佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (V) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/04/30 00:06   >>

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◆ ◆ ◆



『あのコ、足をケガしてるの?』


『いや、彼は筋ジストロフィーという病気なんだ。』


『きん・・・じす?』


『筋力が徐々に低下していく病気だよ。』
『彼はそんな理不尽な病を背負って生を受けた。』
『だからあのように努力して病気と闘ってるんだ。』

『しかし、たとえどんなに努力しても筋力の低下は止まらない。』

『現在の医学に根本的な治療法は無く』
『やがて立ち上がることも出来なくなり』
『最後は自力での呼吸も、心臓の活動さえも困難に・・・』

『だがそれは、あくまで今現在の話だ。』
『君の力を使えば彼らを助けることが出来るかもしれない。』
『君のDNAマップを提供してもらえないだろうか?』


『・・・うんっ』



◆ ◆ ◆



現在、常盤台。
けだるげな調子で、御坂美琴は目を覚ました。

御坂 「・・・まったく、考えが甘すぎるのよね。」

黒子 「ふわぁ・・・何のことですの?」

眠たい目をこすりながら、ルームメイトも同じく起床。
寝言か何かだったのかと思い、白井黒子は洗面所へ向かう。

黒子 (・・・!)

黒子 (これは・・・お姉さまの歯ブラシを使う絶好の機会!)

手に取った歯ブラシは、輝いているように見えた。
聖なるものを汚すような興奮を覚えながら、黒子はその歯ブラシを自らの口の中へ―――

御坂 「くーろーこー?」

黒子 「はっ」

御坂 「アンタって子は、ちょっと痛い目に遭わないとわからないみたいね?」

黒子 「許してくださいませあbbbbbbbbbb」

死にはしないが、痛みを与える電撃が、黒子を襲った。
しかし黒子は、もはやこのオシオキが快感になりつつあった。

黒子 「ハァ・・・ハァ・・・お姉さま・・・激しすぎですの・・・」///

御坂 「相変わらず変態なんだから、黒子は。」

黒子 「はうっ、そうですの・・・黒子は変態ですの・・・」///


- - - - - -


その昼。

黒子 「ジャッジメントですの!」

風紀委員としての活動をしている黒子は、今日も暴漢を制圧していた。
小柄で華奢な体躯ながら、彼女はレベル4のテレポーターであり、体術の心得もある。
それは軍隊さながらの本格的な体術であり、
たとえ能力なしでも、そんじょそこらの男には引けを取らない。

黒子 「確保!」

黒子 「さてっと」

黒子 「そちらの方、大丈夫ですか?」

しかし心配する必要など無かった。
体術だけでも黒子を凌駕するダーティーな戦い方が出来る彼女は、不良など物の数ではない。

御坂 「ん? あ、黒子。」

黒子 「お姉さまでしたの・・・。」

流石に不良が憐れで、黒子は苦笑いをしていた。
学園都市の第一位を路地裏に連れ込むとは、無謀にも程がある。

不良から学生を守るのが風紀委員の仕事だが、
こと御坂美琴に関しては、不良を彼女から守らねばならない。

御坂 「どれだけ科学が発達しても、この手の原始人は絶滅しないんだもの。科学の街ってのも名折れよね。」

そんなことを言いながら、彼女の足元には全治何週間になろうかという不良たちが死屍累々。
肉の焼ける、香ばしい匂いが立ち昇っている。
これでも手加減しているどころではないのだから、恐ろしいものである。

御坂 「あ、いっけない。待ち合わせの時間に遅れちゃう!」

時計を見て御坂は、白兎のように慌て始めた。

黒子 「ま、まさか殿方と、でででデート・・・!?」

御坂 「バッカねー、女の人とよ。」

ひらひらと手を振りながら、御坂は笑って歩き去った。

黒子 (女の人? お母さまでしょうか?)


- - - - - -


ファミレス。

御坂 「ごめ〜ん、待ったぁ?」

麦野 「遅い。どっかのウニ頭みたく、トラブルにでも巻き込まれてたのかにゃーん?」

御坂 「ま、そんなとこ。ちょろーっと不良に絡まれちゃってねー。」

麦野 「んなもん、さくっとブッ殺せば仕舞いだろうが。得意だろ?」

御坂 「やーね、麦野さんじゃああるまいし。」

麦野 「あんだとコラ。」

御坂 「今日は、他のみんなは?」

麦野 「あー、絹旗は映画、黒夜は水族館、滝壺は下っ端とデート、フレンダは家族サービスだとよ。」

御坂 「ふーん。それで麦野さんは独り寂しくファミレスですかー。」

麦野 「殺すぞガキ。」

御坂 「えっへへー。」

麦野 「何喜んでんだ。」

御坂 「いやー、第一位の私に、そんな乱暴な口きいてくるのって、麦野さんくらいだなーと思って。」

麦野 「テメェはマゾかよ。そういやイニシャルもMMだしな。」

御坂 「麦野さんはSM? わお、女王様。」

麦野 「殺す」

ビームが飛んだ。
これぞ、麦野沈利の粒機波形高速砲である。
遮蔽物という概念の存在しない、防御不能の貫通光線。

御坂 「よっ」

しかし御坂は、それを磁界で曲げることが出来る。

麦野 「おーおー、簡単に曲げてくれちゃって。」

しかし、それが高度な技術であることは、突き破られた天井が物語っていた。
目一杯に加減して撃っても、この威力である。
まともに食らえば、御坂とて一巻の終わり。
そんなものを平気でブッ放す麦野も大概、人格が破綻していると言わざるを得ない。

御坂 「あーあ、やっちゃった。」

流石に目立ちすぎた。
いつものように修理代と迷惑料を払って、御坂と麦野は外に出る。
店としては、連日このような状況は困ったものだが、
よくレベル5が訪れるファミレスということで有名になっており、
連日のように客で賑わっているので、出入り禁止にするのも惜しい。
迷惑料も、金銭感覚の破綻したお嬢様の出す金額であり、目玉の飛び出るような大金だ。

「小切手なんて、実物初めて見ましたよ・・・。」

新入りのバイトは、そう語ったという。


- - - - - -


数時間後、研究施設。

麦野 「・・・で、話って何よ。」

御坂 「そうそう、そのことね。」

ホットドッグを食べながら、御坂と麦野は屋外の空気を味わっていた。
テーブルには紅茶。香ばしい匂いが、あたり一面に漂っている。
だだっ広い中で、ぽつんとあるテーブルは、贅沢なのやら寂しいのやら。

麦野 「あ、鼻にマスタードついてるわよ。」

御坂 「おっと。」ゴシゴシ

麦野 「で?」

御坂 「・・・実験施設を防衛して欲しいのよ。」

麦野 「実験? あー、レベル6シフトか。最初見たとき、何かのギャグかと思ったわ。」

麦野 「スライムを二万匹ぷちぷち潰してレベルアップ! 爆笑したぜ」ククク

御坂 「それなんだけどねー、そのスライムに愛情が湧いたヤツがいるのよ。」

麦野 「愛情だあ? ・・・ま、確かにテメェのクローンだけあって、見てくれは良いからな。」

麦野 「それで、どこの馬鹿な研究者が、クローンに懸想しちゃったんですか?」

御坂 「研究者なら良かったんだけど、よりによって、あの“一方通行”なの。」

御坂 「第8251次実験のときに、殺人は許さないって、乗り込んできたわ。」

麦野 「はあ? ・・・オイオイ、第三位様はお人形遊びが好きでしたってか?」ケラケラ

御坂 「笑い事じゃないわよ。8251号の記憶を確認してみたら、あの馬鹿、符丁を教えてたみたいでね。」

麦野 「つまり、一方通行は今後の実験が行われる日時と場所を、全て把握していると。」

御坂 「そーゆーこと。」

麦野 「なるほど、それでアイテムにお鉢が回ってきたというわけね。」

第五位は統率力は高いが戦闘向きではなく、第六位は行方不明。
第七位の根性馬鹿に至っては、実験を妨害する側だろう。

力だけなら第二位の“スクール”に頼ってもいいのだが、
垣根帝督は統括理事長との直接交渉権を狙っており、
あわよくば第一位を殺して、その座に取って代わろうとしているフシがある。

麦野 「やるのはいいけど、消去法ってのが不愉快だにゃーん。」

御坂 「そんなこと言わないでよー。ギャラは弾むからさ。」

麦野 「つーか、テメェがカネ出さなくても、いずれ研究者どもが依頼してくるだろ。」

麦野 「第三位と戦うなら、どの道こちらも準備期間ってのが必要になってくるし・・・」

麦野 「その間に実験施設の十や二十が潰されても、かえって狙いが絞りやすくなるってもんでしょ。」

御坂 「確かにそうね。潰されたところで引き継ぎ施設を増やせばいいだけだし」

御坂 「私は自分のやるべきことを殺ってればいいか。」

香ばしい匂いが鼻につく中、お嬢様らしく優雅に紅茶を飲む。
別に気取る必要も無いのだが、令嬢らしい仕草が染み付いてしまっているのだ。

麦野 「やるべきことを、ねぇ。」

広大な実験場では、あちこちに麦野と同じ姿をした人間が、自身の肉片を散らかしていた。
それらは一様に焼け焦げていて、香ばしい匂いを放っていた。

麦野 「はあ、クローンってわかってても、自分の死に顔なんて見たくねーな。食欲失せるわ。」

御坂 「そお? 私は見慣れたものだけど。」アム

麦野 「おい、またマスタード。」

御坂 「また?」ゴシゴシ

麦野 「こうして見ると、お子様なんだけどな。」

御坂 「やだ、オバサンくさい。麦野さん若くて綺麗なのに、何かと言動が枯れてんのよね。」

麦野 「何だとコラ。ヤっちまうぞ。」

御坂 「きゃー麦野さんこわーい。」

麦野 「テメェのがよっぽどだろうがよ。劣化版とはいえ複数の私を、こうも簡単に八つ裂きに出来るもんかね。」

御坂 「だってアレらは、麦野さんじゃないもん。躊躇なんてしないわよ。」

麦野 「そっちじゃねーよ。実力の話。」

御坂 「それも含めて、アレらは麦野さんとは違うってこと。結局クローンは、オリジナルとは違うって訳よね。」

麦野 「フレンダの口調が感染ってんぞ?」

実験場には他にも、ガトリングレールガンや戦闘ヘリなどの残骸が散らばっている。
そんな中で呑気に茶会に興じているのは、光景としても心理としても、異様なものだった。


- - - - - -


製薬会社からの依頼という名目で、“アイテム”が施設防衛の任務を請け負うのは、
それから大して日にちも経たない、夏休みの真っ最中のことだった。


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