佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 呪われた森 2

<<   作成日時 : 2016/08/06 00:00   >>

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さかのぼること数日前、八武は製薬会社の社長と会っていた。
「率直に申しますが、この森から薬の材料を採集してほしいのです。」
野座間茅菜(のざま・ちな)は、健康的な雰囲気の、明るい笑顔が特徴的な女で、30代の若さにして会社を中堅どころまで成長させている。いわゆるヤングエグゼクティブだ。
学生時代はアーチェリーをやっていたという彼女は、引き締まった肉体をしており、八武は劣情を催した。
「引き受けましょう。」
八武は躊躇いもせずに、二つ返事で承諾した。
「しかし何故、私に依頼を?」
「“呪い”を恐れない者は、限られているからです。」
「・・・ふむ。」
地図に示された場所は、一部で有名な魔の森であった。
これまでにも屈強な男たちが大言壮語を吐いて向かったが、森の入口に至っただけで蒼白になり、そのまま逃げ帰って発狂する有様。今では誰も、森に近寄ろうとすらしない。
「佐久間さんに依頼することも考えましたが、法外な料金を取られそうで・・・。」
「まァ、そうだねぃ。」
妖艶な笑みの悪友を思い浮かべて、八武は苦笑いした。
呪いの類は彼女への効力は薄いが、呪いの被害より大きな金銭的被害をもたらす女だ。
「しかし私の料金も法の外ではあるよ?」
「わかっています。依頼達成の暁には、わたしを・・」


- - - - - -


「―――というわけなのさ。」
数々の武器を突きつけられたまま、八武は説明を終えた。
「子種が欲しいのなら、私が無料で提供しよう。竜太郎は妻がいるから、見逃してやってくれ。」
「せ、先生・・・。」
思わず、「先生にも妻がいますよね!?」と言いそうになったが、竜太郎は言葉を飲み込んだ。
「私ひとりの犠牲で済むなら、喜んでこの身を差し出そう。」
「・・・お前は、医者なのか?」
「うん? そうだが。」
思わぬ質問が出てきたので、八武は胡散臭い笑顔から、一転して真顔になった。
「誰か病気にでも罹っているのかね。それとも怪我か。」
「そうだ。酋長の娘が、“呪い”に蝕まれている。」



つづく

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八武死根也シリーズ小説目録
<収録作品> ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2016/08/15 00:06

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
八武先生の医者としての何がしかで薬を探していると思っていましたが、依頼だったんですね。野座間さんは佐久間さんとも知り合いですか。八武・佐久間と知り合いってだけで裏で何かやってると思ってしまうけれども、きっと気のせい。

さて、八武先生の献身(よくぼう)によってこの場は収まると思った次の瞬間、呪い!八武先生の本領発揮ですね。
医者はどこだ→私が医者だ
千花白龍
2016/08/06 10:58
>千花白龍さん

通常業務の他に、こうした依頼を引き受けることもあります。医者というより、何でも屋に近いでしょうか?
裏がありそうな依頼者ですが、美人というだけで引き受けるのがドクターの流儀。もとい欲望。
そんなわけでアマゾネスの村にやって来ましたが、どうやら一筋縄ではいかない状況です。

山田「死根也はウィッチドクターも兼ねてるのか?」
佐久間「酋長の娘とは違うようでさ♪」
維澄「佐久間は既に依頼されたの?」
佐久間「そう思うか。」
神邪「法外な料金を請求して、引き下がられたのではと。」
佐久間「そういうわけではないんだが。」
アッキー
2016/08/06 22:29

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