずは会ってみてからでも決断は遅くない。」
「・・・・・・。」
丁度そこへ、ショートヘアの少女が姿を現した。
あらかじめ、この時刻に来るように言われていたのだろう。
「あ、えーと、初めましてカタストロさん!」
「紹介しよう、“θ−サトリン”入流小松(いりる・こまつ)だ。」
「・・・実体なのか?」
カタストロは目を見開いた。サイコキネシスで探った感触では、立体映像などではない肉体があった。
しかも内部まで探ってみれば、少女は機械仕掛けのロボット。見た目から立ち振る舞いまで、違和感なく人間の少女と変わりない―――それだけでも既に驚くべきことだ。AIがバーチャルから抜け出すのは、魚が陸上で暮らすが如し、進化の大革命。アルカディアの技術には舌を巻くばかりである。
しかも、この少女が超能力まで有しているというのだ。
「流石にゼロからロボットエスパーを作り出すことは出来なかった。ソフトはNo.5、ハードはNo.7を元にしている。」
「十分すぎるほど奇想天外な話ですがね・・・。」
カタストロが眉間を押さえるのも珍しい光景だ。それだけ混乱しているのだろう。
すると小松は、拳をグッと握って身を乗り出した。
「あのっ、わたし頑張りますから! カタストロ師匠!」
その言葉で、カタストロは我に返った。相手が妖怪だろうがロボットだろうが、自分の役目は変わらない。
「わかった、引き受けよう。入流小松に―――“闘衣”を教える。」




つづく

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「サトリン」 第二部目録 (2)
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佐久間闇子と奇妙な世界
2016/03/12 00:07

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「おじさんを罠にはめようなんていけない子だあ。もうすぐ全身を凍らせてあげますよ、えへへへ」
ゴリーレッド「荒らしに来たなら退場せよ」
火剣「カタストロが鳩が豆鉄砲を食らう顔をするというのは想像できない」
コング「胸の大きな美少女? 真崎杏子16歳。これで希望の灯が消えましたなあ」
ゴリーレッド「狂気に満ちた瞳は健在か」
火剣「アナログは究極に進化したデジタル。名言だ」
コング「緊急メンテナンスで全くそのサイトを覗けない時、デジタルが万能じゃないと感じる」
ゴリーレッド「植物にも自我はある」
火剣「入流小松登場か」
ゴリーレッド「実体なのかと聞くということは、やはりサトリンは有名か」
コング「魚が陸上で暮らす? おやおや手がかじかんで、そんな恥じらいのないカッコをしているからですよう、ムハハハ!」
ゴリーレッド「繋げ方が強引過ぎる」
火剣「闘衣を着せるではなく、闘衣を教える?」
ゴリーレッド「ギガマイルも底知れない」
コング「ギガマイルのいないアルカディアは、福神漬けのないカレー同然」
ゴリーレッド「もう黙れ」
火剣「何が始まるのか?」
ゴリーレッド「冷静沈着なカタストロが驚くほどの内容だと察する」
コング「ギガマイル・クレッセントは驚いていない。君らの空っぽな頭で考える浅知恵などお見通しなのですよう・・・待てい!」
ゴリーレッド「バックドロップ!」
コング「があああ!」
火剣「NO5とNO7はもちろんアレか」

火剣獣三郎
2016/03/03 12:01
>火剣さん
いつもは涼しい顔のカタストロですが、AIの発達には驚いています。かつてはSFの領域だったことも、次々と現実化してきました。
そんなわけで今回は、ロボットエスパー入流小松の話です。

佐久間「ギガマイルの胸が大きいのは首領の趣味。賛否両論のジャンル、合法ロリ巨乳だ。」
維澄「素晴らしいと思います。」
佐久間「小松はバストはCカップというところ。ギガマイルにも杏子にも敵わない。」
維澄「じゅうぶん大きい。Cは大きい。」
八武「遊戯王でおじさんと言えばディバインだが、エロペンギンが先に使った人称であることを忘れてはならないのだ。真崎杏子16歳!」
山田「テッポウを食らわせてやろうか? どすこいどすこい!」
八武「ぐはっ、ぎゃあ!」
神邪「デジタルを組み合わせていくと、その先には物凄く複雑で神秘的な構造が待ち受けている。だからアナログは素晴らしい。」
佐久間「今日はエロスは封印か?」
山田「死根也を封印したからな。」
八武「されとらんわ。サイコキネシスで体の中をまさぐる光景に、エロスを感じよ諸君。」
維澄「スポ根に燃えよう。」
佐久間「胸の話に食いついていたのは誰だったかな?」
維澄「佐久間の胸に食いつきたいとは言ったかな。」
佐久間「言ってない。言ったとしてもやらせない。」
山田「実際ギガマイルがいないと、アルカディアは1955年以前にまで戻ってしまうんだったか?」
佐久間「現在はサトリンがいるからそこまで戻らないが、いないと困るのは確かだ。」
アッキー
2016/03/03 22:31

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