佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (\) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/04/30 00:24   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

◆ ◆ ◆



小さい頃
俺が泣くよォなことは
眠ってる間に木原くンが
全部解決してくれた

あの実験も
あの日の出来事も
全部悪い夢で
目が覚めたら
なかったことに
なればいいのに

「・・・なんてなァ」

現実は甘くねェ

木原くンだって
何でも解決してくれる神じゃねェ

泣き叫んでいたら
それを聞いて
駆けつけてくれる
ヒーローなんていねェ

「・・・・・・て」

「たすけて・・・・・・上条ォ・・・・・・」



◆ ◆ ◆



上条 「昨日はさんきゅーな。」

10000号 「謝礼が目的ではありません、とミサカは返答します。」

上条 「その菓子パン、猫にやるんだろ?」

10000号 「・・・不可能です。」

上条 「はい?」

10000号 「ミサカはこの猫に餌を与えることは不可能です、とミサカは結論付けます。」

上条 「あ、そっか。発電能力者だから、磁場のせいで動物に嫌われやすいってことだな。」

10000号 「嫌われてるのではありません、避けられているだけです、とミサカは訂正を求めます。」

上条 (可哀想になってきた―――)

動物に触れないだけなら、可哀想ではない。
しかし、動物が好きなのに動物に触れないのは、
何とかしてやりたいと思わされる。

10000号 「そこで提案ですが」

10000号 「その右手でミサカに触れていてください、とミサカはナイスな提案をします。」

上条 「なるほど」

上条 「これでいいか?」

10000号 「あふ・・・」///

頭に触れられて、10000号は思わず喘ぎ声を漏らした。
男の子の手というのは、あったかくて大きい。

そして抱きかかえた子猫は、
小さくて柔らかかった。

10000号 (―――触れなくてもガマンしたのに)

上条 「そうだ名前、こいつお前の猫なんだから、責任持ってお前が決めろよ。」

10000号 「では、シュレディンガーと。」

上条 「・・・2分の1で死にそうな名前だな。」

上条 「あ、ちょっと本屋寄ってくわ。」


- - - - - -


シュレディンガー 「うにゃあ」

上条 「あれ、ひとりか? 御坂妹はどうした?」

ふと左を見ると、脱げた靴があった。
その先は路地裏に続いている。

上条 「おーい、そこにいるのかー?」

そこに確かに、“御坂妹”はいた。

上条 「 」

無造作にペンキをぶち撒けたような
あたり一面の赤、赤、赤。

鉄臭い独特の匂いが、
それが血液であることを物語っていた。

そして上条は
見覚えのあるゴーグルを目にする。

上条 「ミサカ・・・?」

上条 (嘘だろ?)

そこに“死体”と認識できる形状のものは無い。
粉々になっているものが、一個体の人間だったとは、
この“結果”からは想像できない。

上条 「ミサカ、ミサカ!」

上条 「いたら返事してくれ!」

シュレディンガー 「にゃあ?」


- - - - - -


あちこちを駆け回っている間に、
戻ってきてみたら全てが消えていた。

大量の鮮血も、ゴーグルも、靴も、
そこにあったのが嘘のように無くなっていた。

上条 「 」

上条 「どうなってんだ・・・」

上条 「ミサカ!」


10000号 「はい、とミサカは元気よく返事をします。」


上条 「あ・・・」

上条 「あはは・・・」

上条 「あー、疲れてんのかな。変な幻覚見てたみたいだ。」

上条 「あ、いや、お前にとっちゃ気分悪い話だろうけどさ」

上条 「お前が危ない目に遭ってるんじゃないかと・・・」

上条 「けど良かった! なんともないみたいだし。」

10000号 「あなたの言動には理解しがたい部分があるのですが」

10000号 「ミサカはちゃんと死亡しましたよ、とミサカは報告します。」

上条 「 」

上条 「ちょっと待てっ」

上条 「お前それ、何が入ってんだよ?」

10032号 「その袋に入っているのは9999号の残骸ですよ、とミサカは答えます。」

上条 「!?」

10033号 「黒猫を置き去りにしたことは謝罪します。」

10020号 「ですがミサカの都合で動物たちを巻き込むのは気が引けました、とミサカは弁解します。」

10039号 「お姉さまとも知り合いですし、実験場に入ってる時点で関係者かと思いましたが」

10801号 「どうやらあなたは完全な部外者のようですね、とミサカは」

「ここにいるミサカは」 「全てミサカです」 「ミサカは」 「どうやらあなたには無用な心配をかけてしまった」

「ミサカは」 「心拍数増加」 「発汗量の上昇を」 「ミサカは」 「黒猫は大丈夫でしたか、と」 「ミサカは」

「血液なら凝固剤を使って固めましたと」 「ミサカは」 「ミサカは」 「ミサカは」 「ミサカは」 「ミサカは」 「ミサカ

上条 「あ・・・う・・・・・・」

10000号 「心配なさらずとも、今日まであなたが接してきたミサカは検体番号10000号」

10000号 「つまりこのミサカです。」

10000号 「ミサカは電気を操る能力を応用し、互いの脳波をリンクさせています。」

10000号 「通称“ミサカネットワーク”。他のミサカは、このミサカの記憶を共有してるに過ぎません。」

上条 「・・・・・・お前は、“誰”なんだ!?」

10000号 「“妹達”ですよ、とミサカは自分がお姉さまのクローンである事実を述べます。」

上条 「 」


- - - - - -


木原 「よう、“幻想殺し”。そろそろ来る頃だと思ってたぜ。」

上条 「・・・ここんとこ、鈴科の様子がおかしかった。」

上条 「あいつは何を・・・」

上条 「今まで黙ってたことはいい。」

上条 「だけど、気付いてしまったんなら見過ごすことは出来ない。」

上条 「木原さん、あんたがこのことについて“何も知らないはずがない”。」

木原 「ハッ・・・どうやら頭は悪くないようで安心したぜ。」

木原 「ここで猪突猛進に第一位に向かっていくようなら、お前は死んだ。」

上条 「・・・っ」

木原 「いいぜガキ、洗いざらい教えてやる。」

木原 「レベル6シフト実験と、あのクソガキの、一世一代の頑張り物語を♪」



◆ ◆ ◆



一方 「かみじょォ・・・・・・」

実験施設を破壊し続けても、引き継ぎの早さは破壊を上回る。
三○分しか持続しないバッテリーでは、破壊できる数は限られる。

樹形図の設計者をハッキングすることも考えた。
しかし現実には、ペンデックスの放った攻撃により、
既に粉々になっていたのだ。

ならば、計画を推進している連中を、
片っ端から再起不能にしていくかというと、それでも
いずれは“超電磁砲”とぶつかることは避けられない。

どう転んでも、行き着くところは御坂美琴との直接対決しかないのである。

一方 「恐ェよ・・・」

対決したときの、度し難い痛みが蘇ってくる。
何度も何度も味わった、永遠に続くような痛み。

これまで“反射”してきた反動で、
一方通行は痛みに対して脆弱だ。
まさに御坂の言う通り、“弱い”。

シュレディンガー 「にゃー」

一方 (・・・?)

一方 (猫・・・?)


上条 「何やってんだよ、お前。」


一方 「・・・ハッ」

一方 「何なンですかァいきなり。夜遊び程度で説教ですかヒーローさンは。」

上条 「木原さんから全部聞いた。」

一方 「 」

上条 「“妹達”のことも、“実験”のことも、“超電磁砲”のことも」

上条 「お前が“妹達”を守ろうとして、脳に障碍を負ったことも」

上条 「みんな知ってるから。」

一方 「・・・・・・そォか。知られちまったか。」

一方 「木原くンは後で死刑だな」ククク

上条 「何で教えてくれなかったとは言わない。」

上条 「だけど、知ってしまったからには、見過ごすことなんて出来ない。」

一方 「・・・・・・」

一方 「・・・アイツらなァ、自分たちのことを平気で“実験動物”って言うンだ。」

一方 「その意味を正しく理解して、それでいて。」

一方 「だけど、アイツらは確かに、人間なンだ。」

上条 「ああそうだ、実験動物なんかじゃない。」

一方 「・・・」

一方 「限りなく絶望に近い運命は、絶望なんかじゃねェ」

一方 「・・・・・・そう、思ってたンだがなァ。」

上条 「・・・どこに行く気だ?」

一方 「今夜も実験は行われる。その前に俺の打てる手で、“超電磁砲”と決着つけてくるわ。」

上条 「勝てるのか?」

一方 「・・・・・・」

上条 「木原さんから話を聞いて、やり方がまどろっこし過ぎると思ったんだ。」

上条 「“実験”の要は、“超電磁砲”御坂美琴。そいつさえ倒せば、“実験”は潰れる。」

上条 「それをやらないのは、やりたくても出来ない。」

上条 「戦力差が開き過ぎて、ハナから勝負にならない、とかな。」

一方 「・・・あァ。その通りだァ。」

一方 「最初に対決したとき、コテンパンに負かされた。」

一方 「しかも今の俺は、前の半分のパワーで、十五分しか動けねェ。」

一方 「どォ転んでも、傷ひとつ付けられねェだろォな。」

上条 「だったら、何しに行くんだ。」

上条 「“超電磁砲”を倒せないなら、行く意味は無いはずだろ。」

一方 「・・・わかンねェのか?」

一方 「実験を終わらせる方法は、“超電磁砲”を倒すことだけじゃねェってことだ。」

上条 「・・・・・・」

一方 「単純に考えりゃイイ。」

一方 「御坂美琴がレベル6になれば、実験は完了する。」

一方 「第8251次実験のときに俺と戦ったことで」

一方 「実験は予定より順調に進んでいる。」

一方 「このまま行けば、二万人も死ななくて済むンだ。」

そもそも科学の実験において、実験動物を用意する場合、
誤差を考えて多めに用意しておくのが常である。
20000というキリの良い数は、そうした理由が背景にあった。

実際、一方通行と戦うよりもだいぶ前の段階で、
御坂美琴の成長度合いが、想定を上回り続けていることで、
残るは消化試合となっていたのである。

上条 「・・・・・・死ぬ気なのか。」

一方 「俺は腐っても学園都市第三位だぜ?」

一方 「そンな俺が死ぬまで戦えば、クローン何人分の役割になると思う?」

一方 「たとえ傷ひとつ付けられなくても、あっという間に死ぬことだけは無ェ。」

一方 「強敵と戦うのがレベルアップの近道ってのは、よく聞く話だろォ。」

一方 「この方法なら、俺が頑張るほど“妹達”は助かるンだ。」

一方 「こんなポンコツひとりの命で、何十人、何百人・・・」

一方 「ひょっとしたら、もう誰も死なずに済むかもしれねェって―――」


上条 「駄目だ。」


上条 「その方法だと、お前が救われない。」

上条 「残された“妹達”だって、命は助かっても、救われてない。」

上条 「そこにお前がいないんだからなぁ! 鈴科ぁ!」

一方 「ゴチャゴチャうるせェんだよ、三下ァ・・・」

一方 「だったら他に方法があンのかよ!? このイカれた実験を止める方法がァ!?」

一方 「世の中が全部テメェの思い通りになると思ってンじゃねェぞ!!」

上条 「それでも嫌だ。」

一方 「・・・話にならねェな。」

一方 「そもそも。“妹達”と俺とは、一蓮托生なンだよ。」

一方 「“妹達”が減るほど、俺の代理演算もショボくなる。」

一方 「最終的には言葉を喋ることも出来なくなって、クソやションベン垂れ流しながら生きていくンだ。」

一方 「そンなのは、死ンでるのと同じだろォ。」

上条 「木原さんから、サードシーズンのことも聞いた。」

上条 「代理演算は、そっちに任せる予定だとも。」

一方 「・・・じゃァ何かァ、オマエは“セカンドシーズン”が死んでも構わないって言うんですかァ?」

一方 「クローンだから死んでも構わないって言うンですかァ!?」

上条 「違う。」

上条 「お前と“妹達”、どちらか一方が死ぬなんて話じゃ、誰も救われないってことだ。」

上条 「だから・・・」

上条 「俺も戦う。」

一方 「 」

一方 「・・・ナニ、言ってンだか、わかりませんねェ。」ウツムキ

一方 「無能力者には、今の話は難しすぎましたかァ?」

上条 「それだよ。」

一方 「あァ・・・?」

上条 「学園都市最弱の無能力者と、パワーも制限時間もガタ落ちのポンコツ。」

上条 「そんなコンビ相手に倒されるようじゃ、到底“無敵”なんかになれるわけねえよな!?」

一方 「 」

一方 「・・・ハッ」

一方 「なるほど、馬鹿のオマエにしては上出来だァ。その理屈は正しい。」

一方 「だが、肝心な部分で駄目だ。」

一方 「実行不可能な理屈は、オマエがブチ殺してきた幻想と変わらねェ。」

一方 「俺とオマエが組ンだ程度で勝てるなら、今頃第二位あたりにトップの座を奪われてる。」

上条 「・・・それでも戦う。」

上条 「お前が戦うなら、俺も戦う。」

一方 「・・・・・・だったら、今ここで俺と戦え。」

一方 「オマエの“右手”が、どれほど“弱い”か、俺が教えてやる。」


一方 「かかってこい、“最弱”」


上条 「いいぜ鈴科」

上条 「お前が“超電磁砲”を倒せないって言うんなら」

上条 「まずは」

上条 「その幻想をぶち壊す!」


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
禁書SS 目録
自作まとめ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2016/05/01 00:16

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【とある】 第一位・御坂美琴 (\) 【パラレル】 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる