佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS シータあるいは入流小松 4

<<   作成日時 : 2016/03/06 00:00   >>

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母さんは全てを。

最初の姉さんは慈愛を。
男装の姉さんは寛容を。
小柄の兄さんは節制を。

邪悪な姉さんは無感動。
邪悪な姉さんは憤怒を。
邪悪な兄さんは暴食を。

わたしは正義を。

自分の中に悪が無い。
悪い奴を愛せない。
悪い奴を許せない。
悪い奴を殺したい。
世界は美しい。
争いは苦しい。
心は大切だ。

わたしは綺麗事で出来ている。
悪事の理由を認めれば、決して悲劇は終わらない。
その理由ごと叩き潰せる、圧倒的正義になってやる。


- - - - - -


「正義かあ。難しいこと考えてんなあ、こまっちゃんは。クラメーション困っちゃう。」
ひとりキャイ〜ンのポーズで、精悍な青年は首をかしげる。
「それでいいですよ。それがいいんです。」
小松は快活な口調で念を押す。
「世の中もっと単純に考えればいいんです。良いものは良い、悪いものは悪い、です。」
「いや〜、でも人によって良し悪しが違うっからさあ。」
「それでも、人殺しの個性は認められないでしょう?」
「まーな。俺も人を殺したことはあるが、それは悪いことだった。おかーさんを楽にしてやったことを除いてな。」
貧困の街に生まれ育ったクラメーションは、病気に苦しむ母親から、殺してくれと頼まれて承諾した。
その後でカタストロに出会い、アルカディアに拾われるのだが、それまでに振るった力で人を殺傷している。暴走状態だったとはいえ、苦い過去だ。
「クラメーション・・・蔵目さんは、貧困の生まれですけど、明るく楽しく生きている。それがいいんです。」
「後ろ向きに考えるってのが、どうも出来ないんだ。そのせいで、人の心をイマイチ理解できなくて困る。」
「それでいいんです。みんな前向きに考えたら、みんな幸せなんですから。」
小松は優しい笑顔をクラメーションに向ける。
製造されて5年にも満たない自分は、彼の対象外なのだろうけど、片想いは許される。
「わたしたちは正義なんです。悪に引きずられたら、困ってる人を助けられないです。」
「まー、引きずられたら駄目だわな。うん。」
「蔵目さんはポジティブだから、悪に引きずられないです。それがいいんです。」
「さては俺に惚れたか?」
「・・・!」
心を見透かされたようで、小松はカッと赤くなる。
「しかし俺の守備範囲は50歳以上なんだ。半世紀後を楽しみにしとくぜ。」
「わたしはロボットですから、50年後も100年後も、この姿のままですよ?」
「それもそうか。」
「それに・・・」
小松は少し大人びた顔をつくってみせる。
「わたしはロボットですから、そんじょそこらの50歳よりも知識は豊富です。」
「ははっ、背伸びしちゃって可愛いな、こまっちゃんは。」
クラメーションは小松の頭をポンポンと叩き、からからと笑った。



つづく

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「サトリン」 第二部目録 (2)
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2016/03/12 00:07

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「正義かあ」
コング「悪い子だあ」
ゴリーレッド「正義という言葉ほど難しいものはない。正義感は幼少の頃から育てたいものだが、正義の名のもとに大量殺戮が行われた歴史もある」
火剣「良いものは良い。悪いものは悪い。しかし善悪の判断も難しい乱世だ」
ゴリーレッド「何が善で何が悪かわからなくなってしまった世の中だ」
コング「美女及び美少女が善で正義だ」
ゴリーレッド「ブレーンバスター!」
コング「だあああ! 人の意見を暴力で威圧する。これぞ悪」
火剣「人殺しの個性? そんなもんは認められないが、人を殺した奴が獄中記を書いて出版して大勢の人間が買う。これが冷酷な世の中の実態だ」
コング「こまっちゃんと困っちゃうを掛けたわけだ」
ゴリーレッド「説明しなくてもわかる」
火剣「さては俺に惚れたか? クラメーションは意外に鋭い」
コング「赤面するロボット。感情も人間そのもの。それがいいんです」
火剣「頭ポンポンされて喜ぶ女とセクハラだと激怒する女がいるから気をつけねば。俺様は基本指一本触れない」
ゴリーレッド「セクハラ防止に関してはそれが正しいと思う。無闇に触らないことだ」
コング「でも全身を触りまくられたいという願望がある女子は触ってあげたほうがいい」
ゴリーレッド「セクハラを通り越して痴漢の話か」
コング「僕は前向きなのだ」
ゴリーレッド「前向き後ろ向きの話とは違う」
火剣「小松とクラメーションの恋のゆくえは?」
コング「いつの間にラブストーリー?」
火剣獣三郎
2016/03/06 10:38
>火剣さん
小松を描くにあたって、正義をテーマにしています。抽象的に考えても答えは出ませんが、具体的に考えても簡単に答えは出せないですね。

山田「クラメーションは鋭いのか。親近感が湧くな。」
佐久間「はい?」
神邪「わかってて言ったわけではなさそうですが、それが図星だったという魔法。」
八武「甘酸っぱいねぃ。」
佐久間「戦争は、どちらも正義だと言う奴もいれば、どちらも悪だと言う奴もいる。それらは抽象論でしかないが、特定の国を悪と決め付ける“正義”よりかは、まだ目端が利いている。」
維澄「アメリカは正義を掲げ、アフガニスタンやイラクに空爆を仕掛けた。北朝鮮に対しても、制裁の名の下に経済的な攻撃を仕掛けている。これらを正義と呼ぶ人も、多く存在するね。」
佐久間「だが、それを欺瞞と判断できる者も多い。子供だましの正義は、容易く見破れる。」
神邪「問題は、正義そのものに欺瞞は無くても、他の部分で問題が生じている場合ですよね。」
山田「他の部分?」
佐久間「例えば、反戦平和に尽くした闘士がいるとしよう。それ自体に欺瞞も何も無い。だが、その一方で“男らしくない”男を見下すような発言をすれば、それは将来、独裁者を生み出すかもしれない。」
山田「なるほどな。」
八武「やはり正義は、美女・美少女だ。」
山田「脈絡が無いぞ。」
八武「違う、思考を早送りにしただけ。つまるところ男権的な思想では、おのずと正義にも限界があると言いたいのだよ。」
維澄「それを突き詰めた結果が、美女・美少女?」
八武「熟慮の末の単純化さ。」
佐久間「実はユイファと似た思考。」
山田「え?」
アッキー
2016/03/06 17:20

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