佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 屍の街 9

<<   作成日時 : 2016/09/18 00:00   >>

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闇の支配者ミクモウが死んだのは、ある世界軸で1億年も前のことだった。
魂を持たないミクモウの精神は粉々に分かれ、世界すら超えて散っていった。もう元には戻らない。
しかし、精神の大部分は、ひとつの世界に散らばっていた。それらは再び元に戻ろうとした。それが起源。
佐久間という苗字すら無かった頃からの、佐久間一族の悲願。ミクモウの復活。
その為に、ミクモウの精神を宿す者同士は近付き、婚姻を結んだ。親から子へ、精神は受け継がれていった。
ミクモウの精神が色濃くなるほどに、それは加速する。同朋の存在を察知し、取り込んでいく。
人間は、ミクモウの精神を継承するだけの、肉の器に過ぎない。結ばれる相手は、決められていた。
どれほど歳が離れていようが、どれほど嫌な相手であろうが、ミクモウの精神に突き動かされて結ばれた。
それを繰り返し、繰り返し、やがてミクモウの精神が50パーセントを超えたとき、不完全ながら復活した。
1982年8月3日、ミクモウの精神の55パーセントを持つ、佐久間闇子の誕生である。
それは同時に、それ以外の一族の存在意義を失わせるものでもあった。

「不公平だと思いませんか? 私だって“ミクモウ”なのに!」
緑色のカーディガンとロングスカートの少女は、滲む目で闇子を睨んだ。
「この私が、佐久間筒子が、お前を食らい尽くしてやる。私がミクモウとして君臨する。」
「馬鹿め、貴様ごとき貧弱な魂に、ミクモウの精神が扱えるとでも思っているのか?」
「やってやる。」
筒子は、大きく口を開いた。
そこには鋭い牙と、尖った舌があった。
「あんぐ。」
「んっ、く・・・」
首を咬まれて、闇子の顔に苦悶が走る。



- - - - - -



「ほーい、山田さーん、逃げてばっかじゃ逃げてるだけだよー?」
円窓は空間を自在に移動しながら、爆弾を投げつけている。
「・・・っ、弾幕が雨あられだな。感謝感激してる暇も無いぜ。」
180センチ100キロの肉体を躍動させ、山田は逃げ続ける。
しかし街へ向かうことはしない。街中でも平気で爆弾を使うタイプだと、山田は見切っていた。
「もーい、よーい、ナパームでも使おーかい。」
「やっぱ佐久間一族にロクな奴はいねえ!」
全力ダッシュからの跳躍で、山田は街の中へ逃げ込んだ。
ナパームで焼き払われたら、どの道、街は焼け野原。そうなる前に、佐久間と合流する望みに賭けた。

だが、目の前に白衣を羽織っただけの医者が、裸で走ってくる。
「うおおおおおおおおおおおお!! おおっ、山田くん!? 何故ここに! しかし助かった!」
「何で全裸なんだよ!?」
「白衣を羽織っている! 全裸ではない!」
その背後から、全身トゲだらけの女がトゲを発射しながら追いかけてくる。
「っ!?」
「助けてくれ山田くん、奴はヴァギナ・デンタータ・・・もとい、佐久間撃針! レイプしようにもトゲが邪魔だ!」
「こっちが助けてほしいくらいなんだがな・・・今まさにナパーム弾が発射されようとしているんだが!」
「なんだと!?」

しかしナパームは放たれなかった。
「あーれー、撃針? 何で八武医者を逃がしたのさー?」
「仕方ないじゃない。名乗った瞬間に射精されて、それを顔面に浴びたんだもの。」
「あわわ、ご愁傷サマー!」
「でも、2人まとめて半殺し、いえ、達磨(四肢切断)にしておきましょう。」
「させるか!」
山田が撃針の前に立ち塞がった。
「うむ、交代だ。私は円窓ちゃんの方が相性が良さそうだ。」
ぶらんぶらんさせながら、八武は腕組みした。
「・・・っ」
「おや、そんな顔をされると、いきり立ってくるではないか!」
男の逸物を見て顔をしかめる円窓に、八武は興奮を覚えた。
「うおおおお!! こんなに大きくなっちゃった!」
八武は、もはや変態以外の何者でもなかった。



つづく

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八武死根也シリーズ小説目録
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2016/09/19 00:10

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