佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「NEKTAR」 エピローグ]T

<<   作成日時 : 2016/07/05 00:00   >>

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アンティローグ神殿は大騒ぎになっていた。

巫女全員で捕捉していたはずの、クリエ・ソゥルの意識が、消失したのである。
この突然の事態に、巫女たちは揃って血の気を失った。
下位の巫女たちはオロオロするばかりで、何も出来ない。
「クリエ様!?」
「クリエ様!?」
「どうなされたのです!?」
「クリエ様! ご返事を!」
ホーニーも、ミールディッシュも、レイジーナも、イナトスも、何が起きたのか把握できなかった。
意識を捕捉していても、状態までは読み取れていない。
しかし意識が消失したのであれば、それは死を意味している。
クリエ・ソゥルの死。彼女たちにとっては神の死。
しかし認めようと認めまいと、それは事実である。どれだけ呼びかけても、クリエ・ソゥルは応えない。
「クリエ様あ〜ん!」
ホーニーは、しまりのない顔で腰を振り始めた。
「ぐぎゃらららら!!」
ミールディッシュも錯乱し、神殿の食材を片っ端から食い始めた。
「クリエ様が死ぬはずない〜!!」
レイジーナも絶叫。
「・・・・・・。」
この混乱した状況に、イナトスも眩暈がしてきた。このまま自分も叫び声をあげて狂ってしまいたかった。
「・・・ぎぃやあ・」

「ははははははは・・・・・・」

「!?」
叫び声をあげようとした瞬間、イナトスの耳に不気味な笑い声が聞こえてきた。
「・・何よ、これ・・・?」
イナトスだけでなく、レイジーナも、ミールディッシュもホーニーも、正気に戻って口元をひくつかせた。
「はははははははは・・・・・・」
下位の巫女15名も含めて、その声の方向を見つめた。
「パラメッタ!?」
「あんた何、気味悪い声で笑ってんのよ!?」
「何がおかしいんじゃあ!?」
「パラメッタ・・・!?」
4人と15人に囲まれたパラメッタからは、今までのような卑屈な様相は消えていた。

―――パラメッタ?

―――いえいえ・とんでもございません♪

そこにいたのは、濁った瞳で笑う女。
他の19人が表情を凍りつかせている中、彼女だけは笑顔。
「我が名は“アビリュステロス”! パラメーツォルティ・アビリュステロス! はははははははは! ははは、あはははァ!」
巫女たちは何が何だかわからず動けない。
「クリエ・ソゥルも馬鹿な奴だ。せっかく何から何まで教えてやったのに・・・。それこそ変身能力の使い方から、女の味まで・・・。」
彼女は目を細め、体を小刻みに動かしてクスクス笑った。
「・・・何が何だかわからないけど、クリエ様を侮辱する奴は生かしておけねえっ!」
レイジーナがサイコキネシス全開で踊りかかるが、指2本で止められた。
しかも体の動きを奪われている。
「“アビリュステロス”の名を聞いて、“何が何だかわからない”って? それじゃあ雑魚と呼ぶしかないなァ。」
パラメーツォルティの細い目がカッと開き、濁った光がレイジーナを照らした。

「Good−bye Rare.」
その言葉と共に、レイジーナは粉々になった。

他の巫女たちも動けない。
パラメーツォルティのサイコキネシスに囚われ、全員が指一本動かせない。

「クークックック、アッハハハハ、ヒァッハッハ。ウェッヘヘヘ、イーッヒヒヒヒ。ああ。可笑しい、マジ笑える。ああもう、ウケる、その表情、サイコー、アッヒャッヒャッヒャッヒャ・・・・・・」

B級エスパーが18人、揃いも揃って、たった1人に動きを封じられている。
(馬鹿な・・・!)(馬鹿な・・・!!)(馬鹿なァ!!)
まだ信じられない18人を見ながら、パラメーツォルティはケタケタと笑い出す。

「マジで笑わせてもらったぜ? いつでも捻り殺せる立場にいると、殴られても蹴られても罵られても、楽しくて楽しくてたまらないわ〜! それよ! その表情! 今までストレス解消の道具でしかなかった存在が、実は自分たちの生殺与奪権を握っていたと知ったときの、恐怖とか、屈辱とか、悔しさとか、そういうのがヒシヒシと伝わってくる〜ん! 最っ高! 気ン持ちイイ〜!」

ここでパラメーツォルティに忠誠を誓い、奴隷となれば、命は助かったかもしれない。
しかし、今まで家畜以下に見下してきた人間に膝を折ることは、誰にも出来なかった。
パラメーツォルティは、それを完璧に見抜いている。
「アはァ、アはははは! やっぱりィ、わたしの奴隷になるのはプライドが許さないかァ。じゃあいいや、ウザいから死ね。」
突如として光球が出現する。

「Psycho−bomb.チッ、チッ、チッ、ボーン!」

爆発で神殿が吹き飛び、煙を払ってパラメーツォルティが笑う。
「ぷうっ、ゴミ回収しゅーりょー。」
しかし、ただ1人、イナトスが生きていた。
「わあ、生きてる生きてる。流石は七罪巫女ナンバーワン、“怠惰”のイナトスだ。その怒り顔を見るのも楽しいわあ。」
「力を隠していたのは貴様だけだと思うなよ!」
イナトスは念力を全開にした。
「ほう、その出力、A2級はあると見た。デュース・ディーバーと同じく、念力の“溜め”が利くタイプなのね。普段は動かないのも、そういうことか。」
「その通りだ。今の私の力は10倍・・・マーダ・アタルに相当する! お前も少しは出来るようだが、私には勝てない!」
「ああ、駄目だ。雑魚のセリフだ。必死こいて自分の力をアピールするときは、勝たないとみっともないよー?」
パラメーツォルティは念力の構えを解いている。
完全に舐めきった様子に、イナトスは勝機を見た。
(馬鹿め!)
最大スピードで、イナトスはパラメッタの咽笛を狙った。

「クッ」
拳が咽に当たる寸前、パラメーツォルティは歯を見せて笑った。
次の瞬間、咽を刺し貫かれていたのは、イナトスの方だった。
「かはっ・・・?」
「話にならないなあ。わたしの出力も能力も、お前の想像の範囲外だし。その程度のスピードなら、後の先で返すのに苦労はいらねーわな。」
パラメーツォルティは首を固定したまま背後に回り、イナトスに抱きついた。
「かふ・・・あふ・・・」
「ア・ハ・ハ・ハ・ハ・・・悔しい? 恐ろしい? 恥ずかしい? いいねえ、その感情。」
「ごっ・・・きひゃま・・・!」
「心配するな、お前が溜めに溜めたエネルギーは、このわたしが吸い尽くしてあげるから。」
「〜!?」
「天国と地獄を同時に味わうなんて、幸せだね!」
イナトスの体に、吐き気を伴う激痛が迸り、それと共に耐え難いほどの性的快感が襲ってきた。
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」
「全身の経脈からエネルギーを吸われ続ける苦痛と、全身の性感帯を同時に刺激され続ける快楽。これらを同時に味わえるなんて、滅多にない経験よ。」
「あぐ・・・がぐ・・・ひぐうううう!!」
「ほら、ガマンしないでイっちゃいなさい。そのとき、お前のエネルギーは全て、わたしのもの・・・。」
「あはっ! あんっ! あぐっ! 嫌ァ! もう・・ダメぇ! イッちゃあああああああ!!?」
絶頂して精根尽き果てたイナトスは、それでも気絶できずに、呆けた顔で小さく喘いでいた。
「・・・あン・・・デてる・・・私・・・イイ・・・」
パラメーツォルティは笑っている。
「イナトス、お前はわたしを虐めなかったから、大サービスだ。サイコボムもお前を殺さない程度に威力を絞ったし、一生に一度の快楽を与えてやったのよ。でもそろそろ時間です。サービス期間しゅーりょーってことで・・。」
「あ・・・・ン・・・・・・?」
「残り全部、いただきまーす♪」
「ひぎゃあああああああああああああああ・・・・・・・・!!」
イナトスは全身から体液を飛び散らせながら、恍惚の表情のままミイラ化した。

「ああ・・あハァ、わたしも濡れてきちゃったあ・・・。」
パラメーツォルティは、その場で自分の脚の間に手を押し込んだ。
「んん・・・・んはァ・・・・・・」

そのとき既に、国連軍の戦闘機が彼女に接近していた。
《あの女、空中で1人プレイしてやがるぜ!》
次の瞬間パラメーツォルティは、コックピットの横にいた。
「見とれてんじゃねーよ、バーカ。」
その戦闘機は粉々になり、他の戦闘機も次々に撃ち落とされていった。

乗員はパラメーツォルティがサイコバリアーで守り、一箇所に集められた。
「はっはァ、懲りない奴らだ。アンティローグの連中にすら通用しないオモチャで、このパラメーツォルティ・アビリュステロスに何をしようとしていたの?」
「・・・あ・・・悪魔・・・!」
「いいねえ、最高の褒め言葉だ。」
パラメーツォルティは歯を剥いて笑い、乗員の全てをミイラにした。

「あーん、物足りなーい♪ もっといっぱい食べたいな。ククク、アハハハ、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャア! ヒャァーヒャッハハッハ!!」



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エスパー奇譚』長編小説 「千里」 NEKTAR 目録
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「どうするレックス」
ゴリーレッド「これがパラメッタの正体だったのか」
コング「パラメーツォルティ・アビリュステロス。今までいじめた相手には全く容赦しない」
火剣「クリエ・ソゥルは完全に死んだのか?」
ゴリーレッド「全部教えたとは?」
コング「女の味まで?」
火剣「レイジーナもあっさり」
コング「巫女は殺すよりも辱めよう」
ゴリーレッド「黙れ」
火剣「動けないというのは悔しい」
ゴリーレッド「そうだったのか。いつでも捻り殺せるから余裕だったのか」
コング「ここは生きるためにプライドを捨てて忠誠を誓い、奴隷になりますから命までは助けてくださいと懇願したほうがいい」
ゴリーレッド「一理あるが、そうはしなかった」
火剣「イナストも悲惨な目に」
コング「いきなり殺されるよりは最後に究極レベルの快楽を体験できた」
ゴリーレッド「関係ない」
コング「耐え難い性的快感なんて一生に一度も味わえない人間が大多数」
ゴリーレッド「軽いな」
コング「深夜2時まで『魔王ダンテ』の動画を見て寝不足なんだ」
ゴリーレッド「見るな」
火剣「永井豪ワールド全開」
コング「スリルと恐怖と絶望の儀式。王女も容赦なく全裸大の字拘束で生贄にされ、『殺さないで! やめて!』と命乞いしてるの胸に剣を突き刺す! むごいい」
ゴリーレッド「その笑顔に16文キック!」
コング「があああ!」
火剣「パラメータはクレアたちと戦うのか?」
火剣獣三郎
2016/07/05 11:21
>火剣さん
今まで正体を押し隠し、周囲を騙し続けてきましたが、ついに本性が牙を剥くときが到来しました!
残る巫女たちを殲滅し、クリエ以上の強敵として顕現。エピローグの後に続くアンコールが始まります。

山田「パラメッタ・・・!?」
八武「むうう、予測していなかった!」
佐久間「迫害された者が無害だとは限らない。むしろ苦痛を溜め込み際限なく歪むことが多い。」
神邪「これは僕の中で、パラメッタさんの評価が鰻登りです!」
維澄「無意味に虐げられていたわけではなかった。周りの人々を見定めていたんだね。」
八武「私の評価もググッと上がった。快楽攻めからの絶頂死、これこそ美の宝庫だよ・・・。」
佐久間「むごいからこそ興奮する。それが永井豪ワールドの魅力。」
山田「危ない奴らだ。」
佐久間「褒め言葉だな。『子供に見せちゃいけません』と言われるのも、ある意味勲章だ。」
維澄「下着泥棒など破廉恥罪で捕まるのは情けないけど、エッチな表現が過激すぎて逮捕されるのは、ステータスになっているね。」
八武「とんでもないことが待っていると予感しながらも、ダンテは進む。進まずにはいられないんだよ。たとえ眼前に見えるのが断崖だとしても、空を飛べるかもしれないだろう?」
山田「詩人だな。」
佐久間「ダンテだけにか?」
神邪「俄然エクストラフェイズが楽しみになってきました。暗いエピローグは、この前フリだったんですね。」
佐久間「その通り。疑いながら読めば、黒幕の存在が見え隠れしてこないか?」
八武「む、まさかあのスカウトは・・・。」
アッキー
2016/07/05 21:54

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