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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (19) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/08/30 00:10   >>

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◆ ◆ ◆



昔々あるところに、強大な能力者と組織がありました。
組織はその能力者の数を増やせばもっと大きな力が手に入ると考え、たくさんのクローンを作ることにしました。

その為に組織は、強大な能力者のDNAマップを入手し、二体のクローンを製造しました。
片方に実験と投薬を繰り返しでデータを集め、もう片方に記憶と経験を転送しました。

実験体になったドリーは、ただでさえ短い寿命を、実験と投薬によって縮められていました。
そんな中、彼女は、みーちゃんとと出会いました。
みーちゃんと過ごす時間は、とても楽しく、つらい実験を忘れられるひとときでした。

しかしある日、みーちゃんはいなくなってしまいます。
体の傷を気味悪いと思われたのでしょうか。
ドリーは嘆き悲しむ日々を過ごしました。

だけど、みーちゃんは戻ってきてくれたのです。
髪の色も、匂いも違ったけれど。



◆ ◆ ◆



御坂 「アンタ・・・・・・本当に中学生・・・?」

思えば、図書室で“警告”を発したときにも
同じ質問をされた。

あのときは、のっぴきならない状況だったものだが、
今はシュールギャグでしかない。

食蜂は呆れながら、ふと
かつて自分が彼女のクローンに
言ったことを思い出した。

『アナタ本当に中学生ぇ?』

中学生らしからぬ幼さのドリーは、
本当に中学生ではなかった。

御坂美琴の質問は、その逆の意味だろう。
中学生らしからぬ大人びた態度と体格。
そして何よりも、内面。

食蜂 (・・・内面力が子供らしくないのは、お互い様なんだけどねぇ。)

けして丸っきりの大人でもない。
同年代と比べても幼稚な部分はある。
しかし明らかに常軌を逸した精神年齢を持っている。

平穏な日常と能力レベルはトレードオフの
関係にあると、つくづく思わざるを得ない。

レベルが低いのは、努力が実らないのではなく、
平凡で大切なものを捨てていないだけだ。
それは羨ましくもあり、愚かしいとも思う。

御坂美琴に対する感情は、いっそう複雑だ。
高レベルでありながら、日常も人一倍。
天真爛漫でワガママな、まさしく“お嬢様”。

そしてドリーの素体でもある彼女に、
食蜂が抱く感情は混沌としている。

羨ましくて、妬ましくて、愛しくて、意地悪したくなる。
切なくて、憎らしくて、理不尽とわかっていながら怒りを感じる。
尊敬と軽蔑が織り交ざった、不安定な感情を抱いている。


食蜂 「・・・まぁ事情は把握したわぁ。」

食蜂 「迂闊に動き回ったら最悪死んじゃうしぃ」

食蜂 「そうでなくてもイレギュラーな動きが上条さんたちを邪魔してしまうかもしれない。」

御坂(ゲコ太) 「そ、お互いにとって不幸な結果にしかならないのよねー。」

食蜂 「・・・」

食蜂 「だけど」

食蜂 「それなら記憶を消す必要力は無かったはずよねぇ。」

御坂(ゲコ太) 「心配しなくても、バックアップは取ってるから、後でちゃんと戻すわよ。」

御坂(ゲコ太) 「アンタも普段からやってることでしょ?」クビカシゲ

食蜂 「ちゃんとぉ?」

食蜂 「都合よく改変してるように見えたけどぉ?」

インデックスは、御坂のことを“短髪”と呼んでいたはずだ。
それがさっきは、“みこと”と呼んでいた。


食蜂 「上条さんのことを忘れている間に、あの子と“仲良くなる”。それが御坂さんの企みでしょぉ?」


記憶を消したのは一時的なこと。
それは信用できる。

そもそも記憶を消したままでは
上条が黙っていないだろう。

しかし、御坂の狙いはそこではない。

インデックスが上条と同じくらい
自分のことを好きになるように。

そうでなくても、少なくとも
自分と上条の仲を応援できる程度には。

彼女からの好感度を高めておくこと。

食蜂 「そりゃあ私にとってもあの子は恋敵だしぃ」

食蜂 「御坂さんを責めるのは筋違いかもしれないけどぉ」


食蜂 「とびっきり下衆い能力の使い方よね。」


御坂(ゲコ太) 「・・・・・・」

御坂(ゲコ太) 「当麻が私以外の人を好きになったら?」

御坂(ゲコ太) 「私以外の人が抜け駆けして当麻を寝取ったら?」

食蜂 「・・・・・・」

御坂(ゲコ太) 「ヒロインの座? 主人公との絆?」

御坂(ゲコ太) 「何でそんな不確かなものに胡坐をかいていられるの?」

御坂(ゲコ太) 「明日にでも、ぽっと出の新規ヒロインが当麻の隣で笑ってるかもしれない。」

御坂(ゲコ太) 「アンタにとってインデックスがそうだったように。」

食蜂 「・・・ッ」

御坂(ゲコ太) 「私は必要な情報は出来るだけ手に入れるわよ?」

御坂(ゲコ太) 「場合によっては劇的な物語を演出もするわ。」

御坂(ゲコ太) 「人の限界を知った気になってる神様に、自分の運命を任せる意味なんて無い。」

御坂(ゲコ太) 「only my railgun・・・・・・“私だけの現実”は、神様にだって弄べはしない。」

食蜂 「・・・・・・」

人としては間違っているが、ひとりの女としては正しい。
下衆で外道だが、能力を無闇に振り回してはいない。

自分も例外なく人格破綻者だから
彼女の言ってることは隅々まで理解できる。
その狂おしいまでの情念が、よくわかる。

この狂った世界で暮らしていて、
上条との思い出が生きる糧な食蜂は、
御坂の言うことを否定できない。

もしも上条の脳が正常なままで、
インデックスを助けたことで食蜂との
思い出が破壊されていたとしたら・・・

食蜂 (きっとメチャクチャにしたわねぇ)

考えつく限りの苦痛を与えて殺すか、
いや、いっそ“心理掌握”で
肉体そのものを乗っ取ってしまうか。

・・・そうしなかった自信は無い。


御坂(ゲコ太) 「別に論破したかったわけじゃないんだけど」

御坂(ゲコ太) 「ここで会えたのは、いい機会だわ。」

御坂(ゲコ太) 「アンタ、私の名前で何してんの?」ギロ

食蜂 「・・・さぁ?」

食蜂 「教えてあげる義理は無いわね。」

食蜂 「御坂さんのお友達が危険な目に遭ったわけでもないでしょぉ?」

御坂(ゲコ太) 「これから遭わないとは限らないわ。」

食蜂 「心配しなくても、御坂さんを敵に回すようなことはしてないわよぉ。」

御坂(ゲコ太) 「・・・」

御坂(ゲコ太) 「だったら、監視がてら協力させてもらうわ。」

御坂(ゲコ太) 「私とアンタが組めば、最善で最速。アンタにもメリットは十分だと思うけど?」

食蜂 「・・・・・・」

感情を別にすれば、それは頷ける提案だった。

この際、裏切る可能性は考慮しなくてもいい。
考慮したところで、どうにかなるものでもない。

問題は木原幻生が御坂を警戒して
姿を現さない可能性が増えることだが、
メリットと天秤にかけた場合
どちらに秤が傾くかは言うまでもない。

食蜂 「・・・ひとつ、いいかしらぁ?」

食蜂 「アナタみたいな人でなしが、どうして私に協力してくれるのかしらぁ。」

御坂(ゲコ太) 「妹の最期を看取ってくれた人を助けるのに、理由なんて要るの?」

食蜂 「・・・ッ」

御坂(ゲコ太) 「アンタのことは正直、いけ好かない奴だと思ってるけど」

御坂(ゲコ太) 「アンタにもアンタなりの正義や信念があるのなら」

御坂(ゲコ太) 「それだけで歩み寄る理由には、十分だと思うわ。」

食蜂 (ああ、まったくぅ)

このお姫様は、なんて自分勝手で傲慢なのだろう。
こちらが抱いている思いの複雑さも知らないくせに。


―――だからこそ、愛しい。


食蜂 「・・・握手はしないわよぉ。」

食蜂 「元々、私一人で済ますつもりだったし」

食蜂 「仲良くお手手つないで行動する必要は無いのよねぇ?」


どの道インデックスを守る為に、御坂は一日動けない。
まずは今まで通り食蜂とカイツが行動し、
御坂の本格参戦は翌日からとなる。


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