佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「NEKTAR」 追憶T

<<   作成日時 : 2016/05/20 00:00   >>

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1938年のアルカディア。

“神酒”研究班の7名が集まって、赤黒い液体を眺めている。
量はビーカーに一杯、200cc程度。
『たったこれだけの量で、千人のA級エスパーが作れるというのか。素晴らしい、素晴らしい。A1級に限っても20人以上、1人に使うのならば超A級でも上々の・・・本当に、本当に、素晴らしいねえええ!』
三日月万里子は狂喜していた。傍から見ても息苦しくなるくらいに興奮していた。
『万里子さん、落ち着いてください。』
ノットー・リ・アースが窘めるが、万里子は収まらない。
『これが落ち着いていられようか。まだ金庫には、これと同じものが、じゅ、じゅ、10リットル! それすなわち、アルカディア20万人全てをB1級に出来るだけの量ということよ!?』
『しかし実際問題としてB級でも難しいですよ。出力を高めるだけで、制御の利かない代物ですから。今まで超能力を持たない者が、急に超能力を持っても制御できません。ましてA級なら、暴走して死亡。そんなところです。』
『夢が無いわね、ノットー。せっかくあるのだから使わねば・・・!』
『有効活用しようというのには賛成ですが、無理やり使わなくても。危険きわまりない物体には違いないのですから。』
『ああ?』
万里子はノットーを睨みつけた。
『万里子さーん、自分を見失わないでくださいよ。とにかくまずは分析です。多分、何かの血肉だと思うんですが・・・。』
『まだるっこしいことやってられるか。人体実験でも何でもやればいいわ。』
『駄目ですよそんなの。』
『透視はやればいいさ。けれども効能は実際に使ってみないと意味が無い。なあに、無理強いはしないわ。募ったら何人かは来るさ。』
『・・・万里子さん、怒りますよ。』
ノットーは顔を険しくして万里子を睨んだ。
『ああ、悪かった。わらしも分析には賛成だ。とにかくみんなで分析しよう。』
『そうしましょう。』
ノットー、万里子、シュシュ、アーク、レグナス、フィー、夜果里の7人は、手を繋いで円陣を作った。
レグナスの能力“共鳴増幅”によって7人の念を合わせて、S級にまで強化された過去透視能力が“神酒”を捉えた。
その途端に7人の頭の中に膨大な情報が入り込んできた。

―――うえええええっ!

7人は同時に口を押さえるか床に這い蹲るかして悶えた。
『こ、これ・・・!』
『ひどい・・・。』
『この液体、人間の血と肉!』
『うぷ・・・。』
大量に入ってきた情報は、“神酒”の正確な効能。
そして、この血肉の主が監禁されて血を抜かれ続け、最後には生きたまま粉々にされたというものだった。
血肉の主の名はダンツォルティ・アビリュステロス。史上5番目の神化系能力者であり、“神酒”とは彼自身だった。


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エスパー奇譚』長編小説 「千里」 NEKTAR 目録
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佐久間闇子と奇妙な世界
2016/05/20 00:00

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「なるほどこの万里子のノリが演技だとすると、前のイメージとの違和感も説明がつく」
コング「いんや、これは演技ではない」
ゴリーレッド「神酒研究班7名か。凄い顔ぶれ」
コング「レディに顔がぶれてるなんて失敬な」
ゴリーレッド「エルボードロップ!」
コング「待て!」
火剣「危険きわまりない酒であることは確かだ。制御不能のエスパーが溢れたら押さえきれねえ」
コング「神酒でも媚薬でも募ったら集まるだろう」
ゴリーレッド「分析は大事だ。シュミレーションも」
火剣「神酒とは要するにダンツォルティ・アビリュステロスそのものか」
コング「とりあえず夜果里を実験台にしよう」
ゴリーレッド「人の話を聞いているのか」
火剣「でも誰がダンツォルティを監禁したんだ」
コング「監禁していいのは美女と美少女だけだ」
火剣「アビリュステロスは女か?」
ゴリーレッド「まじめに議論しよう」
火剣「10リットルはヤバイな。管理は慎重に」
コング「人間というものは、巨大な力に憧れるDNAを持っているのだ。だから危険なものにも素晴らしい! と言ってしまう」
火剣「それが人間の佐賀か」
ゴリーレッド「字が違う」
火剣獣三郎
2016/05/21 00:30
>火剣さん
果たして万里子の態度は演技か本気か? これまでのイメージだけでなく、マッドサイエンティストの一面を持っているかもしれません。“神酒”には人を魅了してやまない力があります。

山田「演技しているのはノットーではなく万里子なのか。」
八武「いんや、冷静な人間でも狂気が潜んでいることはあるさ。」
佐久間「死根也も“神酒”に興味はあるか?」
八武「当然あるとも。私なら希釈して水道水にバラ撒く。」
維澄「C級エスパーが大量に増えそうね。」
神邪「アルカディアの悲願である、全人類エスパー計画を実現できるかもしれない代物。全人類には足りないですが。」
佐久間「1千万人のヒロピンファンをC1級にするのが限度かなァ。」
山田「どういう選別だ。」
神邪「増やせないんですか?」
佐久間「神化系能力だから増やせない。その代わり効能は永続する。」
山田「本人が死んでも、か・・。ダンツォルティは、こんな能力者に生まれたくはなかっただろうな。」
佐久間「ちなみに男だ。」
八武「なにっ、美少女がバラバラにされて飲まれてしまう猟奇的ロマンが、実現しない・・・だと・・・?」
山田「おい、流石に引くぞ・・。」
八武「男にせなあかんかったん?」
佐久間「なぜ急に関西弁。」
アッキー
2016/05/21 22:24

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