佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 屍の街 7

<<   作成日時 : 2016/09/16 00:00   >>

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もくもくと燻る煙が、夕暮れの空を舞うカラスへ向かって流れていく。
季節を感じさせない、うっそうとした街。薄暗い街。
公害を撒き散らしそうな雰囲気の工場に、ネオンサインのけばけばしい歓楽施設。
のどかな田畑に、倒れそうな案山子、藁づくりの屋根、木造家屋。
都会と田舎がごった返したような、鵺のような一帯。
そこへ現れたのは、屈強な体格の男。簡素なシャツと、ズボン。
「佐久間め、何でこんな場所に来いとか・・・。」
山田太郎(やまだ・たろう)という、八武とは逆の意味で冗談みたいな名前の彼は、佐久間から呼び出しを受けて、この街にやって来たのだ。
「しかも、お前は誰だ?」
後ろを振り向かずに、山田は言った。
彼の背後には、不気味な光景があった。
ぱっくりと空間が円形に割れて、そこから窓の外を眺めるように、1人の少女が山田を見つめていたのだ。
茶色のショートヘアに、白いブラウス。下着が透けて見える。
「はあい、私は佐久間です。」
「佐久間? 違うな。どんなに別人になっていようが、俺は奴を見分けられなかったことはない。」
山田は険しい眼で少女を睨む。
しかし少女は臆することなく、けらけらと笑った。
「自分だけは彼女を見失わない? それって愛だね。でも私が佐久間ってのは嘘じゃないよ。」
そう言って少女は、窓の中から出てきた。
空間が閉じて、元の風景に戻る。
水色のミニスカートを履いた少女は、ぺろっと舌を出して頭を下げた。
「初めまして、山田さん。」




つづく

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八武死根也シリーズ小説目録
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