佐久間闇子と奇妙な世界

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<<   作成日時 : 2016/06/24 00:00   >>

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いつだって、欲しいものは手に入らない。

子供の頃から飢えていた。
自分が持っていないものを、人は持っている。
それは、お金だったり、おもちゃだったり、友達だったり、食べ物だったり、とにかくいろいろあるけれど・・・。

何故なんだと、いつも考えていた。
生まれが貧しいからか。
容貌が醜いからか。
痩せこけて骸骨のような、女も近寄らない体。

孤独だった。

物心ついたときは片親で、その母もすぐに死んだ。
それからは路上でスリやカッパライをする毎日だった。
疑問を持つ暇も無く、その日その日を生きるのに必死だ。

いつからだったか・・・疑問は何の前触れもなく湧いてきた。
何故?
何故?
欲しいものが何ひとつ手に入らないのは何故?

それは疑問ではなく怒り。
自分で自分に問うてみる。

ハム・トラックウェイ。お前は何か悪いことをしたのか。
何か悪いことをしたから欲しいものが手に入らないのか。

貧乏は悪いことか。
片親は悪いことか。

それとも? 生きる為とはいえ、罪を犯したからなのか。

欲しいものが手に入らないから罪を犯す。
罪を犯すから欲しいものが手に入らない。
悪循環?
堂々巡り?
何だろう、この気持ちの悪さは。

そういうことを考えるようになってから、何年かして目の前に「彼」は現れた。
クリエ・ソゥル。そう名乗った。

彼から貰った“神酒”という液体を飲むと、今までわからなかったことが、いろいろとわかるようになった。
そしてひとつの結論に達した。

欲しいものが手に入らないのは、自分が善だとか悪だとか、そんなこととは関係ない。
力が無いからだ。
力が無い奴は何も手に入れることが出来ない。

“神酒”を飲んで力を手に入れてから、いろいろと欲しいものを手に入れてみた。
何千ドルもする酒や、金持ちしか食べられないような高級食材。
今まで自分がどれほど「下」だったか思い知ったよ。
肥え太った男どもや、着飾った女どもを殺して食べた、肉や魚・・・。美味かったなあ・・・。

女ってのも試してみた。
あの、熱い肉の中を掻き分けて進む感触。
よかった。
忘れられない。

いつからこんな人間になったのか。
それはもう忘れたし、どうでもいいことだ。

ハム・トラックウェイ。
この名前とはおさらばだ。
これからはアンティローグの一員。
“貪婪”のディバウア・ネイバーだ。


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エスパー奇譚』長編小説 「千里」 NEKTAR 目録
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佐久間闇子と奇妙な世界
2016/06/24 00:01

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「みんな劣等生だったんだな。劣等生で孤独と聞くと同情しそうになる」
コング「僕は優等生だから劣等生の気持ちがわからない」
ゴリーレッド「友達がいないから孤独の気持ちはわかるだろう」
コング「煩わしい付き合いを求める人間の気持ちがわからない」
ゴリーレッド「やはり正体はモンスターか」
火剣「疑問を抱く暇もなく生きることで精一杯のサバイバル。こういう生活を続けていると疑問が怒りに変わる。そして強くなれるなら悪党になっても構わないという生命状態になる」
ゴリーレッド「それが魔の狙いだ」
コング「心の隙間を埋めようと悪魔の囁きで酒を飲んでしまうわけか」
火剣「善や悪の前に力をつけなければ話にならない世の中であることは間違いない」
コング「ディバウアも貪るような愛撫ならまだ罪は軽かったが本当に肉体を貪ったらダメでしょう」
火剣「最後は首切断のうえ、バラバラか」
コング「みんなむごいい」
ゴリーレッド「軽い発言は慎みなさい」
火剣「殺るか殺られるかだ」
コング「ノーモーションは効くな」
火剣「激村も助走なしのドロップキックだからよけきれない」
コング「暴力皇帝は常にノーモーション」
火剣「貪るは狐と・・・まだ(4)の正体が明らかにされていない」
コング「パラメッタもいる」
ゴリーレッド「まだまだ続くストーリー」

火剣獣三郎
2016/06/24 17:09
>火剣さん
まさしく魔の生命状態そのもの。ディバウア・ネイバーこと、ハム・トラックウェイは、持たざる者としての怒りを持っていました。

山田「こんな話を聞くと同情したくなる。」
佐久間「クレアの千里眼も万能ではないからな。アルカディアが救えているのは、ごく一部だ。」
八武「貧困は病という言葉は真実味があるねぃ。」
維澄「無い無い尽くし。自分には一生縁が無い世界を思って、やりきれない気持ちになってしまう人は多い。」
佐久間「円が無ければ縁が無いという言葉が日本にはある。」
神邪「痛烈ですね・・・。物欲より知識欲の方面に進んだのは、僕の人生における数少ない正解の1つでした。」
維澄「物的な力を背景にしなければ、訴えは響かない社会。マルクスも、批判は武器に勝てないと言っている。」
八武「悲しい世の中だ。」
山田「コムザインやカタストロの言葉が浮かんでくる。」
維澄「だけどマルクスは、言葉は力を集めるとも言っている。それこそユゴーが文学で民衆の力を集めたようにね。」
神邪「ディバウアは、まだそちらに合流できる側ですね。」
佐久間「おそらく上位陣に行くほど共感されなくなる。」
山田「うーむ。」
八武「パラメッタの行く末にも注目しなければ。」
アッキー
2016/06/24 23:18

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