佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 呪われた森 1

<<   作成日時 : 2016/08/05 00:00   >>

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うっそうと茂る原生林は、風や虫たちの奏でる自然音で満ちている。
都会では無神論者の人も、雄大な自然の中には精霊を見る。
蒸し暑い空の下で、ひとりの若い男が両手を後ろで縛られていた。
ナイロンのロープや手錠などの、現代文明が漂う道具ではなく、草の蔓を編んだ古代文明の技巧。
「放してください!」
「そういうわけにはいかない。」
褐色の、凛々しい顔立ちの女が言った。
優秀な翻訳機は、言語の橋渡しをするには十分だったが、意思を通せる機能は無い。
周囲を取り囲む女たちは、言葉が通じることに驚きつつも、縛めを解こうとはしなかった。
「ここは古くから、女しか生まれない村だ。せっかく捕らえた男を簡単に放すわけにはいかない。」
「あ、アマゾネス・・・!」
彼は青くなった。これから何をされるか、わかってしまった。
「お前は、この村の共有財産だ。女たちに子種を提供してもらうぞ。」
「お断りします。僕には妻がいるんです。」
大勢の女とセックスできることを、喜ぶ男も少なくない。
しかし彼には、愛する妻がいる。彼女を裏切ることは出来ない。
「お前の意思は関係ない。試させてもらうぞ。」
「待っ・・」
褐色の女たちが彼の衣服を剥いでいく。
「おおっ、凶悪・・・! これは丈夫な子供が出来そうだ。」
アジア系の血が濃い彼は、ともすれば少年にさえ見えてしまうが、その肉茎は立派な男のものだった。
そこへ女が腰を下ろそうとする。

「やめたまえ。」

怜悧な声は、いきなり響いてきた。
女たちが硬直した隙を突いて、青年は腕を引かれて助け出される。
「間一髪だったね、竜太郎くん。」
「先生・・・。」
「それとも、もう少し待ってからの方がよかったかね?」
「冗談は抜きですよ先生!」
切れ長の瞳に、細く伸びた睫毛。白い髪をなびかせて、白衣の男は笑った。
それを囲むように、武器を持った女たちが駆けつけた。
「お初にお目にかかります。私は八武死根也です、よろしく。こちらは弟子の闇鮫竜太郎。」
「ヤブシネヤに、ヤミザメリュータロー・・・。」
「そうです、私の名前は八武死根也。この森に秘薬を求めてやって来ました!」
剣や槍に囲まれながらも、八武は穏やかな声で宣言した。



つづく

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八武死根也シリーズ小説目録
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2016/08/15 00:06

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
八武せんせー!八武せんせーの登場だよ!
最初、アマゾネスと聞いて遊戯王カードの方を思い浮かべていました。精霊界にでも迷い込んだのかな、と。ここ最近はすっかりデュエル脳モードになっている私。
八武先生は医学のため、薬のためなら世界中どこにでも出没するんですね。どんな経緯で竜太郎君とバラバラになっていたのかはともかく合流出来てよかった。
ここから一方的に八武先生のターンが始まる気がする…。
千花白龍
2016/08/05 00:11
>千花白龍さん
予告通りにドクター登場! 実は遊戯王のイメージが結構あったりします。やらしいデュエルで相変わらずのBMG白い肌だったので、こちらでは褐色の魅力を存分に味わってくださいませ。
いわゆるプラントハンティングというやつですが、いつものようにガールハントになっていくのか、それとも・・・?

山田「真面目に植物を採集すると信じよう。」
神邪「では僕は、真面目に美女を襲うと信じます。」
山田「希望を折らないでもらえるか?」
維澄「でも八武だからね・・・。」
アッキー
2016/08/05 01:04

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