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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (X) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/04/30 00:12   >>

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◆ ◆ ◆



命を摘む

まさにその瞬間

私は相手の運命を支配した気分になれるの



結局コイツは私に殺される為に生まれてきたんだってね♪



◆ ◆ ◆



一方 「・・・っ!」

その寒気に似たようなものを感じたのは、施設を壊そうとする、
ほんのコンマ何秒前かのことだった。

生命の危機を感じる類ではない、生理的な嫌悪を催す恐怖。
ベクトル操作を中止して、一方通行は視界に現実を移した。

フレンダ 「いやー、死んだ死んだ。」

一方 「何で・・・生きてる・・・ありえねェ・・・」

思わず死体の所在を確認するが、消えてもいないし減ってもいない。
散らばったまま動かない肉片たちは、確かに本物の人間のもので、
目の前で笑っている金髪少女そのものだった。

フレンダ 「“生命資源”(ヒロイックコンティニュー)。私の命は無尽蔵に存在するって訳よ。」

一方 「 」

フレンダ 「殺傷力が皆無だからレベル5には及ばないけど、生存能力は高いっ!」

一方 「 」

一方 「・・・テメェが、ヒーロー? ふざけんじゃねェぞクソッタレ!」

一方 「ヒーローってのはなァ、誰かを助けるヤツのことを言うンだよォ!」

一方 「オマエのっ・・・・・・ナニがヒーローだってンだァっ!!!」

フレンダ 「・・・なんか地雷踏んだ?」

一方 「今まで散々、腐った奴らを見てきた・・・」

一方 「人間の脳を生きたままケーキみてェに切り刻むヤツ」

一方 「実験で廃人になったのを、強姦して下水に捨てるヤツ」

一方 「笑いながら自分のクローンを八つ裂きにするヤツ」

一方 「だが、オマエみてェなのには、まだ会ったことは無かったなァ・・・」


一方 「自分のクローンを、“残機”扱いにするクソ外道はよォ!!」


フレンダ (あちゃー、バレてるって訳よ。)

フレンダ (この分だと、私の能力についても大体読まれてるって考えた方がいいかな。)


学園都市には、レベル0からレベル5までの能力者が存在する。
しかし同じレベルであっても、その力はピンキリだ。

フレンダ=セイヴェルンの能力は、空間移動系の“アポーツ”。
場所を把握してあるものを取り寄せる能力だ。
自身を飛ばすことは出来ず、終点が自分の近くに固定されている。
距離と精度からレベル4認定を受けているが、
決して使い勝手の良いものではない。

一般的に、空間移動系は、大きな重量を移動できるほど強力だ。
最もレベル5に近いと言われるレベル4、結標淡希は、
同じレベル4である白井黒子の30倍以上もの重量を飛ばすことが出来る。

しかしフレンダの場合、大質量を飛ばせる見込みは殆ど無い。
彼女の能力は、“自分の重量に近いもの”しか持ってくることが出来ず、
距離が離れるほど、許される誤差はシビアになってくる。

すぐ近くに置いてあるものなら、小型ミサイルのような、
自分と何割も重量が違うものを取り寄せられるが、
遠く離れた場所から取り寄せるには、
殆ど自分と同じ重量でなければならない。

そこでフレンダは、自分のクローンを製造して、ストックとして置いておくことを考えた。
いざというときの盾としても使えるし、自分が死んだと思わせる偽装は、お手の物だ。

ゆえに暗部では、彼女はこう呼ばれている―――“不死身のフレンダ”。

フレンダ (あーあ、これで一八万円がパー。)

フレンダ (“他にも時間かけて買いたいものがたくさんあるのに、ホント困りもんって訳よ”)ハァ

余談だが、フレンダが“アイテム”の中で唯一、帽子を着用している理由も、ここにある。
顔を隠すだけなら、絹旗や黒夜のようにフードを被る方が、落とす心配が少ない。

一方通行が自身の服も含めて“反射”の対象にしているように、
能力者の“自分だけの現実”はフレキシブルだ。
脳科学の見地からすれば自然なことではあるが、難しいことを抜きにして言えば、
帽子や服も含めて、フレンダは“自身の重量”として認識しているということである。

胸のリボンなどもそうだが、フレンダの服装は、重量を調節しやすいようになっている。
身に纏うものさえも“生き延びること”に集約されたフレンダは、まさに暗部の申し子。
それは決して暗部からは抜け出せないであろう、悲しい才能でもある。


フレンダ 「・・・・・・」

フレンダ 「RPGとかって、やらない?」

一方 「あァ?」

フレンダ 「あれって、“魔王を倒すぞ”ってテンションでプレイする?」

フレンダ 「ストーリー性は必要だけど、結局“モンスターを殺すのが楽しい”から、やるんでしょ?」

フレンダ 「・・・そういう単純な話って訳よ。」

一方 「オマエ、何を言って―――」

一方 「 」

咄嗟に一方通行は、後ろへ跳んだ。
それは、本能的な危険察知だった。

一方 「―――!」

目の前を、まばゆい光が駆け抜けていく。

穴の開いた壁から出てきたのは、3人。
ロングヘアの肉感的な美女に、ジャージ姿の大人しそうな少女、それとチンピラ風の男。
リーダー格のロングヘアは、両手にグローブのようなものを嵌めている。

麦野 「先走って殺られちゃったのかと思ったけど」

麦野 「足止めに徹しろって言っておいたこと、思い出してくれたみたいね。」

一方 (・・・足止め! しまった!)

迂闊だった。せっかく死んだと思わせているのに、
わざわざ姿を現した理由を考えるべきだった。

あの状況なら、撤退するか奇襲するのがセオリー。
そうでないということは、動揺させて時間稼ぎするのが目的。

麦野 「よくやったわフレンダ。ギャラの分配、アンタの分は多めに見ておかなくちゃね。」

フレンダ 「麦野ぉ〜!」ウル

部下をねぎらう上司の図だが、眺めている場合ではない。
すぐさま一方通行は、ベクトル操作で瓦礫を投げつけた。

麦野 「は」

彼女は嘆息しながら左手を翳し、瓦礫を消し飛ばしてしまう。
元より、これで倒せるなどとは思っていなかった一方通行だが、
体勢も崩せないのには舌を巻くしかない。

一方 「・・・・・・」

あのビームは、粒機波形高速砲。
曖昧な状態のまま固定された電子を撃ち出す、“原子崩し”の光線だ。
だが、それだけではない何かを一方通行は感じ取っていた。

麦野 「で、あれが噂のインベーダーね。」

麦野 (やっぱりテメェかよ、一方通行ぁ。待ちわびたぜぇ〜!)

笑みが抑え切れない。

麦野 「滝壺、使っときなさい。」

麦野が滝壺に渡した白い粉は、“体晶”と呼ばれるもので、
普段はレベル3である彼女の能力を、レベル4相当まで高めてくれる。
ただし、体晶に適性のある滝壺であっても、かなり負担は大きいので、
麦野の裁量で使用を制限されているのだ。

浜面 (体晶を? よっぽどの相手ってことか。)

確かに、このメチャクチャな戦況は、
フレンダの爆弾によるものだけではないと、浜面は思った。

それに床に転がっているのは、フレンダのクローン体。
あれを使わざるを得ない相手ということだ。

浜面 (だけど可哀想なヤツだな。体晶を使ったら、あっという間に終わっちまうぜ。)

滝壺 「 」ギギギギギ


暗部組織“アイテム”のリーダーは麦野沈利であるが、要となるのは滝壺理后である。
レベル3の状態では、AIM拡散力場の感知しか出来ず、とても戦力とは呼べないが、
“体晶”を使ってレベル4“能力追跡”の状態になると、文字通りに“追跡”が可能となる。
いったん記憶したターゲットの場所は、地球の裏側であろうが正確に把握できるのだ。

それは、“遮蔽物という概念が存在しない”麦野の能力と、抜群の相性を誇る。
貫通力に関して“絶対等速”の上位互換である“原子崩し”が、滝壺の情報を頼りに放たれるのだ。

しかも“能力追跡”には、他者のAIM拡散力場に干渉する使い方もあり、
粒機波形高速砲の精度を高めることや、発射までのタイムラグを短くすることも出来る。

フレンダ (結局このコンボから逃げ切れるヤツなんていない訳よ。)

だからこそ、未だに逃げ続けているだけでも、ターゲットは大したものだと言える。
“感知”に関しては一方通行も得意のものなので、光線が来ることを察知して
なんとかギリギリかわすことが出来ているのだ。

浜面 「麦野!」

麦野 「・・・おう、もう三○発かよ。私も大概、早漏だにゃーん。」

いかに滝壺の補助があるとはいえ、“必殺技”たる粒機波形高速砲は、
まかり間違えば自身を滅ぼしかねない、諸刃の剣である。
ゆえに“アイテム”の取り決めで、三○発ごとにインターバルを設けている。

浜面 「すぐに回復する。十秒くれ。」

そのインターバルで、浜面仕上のレベル2“能力軽量”(AIMヘッジ)が、
能力使用によって生じる負担を、幾許か回復する。
所詮レベル2では微々たるものだが、その微々たる差が“アイテム”では大きい。

通常なら一割程度の負担軽減など、無能力と変わりない。殺傷力も無い。
しかし麦野も滝壺も、強力な性能と引き換えに負担が大きく、そうした能力に関して
浜面の“能力軽量”は、あつらえたようにピタリと当てはまる。
場合によっては絹旗や黒夜と組むフォーメーションもあり、
メカニックの扱いにも長けた彼は、“アイテム”の頼れる下っ端なのだ。

浜面 「よし・・・!」

滝壺 「むぎの。」

麦野 「ああ。」

インターバルで頭が冷えた。
麦野は粒機波形高速砲を、時間差で四発、一方通行めがけて撃ち出した。
それらは速さに緩急がついている。


一方 「・・・!?」

まともに光線を食らって、一方通行は吹っ飛び、床に転がった。

一方 (クソッ、考えやがったな・・・!)

ベクトルの感知に長けている一方通行は、相手のAIM拡散力場の“挙動”と、
発射される粒機波形高速砲の“向き”を解析して、それを回避していた。

しかし、“速さ”については、先ほど見たままの記憶しかない。
“向き”は微分演算によって極めて短い時間で解析できるが、
スカラー量である“速さ”を感知するには、どうしても“時間”を捉える必要があり、
遮蔽物を貫通しながら速度の変わらないビームを、回避できる時間が無いのだ。

まるでダンスを躍らせるようにして、一方通行は攻撃を受けてしまった。

一方 「クソッタレ・・・! 思ったより“反射”を貫通してきやがる・・・」

一方 「・・・こりゃあ、第三位の座も返上かなァ」ククク

苦し紛れの笑いを浮かべて、一方通行は今一度“解析”を行う。
そこで、妙なベクトルを見つけた。

一方 (なーンなーンですかァ?)

たとえ粒機波形高速砲が、どれほど威力が高いとしても、
“反射”の前では単なる“向き”でしかない。

普通に考えれば、一方通行の“反射”を貫ける要素など微塵も無い。
しかし一方通行は、ベクトル感知で嫌な予感を覚え、本能的に回避していた。

それが正解だったことは、一発で骨にヒビが入ったことからして明らかだった。
99.99パーセント以上は“反射”できているが、元々の威力が高いので、
わずかなパーセンテージだけでも大きなダメージになっている。

一方 (“反射”は正常にはたらいている。“能力追跡”で撹乱されてるわけじゃねェ。)

そもそも能力撹乱は、滝壺自身の負担が大きい。
相手の能力を撹乱するよりは、味方の補助をする方が合理的なのだ。
例外的に粒機波形高速砲が通用しない相手のみ、撹乱を使うことになる。

一方 (この正体不明のベクトルだ。コイツが俺の“反射”を突破してやがるンだ。)

次のインターバルに入ったようで、ビームが飛んでこない。
今のうちに少しでも遠くまで逃げようとした、そのとき。


一方 「あがッ!?」


麦野の蹴りが、一方通行の腹にクリーンヒットし、
その体を一瞬空中に浮かして床に転がした。

一方 「ぐッ・・・うェっ・・・」

麦野 「さーて問題だにゃーん。」

麦野 「“原子崩し”は果たして、何をやってるでしょーか?」

麦野 「さんにーいちドバーン!」

一方 「ぐごッ・・・かァっ・・・・・・」

一方 「・・・何故だ・・・“反射”が、はたらかねェ・・・・・・」


麦野 「異物の混じった空間。ここはテメェの知る場所じゃねえんだよ。」


一方 (異物・・・?)

この学園都市において、“異物”という呼称は、ある特定の人物を指し示す。

一方 「垣根、か・・・? そのグローブ、“未元物質”製・・・」

麦野 「“未元晶体”(シリコンダーク)。私の攻撃に“未元物質”の性質を付与する代物だ。」

麦野 「戦う相手がわかってんなら、対策を講じるのは当然だろうが。」

麦野 「“アイテム”を舐めるなよ、白モヤシ。」

一方 (クソッ、まじィ・・・他の連中も来てるだォし・・・どうする・・・?)

麦野 「もしかしてフレンダたちが来るのを心配してるのかにゃーん?」

麦野 「その心配は不要と言っておくぜ。」

“アイテム”は、互いのピーキーな性能を組み合わせることで、力を発揮する集団である。
ゆえに麦野は、完璧主義であっても個人主義ではない。他人に頼ることに関しては躊躇しない。
気に食わないヤツの能力で製造されたものであっても、使えるものは使う。

しかし、弱者の馴れ合いではないし、馴れ合いあってはならないと、麦野は考える。
暗部組織は、恐れられていなければならない。舐められてはいけない。
強力な連携を見せつけることは効果的だが、数で圧倒して勝ちを拾うのは舐められる戦法だ。

それに、滝壺の消耗が限界に近いし、フレンダのダメージも無視できない。
反撃されたときのことを考えれば、二人を浜面に任せて、麦野ひとりで戦う方が合理的。

・・・もっとも、麦野にとっては、タイマンの血が騒ぐというのも同じくらい大きい理由だった。

麦野 「他は帰したわ。アンタとはサシで勝負したいしね、“一方通行”。」

一方 (コイツの言葉・・・信用できるか?)

麦野 「多分アンタは今、私の言葉を信じていいのか考えてる。」

一方 「・・・・・・」

麦野 「笑わせんじゃねえぞ?」

麦野 「テメェなんざ、私ひとりで100回ブチ殺せんだよ。」

楽しげに笑う麦野の顔が、すぐ前にあった。

一方 「っ!」

麦野 「あはギャハっ!」

膝蹴りが一方通行に深くめり込む。
胃液を吐きながら、またしても床に転がされる。

“反射”がはたらている以上、どれだけ床に打ち付けてもダメージは無い。
だが、麦野から受ける攻撃は別だ。

一方 (しっかし、どォいうわけだ・・・?)

あくまで“反射”は無効化されていない。上条とは違う。
直接打撃は突破してくる割合が大きいが、
それでも“反射”したダメージを麦野は受けるはずだ。

解せないことは、もうひとつある。
何の前触れもなく消えて、まるでテレポートのような挙動をしてくることだ。
たとえ“幻想御手”のようなものを使っているとしても、まだ不可解。

高次元のベクトルだろうと感知して解析できる一方通行にとって、
テレポートしてくる相手の出現する位置は、手に取るようにわかる。
だが、麦野の動きを捉えることが出来ない。断じて普通のテレポートではない。

一方 (コイツはさっきもいきなり現れた・・・)

単なる高速移動では説明できないし、高速移動ならベクトルを感知できる。
だが、本当に何も感知できないのだ。

正直、ダメージを受けてない理由だけなら、
確信は無いが推測は出来ている。学園都市第三位は伊達じゃない。

しかしその頭脳を以ってしても、
“察知できないテレポート”の正体は、わからない。

一方 (まるで世界から消え去ったよォな・・・)

一方 (わからねェ)

一方 (こンなとき、木原くンならどう考える・・・?)

自分の思考は、開発者で育ての親でもある、木原数多の影響が大きい。
困難な状況に直面したとき、“木原数多ならどう考えるか”という思考で、何度も乗り切ってきた。
ペンデックスとの戦いでも、“攻撃対象を自分へ移す”ことで、上条の突撃を可能にしたのだ。

一方 (・・・)

一方 (・・・あ?)

結論から言えば、考えたことは正解だった。
思考のトレースとか、そういうことではなく、もっと直接的な意味で。

一方 (確か木原くンの論文に・・・)

一方 (イヤ待て、あれは机上の空論に過ぎねェ代物だ。・・・)

しかし、その一点を除けば、今の状況が全て説明できてしまう。
どうして“反射”したダメージを受けないのか、挙動なしにテレポートできるのか、
そして粒機波形高速砲よりも直接打撃の方が、“反射”を突破する率が高いことも。

“未元物質”を用いているのは、あくまで補助的なものであり、
やはり恐るべきは“原子崩し”麦野沈利。
起こっている現象を理解することでは出来ても、
それに対処できるかどうかは全くの別物だ。

一方 (ヤベェ・・・意識が薄れてきたァ・・・)

一方 (上条ォ・・・)

一方 (・・・)

一方 (・・・・・・)


一方 (・・・あン?)


ふと、その上条の言葉を思い出した。


『この右手は』

『それが異能の力であるならば』

『超能力だろうと魔術だろうと』

『問答無用で打ち消せる』


一方 (あァ・・・・・・)

一方 (あるじゃねェか)ククク


一方 (さァて問題です)

一方 (“一方通行”は果たして、ナニを思いついたでしょォか?)


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