佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「NEKTAR」 エピローグY

<<   作成日時 : 2016/06/29 00:00   >>

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はいはいは〜、オスカー・ダブリンと申します〜。
僕ほど親孝行な人間はいませんよ。

僕の母は、口やかましくて、いつも溜息ばかりでした。
学校の成績のことで30分も1時間も説教するし、僕が大切にしていたオモチャを平気で捨てたりもしました。
それはもう恨みました。何てことをするんだと。

しかし、大人になって、それは僕のことを思ってのことだとわかってきたのです。

口やかましいのは、僕に立派な人間になってほしいから。
溜息ばかりなのは、僕のことを心配してくれているから。
学校の成績について叱るのは、僕に優秀になってほしいから。
オモチャを捨てたのは、僕の成長を促す為。

ええ、今なら全てわかります。

僕の父は、よく暴力を振るってきました。
態度が悪いと殴られ、成績が悪いと蹴られ、母にも育て方が悪いと怒鳴り散らしていました。

違いますね、悪いのは僕だけです。
僕がいけなかったのです。

父は体で僕に教えてくれました。
マナーの悪い人間や、頭の悪い人間は、痛い目に遭うものだということです。
父の、強くなれという思いを込めた愛のムチによって、僕は逞しく機敏な人間になりました。

両親の愛情を一身に受けて、すくすくと成長した僕でしたが、そのうちに恩返しをしたいと思うようになりました。
僕が両親から受けた恩は、返しきれない程のものでしたが、そのうちの幾らかでも返せないものかと考えました。
政治家になって、歴史に残るような偉業を成し遂げようと思いました。

しかし、僕が身も心も大人になった頃、とんでもない事件が起こってしまったのです。
なんと、両親が離婚すると言い出したのです。
お前はもう大人だから、どちらに付いていくかは自分で決めろと言われました。

天地がひっくり返るようなショックです。
どちらか一方を選べって、選べるわけがありませんよね。
しかし僕は賢かったので、とても素晴らしい方法を思いついたのでした。

その夜、仕込んでいた睡眠薬でぐっすり寝込んでいる両親の首を、包丁で切り外しました。
日常的に父に鍛えられていた僕は、とても力が強くなっていましたが、それでも人間の首を切るのは骨の折れる作業でした。あ、ダジャレじゃないですよ。

両親は僕の鞄の中で、いつでも一緒です。
2人で僕を見守っていてくれるのです。

それからしばらくして、僕は素晴らしい人間に出会いました。
クリエ・ソゥルと、アイド・カルトー。
僕はこの2人に惹かれ、アンティローグに入りました。
オスカー・ダブリンの名を捨てて、“双尊”のペック・ペアとなったのです。
大出世です。
単なる一政治家よりも、世界を支配する組織の幹部である方が、ずっと偉いですものね。

父さん、母さん、あなたたちの息子は、こんなに立派になりましたよ〜!



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エスパー奇譚』長編小説 「千里」 NEKTAR 目録
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2016/06/29 00:01

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「ホラーだ」
コング「恐ろし過ぎる」
ゴリーレッド「親孝行かと思ったら親不幸。いや、そんな次元ではないか」
火剣「淡々と語るから余計に危険度を感じる」
コング「口やかましいのは良いが暴力はいけない」
ゴリーレッド「子供のオモチャを本人に聞かずに捨てるのは法律上は犯罪。子供が親を訴えて有罪になったことがある」
火剣「大人から見てガラクタでも子供にとっては宝物というのはよくある話だ」
コング「オモチャというのは電マやローターのことか?」
ゴリーレッド「違う。子供のおもちゃだ」
コング「♪オモチャのチャチャチャ、オモチャのチャチャチャ」
ゴリーレッド「歌わなくていい」
火剣「暴力は虐待でありDVだ。躾という言い訳は危険。子供が大人になった時にどうなるか」
コング「アイドがいたからダブリンは乗ったのだ。この子とできるかもと」
ゴリーレッド「首の骨を折ろう」
コング「待ちなさい」
火剣「愛のムチか」
コング「全裸美女をX字磔にして股に鞭打ち。これを愛のムチと言う」
ゴリーレッド「ネックブリーカー!」
コング「NO!」
火剣「酷い生い立ちばかりだな。やはり生い立ちは大事だ。生い立ちは自己正当化に使われやすい。自分は不幸な生い立ちだから多少のことは許されるという気持ちに陥りがちだ」
ゴリーレッド「チヤホヤ甘やかしても使えない大人になるし、教育は本当に難しい。答えがない」
コング「今夜飲みに行かないか? それ強制スか? ぐふふふ」

火剣獣三郎
2016/06/29 17:29
>火剣さん
アンティローグ十戒の中でも、ペックは異質かもしれません。自分が不幸な生い立ちだという自覚すらなく、アンティローグの建前を本気で信じています。

山田「恐い・・・。」
佐久間「ペックは十戒の元の文言通り、“両親を敬う”人間だ。しかし敬う相手が相応の人格者かどうかは別なんだなぁ。」
山田「妄信の恐ろしさを見た。生まれたばかりの子供にとって、親は絶対。そのまま大きくなったような人間だな・・・。」
神邪「プラス思考は見習いたい部分もありますが、相手を正当化してばかりだと歪んでしまいますね。」
八武「ある程度の自己正当化は必要だ。自己正当化が薄すぎてもペックのようになる。」
神邪「大人に疑問を感じた末に歪んだノーティとは、対照的ですね。疑問を感じなかったから歪んだ。」
維澄「皮肉で言ってるわけでなく、本心で言ってるの?」
佐久間「本人は本気だ。客観的には皮肉になってるが。」
八武「しかしアイドに惚れたあたりは、人の心が残っている。」
山田「惚れたのか?」
佐久間「アイド狙いかどうかは不明だが、クリエに危機を救われたわけでもないからな。」
八武「アイドがいなければアンティローグ結成はこうもスムーズにいかなかったと見る。」
神邪「そうか、だから彼女がクリエの次なんですね。」
山田「酷い過去ばかりだが、同情を誘ってるわけではないんだよな?」
佐久間「ああ、そういう話ではない。加害者の過去を語って同情を誘うのは、アッキーの嫌うパターンだと知ってるだろう。」
八武「ふむ・・?」
アッキー
2016/06/29 22:24

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