佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 海水浴へ行く話 (閲覧注意)

<<   作成日時 : 2016/08/17 00:00   >>

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八武 「青い空! 白い海! 眩しい太陽!」

山田 「お前の視線は、水着ギャルにしか向いてない気がするが。」

2人とも海パン姿だが、八武は白衣を羽織っている。
やや変態的な見た目だが、内面の変態度に比べれば大したことはない。

八武 「泳ごうたって、この人ごみでは無理な話ではないか。」

山田 「まあな。」

維澄 「隊長♪こんな人ごみでは♪とても泳げません♪」

佐久間 「そんな弱気でどうするか♪俺について来い♪」

パーカーにサングラスの維澄は、泳ぐつもりがないようだ。
そして佐久間は、極端に布面積の少ない、ほぼ紐のような水着だった。
長身でスレンダーかつグラマーな肢体が、浜辺の男たちの視線を独り占めである。

佐久間 「バカ水着に、バカには見えない水着をチューニング!」

山田 「・・・・・・・・・。」

透明なビキニが、佐久間の肢体に装着される。

佐久間 「シンクロ召喚! サイバー・ボンテージ(露出多め)!」

神邪 「・・・っ、なんという攻撃的なエロス!」

佐久間 「さあ、泳ぐぞ。道を開けろ人ゴミども。」

維澄 「人混みだよ。」


しかし非情なアナウンスが流れた。

アナウンス 《ピンポンパンポーン、沖合いでタンカーの事故が発生し、大量の重油が流出しています。お気の毒ですが、あなたの海水浴は終わってしまいました。》


佐久間 「何だと! この私の海に何をするんだ! ガッデム!」

山田 「お前の海じゃねえよ。」

八武 「潮に混じって重油の匂いが・・・うえっぷ・・・」

神邪 「あ、重油が流れてきました。」

維澄 「帰ろうか?」

佐久間 「黙れ貧乳! 私は前にここで泳いだぞ!」

金属の鎧を纏った佐久間は、そのまま海に入っていった。

佐久間 「案外いけるではないか! 進め! 進め!」ザブザブ

山田 「うわぁ・・・」

維澄 「腰まで重油(ドロ)まみれ♪だがバカは叫ぶ“進め”♪」

佐久間 「進め! 進め!」ザブザブ

佐久間 「ぬるぬるした感触が気持ちイイぞ、お前らも来い。」

山田 「誰が行くかバカ。」

八武 「そうだよ、軽油ならまだしも。」

山田 「ここにもバカがいたか。」


それから30分ほどして。


佐久間 「ぎゃぼーーー!?」

維澄 「午後になって♪溺れながらの叫びが聞こえて♪」

維澄 「佐久間のエロ水着が♪海に浮かんだ♪」

八武 「おやおや、鮫にでも襲われたのかねぃ?」

山田 「自業自得としか言いようがないな。」

神邪 「大丈夫ですかね?」

山田 「この程度で死ぬなら、とっくに死んでる。」

八武 「海水浴では、鮫より佐久間の方が恐い。」

すると重油に塗れた美女が上陸してきた。
何故か既にビキニを着ている。

佐久間 「誰の存在が、神々しく輝いてるって?」

山田 「言ってない。」

佐久間 「お前ら、裸になって私を捜索しろよ。」

維澄 「その手があったか。」

佐久間 「栞じゃねえよ。山田と死根也だよ。」

山田 「死体じゃないから探さない。」

八武 「なるほど、肢体であって死体ではないと。上手い。」

神邪 「何で溺れたんですか?」

佐久間 「足が攣った。」

八武 「長いこと泳ぐから・・・。」

維澄 「腰まで泥まみれ♪だがバカは叫ぶ“進め”♪」

山田 「これでも中高時代の成績は6年間トップだったんだがな・・・。頭の良いバカって最悪だよな。」

佐久間 「そんなに褒めるなよ、照れるじゃないか。」

維澄 「成績良いのは知ってたけど、6年間トップだったんだ。」

佐久間 「山田と同率首位になることの方が多かったけどな。」

八武 「2人とも満点だったわけだ。」

山田 「少し違う。高校時代、佐久間と俺とは同期の桜・・・もとい傭兵稼業で、出席日数はボロボロなんだ。」

佐久間 「テスト8割、平常点が、提出物と出欠で1割ずつだからな。」

神邪 「なるほど、出欠だけはパーフェクトが取れないですね。」

山田 「出欠は、参加でプラス、消極的不参加でゼロ、積極的不参加はマイナス点になる。だから、授業を妨害したりする奴は倍の点を引かれるが、欠席はその分を失うだけだ。俺たちにとって都合のいいシステムだった。」

佐久間 「あの高校の理念は気に入っている。中学はゴミだったが。」

神邪 「中学では、どうやってトップだったんですか?」

佐久間 「別に何もない。周りのレベルが低すぎただけだ。なにしろ、勉強が出来る奴は格好悪いなんて風潮があるような、ろくでもない底辺校だったからなァ。」

山田 「いや、進学校ではあったと思うぞ。進学率も高かったし。」

佐久間 「学業を蔑ろにする風潮があるところは、みんな底辺だ。」

神邪 「そこは同感ですね。勉強が出来ることが悪く言われる環境は、どうにも居心地が悪いんです。」

八武 「ところで、体を拭かなくていいのかね?」

佐久間 「サンオイル代わりだ。」

山田 「重油はサンオイルの代わりにはならねえよ。」

佐久間 「ボインを高温でカラッと揚げてみました!」

山田 「轢くぞ。」

維澄 「しかし褐色の佐久間も良いものだね。」

神邪 「同感です。」

維澄 「重油の匂いを除けば、だけど。」

八武 「ふむ、粘性の液体を浴びた美女・・・ちょっと写真を撮っちゃおう。」パシャパシャ

佐久間 「タイトルは、『髪までヘドロまみれ』でいいか?」

維澄 「皆で♪行った海水浴場が♪満員だったとき♪」

八武 「光の下で♪水着ギャルを♪堪能した♪」

維澄 「佐久間は僕らに♪海を泳いで♪渡れと言った♪」

維澄 「膝までヘドロまみれ♪だが佐久間は言った“進め”♪」

佐久間 「ぶっちゃけ私しか進んでなかったけどな。」

山田 「俺たちの関係は民主主義だからな。」

神邪 「それ原曲は何ていうんですか?」

維澄 「『腰まで泥まみれ』」

維澄 「私が子供の頃に聞いてたのは阪大ニグロだけど、中川五郎や元ちとせのバージョンも悪くないね。」

佐久間 「しかし海に来て河を渡る唄を歌うとはな。」

山田 「重油をサンオイルにしてる奴の言うことじゃないな。」

維澄 「私にとって夏のイメージは、海水浴とかではなくて、戦争なの。」

維澄 「勇ましい唄は嫌いじゃない。左翼ソングなんて、軍歌や闘争の唄が多いものだし、むしろ好きだよ。」

維澄 「だけど、その根底に反戦の意識が根付いてなければ、やがてチープなファシズムへと流されていく。」

維澄 「共産主義革命は、その性質上どうしてもファシズム的な性質を帯びるのは避けられないのだから、しっかりと反戦の感覚が染み付いてから学ぶべきだと思うよ。」

佐久間 「栞は前に、最近の作家は戦争観がチャチだとか言ってたな。」

維澄 「言ったっけ? チャチな思想でも面白い物語は書けると言ったことは覚えてるけど。」

佐久間 「それかな。」

神邪 「けっこう毒舌ですね。」

維澄 「私は元々、けっこう口は悪いよ。」

佐久間 「リヴァイ兵長はそんなこと言わない。」

山田 「ペトラかっ。」

八武 「戦争観が拙いというのは、ハガレンとか、まおゆうの話だったかね?」

佐久間 「あと禁書とか。」

山田 「そんなチャチか? 俺は結構丁寧に描いてると思ったが。」

佐久間 「山田は典型的な80年代生まれだからなァ。」

維澄 「念押しするけど、面白い物語だという前提で、だけど戦争観は気に食わないというだけの話だからね。」

八武 「ふむ。」

佐久間 「まァ、作品の思想が気に食わないなら、自分で書けばいいだけの話だしな。」

山田 「単純に読むのをやめる人が多いと思うが。」

佐久間 「それじゃあ面白くないじゃないか。物語は面白いのに、思想で切り捨てるのか? ファシストめ。」

山田 「納得したが、一言余計だ。」

神邪 「何となくわかりますが、言語化するのが難しいです。」

維澄 「まあ、荒川に関しては、単純にチャラいんだろうね。開拓の苦労は本州の人間が及びもつかないことを知ってるけれど、戦争については、体験者に話を聞いたというのが信じられない。」

佐久間 「体験者にもピンキリあるからな。山田とて、傭兵として戦場を経験してるのに、このザマだ。」

山田 「何だよ。」

維澄 「極論すれば、あの世代というだけで体験者になるからね。どうしてもピンキリある。」

八武 「地域の差かねぃ。」

維澄 「それはあると思う。だけど北海道だからってわけじゃないと思うし、沖縄でも地域によって意識の差は大きかったりするからね。基地に対する反感は、地域差がハッキリ出る。」

八武 「ふむ、それは知らなかった。」

維澄 「キンブリーは狂人ではなくて、狂った世界で唯一まともな人間だと思うよ。ヘリウス・ヴォルグや仙水忍に近いところがあるね。」

神邪 「しかし、作者の思想以上のキャラを描けるものなんですか?」

維澄 「それは荒川の誠実さだね。創作は現実を反映するし、創作に真面目なほど現実を反映する。チャラいのは思想であって、人格じゃない。」

山田 「なるほど、佐久間は思想は深いが、人格はチャラいな。」

佐久間 「黙れ小僧。」

維澄 「現実を見て♪何を思うかは♪あなたの自由だ♪」

維澄 「あなたはこのまま♪思い通りに♪書き続けたいだろう♪」

維澄 「だけど世の中見るたび♪浮かんでくるのは新たなアイデア♪」

維澄 「脳まで毒まみれ♪だが作家は描く“リアル”♪」

佐久間 「プロット通りには書けない宿命だな。」

神邪 「他の作家に関しては、また違うんですか?」

維澄 「ああ、前にも言ったけど・・・基本的に、“寄る辺なき時代”がベースにあるんだよ。進学すればカネが稼げる保証は無くなり、結婚して子供を産めば幸せになれるとは限らなくなり、思想は混迷を極めている。」

維澄 「前はソビエト崩壊をメインに語ったけれど、政治的な思想は後付けだ。生活面での不安定さ、もっと言えば人生における指標の欠如が、イデオロギー方面に波及しているわけだよ。」

八武 「自分で自分の幸せを決めていかねばならないわけだねぃ。レールに乗った人生は退屈かもしれないが、レールの全く無い人生は、何事も自分で道を切り開かねばならない労苦がある。」

維澄 「このままでは駄目だと、大勢が思っている。特に若い世代ほどね。だけど肝心の左翼は当てにならない。とりわけ日本の左翼は・・・まあ私も含めてだけど、活力に欠ける。」

維澄 「キーワードは“不安定”。今まで当たり前だったものが、当たり前でなくなり、寄る辺なき状況。だったら自分の信念に従って生きるしかないじゃないか。たとえチャチな思想であったとしてもね。」

佐久間 「さっきから批判してるのか賞賛してるのか曖昧だな。」

維澄 「言い換えれば、何事も単純(バカ)ほど強い。良し悪しは別にしてもね。」

山田 「佐久間のことだな。」

佐久間 「誰の人格が、複雑怪奇でミステリアスだって?」

山田 「佐久間ではあるまい。」

維澄 「だいたい、反戦を唱えてる連中が胡散臭いだろ?」

佐久間 「まあな。・・・俺は『平和を守ろう』ってフレーズが昔から嫌いでね。今ある平和だけを守ることしか考えず、未だ平和でない部分を無視する奴らが、大嫌いでね。」

神邪 「そこに欺瞞がありますよね・・・。反戦平和を熱心に唱える人が、学校での迫害に関心が薄すぎる。」

維澄 「昔から疑問だったのは、反動勢力を食い止めたことに対する過剰な喜びだ。平和を1ミリも拡大していないのに、どうして喜べるのか。・・・まァ個人的には、そんなゴミクズどもは左翼だと思っちゃいないけどね。」

佐久間 「いよいよ本性が出始めたな。」

維澄 「彼らとは部分的共闘を目指していきたいと思っています。」(オブラート100パーセント)

佐久間 「A∩Bが空集合でないことを祈ってやろう。」

維澄 「話が逸れた。まおゆうや禁書、不自由論など、幾つかの作品を見ていると、寄る辺なき現実に晒されているのが、よく見える。そこを見ないで、思想の拙さだけを取り沙汰するのは間違っている。」

維澄 「若い作家の思想を俯瞰できるのは、先に生まれた者の特権だけど、チャチだからといって排斥するなら、それは集合AとAの否定が互いに否定の関係であるように、どちらが排斥されるのかな?」

維澄 「だから私は、チャチな思想だという評価は崩さないけど、排斥もしない。かつてアッキーの思想がチャチだと冷遇した連中が、どれほどのことを出来ているというの?」

佐久間 「流石は私の認めた唯一の左翼だな。だが、ひとつ言っておくが、まおゆうや不自由論の作者は栞より年上だぞ。死根也よりは年下だが。」

維澄 「私の感覚は、70年代生まれの一般的なそれではないからね。幼い頃から同年代と話が合わず、大人とばかり話が合った。八武と同世代の感覚で生きてると思う。」

八武 「ならば私と結婚しようではないか。」

山田 「お前は何を言ってるんだ。」

佐久間 「ところで重油が乾いてタール化してるんだけど、どうしよう。」

維澄 「脱皮でもすれば?」

佐久間 「貴様そんなに私を全裸にしたいのか。」

維澄 「そうだよ。」

神邪 「そもそも脱皮できるんですか?」

山田 「出来るんだ。何故かは知らないが。」

佐久間 「むしろ硫酸で洗い流そう。」

神邪 「やめてください。」

佐久間 「大丈夫だ、硫酸には脱水作用がある。」

神邪 「余計に駄目じゃないですか。」

山田 「大丈夫だ神邪、この程度で佐久間は死なない。」

佐久間 「硫酸のシャワーだ!」

両手を広げた佐久間に、硫酸の雨が降り注ぐ。

佐久間 「ぎゃあああああああ!!」

神邪 「痛がってますよ?」

八武 「安心したまえ、獅子目言彦の悲鳴も、いびきだったではないか。」

佐久間 「日焼けにしみるぅうううう!!」

山田 「ほらな。」

神邪 「何で火傷しないんですか?」

維澄 「どうしてビキニが剥がれないんですか?」

佐久間 「神邪の質問にだけ答えてやろう。私は硫酸に耐性を持っているんだ。」

神邪 「ということは、そのビキニも硫酸に耐性を持っているんですね。」

維澄 「ガラス繊維か何かかな。」

佐久間 「触るな変態。」

八武 「ところで、海の重油どうするね?」

佐久間 「回収するから、先に帰ってろ。」


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