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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (]U) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/04/30 00:33   >>

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◆ ◆ ◆



エピローグ



◆ ◆ ◆



目覚めると、そこは真っ白な病室だった。

上条 「・・・・・・」

上条 「また同じ――病室か。」

上条 (俺がここにいるってことは、御坂妹が運んでくれたのか?)

一方 「よォ上条。」

横に一方通行が座っていた。

ベクトル操作で治療しているので
上条と違って歩けるようになっているが、
まだ怪我が治りきっていないことには変わりない。

松葉杖をついて、絆創膏を張っている。

一方 「レベル6進化実験は、永久凍結された。」

上条 「!」

一方 「“妹達”も健全な研究機関に引き取られて調整を受けることになった。」

一方 「クローンってことで短くなってた寿命も、7,8割程度まで戻せる。」

一方 「・・・って、木原くンが言ってたァ。」

上条 「・・・そうか。」

目の前で粉々になっていった少女は、
いったい何を思って、あんな実験に協力していたのだろうか。
そう思うと上条は、手放しで喜ぶことは出来なかった。

上条 「・・・・・・なあ、鈴科。」

上条 「御坂は、何であんな実験に協力してたのかな?」

上条 「自分のクローンを殺し続けるなんて、そんな・・・」

一方 「・・・さァな。」

一方 「・・・・・・」

一方 (・・・そォいや、御坂美琴がDNAマップを提供したことで)

一方 (筋ジストロフィーの治療法が確立したらしィな。)

一方 (もしも、実験に協力する条件が、自分のDNAマップを治療に使わせることだったとしたら――)


『私は自分より強いヤツが存在するのが許せないの。』


一方 (あンときは、くだらねェ理由だと思ったが)

一方 (もしかしたらアイツも、“力”が欲しかったのか)

一方 (誰にも束縛されねェ、強制されねェ、絶対的な力―――“レベル6”)

一方 (もしも俺が上条と出会ってなかったら)

一方 (やるせない思いを抱いたまま、実験を勧められたら)

一方 (“妹達”を殺しまくってたのは俺だったかもしれねェ)

一方 (だから俺には御坂美琴を憎む資格なンて無ェ)

一方 (アイツは死んだ)

一方 (・・・・・・)

一方 「上条ォ、アイツを・・・御坂美琴を恨んでいるか?」

上条 「・・・・・・わからない。」

上条 「“妹達”を殺したのは御坂だけど、御坂がいなけりゃ、“妹達”が生まれてくることもなかった。」

一方 「あァ・・・そォだな。」

歪んだ考え方だし、それに賛同する自分も歪んでいるのだろうと思う。
しかし一方通行は、それで構わないと思った。
あれだけの体験をしてきて、歪んでなかったら、その方が歪んでいる。

一方 「・・・じゃァな、上条。また見舞いに来るぜ。」

上条 「おう、またな鈴科。」


- - - - - -


入れ違いで、ゴーグルを装着した少女が現れる。
彼女は来るなり、上条の右手を自分の胸に当てた。

上条 「みみみみさかさん!? その手は一体」

10000号 「生体電気の流れから、あなたの脳波と心拍数を計測していただけです」

10000号 「とミサカは返答します。特に性的な意味はありません。」

上条 (この手は)

上条 (触れてる?)

しかし麻酔が効いているせいで、感触が伝わってこない。
つくづく不幸な男である。

上条 「・・・・・・まあ、お互い何とか帰って来れましたな。」

10000号 「そうですね、とミサカは相槌を打ちながら、お見舞いのクッキーを差し出します。」

上条 「こここ、これは、わたくしめが食べてもよろしいのでせうか!?」キラキラ

10000号 「デパ地下で一番高いのを選んできました、とミサカは高級そうな箱を取り出します。」

上条 「 」

10000号 「・・・・・・あなたの顔には不満が見られますが、とミサカは質問してみます。」

上条 「クッキーというなら手製がベストですな。」

10000号 「あなたは私にどのようなキャラを期待しているのですか、とミサカは不安要素を述べてみます。」

上条 「いやいや、あえて不器用なりに頑張ってみたボロボロのクッキーというのがね?」

上条 「男のロマンですよ、男のロマン。わっかんねーかなァ?」

10000号 「こんなとき、どんな顔をしていいのかわかりません、とミサカは苦笑いします。」クス

上条 「・・・いい顔で笑うようになったな。」

恥ずかしくて、とても口には出せないが、
この笑顔が見られたのなら
頑張った甲斐があったと思った。

これからも自分は、命がけの戦いに身を投じていくのかもしれない。
金輪際ごめんだと思いながらも、似たようなことがあったら
そんなことは頭から吹っ飛んで駆け出してしまうのだろう。

そう思わせるだけの価値が、その笑顔にはあった。

10000号 「それでは、ミサカは調整がありますので、と別れを告げます。」

上条 「おう。またな、ミサカ。」


- - - - - -


10000号 「風が気持ちいいです、とミサカは独り言を呟きます。」

10000号 「様々な香りが鼻腔を刺激し、胸を満たします。」

10000号 「過ぎ行く人々の笑い声が、耳に心地よく響きます。」

10000号 「太陽光線が肌に降り注ぎ、頬が熱を持つのを感じられます。」

10000号 「世界とは・・・こんなにも眩しいものだったのですね。」


病院の出入り口に、一方通行が立っていた。

一方 「・・・・・・」

一方 「なァ」

10000号 「はい、とミサカは一方通行に敬礼します。」

一方 「・・・・・・」

10000号 「どうしましたか一方通行、とミサカは首をかしげます。」

一方 「・・・もォ、芝居はいい。」


一方 「オマエ、オリジナルだろ」


赤い瞳は鮮血より暗く、
目の前の少女を射竦めるように睨んでいた。


10000号? 「・・・なるほど、ミサカはお姉さまのクローンではなく」

10000号? 「唯一無二のミサカという存在であると言いたいのですね」

10000号? 「とミサカは一方通行の気遣いに・・」

一方 「・・・あンな、俺は“反射”でも“操作”でもなく、“解析”が一番得意なンだわ。」

一方 「そのパワー」

一方 「高くてもレベル3程度のクローンには、逆立ちしても出せねェよ。」

10000号? 「ミサカは一万人の“妹達”と脳波をリンクしており」

10000号? 「お姉さまとの戦闘によって日々これレベルアップ!なので」

10000号? 「おかしなことなど何もありませんよ」

10000号? 「とミサカは・・・・・・ぶっ、くくっ」

一方 「 」

10000号? 「あーーーはっはっはっはっ!!」

10000号? 「やっぱ駄目だわ、アンタには誤魔化しきれないわ。」


10000号? 「そうよ、私は“超電磁砲”御坂美琴。」


一方 「――ッ・・・・・・」


御坂 「私がミサカネットワークにアクセス出来るのは知ってるでしょ?」

御坂 「元の体が真っ二つにされたとき」

御坂 「ネットワーク経由で、この子を乗っ取ったのよ。」

御坂 「“残機”は用意しておくものよね。」

一方 「・・・オ、マ、エ、はァ・・・ッ!!」

再び一方通行の背中から、黒い翼が現出する。

御坂 「ちょろっとー、こんなトコで戦ったら、あの馬鹿も巻き添えになるわよ。」

一方 「・・・ッ」

御坂 「それに」

御坂 「私の意識は既に、ミサカネットワークに偏在してるから」

御坂 「この10000号の体を破壊しても無意味です」

御坂 「と御坂美琴は無駄な争いを回避しようと努めます。」

一方 「テ・・・メェ・・・・・・」

御坂 「少しは感謝してよねー。」

御坂 「力を使い果たして気絶したアンタたちを病院へ運んだのも」

御坂 「バッテリー使い果たしたアンタの演算補助してやったのも」

御坂 「みぃーんなこの美琴さまなんだからね?」

一方 「 」

一方 「・・・ッ、なンで俺たちを、殺さなかっ」

一方 「今でも、生かしたまま・・・ッ」


御坂 「あれ、言わなかった? レベル5同士、仲良くしましょって。」キョトン


一方 「 」


最初から、戦いの次元が違っていた。
思えば最初の戦いでも、
一方通行は殺されていてもおかしくなかった。

一度目も、二度目も、
殺さないように“手加減してくれていた”のだ。


御坂 「あ、実験が凍結したのはホントよ。」

御坂 「もう“妹達”を殺す必要は無くなったわ。」

御坂 「私との一万回分の戦闘データを持つ個体が、一万体。」

御坂 「それを私が掌握することで、レベル6シフト実験は次のステージへ進む。」

御坂 「まずは、アンタらと戦ったときのレベル5.2を完璧に使いこなせるように。」

御坂 「そして、その先へ」


一方 「 」


見ているものが違いすぎる。
次元が違いすぎる。

これが“自分だけの現実”の差。


御坂 「じゃあ、まったねー。」

ひらひらと手を振って、御坂は去っていった。

たまりかねた一方通行は、
敷地内すべてに響くような大声で叫んでいた。


一方 「―――・・・クソッタレがァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」







   第一位・御坂美琴   了

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